ピアボーナスとは?導入手順や効果、サービス紹介、導入事例を徹底解説!

人材の流動化が激しくなりつつある現代では、人材確保という観点で、社員の会社に対するエンゲージメントやモチベーション、やりがいは重要な要素です。

ピアボーナスを導入することで、成果に直結しないような社員の言動や、普段は気にかけないような小さな行いを社員同士が評価でき、社員のエンゲージメントモチベーションの向上社員間コミュニケションの活性化をもたらします。

この記事では、ピアボーナスの概要からその効果、導入における懸念点やピアボーナスサービスの紹介など、ピアボーナスについて網羅的に解説いたします。

ピアボーナスとは

ピアボーナスとは、社員同士が互いの良い行いを評価し、ポイントやコイン、チップなどを付与する仕組みです。

仕事には、数字として成果に現れない取り組みがたくさんあります。
社員間の関係性を取り持ったり他社員のサポートをしたりゴミ箱掃除をしたりとさまざまです。

このような成果に現れない良い行いを互いに称賛し、社員のモチベーションアップや社内コミュニケーションの活性化、それによる人材の離職防止などを目指すことがピアボーナスの目的です。

社員間のやりとりはポイントコインチップなどによって行われ、それらは後にまとめてお金や景品などに交換できます。

会社が週の初めや月初に、それらポイントやコインなどを社員に付与します。

ピアボーナスが注目される背景とは

人材の流動化が激しくなり、働き手は1つの企業に働き続けるのではなく、複数の企業を渡り歩くようになる現代。

日本は労働人口が減少し、「人材の確保」は重要な経営課題となっています。

人材の確保ができる、働き手に選ばれる会社になるためには、社員のエンゲージメント(会社への貢献意欲)モチベーションの向上、活発な社員間コミュニケーションによる日ごろの充実度向上などが重要になります。

ピアボーナスは、社員が会社を選ぶ要因を向上させるための1つの取り組みとして注目されているのです。

ピアボーナスの効果とは

ピアボーナスにはいくつかの効果があります。本章では、その効果を5つご紹介します。

従業員エンゲージメントの向上

ピアボーナスは、従業員エンゲージメント(会社への貢献意欲)を向上させます。
これには2つの観点があります。

1つ目の観点は、自身の行動が評価されることによるエンゲージメントの向上です。
普段は当たり前のようにやっていることでも、成果として目に見える形で評価されることにより、「やってよかった」という充実感ややりがいを感じます。

2つ目の観点は、評価する側として、評価の一端を任せてもらえることによるエンゲージメントの向上です。

ピアボーナスでの評価を本評価でも参考にするケースもあり、他社員を評価する権限を自分に任せてくれる点で、従業員はやりがいを感じることができます。

関連記事:従業員エンゲージメントを高める方法は?効果・導入ポイント・課題・事例

理念や行動指針の浸透

ピアボーナスは、会社の理念行動指針の浸透に寄与します。

会社の理念や行動指針をピアボーナスの評価の対象に結びつけることで、社員が日ごろからそれらを意識するようになります。

毎日、理念や行動指針を意識して行動したり、相手の行動を評価するためにそれらを意識したりすることによって、理念や行動指針の組織への浸透が期待できます。

関連記事:経営理念とは?意味や効果・作り方・有名企業の経営理念を紹介

社内コミュニケーションの活性化

ピアボーナスは社内コミュニケーションを活性化させます。

ピアボーナスを導入すると、従業員同士がお互いのちょっとした行動にも意識を向けるようになり、普段は気付けなかった相手の優しさや気遣いに気づけるようになります。

その結果、会話のきっかけが生まれたり、新しいコミュニケーションが生まれたりするでしょう。

関連記事:インナーコミュニケーションとは?効果や種類、他社事例、導入ポイントと対策

組織風土の醸成(褒め合う文化の醸成、団結力の向上)

ピアボーナスの導入によって、組織風土の醸成を見込めます。

前述の通り、従業員同士はこれまで気にとめていなかったような相手の行いや気遣いに意識を向けるようになり、お互いを褒め合う文化の醸成が期待できます。

目に見える形で相手の良い行動を評価することで、互いに相手の行動に目がいくようになり、それは相乗効果として会社全体に広がります。

小さなことに対して感謝を表せる従業員同士は、他の事柄に関しても意見や言葉を交わすことにも繋がり、団結力の向上も期待できます。

関連記事:企業文化とは?重要視される理由と醸成・浸透方法、他社事例10社徹底紹介!

離職防止

ピアボーナスの導入は、離職防止に効果があります。

前述の通り、ピアボーナスの導入は、従業員の会社に対するエンゲージメントの向上に寄与したり、社員間コミュニケーションを促進したりする効果があります。

それらの効果によって、従業員は自身が勤めている会社に対する充実感や、やりがいを感じ、その会社に定着するようになるのです。

ピアボーナス導入の懸念点とは?

