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働きがいは考え抜かれた「人事評価制度」にあり?ナイルが「働きがいのある会社」ランキングに7年連続ランクインした秘訣

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「働きがい」というのは、一朝一夕に作れるものではなく、中長期的に作っていくもの。
そんな「働きがい」をずっと評価されている会社はどんな体制を作っているのだろうか?

気になった私は、今回「働きがいのある企業」ランキングに7年連続選出されているナイル株式会社で執行役員を務める小林さんと人事の増田さんにインタビューしてきました。

インタビュイー:
小林直道
1984年生まれ。明治大学経営学部卒。
株式会社ECナビ(現:株式会社VOYAGE GROUP)にて広告営業職およびWebディレクター職、アライアンス担当を歴任後、メディア事業の本部長職として収益向上を推進。
その後、ソネット・メディア・ネットワークス株式会社(現:SMN株式会社)へ参画し、DSP事業の営業課長として営業組織を牽引。2020年にナイル株式会社に参画し、自動車産業DX事業のHRBPと全社の組織人事領域全般を担当。

増田朱里
2012年入社。デジタルマーケティング事業部でコンテンツ管理、CS業務を経て、社長室(現:人事本部)の立ち上げに携わる。2016年から採用人事としてセールスやマーケター、エンジニアをはじめとする全ポジションのキャリア採用を中心に、制度設計・組織活性を兼務。現在はデジタルマーケティング事業部のHRBPとして採用から入社後のエンゲージメント向上、成長支援など一気通貫したサポートを行っている。

ナイル株式会社について:https://nyle.co.jp/

目次

MVVに紐づいた人事評価が働きがいを創り出している

――御社はGreat Place to Work「働きがいのある会社」ランキングで7年連続でランクインされています。従業員の方が働きがいを持って働ける環境づくりが成功している証明の一つかと思います。その大きな要因はなんでしょうか?

(小林様)
働きがいって社員ひとり一人によって捉え方や満たされ方が異なると思うんですが、会社で仕事をする上では結局「自分がやったことがどう成長につながるのか、評価されるのか」という問いに強く連動していると思っています。
そのため働きがいを高める上ではまず、前提としての「人事評価の考え方」が社内に浸透していることが重要だと考えています。

弊社ではオウンドメディアで事業やミッション/ビジョン/バリュー(以下、MVV)について発信しているのですが、それに紐づく人事評価の考え方もかなり詳しく発信しており、社内のメンバーもよく見ています。

そのため、自分の努力が事業にどう貢献していてどう評価されているのかをメンバーそれぞれ理解しながら働けていることが、働きがいを感じる要素の1つとしてあるのかなと。


――MVVやMVVに紐づく評価制度は作成したあと、それを浸透させることが難しいことも多いと思います。
御社はどのようにメンバーに浸透されているのでしょうか?

(増田様)
さまざまな方向から、かつ頻度高く発信していることが、浸透につながっているのだと思います。

具体的には、

  • 四半期ごとの全社経営会議での発信
  • 毎月の事業部会議での発信
  • 四半期ごとでの社内報
  • slackでの日々の発信
  • 代表と役員陣による社内ラジオ
  • 社内資料で展開
  • オウンドメディアの記事公開
  • マネージャー研修
  • 事業責任者・マネージャー・人事での徹底的な評価のすり合わせ

といった機会です。

特にマネージャーとはしっかりすり合わせているので、マネージャーがメンバーに伝えるときもズレなく伝わることを実現できていますね。

また、採用候補者の時から弊社のオウンドメディアを見て考え方に納得・共感している人がほとんどです。
入社時点で、弊社について理解を示してくれているので、比較的浸透しやすいのだと思います。

経営陣のブレない一貫したメッセージが7年連続ランクインの秘訣

――本当にさまざまな角度から発信されているのですね・・・!
ずっとこれほどまでにこだわって取り組みをされているですか?

(増田様)
そうですね。
ありがたいことに7年間連続で「働きがいのある会社」ランキングに選出させてもらってますが、まだ人数が多くなかった7年前は週に1回は代表からメッセージがありましたし、毎日のように朝礼や終礼を全体で行っていました。
そのころから、会社としてのメッセージ発信というのは、かなり頻繁に行っていましたね。

また、長期的にランクインさせていただいてる理由の1つに、経営陣のメッセージがぶれていないことにもあると思っています。
言葉は変われど「ナイルがどこを目指すのか、なぜ今の事業をしているのか。何を大切にしながら進んでいくのか」といった根本的なところはずっと変わっていません。

この一貫したメッセージがあるからこそ、それを体現するために人事評価のオープン具合や徹底した評価のすり合わせに繋がっているのだと思います。

自社開発したサーベイでメンバーの本音を引き出す

――御社は、MVVや人事評価の浸透の他にも、組織や個人の状態にもかなり気を配って組織運営されていると聞きました。
どんなことに取り組んでらっしゃるのでしょうか?

