経営理念の事例14選・作成メリット・業界別の比較・各社の特徴

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経営理念の作成を検討する際には、他社の経営理念がどのようなものかを知ることで、表現やワーディング・方向性などの参考になることも多々あります。

今回は、経営理念の作成メリットについて説明すると同時に、経営理念の事例を業界別に紹介します。

目次

経営理念とは

経営理念とは、会社の中長期的な方向性を示すものです。

企業の存在意義を明文化したものである「企業理念」と混同されることも多いですが、実際のところ両者に明確な違いがあるわけではなく、ほぼ同じ意味で用いられているケースも多いです。

経営理念とは?意味や効果・作り方・有名企業の経営理念を紹介

経営理念の目的とは

経営理念があることで、経営上の意思決定のスピード向上、組織の文化形成、人材確保などの観点で有益な効果が期待できます。

経営理念を策定することの具体的なメリットについては、次章で紹介します。

経営理念の作成メリット

経営理念を作成するメリットしては、主に以下のようなことが挙げられるでしょう。

  • 迅速かつ納得のいく判断ができる
  • 従業員のエンゲージメント・モチベーションの向上
  • 人材のリテンション(保持)
  • 認知度を高めることができる
  • 経営理念に共感する人材を採用できる

迅速かつ納得のいく判断ができることは、変化のスピードが早い昨今においては非常に重要な要素です。

認知度を高めたうえで経営理念に共感する人材を採用できるようになれば、採用戦略がこれまで以上にうまくいくようになること間違いありません。

そうして得た人材のエンゲージメントやモチベーションを向上させることで、離職率が低下し、人材のリテンションにつながります。

上述したメリットや経営理念の作成方法については、下記の記事でさらに詳しく説明していますので、興味がある方はぜひご覧ください。

経営理念とは?意味や効果・作り方・有名企業の経営理念を紹介
経営理念の作り方とは?7つの作成手順・注意点・浸透方法・おすすめ書籍

業界別の経営理念の事例

冒頭でも触れましたが、経営理念を作成する際には他社の事例を参考にするのもひとつの方法です。

以下では、自動車産業、コーヒーチェーン、コンビニ、雑貨・家具の4つの業界における大手企業の経営理念の事例を紹介します。

自動車産業

TOYOTA

TOYOTAでは、

「わたしたちは、幸せを量産する。」

(引用:トヨタ自動車株式会社,「トヨタフィロソフィー」,<https://global.toyota/jp/company/vision-and-philosophy/philosophy/>,2021年3月閲覧)

というMissionを掲げています。

Mission自体は非常に抽象度の高いものですが、それを実現するために具体的なVision、Valueが掲げられているのが大きな特徴です。

自動車メーカーでありながら自動車という括りで理念を掲げるのではなく、「幸せ」という壮大なスケールでの内容になっている点も、TOYOTAならではと言えるでしょう。

HONDA

HONDAの企業理念は、TOYOTAのようにキャッチフレーズの形ではなく文章形式になっており、

「『夢』を原動力として企業活動を行う」

(引用:本田技研工業株式会社,「会社案内」,<https://www.honda.co.jp/guide/philosophy/>,2021年3月閲覧)

という内容が非常に特徴的です。

また、HONDAの企業理念は

「『存在を期待される企業』をめざして、チャレンジを続けていきます」

(引用:本田技研工業株式会社,「会社案内」,<https://www.honda.co.jp/guide/philosophy/>,2021年3月閲覧)

という形で締めくくられています。

企業として社会や顧客に対して「どのようなこと・ものを提供するか」ということではなく、ステークホルダーに対して「どのような存在でありたいか」というメッセージを強く押し出しているのも、大きな特徴です。

日産

日産のMissionは、

「私たち日産は信頼される企業として、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供します。」

(引用:日産自動車株式会社,「会社情報」,<https://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/MESSAGE/VISION/>,2021年3月閲覧)

という内容です。

TOYOTAやHONDAとは異なり、「クルマ」という具体的な商品・サービス名が登場しているのが特徴と言えるでしょう。

自社の商品やサービスを通じて、何をステークホルダーに提供するかを定義している点は、TOYOTAと共通しています。

SUZUKI

SUZUKIは

「小さなクルマ、大きな未来。」

(引用:スズキ株式会社,「トップメッセージ」,<https://www.suzuki.co.jp/corporate/message/policy.html#:~:text=%E4%BB%8A%E5%BE%8C%E3%82%82%E3%81%8A%E5%AE%A2%E6%A7%98%E3%81%AB%E5%96%9C%E3%81%B0,%E3%81%AB%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%BE%E3%81%84%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82>,2021年3月閲覧)

