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サウナでの社員交流が生み出す、“コミュニケーション前提じゃないコミュニケーション ”

2019年ごろからはじまったサウナブーム。サウナ部やサウナイベントなど、組織内でもサウナをコミュニケーションの場として取り入れるケースが増えています。

今回は実際にサウナでのインナーコミュニケーションを実践されている、温泉道場グループ COOの宮本さんにインタビュー。温泉道場グループ主催の、サウナランド浅草で伊勢海老を食べる会」に参加させていただき、サウナ×コミュニケーション実践のコツや、注意点などを伺いました!

宮本さん

宮本 昌樹
(みやもと まさき)

インタビュイー

温泉道場グループ 取締役副社長執行役員COO
旅する温泉道場 代表取締役社長

1986年生まれ、和歌山県出身。27歳のときに地域活性を目指して株式会社温泉道場に入社。支配人を2年間経験したあと、店舗リニューアル開発・コーポレートブランディング、フランチャイズ事業などを経て、HR部門に注力。2019年より、温泉道場グループ1人目の社長として、三重県の株式会社旅する温泉道場の社長を兼任している。

乗松さん

乗松 諒
(のりまつ りょう)

インタビュアー

インタビュアー / セールス

前職では人材系の企業にて採用コンサルから採用イベントの企画運営に従事。2022年4月にourlyへ参画し、コンサルティング、セールス、カスタマーサクセスに横断的に取り組みつつ、イベント企画運営の経験から展示会出展の指揮も担当している。サウナがとても好きで、温泉道場が運営しているおふろcafeのいちユーザーでもある。

目次

サウナは普段の肩書きをとっぱらったコミュニケーションができる

乗松

本日はよろしくお願いします。すみません、先に言っておきますが、緊張しています。

宮本さん

緊張せずにリラックスしてください(笑)。

乗松

がんばります。早速ですが、宮本さんは以前、noteでサウナ×インナーコミュニケーションについての記事を公開されています……よね。そもそも、インナーコミュニケーションについて興味を持ち始めたきっかけはあるのでしょうか……?

宮本さん

僕はもともと、おふろcafe utatane(以後、utatane)の支配人をしていたのですが、そのときに課題を感じていたのが「離職率の高さ」でした。お風呂・サウナ事業はサービス業ですし、毎日同じ時間にお湯を出すとか、毎日同じ時間にサウナを温めるとか、どうしてもルーティンワークになりがちなんですよね。

今でこそサウナブームで来客数は増えているものの、「運営側・店舗側の人間として働きたい!」という人が増えているわけではなくて……。

乗松

たしかに「サウナが好きだからサウナで働こう」と考える人は少なそうなイメージはあるな……

宮本さん

なので、離職率低下という課題感を踏まえ、僕がutataneの支配人から温泉道場グループの副社長になったとき、「離職率を下げる取り組みをしよう!」と思ったんです。

アイデアとして浮かんだのがサウナ×コミュニケーションで。社内外でさまざまなコミュニケーションが生まれるよう、まずは仕組み化してみようと思ったのがきっかけです。

乗松

なるほどです。ちなみに、あのー、コミュニケーションにはさまざまな方法があると思うんです。たとえば、えーとなんでしょう。食事だとか、飲み会だとか……。あとは、ボードゲーム?とかもあるかもしれません。なぜサウナ×コミュニケーションだったのでしょうか。

宮本さん

僕は仕事柄、メンバーとサウナに入る機会が多いのですが、仕事に捉われないコミュニケーションが生まれたり、ディープな悩みを気軽に相談してくれたりなど、インナーコミュニケーションが活性化した体験があったことが大きいですね。

乗松

なるほど、実際に体験されていたんですね。(サラッと言ってるけど、メンバーとサウナに入る機会が多いこと自体、なかなか珍しいよな……)

