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タレントマネジメントシステムおすすめ6選!失敗しない選び方と目的別の比較ポイントを解説

河野 芳紀

公開日:

2021.11.25

更新日:

2025.09.25

タレントマネジメントシステムおすすめ6選!失敗しない選び方と目的別の比較ポイントを解説

タレントマネジメントとは、従業員一人ひとりの特徴やスキルを把握し、適材適所に人材配置などを行うマネジメント手法の一つです。

働き方が変わっている中で、会社として適材適所の人材配置をすることが重要になっているため、タレントマネジメントシステムの注目度が高まっています。

そこで本記事では、タレントマネジメントシステムのメリットやツールの選び方、おすすめのツールなどを紹介します。

目次

タレントマネジメントシステムとは

タレントマネジメントシステムとは、従業員ひとりひとりが持っている能力(タレント)を可視化し、人事管理に役立てるシステムのことを指します。

勤続年数・異動歴・昇進昇格歴・賞罰歴などを記録して人事管理に役立てる強い「人事管理システム」と異なり、個々の能力・適性・スキルなど可視化づらい部分をピックアップする方法だと言えるでしょう。

そのため、従業員を財産として考え、「人材管理」に着手したい企業で多く導入されています。

実際にタレントマネジメントシステムを導入して人材育成・目標管理・コンピテンシー管理に役立てられるシーンも多いため、次の章で詳しく見ていきましょう。

タレントマネジメントシステムを導入する4つのメリット

ここでは、タレントマネジメントシステムを導入するメリットを紹介します。

システムを導入する前に、まずは自社のメリットと従業員側のメリットを、共に正しく認識しておくことが大切です。自社のケースに当てはめながら、イメージしていきましょう。

反対にタレントマネジメントシステムのデメリットについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

人事評価(能力判断)が公平かつ効率的に

タレントマネジメントシステムは従業員ひとりひとりの能力・スキルを正しく管理する手法であるため、人事評価の際に役立ちます。

どれくらいの能力があるか客観的に判断しやすく、好き・嫌いなどの一方的な評価や、先入観やイメージに紐づいた主観的な評価を防ぎやすくなるでしょう。

また、これらの情報をシステム上で管理するため、人事部内での効率も上がります。納得感のある人事評価制度を導入したい場合には、ぜひ検討してみましょう。

人材育成が計画的に

従業員の能力・スキルを可視化することで、今後の人材育成案を作成しやすくなります。

次に身につけるべきスキルは何か、更に伸ばせそうなスキルは何かを判断し、研修・コーチングに役立てられるでしょう。

また、「この年代だけ例年と比較して成長が遅い」「求められているスキルと努力の方向性が違う」などのミスマッチにも気づきやすくなります。

人材育成案を組み立てるシーンでも、ミスマッチを防止して的確なリードをおこなうシーンでも役立つため、タレントマネジメントシステムのメリットが分かります。

従業員を可視化し最適な人事配置が可能に

能力やスキルを正確に把握できるため、適性に合った部署に配属できるメリットも生まれます。

なるべく適正に合った人事配置をしたいと思っていても、適正を見抜くこと自体が難しく、いつの間にか会社の都合や本人希望だけに沿ってしまうことも少なくありません。

短期的には問題ないように見えても、長期的なスパンで考えたときにミスマッチが生じやすく、会社としての成長が滞るリスクが発生します。

タレントマネジメントシステムを導入することは、人事配置のミスマッチを防ぎ、組織運営の最適化を図ることにつながります。最大パフォーマンスを期待したいときにこそ、導入のメリットが感じられるでしょう。

従業員のモチベーションUPに

タレントマネジメントシステムは従業員側のメリットも多く、モチベーションアップにつながります。

会社が自分の能力・スキルを正確に把握したうえで人事配置をしてくれれば、最適な環境のなかでしっかり成功体験を積めるでしょう。成長している実感を得やすく、自然と仕事のパフォーマンスが上がったり、出勤が楽しくなったりする効果が期待できます。

