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大切なのはMVVへの共感と一貫性!キュービックが実践する数々のインナーコミュニケーション施策とは

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新型コロナウイルスの蔓延やそれにともなうリモートワークの推進により、多くの担当者が悩みを抱えている「インナーコミュニケーション」。

ただ、社内コミュニケーション施策は外部に公開される機会がなかなかないため、何をすればいいのかわからない・・・という方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は「働きがいのある会社」ランキングにて4年連続ベストカンパニーに選出されており、創業以来数々の社内施策を実践されている株式会社キュービックのコーポレートコミュニケーションチーム・インターナルコミュニケーションセクション・初野様にインタビューさせていただきました。

この企画は、実際の企業様にインナーコミュニケーションなどに関する施策を取材し、紹介する目的で実施しております。

その他の企業事例はこちらからご覧ください。

インタビュイー:
初野 美咲(はつの・みさき)
1991年、東京都生まれ。早稲田大学基幹理工学部在学中にキュービックにインターンとして入社。大学卒業後は富士通株式会社にSEとして新卒入社し、大規模SI事業に携わる。2015年7月、キュービックに中途社員として再入社。自社メディアの企画からWEB広告集客まで、幅広く担当。2018年にはマーケティング部署で社員インターン含む60名程のマネジメントを経験。2019年1月よりピープルエクスペリエンスオフィス・タレントマネジメントチームに異動し、人事制度設計や育成施策の実行を担当。インターナルコミュニケーションも兼務。

株式会社キュービックについて:https://cuebic.co.jp/

目次

MVVへの共感こそが全ての根源

――御社は「働きがいのある会社」ランキングで4年連続でランクインされています。従業員の方が働きがいを持って働ける環境づくりが成功している証明の一つかと思います。その大きな要因はなんでしょうか?

「この施策のおかげで!」という明確なひとつがあるわけではないと考えています。大きな要因として考えられるのは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)への共感の高さ。弊社では、ミッション・ビジョン・コアバリュー・クレドのセットを『CUEBiC WAY』と呼んでいますが、採用段階から一貫して『CUEBiC WAY』ヘの共感を大事にしているので、その影響は大きいのかなと思います。

弊社はさまざまな制度や取り組みを行っており、数は多いのですが、その全ての施策が『CUEBiC WAY』と結びつくものになっています。


――具体的にはどんな取り組みがあるのでしょうか。

例えば、キュービックのコアバリュー「ヒト・ファースト」に基づいて『CDC(Career Development Cycle)』という人材開発の枠組みがあります。

半期ごとの目標設定の際に、「会社からの要望」に「本人の強み・課題・WILL(やりたいこと)」を紐づけた「成長テーマ」をセット。「成長テーマに沿った目標達成」を目指すことで、「仕事の経験を通して学び・成長し、一人ひとりのありたい姿を実現すること」を支援しています。

クレドの「Team CUEBiC(チームでやろう)」に基づいて、オンボーディング施策も充実させていますね。新たな仲間が一日でも早く活躍できるよう、新入社員には必ず1人以上のフォロー社員がつき、入社から3ヶ月間の体験を伴走します。事業理解・組織理解はもちろん、カルチャー理解を深めるコンテンツやメンバーとの関係構築を助けるコンテンツなどが揃っています。

それから1on1。上司・部下との1対1の面談ですが、最低でも月に1回実施し、各上司の判断で回数を増やしています。対話を通じて本人のWILL(やりたいこと)や課題、本音を引き出し、ありたい姿の実現に向けて全力で支援しています。メンバーの本質と向き合うこの取り組みは、クレドの「Dive into Insights(本質を追求しよう)」に通じます。

というように、あらゆる制度や取り組みが『CUEBiC WAY』と結びついて存在しています。

1年限定の社内ファミリーがコミュニケーションを促進!