宮本さん

はい。例えば、部下から業務時間中に「相談があって…」と声をかけられると、僕も上司側としてどうしても身構えてしまいます。でも、サウナに入っているときに相談されると、「いやわかる〜」「そうだよね〜」といったカジュアルな会話ができます。普段の業務中なら絶対にできないですけどね(笑)。

ここから何か新しい発見が生まれることもありますし、部下の悩みに気づける場合もある。サウナでのインナーコミュニケーションは、とても効果的だと思います。

乗松

たしかになあ……

宮本さん

日本の社内飲み会や懇親会って、誰も明言はしないものの完全に業務時間的なものになってしまっているケースもあると思うんです。「業務時間外とはいえど、仕事の一貫でしょ」と気を遣って、カジュアルなコミュニケーションを取れる人はどうしても少なくなる。

でも、お風呂やサウナは完全にプライベートな雰囲気を感じられる空間なので、上司も部下もカジュアルなコミュニケーションが取りやすいと思うんです。お風呂やサウナは、普段の役職や肩書きをとっぱらったコミュニケーションができる空間なのではないでしょうか。

自分自身がインナーコミュニケーションを楽しむべし!

宮本さん

そろそろ、実際にサウナに入りながら話しますか?

乗松

えっ……。よいのでしょうか。

宮本さん

もちろんです! 行きましょう!

サウナコミュニケーションを実践!サウナでととのう2人(奥:乗松、手前:宮本さん)
乗松

はあ〜〜〜、最高ですね!

宮本さん

ですね〜〜〜!

乗松

さてと、ではお話を再開させていただいて……。僕は今日、このサウナイベントに参加させてもらえることがすごく楽しみだったんですが、このイベントもサウナコミュニケーションの一環なんですか?

宮本さん

そうです! 会社で今回のようなイベントや研修を設けており、自由参加制で開催しています。

また、社内にサウナ部もあります。僕たちは仕事柄、近隣のお風呂やサウナには日常的に足を運んでいるので、普段行かないサウナ施設でイベントを開催する場合などは、メンバーが中心となって企画をしてくれています。

宮本さん

ただ、今日のイベントはサウナコミュニケーションそのものが大きな目的ではなく、「僕の仕事つながりの方々と社内メンバーのコネクション」を目的としています。伊勢海老は完全に僕の趣味です(笑)。

乗松

宮本さんの趣味だったんですね……! 正直、はじめに「サウナに入って伊勢海老を食べる会」と伺ったとき、どういうコンセプトなのか疑問に思っていました(笑)。

鉄板で美味しそうに焼かれる伊勢海老たち
宮本さん

インナーコミュニケーションを活性化させるためには、僕自身がコミュニケーションを楽しむことがすごく重要だと思っていて。なので「僕がたまたま出張で東京に来ていて、なんとなくサウナランド浅草に行きたいなと思って、せっかくなら伊勢海老を食べたいから、誰かくる?」という感じのノリで開催しています。

あまりにもインナーコミュニケーションを主体にしすぎると社員教育っぽさが出てしまいますし、外部とのコネクションを意識しすぎると業務時間っぽさが出てしまいますから。

あくまでもイベントを楽しんでもらう延長線上に、よい出会いや、よいコミュニケーションが生まれればなと思っています!

乗松

めちゃくちゃ素敵ですね。さきほど、サウナ部があるとのお話もありましたが、サウナ部はどのようなイベントを?

宮本さん

労働時間内で、サウナを活用した社内イベントを定期的に開催しています。例えば、採用説明会や内定式をテントサウナで実施するなどです。

乗松

内定式をテントサウナで!?

宮本さん

うちの会社は、地方に住んでいる人が就職のために出てきてくれるケースが多くて。せっかく時間をかけて、新幹線に乗ってきてくれるんだったら、「この会社に入ってよかった」「この会社で働くのが楽しみだな」と思ってもらえるほうがいいじゃないですか。

なので、内定式ではなく内定フェスとして、テントサウナにみんなで入ったり、バーベキューをしたりしています。

乗松

めちゃくちゃいいじゃないですか! ourlyも負けていられませんね……!