また、次にどんなスキルアップを会社から期待されているかまでフィードバックできれば、努力の方向性も定まりやすくなります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

タレントマネジメントシステムの主な機能

タレントマネジメントシステムは、製品によって個性がありますが、多くは以下の基本機能を備えています。自社の課題解決にはどの機能が必要かを考える参考にしてください。

人材データベース機能

システムの根幹となる機能です。従業員のあらゆる情報を集約し、検索や閲覧を容易にします。顔写真付きで表示されることが多く、直感的に社員を把握できます。多くのシステムでは、ドラッグ&ドロップで人員配置をシミュレーションし、人件費の変動などを確認できる機能も搭載されています。

スキル管理機能

従業員が持つ資格、習得した技術、過去の業務経験などを詳細に管理します。これにより、「特定のプログラミング言語を使えるエンジニア」や「海外赴任経験のある営業担当者」といった条件での人材検索が可能となり、プロジェクトチームの編成や適材配置に役立ちます。

人事評価サポート機能

MBOや360度評価、コンピテンシー評価など、企業が採用する様々な評価制度の運用を支援します。 評価シートの作成、配布、回収、集計といった一連のプロセスを自動化し、人事担当者や管理職の負担を大幅に軽減します。評価の甘辛調整機能により、評価の公平性を保つ助けにもなります。

目標管理機能(OKR・MBO)

企業の目標(Objective)と主要な成果(Key Results)を全社で共有し、個人の目標と連動させるOKRや、個別の目標管理を行うMBOの運用をサポートします。 目標の進捗状況を可視化し、上司と部下の定期的なコミュニケーション(1on1)を促すことで、目標達成に向けた従業員の自律的な行動を支援します。

分析・レポート機能

蓄積された人事データを多角的に分析し、組織の状態を可視化します。従業員の年齢構成や勤続年数、離職者の傾向分析、エンゲージメントサーベイの結果などをレポートとして出力できます。これらのデータに基づいた客観的な現状把握は、人事戦略や経営判断の質を高める上で不可欠です。

タレントマネジメントシステムの選び方

ここでは、タレントマネジメントシステムの選び方を紹介します。

前述したタレントマネジメントのメリットのなかで最も重視したいポイントは何か、何のために導入したいのかなどを明確にしながら、検討していきましょう。

価格:導入コストや維持費用はいくらかかるか

まずは、価格面での検討が必要です。

導入時の初期コストはもちろん、ランニングコストも正確に計算し、無理なく使い続けられる範囲かを考えます。

多くのタレントマネジメントシステムでは、プランや利用人数に合わせて料金が変動します。

今後従業員の数が増えたときや、部署再編成による管理者アカウントの増設があったときのことも考え、検討していくことがポイントです。

目的:ニーズを満たせるか

次に、タレントマネジメントシステムを導入するに至ったニーズを満たせるツールか、検討していきます。

下の表は、2種類の主要ニーズに対応した、タレントマネジメントシステムの機能表です。各種サービスに以下の機能があるかを確認しましょう。

ニーズ対応機能
人事評価・人材育成評価・ワークフロー機能
テンプレート機能
コンピテンシー管理
目標管理機能
eラーニング・研修管理機能 etc.
人材管理・人事配置プロフィール検索
スキル管理
データ分析・レポート
適性検査
採用管理機能
離職防止機能 etc.

しかし、タレントマネジメントシステムは多機能化が進んでいます。そのため、重要視する機能が強いツールを選ぶことが重要です。

例えば、公平な人事評価制度の策定を目的にする場合は、能力判断が正確なツールにするとよいでしょう。
計画的な人材育成をしたい場合、その後のスキルアップ施策や人事研修にまで一括管理できるようなシステムであることが望ましいです。
また、人事配置などに役立てたい場合、人事異動通達や配置図を手間なく作成できる労務管理ツールと連携できるシステムであれば、利便性が高まります。

