コロナ以降、これまで行っていた社内イベントが中断されている企業が増えています。そこで、この記事では社内イベントの目的や効果、そしてオンライン社内イベントのメリットやデメリットを解説します。
さらに、様々な目的や状況に合わせて分けた企画案100選を紹介します。また、社内コミュニケーションを活性化させるための施策や成功事例についても資料としてまとめています。詳しくはこちらをご覧ください。
面白い社内イベント事例7選
以下の企業はそれぞれ独自のアプローチで社内イベントを企画し、社員同士のコミュニケーションやチームビルディングを促進しています。ユニークなイベントは、社員のモチベーション向上や職場環境の改善にも寄与する重要な要素です。
ourly:社員プロフィールや社内報をもとにしたクイズ大会
ourlyでは、社員プロフィールや社内報に書かれていた内容を元にしたクイズ大会を定期的に開催し、社内コミュニケーション活性化を実現しています。社員プロフィールには、役職や部署だけでなく、個人のプライベートな情報や、これまでの経験や経歴などが書かれており、チーム対抗戦にすることで、部署や役職を超えたコミュニケーションの創出しています。
社員プロフィールについて、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ourly profile:組織の分断を解消する社内コラボレーション創出ツール
楽天:ハロウィンパーティー
楽天では、毎年恒例のハロウィンパーティーが社内イベントとして行われ、社員は個性的な仮装で参加します。このイベントは、和やかな雰囲気の中でのコミュニケーション促進に加え、社員同士がクリエイティブな発想を共有できる場にもなっています。楽しい体験を通じて、部門を超えた交流が活発に行われ、企業文化の一体感が強まる場でもあります。
引用:仕事も仮装も全力!Rakuten Halloween 2024 | 楽天グループ株式会社
株式会社IKUSA:サバイバルゲームを取り入れた検収
株式会社IKUSAでは、「サバ研」と呼ばれるサバイバルゲームを取り入れた研修イベントを実施しています。このイベントでは、社員がチームを組んで戦略を立て、協力しながらゲームを進める形式が特徴です。競技を通じて、社員同士のチームワークやコミュニケーション能力が自然に養われ、リーダーシップや問題解決能力の向上にも役立っています。
引用:サバ研 | サバゲーでOODA LOOPを学べるチームビルディング研修 | IKUSA.JP
東京システムハウス株式会社:オンラインカラオケ大会
東京システムハウス株式会社では、クライアント先に常駐している社員でも参加がしやすいように「オンラインカラオケ大会」を開催しています。従来のオフィスで開催する社内イベントと比べて約2倍の参加者が集まり、参加者からは「新鮮で楽しかった!」という声も多く寄せられました。
物理的な距離や時間の制約を超えて、社員同士がつながる社内イベントです。
引用:エンゲージメントスコアが改善!離れて働く社員の心もつなぐ、IT企業の取り組みに迫る。
サイボウズ株式会社:CMタイムという社員が自由にアナウンスの場
サイボウズ株式会社では、情報共有とコミュニケーション活性化に特化したユニークな社内イベントを展開しています。社長の青野氏が主催する「3M(Monthly Message Meeting)」では、売上報告や社員のプロジェクト紹介に加え、実況スレッド・チャットからリアルタイムで質問できる双方向型の仕組みを採用しています。
また「CMタイム(Cybozu Messageタイム)」では、社内に伝えたいことがある社員が自由にアナウンスできる場を毎月設けており、情報発信と情報収集の効果的なマッチングを実現しています。12月の「サイボウズオブザイヤー」では、社内で「ありがとう」の投票を行い上位者を表彰することで、感謝の気持ちを可視化し組織全体の結束力を高めている点が特徴的です。
GMOインターネットグループ株式会社:夏祭り
GMOインターネットグループ株式会社では、「仲間の笑顔を増やす会社宣言」のもと、ユニークな社内イベントを数多く開催しています。特に「GMO夏祭り」では、スタッフが浴衣で勤務し、社内のコミュニティスペース「シナジーカフェ GMO Yours」に屋台やくじ引きブースを設置した本格的な縁日を再現します。
