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サーバントリーダーシップとは?メリットと具体的な10の手法と注意点を解説

サーバントリーダーシップとは、リーダーがまず奉仕し支援することで部下を導くことをいいます。

従来のリーダーシップのように指示や命令で部下を動かす考え方ではなく、一人ひとりの自主性を尊重し能力を最大限発揮する環境を作ることで、チームの成果を上げる考え方です。

本記事ではサーバントリーダーシップの効果、具体的な10の手法、注意点について解説します。サーバントリーダーシップを理解し実践できるようにまとめましたのでぜひご覧ください。

目次

サーバントリーダーシップとは

サーバントリーダーシップとは、リーダーである経営者・管理職がまず相手に奉仕し、その後で部下を導くリーダーシップ手法をさします。

「サーバント」には「召使い・奉仕者」という言葉があり、奉仕・支援によってはじまるリーダーシップとも言えるでしょう。

サーバントリーダーシップでは、一方的な命令や強烈なトップダウン型の組織運営をすることがありません。

部下のニーズに答えた組織運営をしたり、リーダー自身もプレイヤーとして高い成果を発揮し組織に貢献したりするのです。結果として「リーダーが誰よりも動いてくれている」という信頼を勝ち取りやすく、パートナーシップに基づいた関係性が築けるようになるでしょう。

コミュニケーションの機会が増えるなど多くのメリットがあり、組織全体の成長を促します。

サーバントリーダーシップと従来のリーダーシップとの違い

サーバントリーダーシップと従来のリーダーシップとの間には、大きな違いが存在します。

代表的な違いとして、コミュニケーションスタイルが挙げられます。

従来のリーダーシップではトップダウン型による命令主体のコミュニケーションが多く見られますが、サーバントリーダーシップでは部下から意見・提案・アイディアを募るボトムアップ型のコミュニケーションがおこなわれます。傾聴に力を入れることがサーバントリーダーシップの特徴でもあり、大きな違いだと言えるでしょう。

ほかにも、リーダー自身のマインドセットに関する違いも見られます。

従来のリーダーシップでは、より高い権限を持つ役職に就くこと、社内競争に勝ち抜くことを目的とするリーダーが多いとされていました。

一方でサーバントリーダーシップの場合、より組織やメンバーに貢献すること、みんなで協力しながら目標を達成しwin-winな環境を作ることに重きを置く事が多いです。リーダー自身が何をやりがいと捉えるか、大きな違いがあると分かります。

サーバントリーダーシップのメリット

従来のリーダーシップではなくサーバントリーダーシップに変更するメリットは、下記の通り多数存在します。

下記ではサーバントリーダーシップ特有のメリットを解説していきましょう。

生産性が上がる

サーバントリーダーシップにすることで、生産性を上げる効果が期待できます。

部下からの意見・アイディア・提案が反映されやすいサーバントリーダーシップでは、「目の前の業務が何のためにあるのか」「なぜ今この目標が定められているのか」など根本的な業務理解が進みます。

そのため意義や目的を理解して業務に邁進しやすくなり、結果として生産性が上がるのです。

反対に、従来のリーダーシップでは命令型の業務になることが多く、目的意識を共有することが困難です。リーダーと現場社員との間で考え方にギャップが生まれやすく、ロスが生じるため注意する必要があるでしょう。

社員のモチベーションが上がる

組織やメンバーのためを思って誰よりも動いてくれるリーダーの姿は、組織全体にポジティブな影響を与えます。

「自分も頑張ろう」という前向きなモチベーションを喚起しやすく、自発的に動く社員が増えていくでしょう。

組織に対する帰属意識が上がったり、働くこと自体を楽しいと思えるワークエンゲージメントが上がったりする可能性もあります。

モチベーションが上がれば、結果的にパフォーマンスが上がることも少なくありません。手厚いコーチングやメンタリングをするサーバントリーダーシップならではの強みだと言えるでしょう。

