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インタビューの質問項目の作り方|事前準備と目的別の質問事例を公開

インタビューの質問項目の作り方

社内報や自社サイトの制作で、インタビューの質問づくりを任された経験はありませんか。インタビューを成功させるには、事前の準備や質問づくりはもちろん、聞き方やまとめ方にも工夫を凝らす必要があります。

本記事では、「インタビューの質問項目の作り方が分からない」「インタビューを成功させるコツを知りたい」とお悩みの方のために、質問項目の作り方や事前にしておくべき準備、そして効果的なインタビューのまとめ方を解説しています。

目次

質問作成でおさえるべき基本の考え方

ただ闇雲に質問の例文を活用して質問項目を作るのではなく、今回のインタビューを通じて何を成し遂げたいのか、目的やゴールを明確にしたり、成功に導くための事前準備が必要です。まずは、インタビューの質問作成における基本的な考え方を学んでいきましょう。

インタビューの目的とゴールを設定

最初にインタビューの目的とゴールを明確にします。

例えば、インタビュイー(取材対象者)の人物像を紹介するためのインタビューの場合、過去の経歴を中心に紹介するのが近道です。子ども時代のエピソードやプライベートでの話など、興味深く読み進められる質問も浮かびます。

反対に、担当する業務や製品の内容にスポットライトを当てたいのであれば、質問の方向性が変わります。ノウハウ・ナレッジ・使っている技術など専門的な項目が多くなっていくでしょう。

まずは目的・ゴールを確認し、どのようなインタビューにしたいかイメージを作っておくことが重要です。

インタビュイーの事前リサーチ

インタビュイーがこれまでどのようなキャリアを歩んできたのか、どのような考えを持っているのか、発言しているのかを事前に確認することで、相手に適した質問を設定できます。リサーチの方法にはいくつかのアプローチがあります。

1.社内SNSやコミュニケーションツールをチェックする
社内のチャットツールやSNSでの投稿内容を調べ、インタビュイーの関心や考え方、最近のトピックについて知ることができます。これにより、インタビュー中に触れるべき最新の話題をピックアップできます。

2.役職や責任を理解する
インタビュイーの役職や担当業務について調べ、その業務の中で直面している課題や今後のビジョンを理解します。これにより、仕事に関連した質問が作りやすくなります。

3.過去のインタビューや発言を探る
もし過去にインタビューに答えたことがあれば、その内容を調べてみましょう。過去の発言をもとにさらに深掘りできる質問を準備できます。また過去と現在を対比することで、考え方の変化やその人の歴史を知ることができる質問も準備できます。

4.社内の他の社員との関係性を調べる
インタビュイーが所属している部署やチーム、プライベートで仲のいい社員などの関係性を調べてみましょう。インタビュイーの人となりや考え方、価値観を具体的に理解できるので、相手の興味・関心に基づいた深い質問が作成できます。

質問(オープン・クローズド)の使い分け

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンは、どちらの質問も異なる目的を持っており、インタビューの進行に応じて使い分けることで、深い洞察を得やすくなります。

オープンクエスチョン:「はい・いいえ」で答えられない、自由に考えを話せる質問。
質問例「このプロジェクトについてどう感じましたか?」

クローズドクエスチョン:回答が「はい・いいえ」など、限られた選択肢になる質問。
質問例「このプロジェクトに満足していますか?」

オープンクエスチョンを使用すると、インタビュー相手が自由に意見を述べやすくなり、思いもよらない情報を得ることができます。反対に、クローズドクエスチョンを使うことで、特定の事実や状況について確認し、方向性を定めることができます。

使い分けのポイント

  • 初めの段階ではオープンクエスチョンを使用して、相手が自由に話せる環境を作り、背景や詳細な意見を引き出します。
  • 途中でクローズドクエスチョンを使って、具体的な確認や事実を整理することで、インタビューの焦点を絞り、会話の流れを整理します。
  • 最後にオープンクエスチョンを再度使うことで、全体的な感想や意見を再確認し、話を締めくくります。

インタビュー相手への依頼

詳細が整い次第、インタビュー相手に依頼をします。インタビュー実施の日時・場所・所要時間だけでなく、目的も併せて知らせておけばあらかじめ内容をイメージしてもらうことができます。