――本当にMVVとリンクした多くの施策があるんですね。そんな中、御社には「FAM制度」というユニークな制度があると聞きました。どのようなものでしょうか。

FAM(ファム)というのはFamilyの略です。部署や社歴や職種など関係なく15人弱から構成される、社内における家族のようなコミュニティを「FAM」と呼んでおり、4月から翌年3月までの1年間、そのメンバーでさまざまな活動をしています。(現在は東京で25グループ、福岡で3グループ)

会社として成長し、組織の人数が増えていくなかで、縦や横の関係性だけではなく、部署を飛び越えた”ナナメ”の関係性こそが重要なのではないかということで誕生したのがこの制度です。

3ヶ月ごとにFAMの活動予算があてられており、メンバーの関係構築という目的に沿うかたちで柔軟な活動がなされています。

FAMメンバーの誕生日会や歓迎会、スポーツやキャンプ、みんなで梅酒をつけよう!とか、食品サンプルを作ってみよう!とか。絆を深めるための活動内容はFAMによってさまざまですね。

コロナ禍においては活動の幅も随分と制限されてしまいましたが、オンライン飲み会やオンラインゲームなどを中心に交流を深めています。FAMごとのSlackチャンネルがありますので、テキストベースのコミュニケーションも盛んに行われています。チャンネルの中に1日1つ質問を投げかけてくれるbotを活用し、その質問への回答を通じて相互理解を深めたり、業務で困ったことを相談してみんなで解決をはかったり、そうゆうやりとりがなされていますね。


――会社としても予算を出すなど、メンバー間の関係構築に注力していることが素敵だなと感じました!斜めの関係構築という意味で、他に実施されている施策はあったりしますか?

新型コロナの影響で、今は運用を見送っている施策なのですが、コロナ前でいえば「パワーランチ」という施策がありました。毎月1回、全メンバー完全シャッフルでランチにいくという制度です。

その他、オンボーディングプログラムでも斜めの関係構築を意識しており、他部署のメンバーとの交流を図るような施策が多く用意されていますね。

コロナ禍のコミュニケーションを盛り上げる「コミュニケーション活性化委員会」

――新型コロナウイルスの蔓延により、コミュニケーションが難しくなった部分があるかと思います。そんな中、新しく始めた施策などはありますか?

コロナの影響で在宅とオフィスのハイブリット勤務がはじまってから「コミュニケーション活性化委員会」、通称「コミュ活」という全社横断の委員会が立ち上がりました。

活動内容は名前の通りで、そのミッションは社内コミュニケーションを活性化させることです。役職や職種、社歴など全く関係なく、有志のメンバー20人ほどで構成されています。その中の一人は弊社代表の世一です。

こういう動きって、一般的には人事部門が担っていくことが多いと思うのですが、コミュ活には人事のメンバーがほとんどおりません。

有志であるにもかかわらず、多様な部署のたくさんのメンバーが手を挙げ集まってくれたのは、人事としてはとても嬉しかったです!

コミュ活では、オンラインの施策ではなく、あえて少なくなってしまったオフラインでの接点をどうデザインしていくのか?ということを重点的に考えています。

具体的には、おやつの時間にオープンスペースで喫茶店をオープンさせてみたり、「朝活」と称して朝ごはんをみんなで食べながら近況をシェアしてみたり。そんなことをしています。

ただ、どんな取り組みにも困難がつきもの、朝活運用もその例外ではありません。全社に向けて「朝食・昼食・夜のちょい飲み、どれが一番あったら嬉しい?」というアンケートをとったところ、朝がダントツ人気だったので、朝ごはん会を開催することに。いざ初回を迎えると起きれないメンバーが続出し、蓋を開けてみたら、代表の世一と片手で数えられるほどの社員しか集まらなかったなんてことも…(笑)こうした笑いあり涙ありのトライアンドエラーを繰り返しながら、一生懸命コミュニケーションと向き合っています!

――実際にやってみて効果は感じていますか?

