【事例10選】企業スローガンとは?重要性と作成のポイントを解説
スローガンとは、主張・理念・活動目的などを分かりやすく一言で表現したキーワードです。
社内の従業員に対しても、社外の消費者・投資家に対しても影響力を持っています。MVVSSのひとつで、ブランド力向上のために用いられることもあります。
本記事では、スローガンの効果・作り方や具体的な事例まで詳しく解説します。
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企業スローガンとは
スローガンとは、主張・理念・活動目的などを分かりやすく一言で表現したキーワードのことです。「標語」「合言葉」と表現されることも多く、学校・スポーツチーム・団体などで用いられることもあります。
企業のスローガンは、ミッション・ビジョン・バリューなど自社の価値観に関する情報を短くまとめたものです。社内の従業員に対しても、社外の消費者・投資家に対しても影響力を持っています。
MVVSS(ミッション・ビジョン・バリュー・スピリット・スローガン)のひとつで、ブランド力向上のために用いられることもあります。社内の従業員だけでなく社外向けのアピールに使うなど、多様な使い方ができます。
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
スローガンと似た言葉との違い
スローガンと似たような言葉は多く、時には混同して使われてしまうことがあります。
ここではいくつかのキーワードを紹介しますので、それぞれの理解を理解するためにお役立てください。
企業スローガンと企業理念の違い
企業理念とは、自社が最も重視する価値観のことです。
何のために会社を立ち上げたのか、どんな目的があって企業成長を目指しているのかなど、経営に関する根本的な目的意識を言語化したものだと捉えるのがよいでしょう。
社内向けに発信されることが多く、企業のアイデンティティとも言えるものです。
企業スローガンとキャッチコピーの違い
キャッチコピーとは、顧客の興味・関心を呼ぶような宣伝文句・謳い文句のことです。
目標を掲げているという意味ではスローガンと似ていますが、「地域No.1に挑戦!」「顧客満足度95%を目指します」など広告的な要素が強いと言えるでしょう。
社内向けよりも社外向けに使うシーンが多いです。
企業スローガンとクレドの違い
クレドは「約束」「信条」を表す言葉であり、従業員に浸透させる行動指針を表す言葉です。
社内向けに作られることが多く、MVVや理念にそった従業員の具体的な規範が複数設けられています。スローガンが一文でキャッチーであるのに対して、クレドはより具体的で分かりやすいといえるでしょう。
クレドについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
企業スローガンの重要性
ここでは、スローガンを掲げる意義について解説します。
スローガンによってどんな効果が得られるか理解し、自社にとってのメリットがあるか検討していきましょう。
ブランドイメージ確立
スローガンは社内だけでなく社外向けのアピールに使うことも多く、ブランドイメージ確立に役立ちます。
スローガンはシンプルかつ短い言葉で誰でも内容が分かりやすいため、短時間で多くの人に自社の理念を広めたいときに便利でしょう。
広報に使えば、更に高い効果が得られます。ブランドイメージについての詳細は以下の記事をご覧ください。
理念の浸透
自社向けにスローガンを活用する場合、自社理念の浸透に役立ちます。
長時間に渡る研修に参加したり経営者からのスピーチを直接聞くよりも、短時間で分かりやすく伝えることが可能です。いつでも思い出せるスローガンを掲げておけば、業務の合間に意識しなおすなど使い道も広がります。
理念浸透に関しては、こちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はこちらをご覧ください。
良い企業スローガンの作成ポイント
次に、スローガンの作り方を紹介します。
自社の理念が一言で伝わるような分かりやすいスローガンにして長く活用していくためにも、下記のステップを踏んでスローガンづくりをしていきましょう。
- 誰に何を伝えたいかを明確にする
- MVVと結びつける
- 社内外に向けたブランディングの統一感
- 分かりやすい表現
- オリジナリティをもたせる
- 普遍性があるか
(1) 誰に何を伝えたいかを明確にする
まずは、誰に何を伝えたいか明確にしていきましょう。
スローガンを通して何をしたいのかはっきりしていれば、自ずとターゲットが決まります。
メッセージ性の強いものであるからこそ受け取り手の姿をイメージし、刺さるスローガンとして作れるよう目的を定めておきましょう。
(2) MVVと結びつける
スローガンは、ミッション・ビジョン・バリューと結びついた内容にすることが重要です。
それぞれで言っていることに統一性がない場合、会社としての方針がブレたり受け取り手へ正確に伝わらなかったりする可能性が出てきます。
盛り込みたいキーワードは最低限統一したり、自社の企業活動を支える根底にある価値観を改めて見直したりしながら結びつけていきましょう。
(3) 社内外に向けたブランディングの統一感
社内外に向けたブランディングにある程度統一感を持たせ、表現していることへの納得感を高めていくことも重要です。
極端な例ですが、対外的には環境保護に関する取り組みについて強くアピールしているにもかかわらず、実態が伴っていなかったり資源を無駄にするような社員教育の仕方をしていたりする場合、いずれボロが出てくるでしょう。
社内外どちらに向けたスローガンであってもブランディングのひとつとして実態を持たせ、統一感を演出していくことがポイントです。
(4) 分かりやすい表現
専門用語など分かりにくい言葉を避け、誰にとっても分かりやすいスローガンにしていくことをおすすめします。
スローガンは企業の顔として先行することも多く、一言でおよその内容が分かったり興味が持てたりするような表現にすると効果的でしょう。
(5) オリジナリティをもたせる
どこかで聞いたような表現や企業理念・キャッチコピー・宣伝文をそのままスローガンとして使うことは避けましょう。
オリジナリティを持たせ、記憶に残るようなスローガンにしていくこともポイントです。
