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エンゲージメントとは?意味や注目の背景・メリット・向上させる施策・事例7選

ビジネスにおいて様々な場面で「エンゲージメント」という言葉を聞くものの、どんな意味なのかがわからないという方もいるのではないでしょうか?

実際にエンゲージメントという言葉は「従業員エンゲージメント」「顧客エンゲージメント」「SNSエンゲージメント」といったように様々な場面で活用されます。

そこでこの記事では、エンゲージメントの意味を活用される場面ごとに解説し、企業や会社ににおいて重要な指標である「従業員エンゲージメント」について詳しく紹介します。

目次

エンゲージメントとは?

エンゲージメントとは繋がり・結びつきを示す言葉として使われ、ビジネスにおいては「従業員エンゲージメント」「顧客エンゲージメント」「SNSエンゲージメント」の3つの意味で使用されることが多いです。

そもそもエンゲージメントはEngagementという英語から来た言葉で、使用される場面によって様々な意味合いがあります。

Engagement:

約束。契約。協約。

結婚の約束。婚約。

広告などの各種マーケティング活動において、顧客の興味や注意を引きつけ、企業と顧客の結びつきを強めること。

(引用:goo辞書, 「『Engagement』の意味」, <https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88/> , 2021年1月閲覧)

このようにエンゲージメントには様々な意味がありますが、

日本の人事領域においては、従業員が会社や組織に愛着心や貢献意欲を抱き、従業員と会社の繋がりを強め、共に成長していくという考え方の「従業員エンゲージメント」。

マーケティング領域においては消費者と企業やブランドとの繋がり示す「顧客エゲージメント」。

SNSでは、投稿者と閲覧者の繋がりである「いいね、リツイート、シェア」などを示す指標として活用される「エンゲージメント」があります。

この記事では、様々な場面で活用されるエンゲージメントに関してそれぞれ解説した上で、従業員エンゲージメントについて詳しく解説します。

従業員エンゲージメント(人事領域)

人事領域において使用される従業員エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心や貢献意欲を意味します。より簡単に言えば、従業員と会社の絆や繋がりの強さです。

従業員エンゲージメントを向上させ、従業員と会社相互の繋がりを強めることで

  • 会社や部署の業績アップ
  • 従業員の会社への愛社心、貢献意欲向上

など見込むことができ、win-winの関係を築くことができます。

本記事では従業員エンゲージメントが注目される背景や、従業員エンゲージメントを高める具体的な施策、さらには実際の企業で導入された、従業員エンゲージメント向上のための施策例を詳しく解説します。

顧客エンゲージメント(マーケティング領域)

マーケティング領域で使用される顧客エンゲージメントは、企業と顧客との繋がりや結びつきを意味します。

そのため顧客エンゲージメントが高いほど、顧客はその企業の商品やサービスを継続的に使用・購入したり、他人に勧めるなどをしてくれます。

現代ではあらゆる産業で、他の商品との差別化が難しくなっているという現象を表すコモディティ化が進み、いかに独自性といった付加価値を付けられるかが重要になってきます。

SNS上でのエンゲージメント(SNS領域)

SNSなどのWEBマーケティングで使用されるエンゲージメントの指標は、各SNSによって変わりますが、投稿者と閲覧者の間での繋がりや結びつきを表します。

Twitterにおけるエンゲージメントとは、ツイートに対する

  • いいね数
  • リツイート数
  • ツイートの詳細表示数
  • ビデオや画像、貼り付けたリンク、ハッシュタグのクリック数
  • プロフィール画像の表示数

などが挙げられます。

Facebookにおけるエンゲージメントの主な指標は、投稿における

  • いいね!数
  • シェア数
  • コメント数
  • クリック数

などが挙げられ、

Instagramにおけるエンゲージメントの主な指標は、投稿における

  • いいね数
  • コメント数
  • 視聴回数(IGTVなどの動画投稿の場合)

などが挙げられます。

SNS上ではこのように、投稿者のアクションに対する閲覧者の何かしらのリアクションがエンゲージメント指標と言われています。

従業員エンゲージメントとは?

前述のように、従業員エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心や貢献意欲を意味し、従業員エンゲージメントを高めることで従業員と会社との関係性が向上し業績アップを見込むことができます。

従業員エンゲージメントを向上させるためには、

  • 従業員に企業理念やビジョンを浸透させる
  • 社員間コミュニケーションの促進する(1on1など)
  • 適切な人材配置を行う
  • 働きやすい環境を提供する
  • 積極的にCSRやCSV、SDGsへ取り組む

などといった会社や組織側からの働きかけが必要不可欠です。

下記では従業員エンゲージメントが注目される背景や、従業員エンゲージメントを高める具体的な施策、さらには実際の企業で導入された従業員エンゲージメント向上のための施策例を解説します。

