組織図の作成ツールおすすめ6選|種類と失敗しない手順も紹介
組織図とは、企業の部署や課・係などの内部構造や従業員情報が図式化されたものです。
組織図の作成にはツールの使用がもっとも一般的で効率的ですが、その種類は多く、組織図の作り方自体も会社によって千差万別であることから、「どのような手順で作成し、どのツールを使えばいいのか」と迷う方もいると思います。
本記事では、組織図の概要や作り方・手順を詳細に解説し、おすすめの組織図作成ツールを厳選して6つ紹介します。
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組織図とは
組織図とは、自社の部署・課・係などの内部構造が一目で分かるよう図式化したものを指します。どの部門が誰の管轄下にあるのかなど、指揮命令系統の把握に役立ちます。
自社の構造が分かりやすくなるため、HPや会社案内パンフレットに組織図を掲載している企業も多いです。
また、従業員の顔写真や役職も掲載し、組織図と配置図を兼ねたデザインにしてるケースもあります。組織図を作成する目的・用途に合わせてデザインすれば、使い勝手の幅が増えることも特徴です。
組織図の3種類
組織図の種類は、大きく分けて3つに分かれます。下記では個々の組織形態が持つ特徴や図式の方法を解説するため、参考にしてみましょう。
ピラミッド型(階層型)
ピラミッド型(階層型)の組織図は、上から下に向けて組織が枝分かれする、文字通りピラミッドのような形態になることが特徴です。
どの役員がどの部門を管轄しているか、どの部門にどんな課・係があるかを可視化できます。複数の部門を持つ企業や規模の大きな企業と相性がよいでしょう。
誰から業務命令が下りてくるかを分かりやすくできるため、パワーバランスの把握にも役立ちます。
フラット型
フラット型の組織図は、ピラミッド型(階層型)よりも横に長くなることが特徴です。中間管理職が少ないため階層も浅く、2~3階層程度になることが多いでしょう。
「誰が誰の上司であるか」を把握しやすく、部門ごとではなく人ごとの管理ができる点が利点です。
役職数が少ない会社や部門数が少ない会社に向いているでしょう。また、組織構造ではなく人的資源の配置を可視化したいときにも向いています。
フラット型組織については、下記でも詳しく解説しています。
マトリックス型
マトリックス型の組織図は、部門と職務内容を掛け合わせてボックスのように表記することが特徴です。
縦軸に部門、横軸に組織内容を書くことが多く、「営業部門でAプロジェクトに関わっている人」「マーケティング部でAプロジェクトに関わっている人」など配属部門と仕事内容を可視化できます。
マトリックス型組織は複数のリーダーから指示を受けることが多いため複雑化しやすく、それぞれの立ち位置を明確にしておくことが欠かせません。
分かりやすい組織図を作ることが把握の第一歩となるため、早い段階で組織図づくりに着手した方がよいでしょう。
マトリックス型の組織については、下記でも詳しく解説しています。
組織図構築に作成ツールが必須
組織図構成には、組織図作成に最適なツールを使うことをおすすめします。
ピラミッド型・フラット型・マトリックス型いずれの組織形態であっても使いやすいツールがあれば、レイアウトや構成を練るのに多くの時間を費やさずに済むでしょう。後々の編集のしやすさも視野に入れ、ツール選定をしていくことがおすすめです。
また、完成した組織図は社内報などを介して全社に通知していきましょう。自分が所属する組織の構造を知ってもらうためにも、組織図作成の狙い・目的まで含めて共有していくことがポイントです。
組織図の作成ツールおすすめ6選
最後に、組織図作成に役立つツールを紹介します。
テンプレートが豊富なツールや直観的な操作がしやすいツールを中心に紹介するため、組織図づくりの手間・工数を削減したい場合はぜひチェックしてみましょう。
ourly profile
ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィールを組織図にできる社内コラボレーション創出ツールです。
3つの大きな特徴により、リモートワーク下でも部署を超えた相互理解やスキル管理を実現します。
- 人となりが一目でわかる自己紹介画面
- 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
- 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる
社員名などの基本的な検索機能に加え、所属部署や役職、Q&Aの回答項目などさまざまなセグメントでメンバーを絞り込むことができます。「この人こんなスキルを持ってたんだ!」「行き詰まったから同じような経験ある人にアドバイスをもらおう」など、これまでになかった”開かれたスキル管理”を社内で実現します。
料金については、従業員規模に応じて幅広くご用意しております。詳しくはサービスページをご覧ください。
Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは、Google社による表計算ソフトです。Excelと同じ感覚で使用しやすい他、オンライン上での同時編集・同時チェックにも向いています。
グラフ作成のテンプレートに「組織図」があるため、ワンクリックするだけで組織図の作成が可能です。最低限の情報入力とレイアウトの調整だけで済み、後日の編集も簡単に実行できることがメリットです。
MS Office|SmartArt
SmartArtは、Word・Excel・PowerPointなどマイクロソフト社のOfficeソフトに搭載されている機能です。
あらかじめ組織図のテンプレートを選択することができ、項目を後から追加・削除できるため便利です。グループごとに色分けやボックスの追加もしやすく、分かりやすい組織図とすることができるでしょう。
色や文字のサイズも種類豊富であり、自社のオリジナリティを出しやすいこともポイントです。
Canva
Canvaは、Webブラウザからだけでなくスマートフォンでも組織図が作れるデザイン作成ツールです。
スタイリッシュな組織図テンプレートが多く、プレゼンテーション資料や会社案内パンフレットへの埋め込みをしても自然な印象にまとまります。
コンポーネントをドラック&ドロップするだけで作業が進む操作性も話題であり、ソフトの扱いに慣れていない人にも扱いやすくなっています。顔写真などを埋め込みたいときや、デザイン性の高さを追求したいときに便利です。
URL:https://www.canva.com/ja_jp/
GitMind
GitMindは、思考を可視化するマインドマップツールです。ブレインストーミングやアイディア出しに使うことが多いツールですが、体系化された組織図づくりにも役立ちます。
フローチャート用のテンプレートが多く、実用記号や矢印などの素材も豊富に提供されています。扱い方も簡単であり、視認性の高い組織図にしたいときに有効です。
Edraw
Edrawは、多機能搭載型の作図ツールです。
スマート描画機能が搭載されているため複雑な組織図でも直感的に作成しやすいだけでなく、テンプレートから組織図の基本スタイルを選択して追加・削除だけで完成させることも可能です。
280種類以上のダイアグラムを作成できるツールであり、組織形態を選ばず導入しやすいツールと言えるでしょう。
出力形式はPDFに限られていますが、組織形態変更に伴う編集がしやすいことも利点です。
URL:https://www.edrawsoft.com/jp/
組織図作成ツール比較表
ourly profile | Google スプレッドシート | MS Office| SmartArt | Canva | GitMind | Edraw | |
特徴 | ・社員同士が自らつながる場として機能 ・組織構造と社員のスキルを可視化 | ・幅広い機能を持つ表計算ソフト ・複数のアカウントが同時に編集可能 | ・テンプレートからデザインを作る ・MS Ofiiceに搭載 | ・豊富なテンプレートを編集できるデザインツール ・無料で使用可能 ※制限あり | ・思考を可視化するマインドマップツール ・フローチャートなど流動性の高い情報の構造化が得意 | ・豊富な素材 ・PDFのみの出力 |
機能 | ・組織図機能 ・プロフィール機能 ・タグ付け・タグ検索機能 | ・組織図テンプレート ・複数アカウントの同時編集機能 | ・組織図テンプレート ・色・フォント・サイズ調整 | ・テンプレート ・色・フォント・サイズ調整 | ・テンプレート ・矢印や実用記号などの素材 | ・組織図テンプレート ・AIによる自動描画 |
組織図の作成手順
組織図は、下記の手順に沿って作成していくことがポイントです。
- 組織図を作成する目的を定める
- 組織図の作成範囲を定める
- 作成範囲に応じて構成要素(部署・課・係)を洗い出す
- 従業員情報を収集する
- 組織図の種類(作成形式)を決める
- 作成ツールで組織図に落とし込む
- 視認性の高いレイアウトにする
- 完成|更新の取り決めを行う
- 完成|必要な確認を取り周知をする
ひとつひとつ手順を追っていけば、現在の組織形態を正確に把握できる組織図づくりができるでしょう。
下記で詳しく解説していきます。
1. 組織図を作成する目的を定める
まずは、組織図を作成する目的を明確に定めます。
社外向けに作成する場合は、基本的な組織構造や社内体制の可視化が目的となることが多いでしょう。反対に社内向けに作成する場合、指揮命令系統の可視化や従業員の配置図作りも目的となることが多いです。
社内コミュニケーションやタレントマネジメントへの活用を検討している場合は、従業員の顔従業員など人事情報も反映させる方法もあります。
作成後のミスマッチを防ぐためにも、事前に目的を共有しておくことが大切です。
2. 組織図の作成範囲を定める
次に、組織図の作成範囲を決定します。
