MENU

相対評価と絶対評価とは?メリット・デメリットや近年の傾向を解説

URLをコピーする
URLをコピーしました!

相対評価とは、集団の中での順位によって個人の評価を決めていく方法です。一方、絶対評価は、順位に関係なく、ある基準に対する成績や達成率によって個人の評価を決める方法を指します。

企業における人事評価では、これまで相対評価を採用するのが一般的でした。

しかし近年では、従業員の成長につながりやすい絶対評価を採用する企業が増えてきています。

そこで本記事では、相対評価と絶対評価それぞれのメリット・デメリットや絶対評価を導入する企業が増えている理由、絶対評価を運用するポイントについて解説します。

目次

相対評価とは?

相対評価とは、集団のなかでの順位によって個人の評価を決めていく方法です。客観的なデータや業績に基づいて評価することが多いので基準がブレにくく、公正・公平な評価方法として浸透してきました。

反対に、順位に関係なく一定の基準・成績・到達率によって個別に評価をする方法が、絶対評価です。近年は絶対評価を取り入れる企業が増えており、従業員の成長や個人ごとに異なる個性を評価する風潮が高まりました。

相対評価のメリット

まずは、相対評価のメリットを解説します。なぜ以前から多くの企業が相対評価を導入してきたのか、理由を知ることができるのでぜひ目を通してみましょう。

組織内に競争意識が生まれやすい

相対評価にすると、自分が十分に努力していても同僚の努力次第で評価が変動するため、適度な競争意識が生まれます。「同期に負けたくない」「誰よりも早く出世したい」という良いプレッシャーが生まれ、競争心から仕事を頑張り始める人も多いのです。

また、周りを意識しながら業務と向き合うことで自分自身を客観視しやすくなり、集団のなかで秀でようという意識が生まれることもメリットとして注目されました。

事前に人件費を調整しやすい

相対評価の場合、「S評価をするのは上位〇%」「B評価を受ける人の割合を60%程度にする」など事前に評価結果のバランスを調整できます。そのため評価結果反映後の人件費に見通しが立てやすく、コスト面でのメリットが大きいのが特徴です。

人事戦略に合わせて評価を変動したり、特に優れた上位数%の人に対するインセンティブを上げると社内告知してモチベーション向上を狙ったり、さまざまな対策を打てるのもポイントです。

評価者の作業負荷が少ない

相対評価ではある程度一定の評価基準が定められているため、評価者の作業負荷を軽減できます。特に、売上・顧客数・単価など定量的な業績を上位順に並び変えるだけで評価が完了する企業であれば、評価の工数は圧倒的に削減できます。

つまり、マニュアルに基づいて評価すればよいので、マネージャー側の精神的負担も減らせるということです。「曖昧な評価基準にしたくない」というときは、相対評価の導入を検討するとよいでしょう。

相対評価のデメリット

相対評価には多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。思わぬネガティブな効果が生まれてしまわないよう、あらかじめデメリットも確認しておきましょう。

従業員のモチベーションが低下しやすい

圧倒的な業績を発揮する従業員がいる場合、他の従業員のモチベーションが低下しやすくなるので注意が必要です。「どれだけ頑張ってもあの人が1位だろう」「自分が頑張っても同じだけ周りが頑張ってしまったら評価は変わらない」などネガティブな考えも起きやすくなります。

相対評価によってモチベーションが上がるのは、自分に自信があり十分な業績を発揮できる一部の従業員のみ、というケースもあるのです。

従業員の成長を反映しづらい

相対評価では、個人の成長を反映しづらいのが難点です。

例えば、全くの未経験で入社した新人が1年で大幅に成長した場合でも、支店内での成績が上位に食い込まない限り高い評価を得ることはできません。同様に、一度落ち込んだ成績をV字回復させた従業員がいても、結果的に平均程度の業績に落ち着いた場合は評価されることがないのです。

努力したことそのものを評価されないような企業体質になってしまい、前項のようなモチベーション低下につながることも少なくありません。あらかじめ相対評価のデメリットとして、承知しておきましょう。

組織内で足の引っ張り合いが生まれるリスクがある

相対評価では同僚の業績が自分の評価に直結するため、組織内で足の引っ張り合いが起きる可能性があります。目に見える明らかな職場いじめだけでなく、小さなプレッシャーの与え合いや情報共有に対する非協力的な姿勢など、表面化しづらい課題が出てくるかもしれません。

また、自分の業績アップだけを目的にした個人プレーになりやすく、チームプレーが阻害されやすいのもデメリットのひとつです。

あわせて読みたい
セクショナリズムとは?生まれる理由と対策方法や企業事例を解説 セクショナリズムとは、主に企業や組織の中で自分が所属する部署、チームの利益だけを優先する状態を指します。外部からの干渉を排除したり、非協力的な態度をとったり...

