トップメッセージとは?社内報に載せる目的や書き方のコツ【テンプレート】

トップメッセージとは、会社のトップが自社従業員に向けて発信するメッセージのことです。
従業員のエンゲージメントを高めるためにはトップメッセージは必須ですが、コロナによる働き方の多様化などの影響で、トップメッセージを従業員に伝えることが難しくなっています。
そこで本記事ではトップメッセージを記載する目的や書き方のコツを詳しく紹介していきます。
社内報におけるお役立ち資料をご覧いただけます
社内報は、企業の情報共有や社員間コミュニケーションの促進などに効果的な手法です。社会的に人材の流動化が激しくなり転職が当たり前になる中で、社内報を通した情報共有の重要性はさらに高まっています。
従業員に読まれる社内報の効果的な制作・運用を目指したい方に、今まで多くのインナーコミュニケーションや社内報を検討してきたコンサルティングの立場から、各種お役立ち資料をお届けします。
社内報のKPI設定方法や執筆方法、ネタ、ツール比較など、お困りの担当者はぜひ参考にしてみてください。
トップメッセージとは?

トップメッセージとは、企業のリーダーである創業者・社長・会長・役員などが発信するメッセージのことを指します。
特に自社従業員に向けたメッセージであることが多く、ミッション・ビジョン・バリューなど会社の根底を支える価値観や今後の成長戦略に関する内容を広く伝達したいときにトップメッセージが活用されることが一般的です。
入社式や周年記念イベントなどセレモニー色の強いシーンでトップが登壇して直接参加者に使えるほか、社内報・社内SNS・メール・チャットなどテキストでのメッセージとすることもあります。

トップメッセージを発信する目的
トップメッセージを出す第一の目的は、ミッション・ビジョン・バリューなど経営方針や今後の成長戦略を従業員に理解・浸透させることにあります。
会社が目指す方向を明確に指し示すことで、従業員ひとりひとりのモチベーションを喚起しやすくなるでしょう。また、必要に応じて現場に目を向けて情報を発信してくれる企業として信頼を勝ち取りやすく、従業員エンゲージメントの向上にも寄与します。
全員がブレることなく同じ方向性を向き、業務パフォーマンスをあげたいときにこそ必要なメッセージだと分かります。
トップメッセージの書き方

ここでは、トップメッセージの書き方を解説します。
短い時間でも伝えたいことを確実に伝えるとともに、従業員の共感を呼び起こしてモチベーションを上げるようなメッセージにするためにも参考にしていきましょう。
文言を考えずに伝えたい内容を書き出す
まずは細かな文言や言い回しを気にせず、伝えたい内容を書き出しましょう。
思考を整理する意味合いが強いため、箇条書きなど分かりやすい形式で問題ありません。
特に伝えたい内容はひとつだけに絞ったり、今自社が置かれている環境や時代のニーズなどニュース的なトピックスも加えたりしながらリストアップしていけば、後半で肉付けするときに便利です。
物語(ストーリー)の骨子をつくる
原稿や論文のような抑揚のないトップメッセージにならないよう、基本的には物語(ストーリー)仕立てにすることをおすすめします。
思わず前のめりになって読み入ってしまうようなトップメッセージにできれば関心を持ってもらいやすく、自分事として業務と関連付けながらイメージしてもらいやすくなるでしょう。
そのためには、伝えたい要素をリストアップでき次第伝える順序を整え、例え話・体験談・率直な感想や思い・近頃のニュースなどを盛り込んで肉付けしていくことが効果的です。
例えば、下記のような要素を参考にしてみましょう。
- 現状報告…市場に対する会社の立ち位置・同業他社の傾向・日頃感じている従業員への感謝
- 今後のビジョン…目標設定の背景・目標達成の意義と目的・成功したときのメリット
- 締めくくりの挨拶…ビジョンに対するトップ自身の関わり・従業員への激励・成功イメージの共有
従業員への想いをメッセージに込めて完成
トップメッセージには、市場の動向や事業の現状などの事実だけでなく、従業員に向けたメッセージを含めると良いでしょう。なぜならトップメッセージの発信は、理念浸透だけでなく、従業員のモチベーション・エンゲージメント向上も目的だからです。
自社が抱えている課題に対する想いや、自身の反省・ビジョン、創業時のエピソードなど、従業員を鼓舞する効果が期待できる内容であればなんでも構いません。
このようなトップならではの想いを込めていくことにより、会社独自の文化や風土が確立されていきます。
トップメッセージのテンプレート例
1. 現状報告
トップメッセージを書くうえで、現状報告を盛り込むことが不可欠です。
自社がどんな思いで創業したのか、これまで何を目的に業務を展開してきたのか、取引先企業・顧客・株主などステークホルダーからどんな感想や期待が寄せられているのか、改めて整理していきましょう。
また、時代のニーズや最新トレンドを参考に、情報のアップデートを図ることもポイントです。
「今後も市場に支持される会社となるためにどんな要素を追加すべきなのか」という視点で見方をアップデートしていくことで、見えてくる世界も変わってくるでしょう。
2. 今後のビジョン
前述した自社の現状を受け、今後どうしていくことが成長のカギとなるのかを伝えるキーセンテンスです。
ゴールとなる目標は一言で簡潔に伝えると共に、その目標を掲げた背景・意義・目的について付け加えていきましょう。成功したときのメリットや成長度合いのイメージを明確に共有できれば、全体への浸透も加速化します。
また、トップ個人の思いや個人的なエピソードを語ることで、その人にしかできないトップメッセージにすることができます。
3. 締めくくりの挨拶
締めくくりの際は成功イメージをもう一度共有することと、従業員への激励を加えることが大切です。
改めて頑張ろうという前向きな姿勢を示すことで、前向きなモチベーションを呼び起こしやすくなるでしょう。
また、ビジョンに対するトップ自身の関わり方や個人的目標に触れていくことで、トップ自身も努力している姿を広く伝えることが可能です。経営者としての責任も示せれば、強いリーダーシップを発揮しやすくなります。
従業員に刺さるトップメッセージにする6つのコツ

