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同調圧力とは?日本が強いと言われる理由と組織で活かす方法を解説

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同調圧力とは、集団の中で少数派と多数派に分かれた場合、多数派に合わせるよう強制的に仕向ける圧力です。適度な同調圧力は不正防止や従業員の帰属意識が高まるなどのメリットもありますが、同調圧力が強すぎるとデメリットが生じてしまいます。特にビジネスにおいては、組織内の同調圧力をうまくマネジメントすることが重要です。

本記事では、日本の同調圧力が強いと言われる3つの理由やメリットデメリットのほか、組織で活かすための方法について解説します。

目次

同調圧力とは

同調圧力とは、集団における多数派が少数派に与える暗黙のプレッシャーで、少数派の意見を封じ、多数派の考えや行動を無言のうちに強制してしまうものです。英語では「ピア・プレッシャー」と呼ばれ、会社組織や学校などの集団で少なからず発生する心理的な圧力を指します。

例としては、「会議で多数派の意見に圧倒され独創的な発言をしにくい」といったことや、「仕事が早く終わっても周囲が残業しているため自分だけが帰りにくい」、といったことが挙げられるでしょう。

マイナスイメージで使われることも多い言葉ですが、適度に同調圧力が働くことで組織内の規律性を高め、結束を強くするといったプラスの効果をもたらします。しかし、行き過ぎた同調圧力は独創的なチャレンジの阻害や、不必要な残業の温床になるなど、成長を鈍化させる要因となるため注意しなくてはなりません。

日本の同調圧力が強いと言われる3つの理由

諸外国に比べ日本は同調圧力が強いと言われます。その理由は大きく以下の3点に集約されるようです。

  • 村社会を重視する文化が残っているから
  • 協調性を重んじるから
  • 空気を読む能力に長けているから

詳しくみていきましょう。

村社会を重視する文化が残っているから

島国として育んできた文化が、同調圧力を高めている理由の一つです。いわゆる「村社会」がそれにあたります。村社会とは集落を単位とした地域社会のことで、有力者を頂点とした閉鎖的な集団です。

村の秩序維持のためルール(掟)が存在し、ルール(掟)を破った者は「村八分」と呼ばれる排斥的制裁を受けます。こうした制裁を恐れ、世間体や他人の目を気にする文化が定着したことから、同調圧力が強くなったのでしょう。

協調性を重んじるから

「和の文化」に象徴される、協調性の高さも同調圧力が強まる原因です。日本では、集団の調和を乱さないことが美徳とされます。多数派の考えと異なる言動は批判の対象となることが多く、物事を荒立てず周囲と上手に付き合っていくことが重視されるためです。

また、「阿吽の呼吸」という言葉に象徴されるように、「察する力」を是とする文化もあります。「配慮」や「忖度」といった推察力を駆使したコミュニケーションがうまくいかない場合、周囲との摩擦が生じる可能性が高くなるのです。こうした摩擦を恐れることが、同調圧力が強く働く要因となっているのです。

空気を読む能力に長けているから

日本では「場の空気を読む」ことが、集団におけるコミュニケーションでは重視されます。人に言われなくても、その場にふさわしい言動や立ち居振る舞いをすることが「常識」とされているためです。

とくにビジネスにおいては、人間関係や利害関係を暗黙のうちに理解し、雰囲気にあった適切な振る舞いが求められます。この能力が欠如した場合、ネガティブな評価を受けやすくなるため、集団に馴染む手段として空気を読む力が発達したのでしょう。

同調圧力のメリット

組織内に適度に同調圧力が働くことで、結束が強まりチームワークが向上するなど、さまざまなメリットが期待できます。なかでも不正の抑止や、帰属意識の向上は組織にとってよい影響をもたらすでしょう。

不正の抑止力となる

適度に同調圧力が働くことは、組織内に一定の緊張感を保つことにつながります。周囲の目を気にすることが、不正の抑止に効果をもたらすでしょう。

適度な同調圧力は、従業員の間で「相互の管理」「相互の統制」「相互の監督」として機能します。組織内で不正行為を横行させないためには、同調圧力を戦略的に活用することが有効な手段となるのです。

帰属意識が高まりモチベーションが上がる

適度な同調圧力により従業員が周囲の目を気にすることは、適度なプレッシャーとして作用します。「周囲の期待に応えたい」「自身の責任を全うしたい」という気持ちが強くなるため、個人の生産性が向上するのです。

