風通しの良い職場とは、同僚や先輩後輩分け隔てなく率直に意見を言いやすい環境を指します。
コミュニケーションが活発で縦横の人間関係が良好な職場でよく見られます。風通しの良さゆえに革新的なアイデアが浮かんだり、迅速なトラブル対応が可能です。
しかし、中には風通しが良すぎるために上下関係の緊張感やメリハリを失っている企業も存在します。
本記事では、まずは風通しの良い職場作りに成功した実例を紹介した後、風通しの良い職場のメリット・デメリットを整理し、より良い職場環境作りのヒントをお届けします。
風通しの良い職場作りの成功事例5選
まずは、5つの成功事例について紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
バスクリン株式会社|銭湯部
入浴剤メーカーのバスクリンでは、若手とベテラン社員の交流促進を目的に「銭湯部」を創設しました。
社員の部署間を超えたコミュニケーションが生まれ、ベテラン社員から若手社員への知見や文化の伝承にもなっています。
2016年にはリクルートキャリア主催の「グッド・アクション賞」を受賞しています。
参照:バスクリン社はなぜ、「銭湯部」の活動が社内外で評価されたのか?
カルビー株式会社|オフィスダーツ
カルビーでは、2010年の本社移転を機に「オフィスダーツ」と呼ばれるユニークな座席割り当て制度を導入しました。
出社時に社員証をかざすと、コミュニケーション席・ソロ席・集中席の3タイプから選択でき、自動で座席が割り当てられる仕組みです。
時間ごとに席替えが促されるため、部門や役職を超えた交流が自然に生まれ、導入から4年後には会議数が従来の3割程度まで減少。
業績向上にもつながったと高く評価された取り組みです。
参照:ダーツで席決め 好業績のカルビー、成長の源はオフィスにあった!
JR東海(東海旅客鉄道株式会社)|ウォーキングイベント
JR東海では、社内コミュニケーションと健康促進を目的に、全社員参加型のウォーキングイベント「みんなで歩活」を年2回実施しています。
8割を超える社員が参加し、その6割以上が1日平均8000歩以上を達成しています。
この活動を通じて、部署・世代を超えたつながりが活性化し、企業文化にさらに良い循環が生まれています。
参照:健康経営
日立ソリューションズ|段々飛び懇談会
「段々飛び懇談会」は、社員と3段階以上上の役職者が直接対話し、会社の方針やビジョンを共有する場として設けられた取り組みです。部長は役員と、主任は本部長といったように、普段接点の少ない上位層と意見交換できる機会になります。
直属の上司は同席せず、本音を引き出しやすい配慮が特徴です。
上下の壁を越えた率直な対話を通じて、組織の信頼関係の土台に繋がっています。
GMO NIKKO|web社内報
風通しの良い職場作りの一環として、web社内報を活用する企業も増えています。
例えば、GMO NIKKOではweb社内報「ourly」を導入し、社内の情報共有やビジョン浸透に取り組んでいます。
社内報では、社員の自己紹介や表彰、キックオフイベントの様子、経営層からのメッセージなど多数の情報を掲載しています。またweb社内報であるため、読者側が気軽にコメントがしやすいので、部署や役職を超えたコミュニケーションが活発になりました。
具体的な活用内容・変化の背景については、ぜひ導入事例をご覧ください。

風通しの良い職場のメリット
ここまで風通しの良い職場作りの成功事例を見てきましたが、風通しの良い職場にはメリットとデメリットの両方が存在します。
そこでまずはメリットについて紹介します。
様々な意見やアイディアが出やすい
風通しの良い職場では、意見やアイディアが出やすくなります。
役職・年齢・部署・勤続年数を問わず自由に意見を発信でき、かつ意見を言うこと自体が歓迎されているような職場であれば、失敗や非難を恐れることなく発言できるでしょう。
生産性と業績が向上しやすい
風通しの良い職場では、生産性や業績の向上が期待できます。
なぜなら、居心地がよくストレスに悩まされる社員が少なく、目の前の業務に集中しやすいからです。
また社員自身のモチベーションが高いことも多く、1人1人の労働生産性の高まりも期待できます。
社員が定着しやすい
風通しの良い職場は社員にとって居心地がよく、人材が定着しやすくなります。
ときにはネガティブな相談や心配事も吐露できる環境であるため、モチベーションが下がることがあっても早期の段階で対処しやすくなるでしょう。
トラブルに対応しやすい
風通しの良い職場では報告・連絡・相談のフローが確立しており、ネガティブな報告であっても受け入れてくれる風土が整っているため、臆することなく全体への共有ができるでしょう。
ミスを次に活かして改善する動きも取りやすく、今後に活かすことも可能です。
風通しの良い職場のデメリット
続いて「風通しの良い職場」のデメリットについて解説します。
内気な社員の居心地が悪くなる可能性がある
風通しの良い職場は、内気な社員にとっては居心地が悪いと感じるかもしれません。
プライベートな話題に踏み込んたり、業務の手を止めて雑談することを良しとしない人がいることも理解したうえで、適度な距離感を保っていく必要があるでしょう。特に休日の遊びの誘いや社内サークルが活発な会社であれば、その輪に入れない人のことも視野に入れなければなりません。
緊張感がなくなり、締まりがなくなる可能性がある
風通しの良い職場では、「仲良しサークル」のような雰囲気になりやすく、緊張感がなくなり、締まりがなくなる可能性があります。
以下に「風通しの良い職場」と「仲良しサークル的な職場」の違いをまとめました。
風通しの良い職場 | 仲良しサークル的な職場 | 違い | |
意見の言いやすさ | 遠慮せず建設的な意見や指摘を言える | 雰囲気を壊さないように本音を言いづらい | 本音を言えるvs空気を読む |
人間関係のあり方 | 相手を尊重した上でフラットな関係が築かれている | なれ合いで、相互の甘えや依存が生まれやすい | 信頼と尊重vs甘えと遠慮 |
組織の目的意識 | 成果や目標に向けて意見・行動が集約されている | 仲の良さや調和が優先され、目的がぼやけがち | 目的重視vs雰囲気重視 |
課題への向き合い方 | 問題を共有し、改善へ向けて率直に行動できる | 問題を避けがちで、課題が放置されやすい | 向き合う文化vs目をそらす文化 |
リーダーシップ | 意見は尊重しつつも、判断・統率がしっかりしている | リーダーの立場が弱くなり、統率が効かないこともある | 自律と統率の両立vs遠慮と曖昧さ |
風通しの良い職場を作る取り組み例
最後に風通しの良い職場を作る一般的な取り組みを紹介します。
自社の状況や問題に応じて、どんな取り組みが合っているか意識しながら、ぜひ参考にしてみてください。
上司と1on1ミーティングをする
1on1ミーティングは、業務上の細かな方針のすり合わせからプライベートな相談まで幅広く受け付けられる場であり、回数を経ることに踏み込んだ会話ができるようになるでしょう。
特に縦の人間関係を良くする手法として確立しており、上司と部下の関係性向上を図りたいときに効果的です。