ピアボーナス導入における懸念点3点を紹介します。

コストがかかる

ピアボーナス導入には、ある程度コストがかかります。自社で開発することもできますが、基本的には既存のシステムを導入することになります。

自社開発でも費用をかけたくない場合には、既存のSNSを用いることで安価にスタートすることもできますが、データの管理や全体での交換やりとりの共有が難しいなど、欠点が多いです。

文化醸成に時間がかかる

前述したピアボーナス導入によって期待される「組織文化の醸成」には、時間がかかります

初めは社員同士が互いに褒め合うことに慣れないでしょう。導入後、徐々に互いの成果に表れない行いや思いやりを認識し、感謝を伝えられるようになります。

ピアボーナスを導入したからといって、すぐに組織文化の醸成ができないことがあると認識しておきましょう。

本業に差し障りが生じる可能性

ピアボーナス導入によって、本業に差し障りが生じる可能性があります。
ピアボーナスのやりとりに固執してしまう社員が出てきてしまい、本業がおろそかになるケースです。

ピアボーナスはあくまで評価されにくい行動や小さな優しさを評価するものであるという認識を社員全体と共有することが大切です。

ピアボーナス導入で気をつけるべきポイントとは?

ピアボーナス導入における気をつけるべきポイントを紹介します。

費用対効果を考える

ピアボーナス導入の費用とそれによる効果を見比べましょう。
前述の通りピアボーナス導入には費用がかかり、一方で効果もあります。

成果に表れない貢献や小さな優しさを評価し、感謝を伝えられる社風なのであれば、そもそもピアボーナス導入は必要ないかもしれません。

自社がどういう効果を期待し、それにはどれくらいの費用がかかるのかを検討しましょう。

自社に合う仕組みにする

自社の社風や社員の雰囲気に合う仕組みを導入しましょう。
ピアボーナスのサービスには、それぞれ違いがあります。

フランクに感謝の気持ちを伝えるサービスや、メッセージカードとして想いを込めて感謝を伝えるサービスなどがあります。

自社の社風や社員の雰囲気に合わせたサービスの導入を検討することが大切です。

導入後も浸透度を確認する

ピアボーナス導入後も、随時サービスの浸透度を確認しましょう。

もし、ピアボーナスのやりとりが社員間で満足にされていない場合や、社員間のコミュニケーションが促進されていない場合は、従業員への意識付けや運用方法の見直しの改善を検討する必要があるでしょう。

ピアボーナスの導入前だけでなく、導入後も定期的に効果観察をする認識を持ちましょう。

ピアボーナスサービスの選定ポイント

ピアボーナス導入を検討されている方へ向けて、選定ポイント3点をご紹介します。

サポートの有無

サポートがついているかを検討しましょう。

ピアボーナスは新たな取り組みとして注目され始めたこともあり、自社社員にピアボーナスシステムに精通した社員がいることは珍しいでしょう。

新たな取り組みには、そのプロフェッショナルに助言をもらうことが重要です。
過去に他社での導入サポート経験のあるプロフェッショナルによるサポートが受けられるか、という点を意識しましょう。

チャットツールとの連携

チャットツールとの連携という観点も重要です。
ピアボーナスサービスは、チャットツールと連携している場合があります。

自社が既に使用しているチャットツールが連携されている場合は、普段のコミュニケーションプラットフォーム上でピアボーナスを実施できます。
しかしこの場合は、使用できる機能が制限されるケースもあるため確認が必要です。

またサービスによっては、チャットサービス上のみで動作をするものもあるので、注意しましょう。

付随機能

ピアボーナスシステムには、データ収集社内掲示板などピアボーナスに付随した機能があります。

各ピアボーナスサービスの付随機能を比較した上で、自社に合う機能を併せ持つサービスを導入しましょう。

ピアボーナスサービスの紹介 4選

ピアボーナスサービス4選を紹介します。

Unipos(Unipos株式会社)

価格:お問い合わせ(詳しくはHPにて)

Uniposは多くの企業の導入実績のあるピアボーナスのサービスです。

Microsoft TeamsSlackとのチャットツール連携も可能です。
400社以上の導入を支援してきたノウハウが元となるサポート提供が特徴です。

また、アナリティクスやダッシュボード機能から得られるデータを用いることで、改善に繋げることができます。

Hey Taco!(Hey Taco!)