まずは自社がタレントマネジメントシステムに何を望むか、明確にしてみましょう。

サポート:導入・運用のサポートを受けられるか

電話やチャットでのサポートに対応しているか、オンボーディングサポートが手厚いかなどを比較し、選定していくことも有効です。

また、サポートページやQ&Aを設けているか、営業担当と別にカスタマーサポート担当がつくかなど、ツールごとにサポートの質が異なることを理解しておきましょう。

既に導入している企業からの口コミ・評判も参考にしながら、実績重視で選ぶ方法もあります。

評判のいいツールはサポート体制がしっかり整っていることが多いため、検討材料のひとつに加えてみましょう。

連携:既存システムや他サービスとの連携が可能か

自社ですでに活用しているサービスとの連携が取れるか否かも、確認しておくと良いでしょう。タレントマネジメントはデータ量が重要なシステムのため、連携でより効果的なマネジメントを実現できます。

例えば、Slack・Googleカレンダーなどのサービスとの連携が可能なシステムや、API連携に対応しているものもあります。詳しくは以下の表・サービス一覧をご覧ください。

【厳選】おすすめタレントマネジメントシステム6選

ここでは、タレントマネジメントシステムを6つ紹介します。

前提として、タレントマネジメントシステムは多機能化が進んでいます。そこで本記事では、ニーズの高い4要素(人事評価・人材育成・人事配置・モチベーションアップ)を満たす機能を搭載した6サービスを紹介します

それぞれの特徴を知り、見積もりを取りながら比較・検討してみましょう。

HRBrain(株式会社HRBrain)

HRBrainは、株式会社HRBrainが提供するタレントマネジメントシステムです。
顧客満足度No.1を掲げるサービスであり、人事評価から人材データの管理・活用までワンストップで実現できることが特徴です。

HRBrainの特徴

  • 人事業務を簡単かつシンプルに管理でき、業務効率化に貢献する
  • 人事評価やフィードバックのフロー・進捗を可視化する
  • 異動希望ヒアリング・エンゲージメント調査などの機能も活用可
  • 無料お試しあり(7日間)

HRBrainの料金

要問い合わせ
※「タレントマネジメントプラン」「データベースプラン」に分かれる

URL:https://www.hrbrain.jp/talent-management

カオナビ(株式会社カオナビ)

カオナビは、株式会社カオナビが提供するタレントマネジメントシステムです。

カオナビの特徴

  • ユーザー満足度が高く、継続率99%以上を記録している
  • 人事業務効率化・評価運用効率化など利点が多い
  • 伴走型のオンボーディングサポートをしてくれる
  • 無料お試しあり(7日間)

カオナビの料金

要問い合わせ
※「ストラテジープラン」「パフォーマンスプラン」「データベースプラン」に分かれる

URL:https://www.kaonavi.jp/

タレントパレット(株式会社プラスアルファ・コンサルティング)

タレントパレットは株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供するタレントマネジメントシステムです。
「科学的人事戦略」を提唱しており、人事にマーケティング思考を取り入れることが可能です。

タレントパレットの特徴

  • 経営・人事戦略の意思決定を高度化できる
  • 従業員エンゲージメントをリアルタイムでチェックできる
  • 採用管理やミスマッチ防止に役立つ機能がついている
  • 無料お試しあり

タレントパレットの料金

要問い合わせ

URL:https://www.talent-palette.com/

SAP Success Factors(SAPジャパン株式会社)

SAP Success Factorsは、SAPジャパン株式会社が提供するクラウド人事ソフトウェアシステムです。
日本だけでなく世界的に有名なシステムであり、30ヶ国を超える国の企業で導入されています。

SAP Success Factorsの特徴

  • 従業員エクスペリエンスを重視して作られている
  • モチベーション管理や従業員のニーズ分析などに長けている
  • 変わり続ける人材ニーズをリアルタイムで可視化できる
  • 無料お試しなし

SAP Success Factorsの料金

要問い合わせ

URL:https://www.sap.com/japan/products/human-resources-hcm.html

人材管理クラウド「HRMOSタレントマネジメント」(株式会社ビズリーチ)