さらに「GMOファミリースマイルデー」では、スタッフの家族や恋人を職場に招待し、ドローン操作体験やIoTワークショップなど最新技術に触れられる体験ブースを多数用意しています。年間を通じて新年会、花見、ハロウィン、クリスマスなど季節ごとのイベントも充実させ、仲間との絆を深める機会を積極的に創出している点が印象的です。
日本交通株式会社:日交輪ピック
日本交通株式会社が2025年1月に開催した社内スポーツイベント「日交輪ピック」は、まさに企業の枠を超えた大規模イベントとして注目されています。国立競技場第一体育館を貸し切り、ハイヤー・タクシー乗務員を含む49事業所から2,500名の社員とその家族が参加する壮大なスポーツ大会を実現しました。
特筆すべきは、企画から運営まで新卒入社の若手社員20名によるプロジェクトチームが1年間をかけて手掛けたという点です。ドッジボールや大縄跳び、リレーといった競技に加え、社内表彰や抽選会も併せて実施し、事業所の垣根を越えた交流の場を創出しています。
引用:2,500名が参加! 社内スポーツイベントを開催しました。 | 日本交通株式会社
社内イベントのおすすめ企画ネタ100選【目的・条件別】
面白い社内イベントのネタを目的・条件別に紹介します。
簡単に開催できる社内イベント
まずは、工数などを大きくかけずに簡単に開催できる社内イベントを紹介します。
- ラジオ体操
- カードゲーム
- ボードゲーム
- 映画・動画鑑賞会
- おすすめの商品(本など)紹介
- スイーツの持ち寄り
- お菓子・料理の持ち寄り
- ウォーキングミーティング
- オフサイトミーティング
- ホテルディナー
オンラインで開催できる社内イベント
リモートワークでも交流は必須。オンライン上で開催ができる社内イベントの企画案を紹介します。
- オンライン朝活
- オンラインランチ会
- オンライン飲み会
- オンライン動画観賞会
- オンライン謎解き
- オンラインビンゴ
- オンライン人狼
- e-sports大会
- オンラインアイデアソン
- ワードウルフ
- 絵しりとり
- 水平思考ゲーム
- オンライン輪読会
- ウェビナー
- オンラインカラオケ
交流促進のための社内イベント
ここからは、目的別に社内イベントを紹介します。まずは交流促進を目的とした社内イベントの企画案を紹介します。
- 運動会
- ファミリーデー
- シャッフルランチ
- 新年会忘年会
- 誕生日会
- 社員旅行
- 海外旅行
- 日帰り旅行
- 駅伝
- バーベーキュー
- クリスマスパーティー
- ハロウィーンイベント
- サバイバルゲーム
- ボーリング
- カラオケ
- 野球大会
- フットサル
- ブラインドサッカー
- スポーツ観戦
- キャンプ
- グランピング
- 脱出ゲーム
- 花見
- オクトーバーフェスト
- 納涼会
- ボルダリング
- ビンゴ大会
- クイズ大会
- 社内での夏祭り
- 芋煮会(料理イベント)
- 社内でケータリング
- バスツアー
- かくれんぼ
- 演劇鑑賞
- ウインタースポーツ
- マリンスポーツ
- 屋形船貸切
- ハイキング
- フライデーイベント
- 食べ物系フェスへの参加
- 社内ヨガ
- ロゲイニング
- ビジネスゲーム
- リアル鬼ごっこ
- 脱3密運動会
- みんなでソロキャンプ
- ゴルフコンペ
- 社内バーの設置
- ドレスコードの実施
モチベーションアップできる社内イベント
そして、従業員のモチベーションアップが期待できる社内イベントを紹介します。
- 合宿
- 全社員参加型の会議
- キックオフイベント
- 朝活での掃除
- 朝活での研修
- 祈願お参り
- グループワーク
- 新春書き初め会
- 海外でのイベント開催
- 社員による講演会
- ファミリーデー
- 職場体験・インターンの受け入れ
- 社内制度の社内コンペ
- 初詣
- みんなでワーケーション
理念浸透ができる社内イベント
最後に、従業員に理念浸透が期待できる社内イベントの企画案5を紹介します。
- 表彰式
- セミナー
- 周年記念の動画制作
- 周年記念の企画コンペ
- 周年記念イベント
- ボランティア活動
- タウンホールミーティング
- 社員総会
- 新規事業の社内コンペ
- 経営陣とのランチ会
- 経営陣による講演会
社内イベントを行う目的や得られる効果とは?