最後に、刺さるトップメッセージにするためのコツを紹介します。
役員や管理職はもちろん、現場の社員・入社したばかりの新人・アルバイト・パートに至るまで従業員全体のやる気を引き出せるようなトップメッセージを意識し、目標の共有に努めていきましょう。
読み手を想像して書く
読み手を想像して書き、どんな言い回しやエピソードが刺さるかを考えることが重要です。
言いたいことだけを一方的に語っただけのトップメッセージでは意識の深くまで刺さりきることはなく、一時的に目を通してもすぐ忘れられてしまうでしょう。
こうした事態を防ぐためには、トップメッセージ作成前から現場に目を向け、今現場がどんな状況に置かれているのかチェックしておく必要があります。
いいことがあれば積極的にピックアップし、悩みや困りごとが蔓延しているのであれば苦しい現状について触れるなど、「自分にとって関連がある」と思ってもらえるような内容を盛り込んでいくことをおすすめします。
どこかの企業のお手本をマネない
強いリーダーシップを持つビジネスリーダーや有名人の文言を参考にすることは非常に有効ですが、そのままお手本をマネることだけは避けましょう。
借り物の言葉ばかりが並んでも等身大の共感を得ることは難しく、自分とはどこか遠い世界の話であるかのような感覚を抱かせてしまいます。
あくまでも自分自身の言葉でまとめ、多少不格好でもリアルな体験談や本音の気持ちが含まれていた方が従業員の関心を得られるでしょう。トップメッセージのポイントは「上手に作ること」ではなく「理想やビジョンを正確かつ広く伝えること」にあると意識し、飾りすぎないように注意します。
客観的な数字を使う
抽象的な表現にならないよう数字やデータを使い、分かりやすく伝える努力も必要です。
「先月の売上成績がよかった」と伝えるより、「昨対比150%という大きな伸びをみせた」「購買単価がほぼ2倍で推移している」など原因となったポイントを数字を交えながら伝えるとより具体的なイメージを持たせやすくなるでしょう。
根拠のあるトップメッセージにすることで内容への納得感が得られやすく、トップへの信頼性が向上するきっかけにもなります。
中学生でも分かる表現を心掛ける
トップメッセージは、特定の役職・部署・年代だけでなく従業員全体に向けて書くことを意識します。
そのため専門用語や難しい表現は使わず、中学生でも分かる表現を心掛けるのがよいでしょう。緊張しながらトップメッセージに目を通す人は多く、難しい用語ばかり使われていては文字がなかなか頭に入りません。
無理に威厳を保とうとせず等身大の言い方を心掛け、読みやすく分かりやすいトップメッセージになるよう工夫していくことがポイントです。
ビジョンに対する進捗を更新する
トップメッセージは一度発信しただけで終わりにせず、定期的にビジョンに対する進捗を更新しながら発信していきます。
特に、進捗に大きな変化があったとき・周年記念パーティーなど多くの従業員が集まるとき・年末年始など節目の季節を向かえるときには改めてトップメッセージを発信し、意識を引き締め直すことが大切です。
目標を達成できたときは大いに従業員への感謝を伝え、何が成功のカギとなったのか広く共有してノウハウ蓄積に役立てていくのもよいでしょう。
トップ自身が常に最新情報を仕入れている姿勢を伝えるうえでも、有効です。