こうした意識が多くの従業員に浸透することにより、助け合う風土が醸成され、組織としての一体感が強くなります。帰属意識が高まることで、個々のモチベーションが高いレベルで維持され、強い組織へと成長していけるでしょう。

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同調圧力のデメリット

一方で過度に同調圧力が働くことは、組織内に多くのデメリットをもたらします。孤立を恐れ画期的なアイデアや意見が出にくくなり、組織が硬直化するのです。また直接的な悪影響としては、ハラスメントの温床となったり、定時退社をしにくい雰囲気につながったりといったことが挙げられます。

ハラスメントの原因となる

過度な同調圧力が働くことで、従業員の多くは周囲の目を気にするあまり、ストレスを抱えるようになります。こうした環境では、多数派の考えにそぐわない言動をとる人物に、厳しい目を向けてしまうこともあるでしょう。少数派の人物がハラスメントの対象となることは、十分に考えられることです。

強すぎる同調圧力は、物事の善悪に対する個人の判断を鈍らせます。波風を立てないために周囲に同調し、ハラスメントを正そうとしなくなります。こうした体質が、ハラスメントの問題を根深くするのです。

余計な残業が増える

同調圧力が強く作用した場合、過度な横並び意識が従業員の間ではびこります。それが顕著にあらわれるのが、いわゆる「付き合い残業」です。「仕事は終わったが、上司が帰らないので帰りにくい」「周囲が残業して頑張っているのに、自分だけ定時で帰るのは申し訳ない」といった状態です。

こうした体質が改善されない限り、不必要な残業による無駄な人件費は発生しつづけます。個人のタイムマネジメントスキルが向上することはなく、企業全体の生産性の低下を招くでしょう。

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同調圧力を組織で活かす方法

適度な同調圧力を働かせることで、組織内に一定の緊張感を保てることは前述しました。意識して同調圧力をコントロールすることにより、組織の活性化を図ることができます。具体的な方法を以下に3つ紹介します。

従業員同士のフォロー体制を強化する

適度に同調圧力をコントロールすることで、従業員同士が互いに目を向けあう環境が構築できます。お互いの仕事内容や働き方、ノウハウに関心を持つようになれば、コミュニケーションが深まり連携が強化されるのです。

こうした環境では、お互いのよい部分は賞賛し、不備や改善すべき点は率直に指摘しあえる関係性が構築できるでしょう。適度な競争意識を持ちながら切磋琢磨し、互いにフォローして成長していける理想的な状態となるのです。

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定期的な1on1ミーティングなどでマネジメントする

組織内で同調圧力を適切に活用する際の有効な手法のひとつが、1on1ミーティングです。1on1ミーティングとは定期的かつ高頻度に、上司と部下が1対1の面談を繰り返し、業務進捗や問題点を把握する手法です。

上司が部下と定期的に向き合うことで、適度な緊張感とモチベーションを維持させる効果が期待できます。適切に実施すれば、面談を重ねるごとに信頼関係が深まり、部下のストレスにも素早い対処ができるでしょう。

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コミュニケーションを活性化させチームワーク向上に繋げる

同調圧力が持つ相互監視の側面は、チームワークの向上にも活用できます。従業員同士、お互いの関心を高めることで、コミュニケーションの質が向上することは前述しました。お互いの業務内容や進捗を把握することにより、フォローしあえる体制が実現します。

チームワークを向上させるには管理者が部下の状態を正しく把握し、適切にマネジメントすることが欠かせません。意識的にコミュニケーションの頻度と質を向上させることが必要となるでしょう。

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同調圧力をうまく活用して組織力を強化しよう

度を越した同調圧力はストレスとなり、従業員を疲弊させるため組織にとって好ましいものではありません。しかし、適度にコントロールされた同調圧力を戦略的に活用することは、組織内に一定の緊張感を維持させます。

好影響をもたらす適度な同調圧力を演出するには、社内広報の取り組みが有効な手段の一つです。優れた業績を上げた従業員の紹介や、好事例をWeb社内報で発信することにより、組織内に適度な刺激をもたらすとよいでしょう。

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この記事を書いた人

masayuki yamamotoのアバター masayuki yamamoto ライター

ライター。大手小売チェーンにて、店舗マネジメントを経て人事部門を経験。新卒・中途採用では年間1000人以上の応募者に対応。
そのほか教育研修や労務管理、人事制度構築や労務トラブル解決など、人事全般のさまざまな業務経験あり。
豊富な実務経験をもとに人事系の記事を中心に執筆活動をおこなう。

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