HRMOSタレントマネジメントは、株式会社ビズリーチが提供する人材管理クラウドです。
社員管理・人事評価・1on1支援までは幅広く対応しているツールであり、業務効率化や従業員エンゲージメント向上に貢献します。

HRMOSタレントマネジメントの特徴

  • オートメーション機能がついているためルーティン業務を簡略化しやすい
  • 従業員管理だけでなく、平均勤続年数・退職率など組織全体の管理もできる
  • 個人単位・チーム単位どちらの目標設定もサポートできる
  • 無料お試しなし

HRMOSタレントマネジメントの料金

要問い合わせ

URL:https://hrmos.co/hr/

CYDAS PEOPLE(株式会社サイダス)

CYDAS PEOPLEは株式会社サイダスが提供する人事システムです。
機能の幅広さや、システムを通してコミュニケーション活性化に取り組める点が特徴的です。

CYDAS PEOPLEの特徴

  • 人事のプラットフィームとして様々な施策を一元管理できる
  • 一元管理で豊富な情報が集まる
  • コミュニケーション活性化の仕組みがある
  • 無料お試しあり

CYDAS PEOPLEの料金

要問い合わせ
※サービスページに料金シュミレーションあり

URL:https://www.cydas.com/

タレントマネジメントシステムの導入を成功させるポイント

優れたシステムを選んでも、その後の運用がうまくいかなければ宝の持ち腐れになってしまいます。導入効果を最大化するための3つのポイントを解説します。

スモールスタートで段階的に導入する

最初から全社的に、すべての機能を使おうとすると、現場の混乱を招きがちです。まずは特定の部署や特定の課題(例:評価業務の効率化)に絞って導入し、成功体験を積み重ねながら徐々に対象範囲を広げていく「スモールスタート」が成功の秘訣です。

社内への周知と協力体制を構築する

タレントマネジメントシステムの運用には、従業員一人ひとりの協力が不可欠です。なぜこのシステムを導入するのか、導入によって従業員にどのようなメリットがあるのかを丁寧に説明し、理解と協力を得ることが重要です。経営層がリーダーシップを発揮し、全社的な取り組みであることを明確にメッセージすることも効果的です。

データを定期的に更新する運用ルールを定める

データは鮮度が命です。情報が古いままでは、せっかくのシステムも役に立ちません。「異動があったらすぐに情報を更新する」「資格を取得したら本人が入力する」など、データのメンテナンスに関する運用ルールを明確に定め、形骸化させないための仕組み作りが必要です。

相互理解を促進するタレントマネジメントシステム ourly profile

ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能やスキル管理機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。

簡易的なタレントマネジメントのためにご活用いただけます。

3つの大きな特徴により、リモートワーク下でも部署を超えた相互理解や社内のコミュニケーション活性化を実現します。

  • 人となりが一目でわかる自己紹介画面
  • 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
  • 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる

社員名などの基本的な検索機能に加え、所属部署や役職、Q&Aの回答項目などさまざまなセグメントでメンバーを絞り込むことができます。

それにより「この人こんなスキルを持ってたんだ!」「プロジェクトで行き詰まったから同じような経験ある人にアドバイスをもらおう」など、これまでになかった”新たなはじめまして”を社内で実現します。

料金については、従来のタレントマネジメントシステムに比べ、安価に運用いただけます。加えて、従業員規模に応じて幅広くご用意しておりますので、詳しくはサービスページまたは無料相談にて、詳しくお伝えいたします。

まとめ|自社ニーズに適したタレントマネジメントシステム導入を

タレントマネジメントシステムは、「公平かつ効率的な人事評価」「計画的な人材育成」「最適な人事配置」「従業員のモチベーションアップ」を支えるシステムです。

各社からタレントマネジメントシステムや人事ツールが提供されているため、自社にあったものがないか比較・検討しながら利用していきましょう。

そのためには、まず自社ニーズを明確にすることが大切です。

何を目的にタレントマネジメントシステム導入を検討しているのか、最終的なゴールがどこにあるのかを考え、理想像に近いシステムを選んでいくことをおすすめします。