というメッセージをスローガンとして掲げています。

「クルマ」という商品・サービスを通じて、どのような社会を創造するかについて触れている点は、HONDAと共通していると言えるでしょう。

まとめ

いずれも自動車メーカーでありながら、「クルマ」という自社を象徴するサービスを経営理念やMissionに含めているかいないかは、各社によって違いがあります。

また、自社が提供する価値を掲げるのか、理想とする社会の形を掲げるのかといった点においても各社で違いが見られるのは、それぞれの企業が何を理想として事業をおこなっているかが異なっているからと、考えられます。

コーヒーチェーン

スターバックス

スターバックスのMissionは、

「人々の心を豊かで活力あるものにするためにー

一人のお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」

(引用:スターバックスジャパン株式会社,「Our Mission and Values」,<https://www.starbucks.co.jp/company/mission.html>,2021年3月閲覧)

です。

大きな目的として「人々の心を豊かで活力あるものにする」ということを掲げたうえで、そのための手段としてお客様への対応やコーヒーの提供、コミュニティの創造について言及しています。

タリーズ

タリーズの経営理念は、

「一杯のコーヒーを通じて、「お客様」、「フェロー」、「社会」に新しい価値を創造し、共に成長する。」

(引用:タリーズコーヒージャパン株式会社,「経営理念」,<https://www.tullys.co.jp/company/policy.html>,2021年3月閲覧)

です。

タリーズの主力商品である「コーヒー」という手段を通じて、お客様や社会にどのようなことを提供したいかについて、定義されています。

また、何を提供するかだけでなく、「共に成長する」という企業のあり方についても定義されているのが特徴的です。

ドトール

ドトールの企業理念は、

「一杯のおいしいコーヒーを通じて、お客様にやすらぎと活力を提供する。」

(引用:株式会社ドトールコーヒー,「企業理念」,<https://www.doutor.co.jp/about_us/company/identity.html>,2021年3月閲覧)

です。

コーヒーを通じて何を提供するかについて定義されているという点では、タリーズの経営理念と共通する部分があると言えます。

ただ、ドトールのほうがよりシンプルな内容になっているため、メッセージとしては伝わりやすいと言えるかもしれません。

コメダホールディングス

コメダホールディングスの経営理念は、

「私たちは”珈琲を大切にする心から”を通してお客様に”くつろぐ、いちばんいいところ”を提供します」

(引用:株式会社コメダホールディングス,「グループ事業の概要」,<http://www.komeda-holdings.co.jp/company/individual.html#:~:text=%E5%BD%93%E7%A4%BE%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8C%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1,%E4%B8%AD%E5%BF%83%E3%81%AB%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%A7%E3%83%95%E3%83%AB>,2021年3月閲覧)

です。

コメダもスターバックスやタリーズのようなコーヒーチェーンではありますが、「珈琲の提供を通して」ではなく、「『珈琲を大切にする心から』を通して」という表現で経営理念を掲げています。

商品やサービスそのものではなく、それらを提供する姿勢を通して、という形で提供する価値が明文化されているのが、コメダの経営理念の大きな特徴と言えるでしょう。

まとめ

いずれの企業でも、自社の主力商品・サービスである「コーヒー」を使ってどのような価値を提供したいかということが、経営理念や企業理念にて掲げられています。

また、スターバックスの「人々の心を豊かで活力あるものにすること」、コメダの「珈琲への姿勢を通じて」などのように、サービスをどのように捉えているか、どのような点にプライオリティを置いているかなどが、各社の言葉・表現に表れています。

コンビニ

ファミリーマート

ファミリーマートのコーポレートメッセージは、

あなたと、コンビに、ファミリーマート」

(引用:株式会社ファミリーマート,「ファミリーマート基本理念」,<https://www.family.co.jp/company/familymart/idea.html>,2021年3月閲覧)

です。

コーポレートメッセージとして上記を掲げたうえで、さらに「地域に寄り添う」をはじめとした「私たちが大切にする3つのこと」や、「社員の約束」なども掲げられています。

「あなたと、コンビに」というメッセージに込められた想いをどのような働き方で実現しようとしているか、どのような状態を理想と考え目指そうとしているかなどが、私たちが大切にする3つのこと」や「社員の約束」で詳しく記載されているのが特徴です。

セブンイレブン ジャパン

セブンイレブン ジャパンの企業理念は、以下の通りです。

「私たちは

いかなる時代にもお店と共に

あまねく地域社会の利便性を追求し続け

毎日の豊かな暮らしを実現する」

(引用:株式会社セブンイレブン ジャパン,「企業理念」,<https://www.sej.co.jp/company/principle.html>,2021年3月閲覧)