絶対評価とは?

絶対評価とは、順位に関係なく一定の基準・成績・到達率によって個別に従業員を評価する方法です。あらかじめ決められている目標やノルマを達成できたかどうかで判断するため、従業員個人の成長にフォーカスを当てやすい方法として注目されました。

また、業務に対する意識・意欲・知識量など可視化しづらい項目も評価できるようになり、多様な人材が参画する企業にこそ最適な評価方法として近年広がっています。個性を重視したい企業や、従業員をひとりずつ細かく評価したいときに最適です。

絶対評価のメリット

絶対評価には、相対評価とは異なるメリットが存在します。下記でひとつずつ解説するので、近年相対評価の企業が増えている理由を探っていきましょう。

従業員のモチベーション向上が期待できる

同僚との比較を受けずに自分の努力を評価してもらえるため、従業員のモチベーション向上が期待できます。「1位にはなれないかもしれないけれど自分なりに頑張ろう」とポジティブに動ける人が増えたり、自分なりの目標を決めて努力できる人が増えたりするかもしれません。

一方的な比較でなく自分自身を評価してもらえるのは、心理的安全性向上の効果も高いです。モチベーションだけでなくエンゲージメントが上がる可能性も高いので、近年相対評価の人気が高まっているのです。

評価について従業員からの納得を得やすい

自分の業績だけで評価してもらえる絶対評価では、評価結果に対して従業員からの納得を得やすくなります。従業員同士による足の引っ張り合いなどの不正も起きず、個人がしっかり自分と向き合えることも特徴です。

また、特定の人ばかり1位になり続けることに対する不満も起きず、社内の風通しがよくなる効果も期待できます。協力的な姿勢を保ちつつ個人の努力を後押ししたいときは、相対評価の導入を検討してみましょう。

従業員の育成につなげやすい

絶対評価により従業員のモチベーションが向上すると、個人の育成にもつながります。自分で定めた目標をクリアしようと努力したり、周囲と協力しながら達成への道を模索したりすることで、スキルアップが叶う可能性が高くなるのです。

特に、入社したばかりの新人や若手など、相対評価では評価されにくい人の育成に最適です。従業員のレベルを底上げしたいときにこそ、絶対評価が最適な方法だとわかります。

絶対評価のデメリット

一方で、絶対評価のデメリットは下記の通りです。思わぬ落とし穴にかからないためにも、絶対評価ならではの弱点も知っておきましょう。

評価者によって評価が揺れやすい

ノルマの達成(もしくは未達)など分かりやすい評価基準を除き、評価者により結果が揺れやすくなる点に注意が必要です。評価者の主観が入って結果に偏りが出たり、上司による一方的な好き嫌いだけで評価されてしまったりする可能性もあります。

また、従業員をバランスよくランクづけする必要がないことから、「無難に全員を平均程度にしておけばいいや」という考えも生まれやすくなります。熱意や意欲など可視化しづらい部分も評価しづらく、場合によっては結果に納得できないという従業員が出てくるかもしれません。

評価基準の策定に時間がかかる

業績だけでなく熱意・意欲や過去の評価結果と比較したときの上がり幅などを見なくてはならず、評価基準の策定に時間がかかるのもデメリットです。人事評価に関する業務の工数が増えてしまい、マネージャーや人事部の負担ばかり増えてしまう可能性があるので注意しましょう。

また、絶対評価において誰もが納得する基準を作るのは難しく、時間もかかります。絶対評価導入の際はスケジュールに余裕を持たせて動かないと、見切り発車になりやすいのも難点と言えるでしょう。

人件費の予測を立てづらい

従業員の努力次第では、ほぼ全員がトップレベルに近い評価を受けるなど思わぬ結果になることもあります。その場合、予想以上に人件費が膨れ上がることがあるでしょう。つまり、人件費の予測を立てづらいのが難点と言えるのです。

あらかじめ人件費の予算を正確に算出しておきたい企業や、人事評価の結果と給与テーブルがダイレクトに結びついている企業では、特に注意しておきましょう。また、一定評価以上を得た人にインセンティブを与えている企業でも、人件費が膨らみやすくなります。

絶対評価を導入する企業が増えている理由

近年は、あえて相対評価ではなく絶対評価を取り入れる企業が増えています、その理由として、少子高齢化による労働人口減少の影響を受けて人材の流動性が高まっていることや、年功序列型の評価が実質的に崩壊していることが挙げられます。