社内イベントを行う目的や社内イベントによって得られる効果としては、主に以下のようなことが挙げられます。
- 社員コミュニケーションの円滑化
- 社員のモチベーション向上
- 従業員の定着率向上
- 理念・ビジョンの浸透
実際に多くの企業で以上のことを目的として社内イベントを実施し、効果を実感していることが、人事労務分野の情報機関である産労総合研究所の調査で明らかになっています。特に多くの企業が目的・効果として挙げているのは、「社員コミュニケーションの円滑化」です。
この章では、それぞれについて詳しく説明します。
(引用:産労総合研究所, 『2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査』, <https://www.e-sanro.net/share/pdf/research/pr_2101.pdf>, 2025年7月閲覧)
社員コミュニケーションが円滑化
社内イベントを行うことで、これまで業務上の接点しかなかった人同士でも、業務外のところでコミュニケーションを取る機会を作れるため、お互いの人となりを知るよい機会となり、今後のコミュニケーションをより円滑に行えるようになる効果が期待できます。
もともと接点がなかった他部署の人とコミュニケーションを取れる機会でもあるので、社内イベントをきっかけにして、部署を横断した取り組みなどがスタートする可能性もあります。
社員のモチベーション向上
社内イベントを行うことで、同僚や他部署の社員とのコミュニケーションが活性化・円滑化し、社員はより居心地のよさを感じるようになります。
居心地がよいと感じると自然とモチベーションが上がり、会社への帰属意識が高まることも期待できます。
社内イベントの内容によってはチームプレーを求められることもあり、そういったイベントは、社員同士の一体感を生んで帰属意識を高めるのに非常に効果的です。
従業員の定着率向上
さらに、モチベーションや帰属意識の向上は、社員の離職率低下に大きな効果があります。
近年、仕事や働き方が多様化して選択肢が増えてきていることで、優秀な人材が社外に流出してしまうことが問題視されるようになってきています。
仕事の内容や働く環境に対する社員の満足度を上げることで、人材の外部流出を防ぎやすくなりますが、社内イベントはその一助となる可能性があります。
理念・ビジョンの浸透
社内イベントでは自分と同じレイヤーの社員だけではなく、普段はなかなかコミュニケーションを取ることができない経営層・上層部の社員と、コミュニケーションを取れることもあります。
ランチ会や懇親会などでは、一方向ではなく双方向のコミュニケーションが生まれるため、経営層・上層部の社員がどのような考えを持っているのかを聞くことができる一方で、自身が普段業務を行っている中で感じている疑問などをぶつけることもできます。
社内イベントの場で会社の理念やビジョンへの理解が深まり、より帰属意識が高まれば、今まで以上にモチベーション高く仕事に取り組むことができるでしょう。
社内イベントを成功させる8つのポイント
社内イベントの参加率を上げるためには、しっかりとした企画を立てることと当日の進行をきっちり行うことの両方が大切です。以下では、企画と進行それぞれにおいて重要なポイントを説明します。
女性社員の参加しやすいイベントを企画する
社内イベントと言えば、多くの社員が参加する一大行事のような印象がありますが、実は社内イベントに「参加したい」と前向きに考える社員がいる一方で、「参加したくない」と感じている社員も同じぐらいいるのが実情です。
イベントの内容によって参加意欲に違いはありますが、総じて女性のほうが男性よりも社内イベントに対する参加意欲が低い傾向にあります。
社内イベントを成功させるためには、女性社員が率先して参加したがるような内容のイベントを考えることが、ひとつの大きなポイントとして挙げられるかもしれません。
(引用:株式会社アスマーク, 『社内コミュニケーションに関するアンケート調査』, <https://www.asmarq.co.jp/data/mr201906jobcom/>, 2025年7月閲覧)
新年会・忘年会・歓送迎会・お花見は積極的に行う
新年会・忘年会や歓送迎会・お花見は、男女共に参加意欲が高い傾向にあります。
その一方で、ボーリングや運動会・社員旅行などは参加意欲があまり高くない傾向にありますが、これらのイベントは拘束時間が長いことが参加意欲に影響していると考えられます。
特別な意味を持たせたわけではない「定期的な飲み会」に対しての参加意欲が高いことも併せて考えると、「コミュニケーションをとる」ということに焦点を当てたイベントの人気が高い、と言える傾向にあるようです。
(引用:株式会社アスマーク, 『社内コミュニケーションに関するアンケート調査』, <https://www.asmarq.co.jp/data/mr201906jobcom/>, 2025年7月閲覧)
社員が参加したいイベントの要素を理解する
社員に「自ら進んで参加している」という気持ちを抱いてもらうためには、「社員が参加したいイベント」の要素を理解しなければなりません。
実際に何人かの社員に話を聞いてみて、得られた意見を要素分解することで、社員イベントにとって重要な要素を把握することができるでしょう。
この時、社内イベントの内容だけでなく、現在の職場に対する意見や不満・改善すべき点なども併せて調査しておくことで、目的に沿った社内イベントを行いやすくなります。
実際に参加してよかったと思われているイベントを把握する