「仕事の延長線上にしないこと」が何よりも大切

リラックスしきっている2人(左:ourly 乗松 / 右:宮本さん)
乗松

はあ〜〜〜、これはキマりますね〜!!

宮本さん

ですね〜〜〜!

乗松

僕、サウナコミュニケーションについて1つ気になっていることがあって。

宮本さん

なんでしょう?

乗松

noteのなかでは、サウナハラスメントなどサウナコミュニケーションの注意点にも言及されていますよね。ほかにも、宮本さんが普段サウナでのインナーコミュニケーションを取り入れるなかで注意していることはあるんですか?

宮本さん

以前、部下と一緒にサウナに入ったとき、気を遣われてしまった経験がありまして……。実際に僕も転職したてのとき、代表の山崎とお風呂に入って、すごく気を遣った経験がありました。同じ浴槽についていって「会話しなきゃ」と焦ったり、サウナ内の座る位置に迷ったり。

乗松

たしかに! 上座がどこなのかとか、ストーブに近いほうがいいのかとか、僕も悩んだ経験があります。

宮本さん

やっぱり上司側としては気を遣われたくないですし、部下もサウナやお風呂で気を遣ってしまうのはつらいだろうなと思うんですよね。なので、うちの会社では「何時に、脱衣所集合ね!」と待ち合わせだけ決めて、あとは自由行動!というルールを決めています。

乗松

サウナやお風呂はリラックスする空間ですが、上司に気を遣ってしまうとリラックスできない場合もありますよね。

宮本さん

そうなんです。なので、無理に話さないようにするのが正解なのかなと思っています。嫌な上司にもなりたくないですし、語る上司にもなりたくなくて(笑)。普段メンバーとサウナに行くときは、コミュニケーションを前提にしないよう意識しています。

乗松

では、意図的にサウナでコミュニケーションをとっているわけではなく、メンバーとサウナに行く文化に付随して、インナーコミュニケーションが活性化されているという認識になりますか?

宮本さん

その認識が近いと思います。あまりにもサウナでのコミュニケーションを意識してしまうと、結局僕にとっても、みんなにとっても仕事の延長線上になってしまい、ストレスになってしまいます。カジュアルなインナーコミュニケーションが生まれる日もあれば、生まれない日もある、くらいの気持ちでいることが大切です。

乗松

あくまでも仕事の延長線上にしない工夫が大切なんですね!

宮本さん

そうです! インナーコミュニケーションを活性化させるためのきっかけは用意するものの、そのきっかけを活用するかどうかはメンバー次第。僕らから強制してはいけないと思っています。

とはいえ、サウナでのインナーコミュニケーションには効果があると思うので、ぜひインナーコミュニケーションに課題を感じている方は取り入れてみてほしいです。ほら、現に僕たちも、めちゃくちゃコミュニケーションが活発になりましたよね?

乗松

確かに……最初より話しやすくなった気がします!

今回のインタビューを通じて、「インナーコミュニケーション活性化において狙いや見通しは持ちつつも、環境のもつカオス的な変数に可能性を残しておくことが肝要」というメッセージを受け取りました。これは、サウナという空間に閉じない真理なのではないでしょうか。この記事を読んでいただいた皆様には、まず、サウナという空間に会社の方と一度身を投じてみてほしいです。そこには、今まで知らなかった同僚の一面が垣間見える瞬間があるかもしれません。(乗松)

▼今回インタビューにご協力いただいた、サウナランド浅草

※記事内の写真は、サウナランド浅草より特別な許可を得て撮影しています

Interview:Ryo Norimatsu
Write:Sachi Kagayama
Edit:Nozomu Iino
Photo:Kenta Nakanishi
Design:Kise Kawamoto
撮影協力:サウナランド浅草

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