社長自身の”言葉”で誠実かつ実直に語る
一番重要なポイントですが、社長などトップ自身の言葉で語ることが重要になります。
無理に体裁をよくしようと取り繕う必要はなく、威厳や尊厳よりも等身大のメッセージを意識した方がよいでしょう。
トップへ共感できる企業の方が従業員エンゲージメントが高くなりやすいとも言われているため、飾りすぎる必要はありません。
ただし不安を抱かせるようなネガティブなトップメッセージや、特定の部署・担当者・職種をけなして落とすようなトップメッセージは避け、公平性を持たせることには注意しておきましょう。

トップメッセージの発信・運用事例

最後にトップメッセージを発信する企業事例を2社紹介します。効果的な発信をするため、それぞれ組織の形態や規模に合わせた工夫が見られることがわかります。
GMO NIKKO株式会社
GMO NIKKO株式会社は、GMOインターネットグループに属し、デジタルマーケティングを強みとするインターネット広告代理店です。
同社では理念浸透のため、社内報にトップメッセージを掲載しています。特徴はインタビューという形式をとり、わかりやすいタイトルと内容で構成している点です。
社員総会など対面でのトップメッセージだとどうしても聞き漏らしてしまう内容を、上記のような工夫を凝らした社内報に掲載することでインプットしやすい内容に仕上げています。

シコー株式会社
シコー株式会社は「感動の共有」という理念をもとに、クラフト紙袋・PE(ポリエチレン)重袋・プラスチックダンボール・包装資材を製造している企業です。
「社長通信」という連載で、10年間週1回トップメッセージを発信し続けてきました。媒体は当初メールを使用していましたが、リアクションの可視化やIT化を考慮して、web社内報での発信を始めています。
さまざまな拠点・部署のメンバーに対して社長の想いやビジョンに関する情報を発信することで、理念実現に向けて目線の揃った組織を作り上げています。

トップメッセージの発信ならweb社内報「ourly」
ourlyは、組織改善に特化した全く新しいweb社内報サービスです。
web知識が一切不要で、誰でも簡単に投稿できるだけでなく、他のweb社内報よりも豊富な分析機能が特徴的です。またourlyは、新たな社内コミュニケーションを創出するツールとして活用できるサービスとなっています。
読了率等の詳細な分析と、洗練されたコンテンツ配信から、効率的な理念浸透や文化醸成を実現します。
ourlyの特徴
- SNSのように気軽にコメントできる仕様で、社内のコミュニケーション活性化を実現
- web知識が一切不要で簡単に投稿できる
- 豊富な支援体制で社内報の運用工数を削減できる
- 分析機能に特化しており、属性・グループごとにメッセージの浸透度がわかる
- 組織課題や情報発信後の改善度合いを可視化することができる
「従業員にメッセージが伝わっているかわからない」「理念浸透・文化醸成を通して組織改善したい」といった悩みを抱える方におすすめのweb社内報ツールです。
社内報にトップメッセージを記載する
トップメッセージは、会社と従業員が同じ方向を向いて最大限のパフォーマンスを発揮するためのきっかけとして有効です。
共感を得られれば従業員エンゲージメントも上がりやすく、モチベーション向上も期待できるでしょう。
直接イベントやパーティーの場で伝えることも効果的ですが、社内報などテキストでトップメッセージを出す方法もあります。
役員からアルバイト・パートまで一度に広くトップメッセージを出したいときや、リアルタイムでスピーディーな伝達を重視したいときには特に相性がよいため、社内報でのトップメッセージを検討してみましょう。
社内報の運用ノウハウをこちらで解説しています。担当者はぜひ一度ご覧ください。