中堅社員とは?果たすべき役割と育てる5つのポイントを解説
中堅社員とは、一般的に入社3~4年目以降で、役職の付いていない社員を指します。若手の新入社員とは異なり、現場の中心としての活躍が期待される存在です。
中堅社員がうまく機能すると、企業全体の成長につながります。しかし実際は、自ら力を発揮できる中堅社員ばかりではありません。若手の減少や業務過多といった企業側の問題も一因としてあります。
本記事では、中堅社員が果たすべき3つの役割や、育てる5つのポイントなどを解説します。中堅社員を効果的に育成し、企業の組織づくりや目標達成につなげていただければ幸いです。
中堅社員とは
中堅社員とは、一般的に入社3~4年目以降で役職の付いていない社員を指す言葉です。入社したての新入社員とは異なり、ある程度経験・知識が身についてきた段階なので今後はマネージャーやリーダーとしての素質を期待されるようになることが増えていきます。
そのため、中堅社員の育成は次世代リーダーの育成に直結すると認識しておくことが大切です。一方でマンネリ化によるモチベーションダウンや、キャリアプランの不透明さに不安を抱いたことによる離職が起きやすいタイミングでもあり、個別のサポートが望まれます。
中堅社員が果たすべき3つの役割
ここでは、中堅社員が果たすべき役割を解説します。また、中堅社員が伸ばしたいスキルや経験にも触れるので、参考にしてみましょう。
1. 現場での中心的な活躍
中堅社員は、現場で中心的に役割を果たし、業務を円滑に進めることが期待されます。
ある程度知識や経験が身についてきた中堅社員は、上司から細かく指示を受けずとも業務を進めることができるようになり、自発的な働きも期待されていくでしょう。さらに経験を積みながら専門性を伸ばしたり、トラブルやクレームに対処する柔軟性を発揮したりすることも求められます。
2. 若手社員の指導
新入社員や後輩の指導係となり、上司以上にマインドの近い存在として伴走します。場合によってはメンターとなって特定の若手社員に対する指導・相談を担当することもあります。
この際、中堅社員に求められるのは専門的な業務スキルの指導やノウハウの伝授だけに留まりません。新入社員のメンタルケアなども含まれているので、コミュニケーション能力が高く傾聴性のある人が重宝される傾向が高まります。
3. 若手社員と管理職とのパイプ役
中堅社員は、若手社員と管理職との間に立ってパイプ役となることも期待されます。
例えば、経営層・管理職の狙いや経営目標を分かりやすくかみ砕いた言葉に変換して後輩に伝えることができれば、職場全体の意思統一が図れます。反対に若手社員からの不満・不安を上手に吸い上げて管理職に伝えることができれば、別途配慮してもらったり制度が変更になったりして働きやすさが上がるでしょう。
組織が大きくなればなるほど、管理職と若手社員との距離感が開いてしまうものです。中堅社員が潤滑油になれれば、社内コミュニケーションもスムーズに進むでしょう。
中堅社員に求められる3つのスキル
中堅社員に求められるスキルは、新入社員時代と比べて変化していきます。下記で主に身につけておきたい3つのスキルを紹介するので、チェックしてみましょう。
1. コミュニケーションスキル
新入社員のメンタルケアや管理職とのパイプ役になることを想定する場合、何よりもコミュニケーションスキルが重要です。相手の気持ちを重視しながら傾聴・共感したり、時には自分の意思をしっかり押し通すような説得ができたりすれば、仕事の調整がしやすくなります。
また、取引先との会議・交渉など対外的な働きを期待されるタイミングでもあるので、コミュニケーション能力を伸ばすのが先決と言えるのです。
2. 指導スキル
新入社員など後輩の指導に当たることが増えるため、指導スキルを伸ばすことが必須です。難しいことを分かりやすく伝えることはもちろん、後輩がつまづいて悩んでいないか細かくフォローアップしたり、時にはトラブルを予見して先にアドバイスしたりする機微も必要です。
もちろん、業務に必要な専門的な指導をするタイミングも出てきます。中堅社員自身の業務スキルも伸ばしながら、後輩にノウハウを共有していきましょう。
3. マネジメントスキル
今後マネージャーやリーダーとしての役割が期待される中堅社員は、マネジメントスキルの育成が不可欠です。
部下を統率するためのリーダーシップやコミュニケーション能力はもちろん、予算や実績を管理しながら全体を俯瞰して指示を出す力や、個別の事情に配慮しながら最善手を提案する交渉力なども求められるでしょう。一朝一夕に身につくスキルではないからこそ、早い段階からトレーニングを重ねておく必要があります。
中堅社員が直面する課題