従業員満足度との違い

人事領域においては従業員エンゲージメントに関係する言葉として、従業員満足度が使用されます。

従業員満足度とは、

  • 福利厚生
  • 金銭的報酬
  • 良好な人間関係
  • オフィス環境

のように従業員が会社から一方的に受ける待遇などに対する評価を指します。

従業員満足度は、従業員に自発性がない、業績に影響に関係しないという点に従業員エンゲージメントとの違いがあります。

従業員満足度を向上させたからといって必ずしも業績アップや従業員の自発的貢献が見込めるわけではありません。

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ロイヤルティとの違い

人事領域ではロイヤルティもエンゲージメントと似た言葉として使われます。

日本で使われるロイヤルティ(ロイヤリティ)にはLoyaltyとRoyaltyの二つの意味があり、それぞれ

Loyalty:忠誠心。また、誠実さ。

(引用:goo辞書,「『Loyalty』の意味」, <https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC/jn-235536> , 2021年1月閲覧)

Royalty:特許権・著作権などの使用料。

(引用:goo辞書,「『Royalty』の意味」, <https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC/jn-235536>, 2021年1月閲覧)

という意味があります。

このように、英語では明確に意味が分かれていますが、日本のカタカタ表記ではロイヤルティとロイヤリティを区別せずに使用している場合もあるので、文脈や状況によって判断する必要があります。

※この章では忠誠心という意味のロイヤルティとエンゲージメントの違いについて解説します。

人事領域で使用されるロイヤルティは従業員の会社に対する忠誠心や思い入れなどの意味があり、年功序列や終身雇用といった日本企業の特徴によって形成された海外ではあまり使われない言葉でもあります。

ロイヤルティは従業員エンゲージメントと違い、従業員が会社に対して忠誠を尽くすことが重視された主従の関係にあるという点で異なります。

従業員エンゲージメントが注目される背景

従業員エンゲージメントが注目される背景として

  • 価値観の多様化
  • 働き方改革による人材の流動化
  • 終身雇用・年功序列制度の撤廃による成果主義型社会
  • コロナ渦によりリモートワーク増加

といった項目が挙げられます。

価値観の多様化や働き方改革によって年功序列制度が薄れ、成果重視の社会になればなるほど優秀な人材はさらなるキャリアップを求めて転職をしてしまいます。

このように人材の流動化が従業員エンゲージメントが注目される背景にあります。

また、コロナ社会の影響でリモートワークが推進された結果、直接的にコミュニケーションを取る機会が減少し、従業員のエンゲージメント低下に課題を持つ企業が増えたことも、従業員エンゲージメントが注目される要因にあります。

価値観の多様化

ワークライフバランスという言葉が出てきたように、従業員が仕事や会社に求める価値観が多様化しています。

そして、会社に対して単に給料や安定性を求めるだけでなく、やりがいや理念への共感、働く環境や従業員同士の繋がり、将来的なスキルアップに繋がるか否かといった価値観を持って働く人が増えています。

(引用:エン転職,「『仕事に求めること』について」<https://employment.en-japan.com/enquete/report-36/> , 2021年1月閲覧)

そのため会社や組織側としては、価値観の多様化を理解した上で従業員が抱える価値観を把握することが必要になってきています。

人材の流動化

終身雇用や年功序列制度が薄れ、価値観の多様化が進むなかで、若者の転職に対する考え方も多様化しています。

内閣府が公表した16歳~29歳までの若者を調査したデータでは、転職に否定的な考えを示した若者は全体の2割にも満たないという結果が出ています。

(引用:内閣府「就労等に関する若者の意識」 ,<https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30gaiyou/s0.html>2021年1月閲覧)

この調査から、およそ8割の若者は、能力や適性に合わない職場であれば転職を意識しているということになる。

このように、従業員エンゲージメントが注目される背景には、価値観の多様化によって若者の早期離職といった人材の流動化が進んでいることがあります。

従業員エンゲージメントと生産性に正の相関

下記で詳しく解説しますが、従業員エンゲージメントと企業の生産性には正の相関があるということが、株式会社リンクアンドモチベーションと慶應義塾大学との研究によって結論付けられました。

従業員エンゲージメントが、企業の営業利益率や労働生産性に影響を与えるということが判明したことも、従業員エンゲージメントが注目される背景にはあります。

従業員エンゲージメントを向上させるメリット

これまで従業員エンゲージメントの意味や注目される背景などを解説してきましたが、ここでは従業員エンゲージメントを向上させることで、従業員や会社にどのようなメリットがあるかを紹介します。

生産性の向上

株式会社リンクアンドモチベーションが発表した慶應義塾大学との研究では、従業員エンゲージメントの向上が企業の営業利益率・労働生産性にプラスの影響を与えるということがわかっています。

(引用:株式会社リンクアンドモチベーション,「『エンゲージメントと企業業績』に関する研究結果を公開」,<https://www.lmi.ne.jp/news/pdf/180918_%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e7%b5%90%e6%9e%9c%e3%83%97%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%aa%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b9.pdf>, 2021年1月閲覧)

これまで、従業員エンゲージメントが直接的に会社の業績や従業員の生産性に影響あるか否かがわかりにくい状況でした。しかしこの研究によって従業員エンゲージメントを向上には大きなメリットがあるということが示されています。