価格30日無料でお試し可能。3$/1人当たり。(詳しくはHPにて)

Hey Tacoは、タコスを用いてフランクにピアボーナスを実践できるシステム。

Slackと連携しており、メッセージにタコスを追加することで、相手に感謝を伝えます。
評価の媒体にタコスを用いることで、社員同士が互いにフランクに評価できるのがポイントです。

「タコスありがとう!」や「タコスちょうだいよ」なんていうフランクなやりとりも可能になります。
ピアボーナスの付与が促進されるだけでなく、社員間コミュニケーションの活発化にも寄与するでしょう。

THANKS GIFT(株式会社Take Action)

価格:お問い合わせ(詳しくはHPにて)

THANKS GIFTは感謝の言葉にコインを添えて送り合う、掲示板機能もついたサービス。

自社の企業理念や行動指針に合うオリジナルのコインを作成でき、相手の良い行いに合わせてコインを送れます。
チャット機能が付随しており、コミュニケーションも一括して行えます。

社内掲示板機能もついているため、全社的な情報共有ツールとしても活用可能です。

OKWAVE GRATICA(株式会社オウケイウェイブ)

価格Essential:無料、Standard:有料(詳しくはHPにて)

OKWAVE GRATICAは、導入無料利用料も無料基本機能はすべて無料で利用可能です。(導入・活用サポートは有料です)

サンクスカード」で感謝を伝えます。500以上のテンプレートからデザインを選ぶことができるのが特徴です。

サンクスカードにチップを添えられ、カードのやり取りで貯まったチップは、スポンサー企業の優待品との交換や、慈善団体への寄付などに利用可能です。

ピアボーナスの導入事例

企業の導入事例を紹介します。
こちらを参考に、ピアボーナス導入のイメージを持ちましょう。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、mertip(メルチップ)と題して、ピアボーナス制度を導入しました。

それまでも四半期ごとにThankカードを送り合い、感謝を伝える制度がありましたが、拠点を超えてもっと気軽に、リアルタイムに賞賛し合える会社になりたいという思いから、以前の制度に加えてピアボーナス制度を導入しました。

mertipはUniposというピアボーナスサービスを利用しており、slack上で送り合います。

多いときには1日に1,000件近い投稿が発生しており、2017年9月の導入から1ヶ月の社内アンケートでは満足度が約87%と、社員に評価されているのが伺えます。

株式会社Glutton

株式会社Gluttonでは、Thanks Giftというピアボーナスサービスを利用し、離職率低減人材の定着率アップを実現しました。

広島県広島市と福山市を中心に焼肉店を運営するこの会社では、地方に店を構えるということもあり、「人材の確保」が経営における重要な観点でした。

また、以前から感謝の気持ちを紙に書いて送り合うアナログでの取り組みを行っていましたが、そのやりとりが書いた人と受け取った人の間でしか分からないという点にもったいなさを感じていました。

そこでピアボーナスサービスの導入により、社員間のやり取りの見える化社内共有を行なったのです。

結果として、人材の定着が見込めました。またそれにより、余裕を持った人材配置が可能となり、労働環境の改善、働き方改革までにも良い効果をもたらしました。

株式会社ビットエー

株式会社ビットエーでは、一部のチームで、行動指針の共有コミュニケーションの促進を目的に、OKWAVE GRATICAというピアボーナスサービスを利用しています。

チームとして仕事をする上で大切な行動指針の共有手段として、コミュニケーションの促進にあたり、小さな感謝の気持ちを伝え合う手段として、OKWAVE GRATICAを選択しました。

送り合えるカードのデザイン性が高く、種類が豊富である点、カードのやり取りをまとめて見られる点、何より無料で利用可能な点を評価しています。

導入者・利用者側からも評価され、チームの雰囲気が明るくなった効果も見られました。

まとめ

この記事では、ピアボーナスの概要から効果やリスク、ピアボーナスサービス比較、導入事例など、ピアボーナス導入において網羅的に解説しました。
それらを簡単にまとめると、

ピアボーナスの効果
・従業員エンゲージメントの向上
・理念や行動指針の浸透
・組織風土の醸成変革(褒め合う文化の醸成、団結力の向上)
・離職防止

ピアボーナスの懸念点
・コストがかかる
・文化醸成に時間がかかる
・本業に差し障りが生じる可能性

ピアボーナス導入において気をつけるポイント
・費用対効果を考える
・自社に合う仕組みにする
・導入後も浸透度を確認する

ピアボーナスサービスの選定ポイント
・サポートの有無
・チャットツールとの連携
・付随機能

ピアボーナスサービス

Unipos(Unipos株式会社)
Hey Taco!(Hey Taco!)
THANKS GIFT(株式会社Take Action)
OKWAVE GRATICA(株式会社オウケイウェイブ)

ピアボーナスサービス導入事例

・株式会社メルカリ
・株式会社Glutton
・株式会社ビットエー
となります。

ぜひピアボーナス導入検討に際して、参考にしていただければ幸いです。