定量的な計測をしているわけではないのですが、特に新入社員にはポジティブな影響があったのではないかと感じています。

というのも、オンボーディング期間(入社後3ヶ月)が終わった後に行うアンケートの満足度が非常に高まっているのです。

オンボーディングでは他のプログラムも行っているので一概には言えませんが、少なからず貢献してのではと考えています。

新入社員を中心としたイベントも積極的に開催していたので、コロナ禍のイレギュラーが多い中でも「自分はこの会社の一員なんだ」と、感じてもらえたんじゃないかと思いますね。

組織課題はメンバー全員で解決する

――本当にさまざまな取り組みをされていると思うのですが、どのように施策を考えているのでしょうか?他社の取り組みを参考にされているのでしょうか?それともゼロベースで考えているのでしょうか?

どちらもあるかなと思います。

ただ、他社で成功している取り組みをそのまま導入しても、自社でその取り組みが機能するとは限りません。

ですから、自社のミッション・ビジョン・コアバリュー・クレドなどと照らし合わせて、それに合うような形へアレンジを加え、導入するようにしています。

あとは定期的にエンゲージメントサーベイを行っており、現在の自組織がどのような状態なのか、どこに強みや課題があるのかということをメンバー全員と共有しています。こうすることで、誰もが施策を立案し、実行できるようになっています。

個人の意欲に委ねるばかりではなく、意図的に全員で全社課題と向き合う時間も多く設けています。最低でも月1回はワークショップなどを実施し、全員で全社課題の解決に取り組んでいます。

「会社は全員で創っていく」という思いをそれぞれが持って取り組むカルチャーが、こうした取り組みを支えていると思っています。


――「会社は全員で創っていく」文化ですか・・・!ものすごく素敵です。そんな御社が今後取り組んでいきたいことはどんなことなのでしょうか?

弊社の取り組みで有用なものは、社外の皆さんともシェアできたらいいなと思っています。弊社の組織運営においてトライアンドエラーを繰り返し、貯まってきたナレッジやノウハウをプロダクトやサービスに昇華させ、社外の方々にも活用してもらえるようにできないだろうかと考えています。

例えば、弊社は創業時より学生を仲間に加え、ともに成長を続けており、現在も計100名以上の学生が長期インターンとして在籍しています。こうした組織運営において培った知見を活かして、インターン関連の新規事業を最近立ち上げたのですが、このようなスタイルの事業開発を加速させられたら嬉しいですね。

そういう意味ではこの取材も、弊社の取り組みを社外の皆さんとシェアする取り組みです。いろんな方に読んでいただいて、少しでも何かの参考になれば幸いです。

長期的に、持続的に、成長する。いいコミュニケーションがいい関係性を育み、働く一人ひとりのパフォーマンスが上がって、組織全体のパフォーマンスが上がる。その結果として、社会に対してより大きな価値を発揮できるということを、キュービックが示していけたらいいなと思っております。

編集後記

今回取材させていただいて印象に残ったことは、働くみなさまの「会社への愛」でした。

初野様の他、取材にご同席いただいた社員の方数名にもお話を伺ってみたのですが、みなさま、自社のことや社内施策の話をしているときもとてもイキイキとしていて、「心から会社のことが好きなんだろうなあ……」と感じる場面が多々ありました。

その根幹には、やはり冒頭に述べた「MVVへの共感」がありそうです。

採用時点からCUEBiC WAYへの共感を重視し、オンボーディングでもそこをさらにインプット。

施策のすべてがCUEBiC WAYに沿ったものであり、さらには月1回以上全社員でのディスカッション。

ここまで徹底して会社のMVVを大切にし、全社員で実践している企業はなかなかないのではないか、そう思わずにはいられませんでした。

表面上の施策ではなく、その会社の本質を貫いた施策こそが社内を活性化させる。

そう強く感じたインタビューでした。

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この記事を書いた人

Hiroki Sunagawaのアバター Hiroki Sunagawa ourly株式会社 セールスチームメンバー

ourly magazineのライティングとメンバーマネジメント担当。
アメフトを通じてチームプレイの重要さを学び、組織で一致団結してパフォーマンスを出すことに興味がある。
見た目ゴリラっぽいが、甘いスイーツと泣ける映画が好きな中身は乙女っぽい一面も。

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