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コミュニケーションが円滑になる

サーバントリーダーシップの場合、リーダーが部下にヒアリングしたり、部下からリーダーに意見を発信したりする機会が増加します。

そのためコミュニケーションが円滑になりやすく、何でも質問・相談できる心理的安全性が醸成されるでしょう。

ミスコミュニケーションによるトラブルやクレームも予防しやすく、ノウハウやナレッジの共有も可能になります。

円滑なコミュニケーションができることは、離職率の予防にも効果的です。生産性の面でもエンゲージメントの面でも、サーバントリーダーシップのメリットが伝わります。

サーバントリーダーシップの具体的な10の手法

サーバントリーダーシップに切り替えたいと思っていても、どんなことをすればいいかわからないという方も多いでしょう

下記では、サーバントリーダーシップの手法を解説します。スモールステップで導入していくことで急激な組織変化を避けられるため、検討してみましょう。

1. 傾聴する

サーバントリーダーシップにおいて特に重要視されることが、傾聴です。

メンバーや部下からの意見は一見有意義なものでなくとも、丁寧に傾聴する姿勢を見せましょう。どんな意見でも一度は取り上げて検討してくれるリーダーであれば、信頼を勝ち取りやすくなります。

また、「次もいいアイディアがあれば伝えてみよう」「気になることがあれば何でも相談しよう」と考える効果が現れるため、コミュニケーションの壁を取り払うきっかけとしても有効です。

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2. 共感する

リーダーが相手の立場に立って物事を考え、共感していきましょう。

部下には部下の悩みがあると理解し、「誰もが完璧ではない」という考えのもとで傾聴と共感を組み合わせていくことが大切です。

また、例え部下の意見を採用しなかったとしても、意見を出してくれたことそのものを歓迎し褒めることも重要です。感謝と思いやりの気持ちが伝われば貢献心を育みやすく、モチベーションに基づいた働きを期待しやすくなるでしょう。

3. 癒やす

サーバントリーダーシップを発揮したいときは、癒しの効果も大切です。

仕事でミスが発覚し落ち込んでいる人がいれば、業務面でのフォローだけでなくメンタル面でのフォローも視野に入れた方がよいでしょう。

組織のなかで孤立している人がいれば積極的に声をかけるなど、細やかな配慮も必要です。

どこかほっとするようなリーダーになれれば、相談や意見も収集しやすくなるでしょう。高圧的かつ距離感が遠い従来のリーダーシップから脱却するためにも、欠かせない要素であると分かります。

