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シナジー効果とは?メリットや種類・生み出す方法・企業事例

シナジー効果とは、複数のものが相互に作用し合うことで生まれた効果・効能・機能のことです。

多角化戦略・グループ一体経営・業務提携・M&Aなどさまざまな方策でシナジー効果を期待する企業は多く、実際にコスト削減・人材活用・節税効果・業務効率化などの効果が得られています。

この記事では、シナジー効果のメリットや代表的な企業事例について解説します。

目次

シナジーとは

シナジーとは、複数のものが相互に作用し合うことで効果・効能・機能を高めることを指します。

もともとは生物学や生理学の分野にて活用されていた用語でしたが、経営戦略の父として知られているイゴール・アンゾフが企業活動においてもシナジーがあるとしたことから、ビジネスシーンでも「シナジー」の言葉が使われるようになりました。

1+1が2ではなく3にも4にもなる効果が現れたとき、シナジーがあると言えるでしょう。

シナジー効果とは

シナジー効果は「相乗効果」と呼ばれることもあり、シナジーによりもたらされたメリット・効果のことを指します。

販売・設備・技術・人的資本などを複数組み合わせることで高い効果が得られた場合、「シナジー効果がある」と判断できるのです。

また、自社内の資本を組み合わせるだけでなく、M&Aやコンサルティングなど外部の力を加えて相互作用が現れたときに使用することもあります。

アナジー効果との違い

シナジー効果と似た言葉に「アナジー効果」がありますが、こちらは相互マイナス効果のことを指します。

複数の要素が組み合わさったとき、ひとつの要素にはメリットがあるがもうひとつの要素にはデメリットが生じた場合、アナジー効果があると判断されます。

ビジネスにおけるアナジー効果としては、企業同士の提携をしたとき片方の会社にのみデメリットばかりが生じてしまうようなシーンを想像すると分かりやすいでしょう。

シナジー効果を狙っているのにアナジー効果が出てしまった、ということがないよう対策していくことが大切です。

シナジー効果の種類

ここでは、ビジネスシーンで現れる主なシナジー効果を紹介します。シナジー効果に関する具体的なイメージを固めていくためにも、ぜひ目を通してみましょう。

事業シナジー

事業シナジーとは、事業面・収益面で効果が現れるシナジー効果のことを指します。

多くの企業がシナジー効果を期待しているのは、会社の経営に欠かせない事業シナジーを期待しているからだと言えるでしょう。

売上増加

販売チャネル・顧客データ・流通網の共有により、売上増加が見込めます。

どちらか片方のファンがもうひとつの事業に興味を持ってくれることも多く、新規顧客の開拓もしやすくなるでしょう。

また、ブランドイメージや知名度の向上ができることも売上増加のきっかけとなります。

コスト削減

知的財産・ノウハウ・経験値の共有により業務効率が改善し、コストを削減できることもあります。

また、流通網・倉庫・機材を共有することで設備投資費や機材リース料を削減することも可能です。

スケールメリット

商品を統一化したりニーズを増やしたりすることによる生産ロット拡大が期待でき、スケールメリットが得られます。

ひとつの商品を生産するためのコストが下がり、収益を改善するきっかけとして働きます。

原料・資材などの確保がしやすくなることもポイントです。

人材活用・獲得

人材育成・採用ノウハウを共有することによる、人材活用・獲得のメリットが見込めます。

また、外部から優秀な人材を登用するきっかけになり会社に新たな風が入ったり、業務上のナレッジを共有してパフォーマンスを向上させたりすることも可能です。

人的資本活用の面でも、シナジー効果が生まれることが分かります。

財務シナジー

財務シナジーとは、財務状況の改善・収益性の向上などのシナジー効果を指します。特にM&Aをすると財務シナジーが現れやすいことで注目されています。

余剰資金活用

資金力があるが今後の成長戦略に悩んでいる会社と、資金力がないものの優秀な技術を持っている会社がM&Aすることにより、余剰資金を活用しやすくなります。

効果的な投資ができるためリターンも高くなり、どちらにとってもメリットがあると言えるでしょう。

節税効果

繰越欠損金の控除・債務引継ぎ・グループ法人化税制などを検討し、M&Aをする企業も多いです。

独立して事業を営むよりM&Aをした方が節税効果が高いことも多く、結果として財務状況の改善が叶います。

組織シナジー

組織シナジーとは、パフォーマンス・エンゲージメント・モチベーションなどを上げることにより組織力そのものを強化するシナジー効果を指します。

働きやすさそのものが変わることも多く、よいシナジー効果が現れれば社員の定着率も上がります。

生産性向上

社員同士の連携やノウハウ・ナレッジの共有により、生産性が上がります。限られた時間でも高いパフォーマンスを発揮するようになり、効率よく働くきっかけとなるでしょう。

ひとりひとりが生み出す利益が高くなるため、収益も向上します。

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業務効率化

業務の無駄やミスコミュニケーションによるトラブルを徹底的に省き、業務効率化を図ることにも有効です。

業務効率化が叶うと無理な残業・休日出勤をすることなく効率よく働くことができるようになり、結果的に生産性も上がります。

ワークライフバランスを向上させるためにも、ぜひ期待したいシナジー効果です。

モチベーション向上

生産性向上や業務効率化が叶うと、社員のモチベーションも上がります。

働きがいを見つけやすくなるため、自主性のある提案や自発的なスキルアップが増えていくでしょう。

人材教育・育成にかかるコストを減らせるという意味でも、メリットがあります。

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シナジー効果が企業にもたらすメリット

次に、シナジー効果が企業にもたらすメリットを具体的に確認していきましょう。

シナジー効果を生み出す施策をする動機付けとして、お役立てください。

販売促進で売上が増加する

新たな顧客の開拓・新商品の販売・事業の多角化などにより、販売促進による売上増加が期待できます。

結果として、シェアの拡大やブランドイメージ向上も図りやすくなるでしょう。爆発的なヒット商品となることもあり、シナジー効果を生むことによる高いメリットを実感できます。

経営資源の最適な活用ができる

ヒト・モノ・カネという重要な経営資源を有効活用できるようになり、収益性の向上コスト削減が期待できます。

例えば総務・労務・人事・経理などバックオフィス業務を一体化することで、共通する業務の効率化が図れるでしょう。同様に共通する資材を同時に仕入れることで単価や流通にかかるコストを抑えるなど、多数のメリットが得られます。