(小林様)
弊社では、四半期に一回、独自のサーベイを実施しています。

元々は他社のサーベイを用いて実施しておりましたが、既存のサーベイでは全体的なスコアや課題の外郭まではなんとなくわかるのですが、「誰が何にどんな課題を持っているのか」といった解決までの糸口までは見えなかったので、オリジナルのサーベイを開発しました。

また、サーベイは全員実名で実施しています。
匿名の方が回答しやすいという方も一般的には多いと思うのですが、今まで数を重ねてきて課題に対しては解決に至る様にアクションしてきたので、「リアルに回答したら改善されるかも」といった期待値は醸成できてきているので、実名回答も特に違和感なく受け入れられています。

その為、上司や部下との関係値、成長や環境への満足度などの組織状況については解像度高く理解できていると思います。生々しいコメントをいただくことも多いのでとてもリアルですが(笑)

――自社で開発されたということなのですが、どんなところを工夫しているのでしょうか?
また、どんな効果がありましたか?

(小林様)
弊社ならではの設問を用意しているところです。

例えば、ナイルのMVVについての設問だったり、リモートワークにおける仕事環境の充実具合だったり、仕事や成長への満足度だったりと色々聞いています。
「今よりもっと早いスピードで成長したい」「正直今の仕事はぬるいと感じていて、もっと高いレベルの業務携わりたい」など、普通のサーベイじゃ聞き出せない部分まで聞き出せるのは、オリジナルだからこそだと思います。

サーベイ自体の話ではないのですが、集計の方法にはこだわりを持って実施しています。
それは、各メンバーがどの設問に回答された数字をそのまま鵜呑みにしないということです。

弊社では4段階評価のアンケートで行っているのですが、「まずまず=2」とつける人もいれば、「まずまず=3」とつける人もいますよね。
その為、「まずまず=2」とやや厳しめにつけるメンバーが多いチームではスコアは相対的に他のチームよりも下がりますし、また直近で事業部全体でトラブルなどがあれば、全体的にスコアが下がるのは当たり前です。

それを「スコアが低くついたから状態が良くない」と判断してしまうのは間違っていますよね。もちろん全体感としてのスコアは参考値として把握はしますが、それが全てではないし、チームや構成員によってそのスコアの意味合いは変わるものだと捉えています。

なので、各メンバーが評価を低くつけがちなのか、高くつけがちなのかといったデータ解析した上で数値の意味を判断しますし、何か下がる要因や出来事があったのでは?と、ストーリーと一緒に考えて数値の意味を考えるようにしています。

その上で、各事業部の専属の人事がメンバーに対してヒアリングを行ったり、マネージャーや事業責任者と現状や今後のすり合わせを行ったりしているので、確実かつスピーディーに組織改善できていると感じています。

オフラインとオンラインを融合したコミュニケーション施策を模索し続けたい

――最後に、今後していきたい取り組みはどんなものがあるのでしょうか?

(増田様)
まだ具体的に決めているわけではないですが、オンラインとオフラインを融合したコミュニケーションの取り組みを模索したいなと考えています。

正直、オンライン上の施策ってネタがなくなってきてる感じはありますよね。
ただ、オンライン上でどうコミュニケーションを図っていくのかは、引き続き課題になるだろうとは感じています。
そこで大事になるのが、オンラインとオフラインを融合したコミュニケーションです。

ただ、オンラインとオフラインを融合した取り組みは、世間的にもまだ解が出ていない部分ですので、「全員で考え、作り上げる」そんなカルチャーが必要だと思っています。

そんな考えの中で、10月からカルチャーデザイン室という部署を立ち上げました。
組織のカルチャー作りに特化したメンバーをアサインしての立ち上がりということもあって、次々と新しい打ち手案が出てきており、今までにないくらいのスピードでナイルが変わっていきそうな雰囲気があります。

今までこだわってきた取り組みが多いですが、これまで以上のナイル株式会社としての最適解を模索し続けていきたいですね。

編集後記

インタビュー後、ナイルがどのような人事評価制度をオウンドメディアで公開しているのか見に行きました。
「ここまで評価制度が明確になっている企業があるのか・・・!」正直、そう感じました。

是非ご覧ください。

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ただ、人事評価だけではなく、理念浸透や経営陣のメッセージ発信、サーベイを使った組織改善やコミュニケーション施策など、その全てをやり切っているからこそ「働きがい」を作り出せている、それがナイルという組織である。

今回のインタビューを通してそう強く感じました。

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この記事を書いた人

Hiroki Sunagawaのアバター Hiroki Sunagawa ourly株式会社 セールスチームメンバー

ourly magazineのライティングとメンバーマネジメント担当。
アメフトを通じてチームプレイの重要さを学び、組織で一致団結してパフォーマンスを出すことに興味がある。
見た目ゴリラっぽいが、甘いスイーツと泣ける映画が好きな中身は乙女っぽい一面も。

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