「組織文化の醸成に正解はない。だからこそ、試行錯誤や生きた悩みを共有する場が必要だ。」
そんな思いから開催された、ourly主催のクライアント限定イベント。
今回は、大東建託グループでエネルギー事業を展開する株式会社ガスパルの広報担当である根本さまと竹ノ内さまにご登壇いただきました。社員数1,000名超、全国100以上の拠点を抱える同社が、いかにして「拠点間の壁」を乗り越え、働きがいのある組織を作っているのか。
web社内報『ourly』とオフライン施策を巧みに組み合わせた、組織開発ノウハウの一部を公開いたします!
なぜクライアントイベントを実施するのか
冒頭、本イベント開催の目的を共有いたしました。
ourly 関根エンゲージメント向上や働きがいのある組織をつくる、組織文化の醸成といった取り組みに正解はありません。
企業のフェーズや規模によって運用方針は大きく異なるからです。
だからこそ、皆様の試行錯誤や悩みを企業の枠を超えて分かち合い、社外の同志と出会うことで視野を広げていただきたい。
そんな「正解のない問いを共有する場所」を作りたいと考えています。
単なるノウハウ共有にとどまらず、イベントで感じた刺激や熱量を組織へ持ち帰ってほしい。そのような思いがクライアントイベントには込められています。
ガスパル社の挑戦〜1,000人の心をつなぐ「巻き込み型」運用〜
ガスパル社は、経営理念の浸透に力を入れる一方で、多拠点展開ならではの課題を抱えていました。
- 拠点間・部門間のコミュニケーション不足
- ロールモデルが見つけられず、昇進意欲が湧きにくい
- 拠点ごとのエンゲージメントスコアにばらつきがある
これらの課題に対し、同社は『ourly』を活用し、「企業風土の醸成」「エンゲージメント向上」「コミュニケーション活性化」を目指しました。
今回お話しいただいたのは、広報課だけで運用するのではなく、組織全体を巻き込んだ運用体制についてです。
エントラスト制度で現場を巻き込む
広報課だけで運用するのではなく、販売所の事務員がキャリアの幅を広げるために本社業務をサポートする「エントラスト制度」を活用しています。
エントラスト制度は他部署に記事執筆を委託する制度で、3名のエントラストメンバーに加え他部門からも約10名が記事執筆に参加しています。
根本氏エントラスト制度への参加自体が個人の評価に加点されます。
また、他部門の方も自身の目標達成のためにourlyを活用しており、制度と連動させることで自然と社員を巻き込む体制ができています。

読まれる記事の秘訣とは?トップの想いと現場のリアル
ガスパル社のourly運用では、明確なKPI(広報課が執筆した記事の数値目標は閲覧率57%・リアクション率26%)を掲げ、読者の心を動かすコンテンツを発信しています。
今回は3つのコンテンツ企画についてお話しいただきました。

1. トップメッセージ 橋本さんの「hotひと息」
社長が毎週月曜日に公開するコラムは、最も読まれている人気コンテンツ。記事の目的は、自社の未来や立ち位置を理解し、経営陣への信頼を深めてもらうことです。
具体的な中身としては、会社の方針だけでなく、スポーツ選手や偉人のエピソードを交え、働く姿勢や価値観を伝えています。
竹ノ内氏社長が一人で執筆しており、社員との距離を縮める重要な場になっています。
「会社の方針が理解できた」「目的意識を持てるようになった」という声が多く寄せられています。
2. 現場にスポットを当てる「エリアマネージャー対談」
現場社員にとって身近なマネージャーの対談を通じて、販売所に勤務する社員の昇進意欲の醸成や、社内報への関心を高めていくことが目的です。
また、対談を通じて、社員の方々が会社の施策をより深く理解したり、会社の魅力を再発見したりと前向きな気づきにつながることも期待しています。
竹ノ内氏取材をさせていただいたマネージャーからは、「自分を知ってもらうきっかけになった」「現場とのコミュニケーションのきっかけになった」という声をいただきました。
組織や仲間の理解につながる人気コンテンツになっています。
3. 挑戦文化を醸成する「マイチャレンジ」
業界特有の傾向として、現場ではミスなく業務を遂行することが最優先であり、新しいことに挑戦しづらい雰囲気がありました。
そこで、失敗を恐れず挑戦を称賛する風土への転換を目指して、社員の挑戦を紹介する「マイチャレンジ」を連載。
雇用形態や職種、役職を問わず幅広く社員の挑戦を紹介しており、これまでに23本の記事を配信してきました。
竹ノ内氏最近では自薦他薦で幅広く募集をしています。
社内アンケートでは、「同じ職種の社員の記事を読んで自分の業務でももっとできるんじゃないかと刺激を受けた」というコメントがあり、前向きなマインドの醸成、挑戦を称賛する風土作りに確実に貢献しています。
「web社内報 × オフライン」でカルチャーを醸成させる
ガスパル社が実践する社内報運用がうまく機能している要因の1つとして、オフライン施策との連携が挙げられます。オフラインの場での熱量をオンラインである「ourly」で発信・共有し、カルチャーの醸成に取り組んでいます。
1. カタリバ:理念行動を語り合う場
社員が実践した「理念に基づく行動(理念行動)」を共有し、称賛し合う場を毎月事業所ごとに設けています。
社員エピソード目の不自由なお客様が入居された際、ガスメーターの場所がわかりにくいことに気づき、近隣の支援学校から点字テプラを借りて部屋番号を作成し、メーターに貼ってご案内した事例がありました。
こうした素晴らしい行動を共有する場ですが、制度開始時は「やらされ感」が出る懸念がありました。
そこでourlyを活用し、楽しんで実施している拠点の様子や工夫(独自の表彰制度など)を「モデルケース」として紹介。心理的ハードルを下げたことで、現在では全105拠点中99%が毎月実施する定着した施策となっています。
2. 理念アワード:全社員投票による表彰
優れた理念行動を全社員投票で選出し、年1回の全国会議で表彰しています。通常、会議の内容は管理職経由で現場に伝達されますが、どうしてもその場の「熱量」までは伝わりきりません。
そこで、表彰式の様子や受賞者の熱い想いをourlyで記事化。会議報告だけではこぼれ落ちてしまう「温度感」を、写真や本人の言葉とともに全社へ届けています。
3. まなラボ:自己研鑽のオンライン交流会
自己研鑽に関心のある社員が集まり、学びの工夫を共有する任意参加のイベントです。
任意参加ゆえに集客の課題がありましたが、開催レポートをourlyで発信することで、「どんな雰囲気なのか」「何が得られるのか」を可視化。
参加者のポジティブな感想(「刺激を受けた」「次は自分も発表したい」など)を記事で伝えることで、未参加者の関心を惹きつけ、次回参加へのハードルを下げる役割を果たしています。
根本氏オフライン施策はどうしても効果が短期的になりがちです。
それをourlyに残すことで「会社の履歴」を作り、熱量を維持することができます。
また、参加していない社員にも施策の意図を届け、巻き込んでいくことが可能です。