組織力を強化できる

適切な統合が取れれば経営に必要な意思決定が早くなり、時代のニーズやトレンドを逃さないスピーディーな行動ができるようになります。

また、業務に必要なノウハウやナレッジを共有することで社員ひとりひとりのスキルが上がり、生産性も向上していくでしょう。

組織力を根底から強化する施策となることも多いのです。

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融資を受けやすくなる

資金力を強化するシナジー効果が現れれば、銀行など金融機関からの融資を受けやすくなります。

財務状況が改善していれば信頼度も高くなるほか、向上した企業イメージに対する期待値も大きくなっていくでしょう。

投資のチャンスを逃さないためにも、融資面でのメリットも最大限享受したい項目だと言えます。

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シナジー効果を生み出す方法

シナジー効果を生み出す方法は多岐に渡りますが、ここでは代表的なものをいくつかピックアップしていきます。

どんな施策があるか参考にしながら、自社にとって実現可能性が高いものがないか検討していきましょう。

多角化戦略

これまで主力事業として展開していたものから枝分かれし、別の分野に進出する手法です。

自社の強みを最大限活かす戦略とすることもあれば、弱みや強化すべきポイントに的を絞った戦略とすることもあります。

水平型多角化戦略

水平型多角化戦略とは、自社が既に獲得している生産技術や顧客層を活用した戦略です。

新たな市場を開拓する必要がないため比較的コストを抑えやすいほか、今あるものを活用するため現場の混乱が少ないことがメリットです。

また、実現可能性の計測がしやすいため失敗を避けやすいこともポイントだと言えるでしょう。

垂直型多角化戦略

垂直型多角化戦略とは、バリューチェーンの範囲を拡大する戦略です。

大手飲食チェーンのように、生産から流通・加工・販売・マーケティング・広報まで全てを担うようなケースが当てはまります。

製造業やメーカーによる、卸売・小売を挟まないD2Cなども代表的な手法です。

集中型多角化戦略

集中型多角化戦略とは、現在自社が持っている技術・ノウハウを新しい分野で活用する戦略です。

水平型多角化戦略と一見似ていますが、既存事業と全く異なる分野に手を伸ばすことが最大の違いだと言えるでしょう。

例えば食品メーカーがバイオ事業に参画したり、自動車メーカーが自動車について楽しく学べるようなレジャー事業に参画したりするようなことを指します。

特殊技術を持つ企業であれば成功率が高くなることが分かっており、参画業界にはなかった新たな視点や発見を強みとすることが可能です。

集成型多角化戦略

集成型多角化戦略とは、全く関連性のない新しい事業に参画する戦略です。

前述した3つの多角化戦略よりリスクが高くなることが多いですが、成功によるメリットが高く、新しい企業イメージを根付かせることができます。

例えばスーパーマーケットなど小売店を展開してきた企業が銀行業務に参画するなどの事例が挙げられます。

グループ一体経営

グループ会社を統合し、共通する業務を一本化したりノウハウやナレッジを共有したりする手法です。

経営をスリム化させやすく、グループ間で共通のニーズを持つ顧客にアプローチできることが魅力です。

バックオフィス業務を統一化したり、生産を一本化してスケールメリットを狙ったりする方法が挙げられます。

業務提携

異なる強みを持つ企業同士が業務提携し、相互補完を実現していく手法です、

それぞれの経営課題を解決するための協力体制を築きやすく、ビジネスパートナー以上の関係性を築けます。

お互いの弱みを補完するような企業と提携することにメリットがあり、シナジー効果が高いことで注目されています。

M&A

企業の吸収・合併によるスケールメリットや節税効果を狙う手法です。

仕入れコストを安く抑えることによる収益改善が見込めたり、優秀な社員の共有による人的資本の最適化ができたり、さまざまなメリットが現れます。

事業譲渡による繰越欠損金の特例なども、M&Aの代表的なシナジー効果だと言えるでしょう。

シナジーを生み出す組織編成時に ourly profile

ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能や組織図機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。