過去に行われた社内イベントでは、アンケートなどの結果を振り返ることが役立ちます。社員の満足度が高かったイベントを把握することで、再び参加したいと思う社員が増え、その社員と関わりのある他の社員の参加意欲も高まる可能性があります。
過去のイベントがどの層に対して高い満足度があったかを調査することで、より多くの社員を巻き込める社内イベントのアイデアを生み出すヒントが得られるでしょう。
メンバーの選出
社内イベントはイベントの内容が重要なことは言うまでもありませんが、参加者を増やすためには「誰が」イベントの企画を行うかも、重要なポイントです。
企画者と仕事上で付き合いがあったり接点があったりすると、「じゃぁ参加してみようかな」と考える社員も多いであろうことから、なるべく多くの部署と関わりのある社員を選ぶのがおすすめです。
ただし、多くの部署と関わりのある社員は業務量も自ずと多くなりがちなので、社内イベントの企画担当に任命することでオーバーワークになってしまわないよう、十分配慮する必要があります。
定期的にリマインドを行う
社員の参加率を高めるためには、定期的なリマインドが欠かせません。
直前にリマインドを行われてもすでに予定が入っているかもしれませんし、あまりに前からアナウンスされても先のことすぎて忘れてしまう可能性が高いので、適切なタイミングで繰り返しリマインドを行うことを心がけましょう。
毎回同じような内容でのリマインドだとスルーされてしまう可能性もあるので、タイミングによって訴求方法を変えることも、参加率の向上には効果的です。
目的を明確にする
今回の社内イベントがどのような目的で開催されるのか、イベント企画者は参加者に明確に伝えることが大切です。目的がはっきりしていると、社員の参加意欲が高まり、また、継続的な実施にもつながりやすくなります。
目的の周知は社内報などを活用して継続的に行い、企画側の足並みを揃え、社員の負担を最小限に抑えるためにも重要なポイントです。
社内コミュニケーション施策を組み合わせる
社内イベントをはじめ、インターナルコミュニケーション施策は数多く存在します。
社内イベントで高めた一体感や連帯感を継続させるためには、社内報などのストック性のある社内コミュニケーション施策と組み合わせることが効果的です。多くの社内コミュニケーション施策を単体で考えるのではなく、組み合わせて効果最大化を狙いましょう。

従業員のエンゲージメントを向上させるためのインターナルコミュニケーション施策設計に関しては、こちらの資料でまとめていますので、是非ご覧ください。
従業員エンゲージメント向上に寄与する社内コミュニケーション施策の設計方法
社内イベントの企画・運営の手順
社内イベントの企画を初めて行う場合、どのようにして進めるべきか分からないかもしれません。以下では、社内イベントの企画の進め方について順に詳しく解説します。
手順1.目的を決める
「社内イベント成功のポイント」でも触れたように、企画を考えるにあたっては何よりも先に目的を決めることが重要です。
「部署の垣根を越えてコミュニケーションを活性化させる」「新入社員を中心に会社の理念を浸透させる」など、何を目的として社内イベントを行うのかをはっきりとさせましょう。
手順2.目的にあった企画内容を決める
目的が決まれば、その目的を達成するために最適な内容の企画を検討します。
「コミュニケーションの活性化」が目的だったとしても、「他の部署との」「チーム内での」など、対象をどのように設定するかによって企画の内容や方向性が変わってくるため、企画者自身が目的についてしっかりと腹落ちしている必要があります。
手順3.日時を決める
企画の内容が決まれば、実際に社内イベントを行う日時を決定します。
できるだけ多くの社員に参加してもらうためにも、参加しやすい曜日や時間帯で行うことを心がけ、繁忙期などは避けるようにしましょう。
手順4.メンバーを決める
社内イベント当日の運営を行ったり、定期的にリマインドを行ったりしてもらうメンバーを決定します。
参加者が多く集まるように、多くの部署と接点がある社員を選んだほうがよいことは、先ほどお伝えした通りです。
場合によっては運営側の意図を組んで行動してくれる、いわゆる「サクラ」がいたほうが盛り上がることもあるので、そのような場合はイベント当日までに適任者にサクラの打診をしておきましょう。
手順5.プログラム、マニュアルを作成する
目的・内容・日時・メンバーが決まれば、あとはイベント当日に向けてプログラムやマニュアルを作成します。
イベント当日に参加者が何の問題もなく楽しめるためだけでなく、企画側がスムーズに運営を行えるようにするためにも、プログラムやマニュアルは重要です。
あらかじめ想定しうる問題があるのであれば、その内容および対処方法をマニュアルに記載しておくことで、当日も自然な対処が可能になります。
手順6.開催後は報告書を作成
社内イベント開催後は、今後の社内イベント実施の際に活かせるように、報告書を作成します。
企画側が振り返りを行うのはもちろんですが、参加した社員にアンケートを取っておくなどすることで、今後の社内イベントをより有意義なものにするためのデータとなります。
まとめ:面白い社内イベントで組織を元気に!
社内イベントは、社員間のコミュニケーションを深め、モチベーションを高め、企業文化を育むための重要な施策です。本記事で紹介した企画アイデアや事例、具体的な進め方を参考に、ぜひ貴社ならではの面白い社内イベントを企画・実施してみてください。
従業員がいきいきと働ける、より良い組織づくりに繋がることを願っています。