組織に起こったポジティブな変化
ourlyの導入とオフライン施策との連携により、組織には確実な変化が生まれています。社内アンケートの結果からも、その成果が数字として表れています。
1. 会社理解の深まり
アンケートでは、約7割の社員が「会社の方針や考え方への理解が深まった」と回答しました。
トップメッセージや対談記事だけでなく、「四半期ニュース」や他部門からの制度紹介など、多様な情報を発信し続けることで、ourlyが「会社を知るためのプラットフォーム」として定着しています。
2. コミュニケーションの増加
「会話のきっかけが増えた」「共通の話題ができた」など、コミュニケーションにポジティブな影響があったと回答した社員は6割を超えました。
記事をきっかけとした会話や、コメント欄を通じた交流が生まれ、社員同士のつながりを生む媒体として機能し始めています。
社員の声入社してまだ日が浅く、ガスパルがどのような会社かわからなかったが、記事のおかげで理解を深めることができた
このように、ourlyに蓄積された記事が「会社の履歴」となり、新入社員へのカルチャー浸透にも効果を発揮しています。
当日寄せられたご質問と回答
質疑応答セッションでは、「記事へのコメントを増やす工夫は?」「閲覧環境は?」など、運用担当者ならではのリアルな質問が飛び交いました。
Q1. 閲覧ツールはPCですか?スマホですか?
根本氏PCのみです。情報漏洩リスクやオンオフの切り替えを考慮し、個人のスマホでの閲覧は解禁していません。
現場社員の多くは、朝事業所に来てスケジュールを確認したら外出し、夕方帰社するという働き方です。
1日にPCに触れるのはわずか1〜2時間程度ですが、それでも高い閲覧率を維持できています。
Q2. まなラボの内容はどう決めていますか?
根本氏各回のテーマは人材開発部が設定しています。
例えば「仕事と自己研鑽の両立」というテーマでは、すでに自己研鑽に取り組んでいる社員が、これから始めたい社員に向けてノウハウをシェアすることで、参加者が「明日から一歩踏み出せる」ように後押ししています。
Q3. 記事へのコメントを増やす工夫はありますか?
竹ノ内氏正直に申し上げますと、最初は泥臭くお願いをしました(笑)。
エントラストメンバーや記事に関連する社員に個別に声をかけ、「最初の1コメント」をお願いしていました。
これによって「コメントのハードル」が下がり、次第にお願いしなくても自発的なコメントが増えたり、それを見た他の社員もコメントしてくれるようになりました。
Q4. 会社理解を深めるために行ったことは?
竹ノ内氏「ガスパルプラスを見れば、知りたいことが知れる」という状況を作れたことが大きいです。
業務的な指示は「通知通達」、詳細情報は「掲示板」と使い分けつつ、ourlyは「最新情報」や「会社の方針・想い」を知る場として位置づけています。
この棲み分けが浸透したことで、社員に目的意識を持って見てもらえるようになりました。
Q5. 「ガスパルプラス」という名前の由来は?
根本氏もともとイントラネットでPDFの社内報「ガスパル通信」を月1回発行していました。
web社内報への移行(DX)にあたり、「ガスパル」という名前は残しつつ、社員に「新たな価値(プラス)」を届けたいという想いを込めて「ガスパルプラス」と名付けました。
こうした現場のリアルな運用の裏側を語り合う場として、チャット欄は非常に盛り上がりました!
参加者アンケートより
約60名のクライアントさまに参加していただき、イベント後のアンケートでは、満足度100%(大変満足67%、やや満足33%)という高い評価もいただきました。
A社当社にもできることがまだまだあると気づかされた
B社オフライン施策との連携は目から鱗。点ではなく線で捉える視点が参考になった
C社同じ悩みを持つ他社の話を聞けて、孤独感が解消された
ourlyは「組織課題の解決を共に目指すパートナー」でありたい
ガスパル社の事例は、ツールを導入するだけでなく、「制度」「泥臭い運用」「オフライン施策との連携」を組み合わせることで、働きがいのある組織づくりを着実にされています。
また、ourlyは単なるツール提供だけではなく、こうした「各社の生きた知見」をつなぎ、組織課題という正解のない問いに共に挑むパートナーでありたいと考えています。
次回のイベントでも、皆様と共に組織開発の未来を語り合えることを楽しみにしています。