セブンイレブンの企業理念は文章形式になっており、ファミリーマートのコーポレートメッセージから受けるキャッチーな印象とは、また違った印象を受けます。

「何を」「誰に」「どのように」提供するかが分かりやすく端的に記されているため、非常に伝わりやすい企業理念と言えるでしょう。

ローソン

ローソンのグループ理念は、

「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」

(引用:株式会社ローソン,「グループ理念・ビジョン・ローソンWAY」,<https://www.lawson.co.jp/company/corporate/data/idea/>,2021年3月閲覧)

です。

グループ理念として掲げたメッセージを達成するためにどのような状態を目指すかがビジョンで定義されており、それを実現するために重要となる行動や考え方などが、ローソンWAYで示されています。

グループ理念→ビジョン→ローソンWAYと、少しずつ抽象度が和らいでいきより具体的な内容になっているのが特徴的です。

まとめ

コーヒーチェーン各社の経営理念は、いずれも自社の主力商品・サービスである「コーヒー」を含んだものになっていました。

また、自動車メーカー各社の経営理念では「クルマ」という表現を用いるかどうかにおいて違いはあったものの、「クルマを通じて」というニュアンスがくみ取れるものが大半でした。

一方コンビニ各社では、いわゆる「主力」と呼ばれる商品やサービスを定義しにくいという事情も反映されてか、経営理念が提示する内容や方向性にはあまり統一感はありません。

このように、何を掲げてどのようなことを提示するかが、同じ業界でも異なるケースもあり得ます。

雑貨・家具

ニトリ

ニトリの企業理念は「ロマン」という表現になっており、その内容は

「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」

(引用:株式会社ニトリ,「企業理念」,<https://www.nitori.co.jp/about_us/philosophy.html>,2021年3月閲覧)

です。

さらに、そのロマンを叶えるため、どれくらいの規模の企業を目指すかがビジョンとして掲げられています。

企業規模に言及しているという点は、これまで紹介した企業の企業理念にはあまり見られなかったことであり、ニトリの企業理念の特徴的な点と言えるでしょう。

IKEA

IKEAのビジネス理念は、

「優れたデザインと機能性を兼ね備えたホームファニッシング製品を幅広く取りそろえ、より多くの方々にご購入いただけるよう、できる限り手ごろな価格でご提供すること」

(引用:イケア ジャパン株式会社,「イケアコンセプト」,<https://www.ikea.com/jp/ja/this-is-ikea/the-ikea-concept-pube700d670>,2021年3月閲覧)

です。

比較的抽象的な表現で示される経営理念が多い中で、IKEAのビジネス理念はかなり具体的な内容となっています。

具体的で分かりやすい理念は、社内の人にとっても顧客や消費者といった社外の人にとっても、ハッキリとしたメッセージとなるでしょう。

無印良品

無印良品の企業理念は、以下の3つです。

「・良品価値の探求

 ・成長の良循環

 ・最良のパートナーシップ」

(引用:株式会社良品計画,「企業理念」,<https://ryohin-keikaku.jp/corporate/philosophy/>,2021年3月閲覧)

これら3つの理念により、仕事にどのような姿勢で取り組み、どんな状態を作るか、その先にどんな社会を望むかが記されています。

また、企業理念を達成するための指針として、「カスタマー・レスポンスの徹底」などの5つの行動基準が掲げられているのも特徴的です。

まとめ

ニトリでは提供する価値、IKEAでは提供価値とその手段・方法、無印良品では取り組む姿勢やその先にある理想的な社会を、理念によって示しています。

取り扱う商品やサービスのジャンルが重なることも多い3社ですが、経営理念の方向性の違いが、商品・サービスの方向性や提供方法などの違いに表れていると言えるでしょう。

他社の経営理念を参考にしよう

経営理念とは、会社の中長期的な方向性や方針を示すものです。

経営理念があることで、組織としての意思決定スピードが向上し、組織の文化が形成されやすくなり、人材の確保・強化もおこないやすくなります。

同じ業界の企業でも、それぞれの組織が重要視する考え方や描く理想によって、掲げる理念の方向性や内容が異なることは多々ありますし、理念をどの程度抽象的または具体的なものにするかも、企業の考え方次第です。

経営理念を作る際は、多くの他社事例を参考にしながら、自社にあったテイストおよび方向性の経営理念を作成することを心がけましょう。

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この記事を書いた人

ourlyのメディア担当。12年間のサッカー経験を活かして前職ではスポーツメディアの運営に携わる。その経験を活かしてourlyのメディア担当としてourly Mag.とourlyの成長に全力コミット中。

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