また、質問リストを事前に相手と共有しておくのが理想です。特に、データや数字が必要な項目については前もって知らせておき、当日の進行をスムーズにしていきましょう。

【目的別】インタビューの質問例

自己紹介を魅力的に伝えたい

人となりを深掘りする

「最近、仕事以外で夢中になっていることは?」
「子供のころ、どんな遊びが好きでしたか?」
「休日はどのように過ごすことが多いですか?」
「最近読んだ本や見た映画で心に残ったものは?」
「家族や友人からどんな人物だと思われていますか?」

キャリアや価値観を引き出す

「働く上で一番大切にしている価値観は?」
「自分のキャリアの中で、最も誇りに思う瞬間はどんなときですか?」
「これからのキャリアで成し遂げたい目標は何ですか?」
「今まで最も苦労したこと、またどのようにして乗り越えましたか?」
「今の仕事を選んだ理由は何ですか?」
「理想の働き方はどんなものですか?」

部署・チームの活動を伝えたい

業務内容や成果を引き出す

「今取り組んでいる仕事の中で特に力を入れているプロジェクトは?」
「最近達成した業務の中で一番達成感を感じたものは?」
「プロジェクトを進める上で最も重視していることは何ですか?」
「チームの中で自分が担っている役割を教えてください」
「チームとしての最大の成果は何だったと感じていますか?」

部署の雰囲気や特徴を引き出す

「この部署ならではの文化や雰囲気は何ですか?」
「部署内で最も大切にしている価値観は何ですか?」
「新しいメンバーがこの部署に入るとき、どんなサポートがありますか?」
「チームワークを高めるために行っている取り組みはありますか?」
「部署内のコミュニケーションが活発な秘訣はありますか?」

社内コミュニケーションを活性化する質問例

他部署への理解を深める

「自分の部署から見て、他部署にもっと知ってほしいことはありますか?」
「他部署と連携する際に意識していることはありますか?」
「他部署のどのような取り組みが自分の仕事に役立つと思いますか?」
「他部署との情報共有で改善したい点はありますか?」

横断的な交流を促す

「他部署との連携でうまくいった事例を教えてください」
「社内で他部署との勉強会やイベントはどんなものがありますか?」
「他部署とのプロジェクトで苦労したことと、その解決策は?」
「他部署と意見を交換するときに大切にしていることは何ですか?」

【相手別・役職別】インタビューの質問例

社長・経営層への質問例

「これから会社として特に注力したいことは?」
「社員に最も伝えたいメッセージは何ですか?」
「会社が今後進むべき方向性について、どのように考えていますか?」
「企業文化を育むために、経営層が意識していることは?」
「今後の業界の変化にどのように対応していく予定ですか?」

中堅・管理職への質問例

「チームをまとめる上で大切にしていることは?」
「これまでに経験した印象深いプロジェクトは?」
「管理職として一番重要だと感じるスキルは何ですか?」
「業務を進める上で最も難しかった点は何ですか?」
「チームのこれからのビジョンや方向性は何ですか?」

若手社員への質問例

「入社して成長したと感じる瞬間はどんなとき?」
「今後挑戦したい仕事はありますか?」
「先輩社員からどんな指導を受けましたか?」
「今後どのようなスキルを身につけていきたいですか?」
「入社してから学んだ一番大切なことは何ですか?」

新入社員への質問例

「入社前のイメージと入社後でギャップを感じたことは?」
「職場で先輩から教えてもらったことで印象に残ったことは?」
「最初の3ヶ月で直面した困難は何でしたか?」
「職場の雰囲気に慣れるために心がけたことはありますか?」
「今後のキャリアに対する目標はどのように考えていますか?」

弊社のメディアでは数々の企業や著者に対して、組織文化の作り方、社内コミュニケーションや社内報の施策についてインタビューを行っています。どのような質問をしているのか参考になるかと思いますので、ぜひご覧ください。

事例・インタビュー記事はこちら

インタビューで質問する際のポイント

ここでは、インタビュー実施時のポイントを解説します。あらかじめ意識しておくだけで、スムーズかつ効率よくインタビューを進行できる可能性が高まります。

また、インタビュイーからの印象をよくする効果もあるので、参考にしてみましょう。

インタビュー時の基本的な姿勢

インタビューの基本姿勢として、相手へのリスペクトが挙げられます。貴重な時間を割いてインタビューに協力してもらっていること、相手が緊張せず楽しく話せるよう努めることを意識しておきましょう。

また、事前送付した質問リストを聞くことを意識しすぎて、一問一答の尋問のようになってしまうことを避けることも大切です。あくまでもコミュニケーションであることを忘れず、インタビューする側もリラックスして臨みましょう。