メンター制度を導入する
メンター制度とは、新入・若手社員に年・役職・仕事内容が近い社員をメンター(指導者)としてつける取り組みです。部署長より近い存在であるため相談しやすい空気を作れるほか、メンター自身の指導力向上にも貢献する手法として確立しました。
特に「些細なことだけど相談しても良いのか」と遠慮がちな若手社員を救うきっかけとして有効なため、若手の早期退職に悩んでいる企業は積極的に導入してみるとよいでしょう。

社内イベントを実施する
社内イベントを通してコミュニケーションを取りながら、風通しの良い職場を作る方法です。
バーベキュー・スポーツイベント・飲み会などオフラインでできるイベントもあれば、オンラインでできるイベントもあります。オンラインの場合、コミュニケーションゲームや他己紹介などプレゼンテーションゲームにチャレンジしてみるとよいでしょう。普段顔が見えづらいテレワーク社員の孤独感解消にも効果的です。

部活動・サークルを導入する
社内に部活動・サークルを導入し、業務外のコミュニケーションを生む方法です。
趣味や興味に基づいてメンバーを集めるため共通の話題が生まれやすく、部門の壁を超えたコミュニケーションが可能です。ガス抜きしながらストレス発散する場にもなり、風通しの良い職場を作りやすくなるでしょう。部活動・サークル活動に必要な資金の一部を支給するなど、会社を挙げてサポートすることもできます。
交流を目的としたランチ代を補助する
会社がランチ代を補助し、社員同士の交流に役立ててもらう手法です。
あくまでも交流を目的としたランチ会にのみ補助し、業務上不可欠な情報共有を兼ねるランチミーティングや社外との折衝は対象外とします。ランチ代も浮くため、社員にとっては一石二鳥の取り組みとして浸透します。
コミュニケーションツールを導入する
コミュニケーションツールを導入し、普段からコミュニケーションや情報共有を活性化させる手法です。
例えばチャットやオンライン動画システムを導入し、離れた場所でも業務をサポートする方法があります。他にも、社内SNSを通してちょっとしたつぶやきや発見を発信し、「いいね」などワンクリックでできるレスポンスを送り合うこともおすすめです。

風通しの良い職場は生産性に直結する
上司・部下が分け隔てなく率直に意見を言いやすい環境では、社員一人ひとりが安心して力を発揮しやすく、風通しの良い職場は組織全体の生産性やパフォーマンスに直結する重要な土台です。
改めて、自社の職場環境を振り返りながら、「風通しの良さ」とは何か、そしてどう育てていくかを考えてみてはいかがでしょうか。
風通しの良い職場を作るにはweb社内報のourlyを

ourlyは、社内コミュニケーションを活性化し、部門・部署を超えたつながりを生み出すweb社内報サービスです。
webの専門知識がなくても、誰でも簡単に投稿でき、気軽にコメントやリアクションができる設計で、部署や役職を超えた対話のきっかけをつくります。
さらに、閲覧率や読了率などの高度な分析機能により、誰にどのメッセージが届いているかを可視化。情報の偏りや伝達漏れを防ぎ、組織全体の風通しを良くする土壌を整えます。
運用面でも、コンテンツ作成や活用方法まで伴走支援があり、属人化や手間の負担を軽減。現場に寄り添いながら、実践的な改善を継続的にサポートします。
ourlyの特徴
- 部署や役職を超えた双方向コミュニケーションを生む、コメントやリアクション機能
- web知識ゼロでもOK! シンプルなUIUXで誰もが記事を発信できる
- 属性・部門ごとの記事分析で、誰にどんな情報が届いているかがわかる
「部署を越えた情報共有が進まない」「組織の一体感が感じられず、離職が心配」といった課題を抱える企業にこそ、ourlyは最適なソリューションです。