顧客の記憶に残ればブランディングだけでなく購買にも役立つ事が期待できます。
また、従業員の記憶に残れば日常業務の最中にもスローガンを意識して行動してもらえる可能性が高まるため、特に意識しておきたいポイントです。
(6) 普遍性があるか
時代のトレンドやニーズが移り変わっても問題なくスローガンであるか、普遍性の観点から検討を繰り返す必要があります。
いわゆる流行語のようなキーワードを多く盛り込んだスローガンは一時的な盛り上がりをみせるかもしれませんが、その後の時代で通用せず、作り変えを余儀なくされる可能性が出てくるでしょう。
スローガンの変更を重ねすぎると一貫性のない企業というイメージが根付くケースもあるため、慎重におこなうことをおすすめします。
有名企業のスローガン例10選
事例としてまずは、誰もが知る大企業のスローガンを紹介します。
実際に聞いたことのあるフレーズが多いかと思いますが、スローガンのイメージを固めるために目を通してみましょう。
経営理念の事例をお探しの方はこちらをご覧ください。
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」株式会社ファミリーマート
ファミリーマートは、「便利(コンビニエンス)な存在であること」「お客様といっしょに(コンビに)」という想いを込め、1989年にコーポレートメッセージを作成しました。
テレビCMや店内放送をはじめとするあらゆる場所で活用され、2017年には音商標として特許庁への登録も完了しています。
URL:https://www.family.co.jp/company/familymart/idea.html
「ココロも満タンに コスモ石油」コスモエネルギーホールディングス株式会社
コスモエネルギーホールディングスでは、エネルギーの安定共有を通して心豊かな生活を支援するため、スローガンを掲げています。
ガソリンスタンドでおこなわれる「レギュラー満タンで」のコミュニケーションを活用した、エネルギー会社らしさ溢れるスローガンだと言えるでしょう。
URL:https://ceh.cosmo-oil.co.jp/ad/mantan.html
「お口の恋人」株式会社ロッテ
お菓子・アイスメーカーのロッテは、ドイツの文豪・ゲーテによる名作「若きウェルテルの悩み」より、社名とスローガンを作成しました。
永遠の恋人とも表現される登場人物・シャルロッテのように、多くの人から何時までも愛される存在でありたいという想いが伝わるスローガンです。
URL:https://www.lotte.co.jp/corporate/about/topmessage/
「いつでも、ふぅ。AGF」味の素AGF株式会社
味の素AGFでは、「味の素ゼネラルフーヅ」の頭文字を取った表記を織り交ぜ、宣伝も兼ねて広く認知させるスローガンづくりをしています。
2015年に中期計画ビジョンにあわせて新しく発表された、シンプルかつ分かりやすいスローガンです。それ以前は「コーヒーギフトはAGF」というスローガンでした。企業が市場でどういったポジションを取っていきたいのか、スローガンに現れていることがわかります。
URL:https://www.agf.co.jp/company/philosophy.html
「新製品が安いケーズデンキ」株式会社ケーズホールディングス
ケーズデンキでは、ポイント制度ではなく現金での値引きにこだわった店舗経営をしており、金額に対する徹底したこだわりをスローガンに盛り込んでいます。
顧客のために価格・サービス・質を追求し続ける会社であるからこそのスローガンだと言えるでしょう。
URL:https://www.ksdenki.co.jp/company/vision/index.html
『尊重しよう「個性と可能性」 「やらせてみよう 任せてみよう」が成長への第一歩』三菱マテリアル株式会社 人材開発センター
三菱マテリアルでは、社内の人材開発センタ-が主導して「社会的責任」「法令遵守」「多様な人材活用」の基本的な3原則を盛り込んだ職場スローガンを作っています。
持続的成長実現の基礎である人材を尊重している、人的資本経営の観点があるからこそのスローガンだと言えるでしょう。
URL:https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/info/2018/2018-1119.html
「みんなが主役!変えていこう 未来のために!」ブリヂストンBRM株式会社
ブリヂストンBRMでは、「BBRMで働いて本当に良かったと思える会社を作りたい」という想いの元、職場スローガンを掲げています。
2017年にキックオフした「活き活きプロジェクト」から発足したスローガンであり、誇りを持って働ける会社づくりに貢献しています。
URL:https://bs-brm.jp/pdf/sustainability_report_2019.pdf
「寝顔より「お帰りなさい!」が明日への力」株式会社デサン 栗橋工場
デサンでは、職場の残業抑制やワークライフバランスに向けた対策を強化する想いを込めてスローガンを掲げています。
夜遅くまで残業して家族の寝顔を見るよりも、おかえりなさいと出迎えてもらえる喜びを分かりやすく表現したスローガンだと言えるでしょう。
URL:https://dessin.co.jp/office/office.html
「任されて、頑張る力、明日への活力」有限会社スマイルサービス
スマイルサービスでは、仕事を任される喜びやワークエンゲージメントに関する想いをスローガンに込めています。
働くことの楽しさや責任のある仕事をする活力が思い起こされるようなスローガンです。
URL:https://tulip-mari.co.jp/greeting/
「効率化 見直す習慣、得られる時間」AGSグループ
AGSグループでは、業務効率化による生産性およびワークライフバランスに着目したスローガンを作成しています。
非効率な業務やムダを徹底的に排除する姿勢が表れており、働き方改革とも相性のよさそうなスローガンです。
URL:https://www.ags.co.jp/corporate/philosophy/index.html
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効果的なスローガンをつくり、自社の方向性や魅力をアピールしていきましょう。