効率的なインタビューの進め方

効率よくインタビューを進めるには、インタビューの目的や必須質問を忘れることなく進行することが重要です。「どうしてもこれだけは聞いておきたいのですが…」「具体的な例をお聞かせ願えますか?」など、ある程度の舵取りはインタビューする側で実施できるよう意識しましょう。

また、相手が回答に悩んだときは自ら例を出すなど、積極的に答えを引き出す問いも必要です。脱線しすぎ、話の軸がブレすぎ、などを避けるため特に配慮したいポイントです。

インタビュー後の効果的なまとめ方

インタビュー後は記事の作成にあたり、内容の整理・整頓に移ります。その際に、最初に立てた目的が達成される記事になっているか、読み手が思わず興味を抱く会話になっているかなどを確認しましょう。

ポリシーにもよりますが、一言一句書き起こすのではなく、目的に応じた意訳や編集を入れても良いでしょう。

見出しでポイントを押さえる

カテゴリごとに見出しを作ったり、注目してほしいポイントを見出し化したりしながら伝えたいことを効果的に示します。全体にメリハリがつくだけでなく、カテゴリごとに内容が整理されるので読みやすさも向上します。

ときには、回答を一言でわかりやすく見出しにしてもよいでしょう。結論先出しになるので、限られた時間で記事に目を通したい人にも貢献します。また、「結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論」の順で伝えるPREP法も意識しながら見出しを作れれば、よりわかりやすくなるのでおすすめです。

読みやすさを意識する

読みやすさを意識して話の流れをアレンジすることも大切です。ときには話し言葉や「(笑)」などの記号も利用し、フランクに話しているコミュニケーションの場を意識させてもよいでしょう。

また、レイアウトを工夫して読みやすさを向上させる方法もあります。インタビュアーとインタビュイーの顔写真をアイコンにして交互に表示したり、定期的に写真やグラフを挿入したり、視覚的なアプローチをするのも効果的です。

【お役立ち資料】記事を読みやすくするテクニックはこちら!

ツールを利用する

インタビュー内容を短時間で効率よくまとめるため、ツールを活用するのもひとつの手段です。

例えば、インタビュー中の録音を自動で文字起こしするツールがあります。1から手作業で文字起こしするより短時間で終えられるので、その分内容の精査や構成にかける時間を確保できます。

また、複数人で同時に作業ができるワークスペースを活用し、メモ・意見・アイコンやアイキャッチの挿入などを並行することもできます。インタビューチームがいる場合や納期までの時間が短い場合に、検討してみましょう。

まとめ

インタビュー成功のためには、質問項目など事前準備が欠かせません。質問のカテゴリや優先順位を整理したり、相手が答えやすい聞き方にアレンジできたりすれば、当日の進行もスムーズに進みます。

また、質問する側もリラックスして、コミュニケーションを重視したインタビューにすることも重要です。必ず聞きたい質問項目とインタビューの趣旨だけ忘れないようにしながら、進行していきましょう。

よくある質問

インタビュー質問数の目安は?

インタビューの質問数は、インタビューの目的や相手の状況に応じて調整することが大切です。
30分のインタビューであれば、相手が答える時間を確保しつつ、無理なく進行できる8〜10問程度が理想的です。質問の内容が深い場合や、話が広がりやすいテーマの場合は、少し多めに質問を準備しても良いでしょう。一方、1時間のインタビューであれば、12〜15問程度が目安ですが、その中で掘り下げる部分が多い場合は、質問数を少し減らしてみることも良いでしょう。

インタビューの流れや順番は?

インタビューの流れは、相手がリラックスして答えやすいように構成することが重要です。一般的に、以下の順番で進めると、自然な展開になります。

基本情報:自己紹介や現在の仕事について話してもらうことで、インタビューがスタートしやすくなります。
過去の話:キャリアや経験、過去に達成した成果について触れ、相手の背景を深く理解します。
現在の話:現在の業務や役割について聞き、相手の今の状況や考え方を引き出します。
未来の話:今後の目標や挑戦について聞くことで、相手のビジョンを明確にし、インタビューをポジティブに締めくくります。

この流れに沿って質問を組み立てることで、インタビューの途中で迷うことなく、相手が自然に話しやすくなります。

インタビューを自然に終える方法は?

インタビューをスムーズに終えるためには、相手にとっても心地よい終わり方が求められます。例えば、「最後に一言メッセージをお願いします」と尋ねることで、相手に考えを整理させつつ、インタビューを締めくくることができます。このように締めの言葉を求めることで、感謝の意を表しつつ、ポジティブな印象でインタビューを終えることができます。

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