人材の流動性が上がると、「自分自身の頑張りを評価してくれないのであれば他社に転職しよう」という動きが活発化します。反対に、絶対評価のように個人の頑張りを評価してくれる会社であれば個人のモチベーションが維持しやすく、努力も促進できることから従業員の定着度が高まるとされたのです。

また、年功序列型の評価が崩壊したからこそ若手でも高い評価を得られるようになりましたが、そのためには絶対評価の企業に入社することが欠かせません。そのため、近年は絶対評価を導入する企業が増えているのです。

あわせて読みたい
従業員満足度(ES)とは? 向上させる8つの方法と業績との関係、成功事例を解説 少子高齢化や人材の流動性の高まりに伴い、従業員一人一人の生産性の向上や優秀人材の確保は企業の喫緊の課題です。 その課題を解決する要素として、「従業員満足度(Em...

絶対評価を導入する際のポイント

最後に、絶対評価を導入する際のポイントを解説します。絶対評価のメリットを最大限活かすためにも、下記を参考にしてみましょう。

評価基準を明確にする

まずは、評価基準を明確にすることが大切です。目標やノルマの達成・未達など分かりやすい結果だけでなく、「昨対比120%を到達できたらS評価」「顧客の解約率が20%を上回ったらランクダウン」など明確な基準を設けておきましょう。

また、策定した評価基準はあらかじめ社内に浸透させておき、納得を得ておくことも大切です。人事評価をした後になってから評価基準を公開した場合、後出しじゃんけんのように感じられて不信感を抱く従業員もいるので注意します。

2次評価に相対評価を取り入れる

絶対評価と相対評価を組み合わせ、二次評価だけに相対評価を導入する方法があります。その場合、まずは絶対評価で個人の業績・努力を評価します。そのうえで「業績がトップから10%の人」「支店内で1位になった人」など分かりやすい相対評価の基準を据え、追加で評価するのが一般的です。

特に目覚ましい業績を上げた従業員や、目立たないけれど確実に会社に貢献した従業員を称える制度として根付くので、絶対評価と相対評価のいいとこ取りが可能です。評価段階によって使い分けるなど、柔軟に対応していきましょう。

エンゲージメント向上を促すweb社内報 ourly

ourlyは、組織改善に特化した全く新しいweb社内報サービスです。

web知識が一切不要で、誰でも簡単に投稿できるだけでなく、閲覧率や読了率(記事がどこまで読まれているか)などの豊富な分析機能が特徴的です。

またourlyは、社内報運用を成功に導くための豊富な伴走支援体制に強みがあり、web社内報としてだけでなく組織課題を可視化するツールとしても魅力的なツールとなっています。

ourlyの特徴

  • SNSのように気軽にコメントできる仕様で、社内のコミュニケーション活性化を実現
  • web知識が一切不要で簡単に投稿できる
  • 豊富な支援体制で社内報の運用工数を削減できる
  • 分析機能に特化しており、属性・グループごとにメッセージの浸透度がわかる
  • 組織課題や情報発信後の改善度合いを可視化することができる

従業員にメッセージが伝わっているかわからない」や「web社内報を活用して組織改善したい」という方におすすめのweb社内報ツールです。

サービスページはこちら

相対評価と絶対評価の違いを理解して最適な人事評価制度の策定を

相対評価と絶対評価はともに人事評価の手法ではありますが、評価基準や発揮する効果などに大きな違いがあります。まずは自社の従業員に何を求めるか可視化してから、どちらの評価手法が最適か検討していきましょう。

もし人事評価の手法を変更するのであれば、事前に社内報などで周知するのがおすすめです。評価基準や給与テーブルなどについても紹介していけば、あらかじめ社内理解を得やすくなるのでおすすめです。

ourly Mag. メールマガジン

インナーコミュニケーションのノウハウや海外事例などを限定配信中!

詳しくはこちら


効果の見えづらい社内施策にお困りではありませんか?

ourly(アワリー)は、従業員の組織関心度を可視化できるweb社内報CMSです。
データを基に、理念や企業文化の浸透を着実に実現します。

ourly ボトムバナー

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

渡辺 瞳のアバター 渡辺 瞳 ライター

フリーライター。総務人事の仕事を9年経験し、フリーランスとして独立。
HR戦略・労務管理・組織づくりなどのテーマを中心に記事を執筆中。
趣味が高じて音楽系コンテンツを黙々と執筆することもある。

目次
閉じる