3つの大きな特徴により、働き方が多様化した現代・VUCA時代の、強い組織作りに好影響を与えます。

  • 人となりが一目でわかる自己紹介画面
  • 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
  • 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる

顔写真や部署、役職などの基本的な項目以外に、強みや趣味、スキルなどが一目でわかり、コミュニケーションのきっかけが生まれます。

また、全メンバーに共通のQ&Aを設定することができるので、部署・拠点・役職を超えたメンバー同士の相互理解促進にも役立ちます。

サービスページはこちら

シナジー効果の企業事例

最後に、効果的にシナジー効果を発揮できている企業の事例を紹介します。

実際にどんな戦略が取られているか、参考にしてみましょう。

ファミリーマート | 多角化戦略 

ファミリーマートでは、24時間型フィットネスジム「Fit&Go」やコインランドリー「Famima Laundry」を併設したコンビニを始めています。

24時間365日開店しているというコンビニの性質を最大限活用し、夜中や早朝のニーズが高いフィットネスジムやコインランドリーを敷地内に置くことで、ニーズの拡大を狙いました。

運動前後に飲むドリンクの購入、乾燥を待っている間の暇つぶしなどにコンビニを活用する人が増え、シナジー効果が生まれています。

URL:https://www.family.co.jp/company/news_releases/2019/20190213_01.html

みずほフィナンシャルグループ | グループ一体経営

みずほフィナンシャルグループでは、グループ会社の合併による一体経営をしています。

経営のスリム化を図りコスト削減と顧客の利便性向上を意識したことから、売上の向上も図れるようになりました。

また、システムの共通化による業務効率化・構成人員の最適化などにもシナジー効果が現れています。

URL:https://www.mizuho-fg.co.jp/csr/governance/index.html

ビッグカメラとユニクロ | 業務提携

家電量販店ビックカメラとファストファッションブランド「ユニクロ」は、業務提携による店舗「ビックロ」を手がけています。

ライフスタイルや街を盛り上げるランドマーク店舗として誕生したことから高い注目を浴び、家電から衣料品まで安価に手に入るとして消費者にも受け入れられました。

売上向上だけでなく高い話題性を作ったことによる顧客拡大もでき、高いシナジー効果があったと分かります。

URL:https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/corp/press-release/2012/09/091115_store.html

ソフトバンク | M&A

ソフトバンクは、当初パッケージソフトウェア会社として設立してから多数のM&Aを繰り返し、大手通信インフラ会社として大成しています。

通信処理・出版・データ分析・ブロードバンドなどさまざまな強みを持つ会社を傘下に入れたほか、米国Yahoo!の買収を経て東証一部上場をはたしています。

会社の可能性を大きく広げるとともにシェアを拡大していく戦略として、海外の企業からも成功事例として注目されています。

シナジー効果で強い組織をつくろう

高いシナジー効果を得ることは、強い組織づくりのきっかけとなります。

収益を向上させたり人的資本の適切な活用ができたりすれば、パフォーマンスも高くなるでしょう。企業としての底力を強めたいときにこそ、シナジー効果を生み出す必要があると分かります。

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この記事を書いた人

Kanei Yoshifusaのアバター Kanei Yoshifusa ourly株式会社 コンサルティングセールス・組織開発チーム

前職は店舗ビジネス向けの業務効率化SaaS事業を展開する企業でCSに従事。
その後、ourly株式会社に参画。
200社以上の企業に組織課題解決の提案、現在30社の組織開発を支援。
富山県上市町出身。趣味は筋トレ/声マネ/滝行。

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