4. 気づく

常識やルールのみに捉われず多角的に物事を見るスキルを身につけ、気づきを得ていきましょう。

自分自身の気づきになるだけでなく、部下やメンバーに気づきを与えるきっかけにもなります。

また、部下の様子は日々さりげなくチェックし、モチベーションの上下・体調不良の有無・退職兆候などに気づけるようにすることも大切です。

いつも見てくれている存在がいれば頑張れる人も多く、リーダーが心の支えとなっていくでしょう。

5. 納得してもらう

理由・根拠・裏付けされたデータなどを豊富に提供し、組織の方針や決定に納得してもらいます。

有無を言わさない一方的な命令・権限による服従を期待するのではなく、心からの納得を得て業務に邁進させることが重要です。

納得することで業務への集中力が上がる人は多く、「なぜ」「何のために」を理解できるからこそできる業務も増えていくでしょう。

「納得できるまでとことん説明してくれるリーダーである」という信頼も集めやすくなるためメリットがあります。

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6. 目標を掲げる

短期的に達成すべき数値目標を掲げることはもちろん、その先を見据えた長期的な目標を掲げることも効果的です。

どんな会社にしたいか、どんなことで顧客の役に立ちたいかなど、ミッション・ビジョン・バリューを含めて再度検討していきましょう。

長期的な目標が浸透すれば行動指針にも違和感なく納得してもらいやすく、統率の取れた組織として成長します。

掲げた目標は日々のコミュニケーションだけでなく社内報や社内ポータルサイトにも掲載し、広くかつ定期的に目に触れるようにしていくことをおすすめします。

7. 先を見据える

リーダーが常に先を見据えた行動をしていれば、部下からの信頼が高まります。

現在の出来事と過去の出来事を照らし合わせながら判断を下したり、今すぐ必要でないことでも積極的に情報収集したりする姿を見せるとよいでしょう。

また、将来性に期待して部下を教育したり設備投資したりすることも効果的です。

その際は「なぜこのような判断をしているか」、理由を部下に共有しておくとより意義が伝わりやすくなります。

8. 執事役に徹する

組織やチームへの貢献を第一に考え、自分の利益や出世に振り回されない行動スタイルを貫きましょう。

一見すると泥臭い仕事でも積極的に請け負ったり、人への貢献や知識の共有を惜しみなく続けていくことで、自然と信頼を勝ち取れるようになります。

また、部下から信頼されるリーダーは経営層にも評価されやすく、結果的に自分の利益や出世につながるケースも少なくありません。

「情けは人の為ならず」を意識し、行動を引き受ける側の立場でいられるよう意識していきましょう。

9. 成長を手伝う

人の成長を歓迎し、成長に必要なことであれば積極的に協力することが理想です。

自分が持っている知識・ノウハウ・ナレッジを共有し、体系化して部下に伝えられれば業務効率化が進むでしょう。スキルアップをしたいと考える部下がいれば、おすすめのセミナーや書籍を紹介してあげるのもひとつの手段です。

成長を手伝うことは、成長する本人だけでなくリーダーにとってもメリットがあります。

個々のスキルを把握して人員配置に活かしたり、個別のメンタルサポートができたりする可能性もあるため、積極的に着手していきましょう。

10. 話しやすい場を作る

話しやすい場を作り、部下やメンバーから積極的に意見を募る方法もあります。

会議などかしこまった場で意見を募ることはもちろん、休憩室・食堂・喫煙所・給湯室などさまざまな場で何気ないコミュニケーションをすることも大切です。

社内イベントを開催するなどコミュニティづくりができれば、普段仕事の場では出てこない声を聞けるかもしれません。

社内コミュニケーションを可能な限り活性化させ、話しやすい聞きやすい職場になるよう工夫していきましょう。

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サーバントリーダーシップの注意点

サーバントリーダーシップは組織に大きなメリットをもたらす一方、使い方次第では逆効果になるケースもあります。

「思ったような効果が得られなかった」「部下から理解されなかった」などのミスマッチが生じる可能性もあるため、下記の注意点を抑えて導入していきましょう。

リーダーからまずは意識改革を行う

前述の通り、サーバントリーダーシップはリーダーによる部下の奉仕が前提となる手法です。そのため、まずはリーダーの意識改革から着手する必要があるでしょう。

「奉仕してあげている」と押しつけかつ上から目線のサーバントリーダーシップになった場合、部下から信頼を集めることはできません。

また、一部のリーダーはサーバントリーダーシップに賛同しても他のリーダーから共感を集められない場合、チームごとにズレが生じてかえって混乱させることになりかねないのです。

そのため、まずは影響力のある人からサーバントリーダーシップの意義を感じていくよう工夫する必要があります。リーダーの考え方が変われば、部下もサーバントリーダーシップの考え方に共感できるようになるでしょう。

やさしいだけのリーダーにならないようにする

サーバントリーダーシップは部下の意見に傾聴・共感し、ニーズを汲み取りながら組織運営することが特徴です。

しかし全てのニーズに対応しようとするあまり、やさしいだけのリーダーにならないよう注意しておきましょう。八方美人なリーダーとなり意思決定の軸がブレたり、部下の言いなりになって組織目標の達成が遠ざかったりするようでは本末転倒です。

リーダーの意見を押し通す場合は、「なぜ」「どうして」「今後どうするか」など必要なエッセンスを部下に伝え、納得してもらえるよう工夫していきましょう。

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サーバントリーダーシップでチームを成長に導こう

サーバントリーダーシップを効果的に発揮できれば、上司・部下との間にある壁を取り払い、シームレスかつフランクなコミュニケーションができるようになります。

意見やアイディアを発信できる心理的安全性が高まったり、モチベーション向上による生産性アップが期待できたりするため、ぜひ導入していきましょう。

一方で、やさしいだけのリーダーにならないよう注意も必要です。

サーバントリーダーシップならではのメリットや意義・目的も見据えながら、自社にあったスタイルで導入を進めていくことがおすすめです。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

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