社内にある全ての組織を可視化したいのか、部門や課だけ分かればいいのかによって、作成範囲は異なります。また、部門ごとに配置されている従業員名・従業員の顔写真なども載せるのかなど、検討を重ねていきましょう。
前項で定めた組織図の作成目的と照らし合わせながら決定していくことがポイントです。
3. 作成範囲に応じて構成要素(部・課・係)を洗い出す
作成範囲に応じて、構成要素(部・課・係)を洗い出します。名称が古いままになっていないか、新設された部門・廃止された部門がないかなど確認しながら進めましょう。
会社を新設するに当たって組織図を作る場合、企画・マーケティング・総務・経理など必要な部署の洗い出しからおこないます。
枝分かれした先の役割・機能も確認しながら、時間をかけてでも正しい情報の洗い出しに注力することが大切です。
4. 従業員情報を収集する
組織図に従業員情報を掲載する場合、従業員情報の収集をおこないます。
従業員リストと照らし合わせながら、記載漏れ・漢字やふりがなの表記ミスが出ないよう配慮していきましょう。
また、作成途中に入社・退社した従業員についても反映させるため、人事部との連携が欠かせません。顔写真などを載せる場合は各部門の責任者に協力してもらい、部門単位で収集していくと効率的です。
収集すべき従業員の数が多くなければ、メール・チャットなどで集めてもよいでしょう。
5. 組織図の種類(作成形式)を決める
前述した組織図の種類から、作成形式を決定します。
ピラミッド型・フラット型・マトリックス型のどれが自社の組織形態に合っているか検証し、決めていきましょう。
トップダウン型の階層がある場合はピラミッド型を、中間管理職が少なく特定のリーダー直下に従業員が配置されている場合はフラット型を、ひとりの従業員が複数のプロジェクトに携わる場合はマトリックス型を選択することが近道です。
今後組織の拡大を検討している場合、拡大後の組織体制に合わせやすいかも考えます。
6. 作成ツールで組織図に落とし込む
組織図作成ツールを活用し、実際に組織図を作ってみましょう。
テンプレートを活用すれば、その後のレイアウト調整もしやすくなるでしょう。おおまかに組織図を組み、部門や従業員の数に応じて枠組みの追加・削除をしていくと分かりやすいです。
後々細かな修正が生じることも多いため、最初から完璧に仕上げる必要はありません。まずは枠組みだけでも確定させることを目的に、作成を進めていきましょう。
おすすめの組織図作成ツールについては、後半で解説します。
7. 視認性の高いレイアウトにする
視認性の高いレイアウトになるよう整え、見やすさを重視します。
例えば、部署名は青・課名は赤・係名は黄色など、階層ごとに色分けする方法があります。「同じ色であれば同じ階層である」と一目で分かるため、視認性が高くなるでしょう。
また、文字サイズを調整したり画像の解像度を統一したりすることも効果的です。縦横をそろえるなどデザイン面でも気を配れば、見た目もすっきりします。
ただし、色やフォントを使い分けすぎると却って見づらくなるケースもあるため注意が必要です。一定のルールに則ってレイアウトするなど、一貫性をもたせていきましょう。
8. 完成|更新の取り決めをおこなう
組織図が完成したら、更新の取り決めを行います。
いつどれくらいの頻度で更新するか、更新担当者を誰に(どの部門に)するかなど、詳しく話し合っておきましょう。組織変更や入社・退社の情報はリアルタイムに反映させ、組織図上の情報が古くなって形骸化しないよう注意が必要です。
また、安易な書き換えがおこなわれないよう編集権限を付与するなど、管理体制の見直しも同時に進めます。
9. 完成|必要な確認を取り周知をする
部門の責任者にミスや認識違いがないか確認してもらい、細かな修正がないかチェックします。必要があれば取締役会などの承認を経て、問題ないと判明してから周知しましょう。
社外に公開するために作成した組織図であっても、社内における情報共有は必須です。社内規定の改訂などを伴う場合は同時に発表するなど、五月雨式の共有にならないよう配慮していきましょう。
また、作成した組織図はグループウェア上に格納するなど、いつでも誰でも閲覧できるようにすることがおすすめです。
「社内で誰が何を知っているのか」を明確にすると何がいいのか?
「社内で誰が何を知っているのか」を明確にすると、タレントマネジメントが円滑に進んだり、社員同士が相談し合ったり、スキルを高め合うための動きが生まれたりといったメリットがあります。さらに、社員同士がお互いのスキルを把握することで、チーム内の情報共有がさらに効果的なものになるのです。
チーム内での情報共有が上手く行くことで、新しいアイデアが生まれたり、プロジェクトの進行が速くなったり、事業に直接インパクトを与えるような成果が出ます。イノベーションの機会を創出し、市場での競争力をつけるためには、「社内のスキルの可視化」と「社員がお互いのスキルを把握できる環境作り」が必要です。
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