ここでは、中堅社員が直面する課題を紹介します。どうしても新しく入社した若手や経営目標の達成ばかり考えてしまいがちですが、中堅社員には中堅社員独特の悩みがあることを理解し、フォローアップしていきましょう。
伸び悩み
最低限業務に欠かせない専門スキルを身につけられた中堅社員は、その後どんなスキルを伸ばすべきかわからず伸び悩みに直面することがあります。また、どんどん昇進・昇格する同期と比べて気持ちが落ち込んでしまったり、毎日変わらぬルーティン作業ばかりに飽きてモチベーションが低下したりすることもあるでしょう。
伸び悩んだ状態が続くと今後のキャリアが不安になり、離職されてしまうケースもあるので注意が必要です。
モチベーション低下
仕事にある程度慣れてきた中堅社員は、マンネリ化によるモチベーション低下が起きやすくなります。他にも、仕事をこなせるようになったからとこれまで以上に業務を任されるようになったり、慣れが原因のミスやトラブルを起こしてしまったりすることで、却ってやる気をなくしてしまうことも少なくありません。
また、どんどん入社してくる新入社員に追い越されるような焦燥感に駆られ、先行きの不透明さに悩む中堅社員も出てきます。個々のキャリア形成を会社がどうサポートしていけるか、改めて検討してみましょう。
中堅社員を育てる5つのポイント
最後に、中堅社員を育てるポイントを解説します。今後の会社を担う存在として成長させることを目的に、教育・育成プランを練ることが重要です。
1. 役割への心構えを自覚させる
中堅社員となった人に対して会社が何を期待しているか、どんな役割を果たしてほしいと思っているのか、直接伝えて自覚させましょう。1on1ミーティングのようなマンツーマンの場でも、中堅社員を集めて実施する全体研修の場でも問題ありません。
中堅になる頃は個々の意識にバラつきが出やすい時期でもあり、「自分はまだ新人だ」と思って指示待ちになってしまう人もいれば、「マネジメントを経験する年であるはずだ」と意気込みすぎて空回ってしまう人もいます。会社として何を期待しているのか言葉で伝え、方向性を共有していきましょう。
2. キャリアの方向性をイメージさせる
改めて中堅社員向けのキャリアを提示し、個々の理想に合ったキャリアステップを歩めると気づかせることが重要です。
中堅社員は入社して日が経っているからこそ現実を知ってしまい、新入社員のときと同じような情熱・キャリアイメージを抱けなくなります。5年10年後の自分が想像できず、努力の方向性を見失ってしまうこともあるでしょう。
会社が率先してキャリアの方向性をイメージさせることができれば、気持ちを新たに努力することができます。
3. スキルアップを支援する
成功体験を積んで自信を持たせるため、中堅社員のスキルアップを支援するのもひとつの方法です。
具体的には、誰でも自由に参加できる勉強会・セミナーを開催して専門的な知識を提供したり、ジョブローテーションなどを経験して多様なスキルを習得したりする方法が挙げられます。「自分はまだまだ会社に貢献できる」というポジティブな自信を身につけることができれば、その後の展望も明るくなっていくでしょう。
4. 部下やポストを与える
部下やポスト(役職)を与えることでリーダーとしての自覚を育て、将来的な管理職として育成する方法もあります。他にも、プロジェクトリーダーに任命したり小さな係の責任者にしたりする方法も有効です。
ポストを与えると「自分は会社に期待されている」という良い自意識を育成することができ、自発的な努力を促進できます。上司側の視点に立つことで見えてくる景色も変わってくるので、まずは小さな役から依頼してみましょう。
5. モチベーションを向上させる
中堅社員のときにモチベーションが低下してしまうと、そのままずるずる改善せず離職につながってしまうことが多いです。前項で紹介したような、ポストの提示・スキルアップ支援などを通してモチベーションアップを図りましょう。
また、社内コミュニケーションを促進して先輩社員との交流を図り、社内のロールモデルを認識させることも大切です。「自分もこんな存在になりたい」というモチベーションを喚起できれば、新入社員時代とは異なる目標を掲げられます。
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中堅社員の成長は組織強化のカギとなる
新入社員と管理職の間に立つ中堅社員を効果的に育成できれば、組織が強化されます。反対に、中堅社員を育成する手を抜いてしまうと、スキルを身につけたのに離職されてしまうなどデメリットばかりになるため注意しておきましょう。
中堅社員のモチベーションを上げるためには、同期の活躍や社内のロールモデルとなる存在に気づかせるのが有効です。社内報など全体に情報共有できるツールを効果的に活用しながら、成長のきっかけを探りましょう。