従業員のモチベーションの向上

また、従業員エンゲージメントを向上させることで、従業員の会社に対する貢献意欲や愛社心が増し、仕事に対するモチベーション向上にも繋がります。

ここで注意しなければならないのは、

従業員のモチベーション向上が必ずしも従業員エンゲージメント向上に繋がるわけではないことです。

冒頭でも説明したように、従業員エンゲージメントは会社への貢献意欲や会社の業績にも繋がっています。

なので、従業員のモチベーション向上のために新たな福利厚生制度を導入したからといって必ずしも会社への貢献意欲や業績アップにつながるとは限りません。

従業員のモチベーション向上のために、まずは従業員エンゲージメントを向上させることが必要になってきます。

離職率の低下

従業員エンゲージメントが向上することで、会社への貢献意欲や愛社心が増します。その結果離職率を抑えることができます。

従業員エンゲージメントが注目される背景でも説明したように、価値観の多様化によって人材の流動化が活発になっています。

だからこそ従業員の価値観を理解し、従業員エンゲージメント向上のための適切な施策を行うことで離職率の低下を実現することができます。

記事下部では実際の施策例を5つ紹介しています。

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自社の従業員エンゲージメントの調べ方

ここでは、自社の従業員エンゲージメントの調べ方について解説します。

一般的に従業員エンゲージメントを調べるためには、エンゲージメントサーベイという調査が使用されます。

エンゲージメントサーベイ

エンゲージメントサーベイとは、いくつかの質問項目によって従業員のエンゲージメントを数値で表す調査のことです。

従業員エンゲージメントを実際に定量化することで、

  • 会社内の潜在的課題
  • 適切な人材配置ができているか
  • どのような施策を行うべきか
  • 現在実施している施策は効果があるのか

などといった潜在的な課題を把握したり具体的な施策を検討することができます。

エンゲージメントサーベイの質問例 2社

ここでは、エンゲージメントサーベイを行っている2社と実際の質問例をいくつか抜粋して紹介します。

下記記事ではエンゲージメントサーベイについてより詳細に解説しています。

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Gallup社

Gallup社は、組織改善について分析やコンサルティングを行う会社であり、世界各地で事業を展開しています。

そんなGallup社は独自の質問項目を作成するにあたり、世界中で3000万人以上に調査を実施しエンゲージメントサーベイを作成しました

基本的な事柄(一部抜粋)
Q01. 仕事において、自分が何を期待されているか知っている

個人
Q04. 過去7日間で、うまくいった仕事に対して何らかの評価や賞賛を受けたQ05. 上司や同僚は自分を一人の人間として気にかけてくれている

チームワーク
Q08.会社の掲げる経営理念やミッションは、私の仕事が重要であることを感じさせてくれる。

成長
Q11. 過去6カ月で、職場の誰かが自分の成長について話をしてくれた

(引用:GALLUP, “What Engaged Employees Do Differently”, <https://www.gallup.com/workplace/266822/engaged-employees-differently.aspx>, 2021年1月閲覧)

Culture Amp社

Culture Amp社は、文化に焦点を当てた企業に対して、その調査や分析の手助けをする会社です。2000以上の企業に対してエンゲージメントサーベイを行っており、毎年その分析結果から質問を更新しています。

エンゲージメント指標を表す質問(一部抜粋)
1. 私は、[会社]で働くことを誇りに思う
2. 私は、[会社]を素晴らしい職場としてお勧めする

リーダーシップ
6. [会社]のリーダーは、会社で何が起きているのかについて、社員が認識できるようにしている
7. 私のマネージャーは、社員にとって素晴らしいロールモデルである

権限
9. 私は、仕事を遂行する上で必要なものを十分に利用できる

開発
15. 私のマネージャー(または管理職の人)は、私ののキャリアに対して偽りなく関心がある

(引用:Culture Amp, “20 simple Employee Engagement survey questions you should ask”, <https://www.cultureamp.com/blog/employee-engagement-survey-questions/>, 2021年1月閲覧 )

このように従業員と会社の関係性や従業員同士の関係性などに関する10~20の質問から、従業員のエンゲージメントを数値として定量化しています。

従業員エンゲージメントを高める施策 5つ

従業員エンゲージメントを高める施策は会社や組織、業界によって様々ありますが、ここでは施策例を5つ紹介します。

これらの施策を導入したからといってすぐに効果が出るわけではありませんが、長期的に従業員エンゲージメントを高めることが期待できます。

ぜひ現状の会社や組織と比べ、どういった施策であれば従業員エンゲージメントを高めることができるかなどを考えてみてください。

⑴企業理念・ビジョンの浸透

従業員エンゲージメントを高め、従業員の自発性や貢献意欲を向上させるためには企業理念やビジョンの浸透が必要不可欠です。

企業側が進むべき方向性を従業員に対してしっかりと示し、共感を得られなければ従業員の仕事に対するモチベーションも低下してしまいます。

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さらに、コロナ渦で直接的なコミュニケーションの機会が減少している状況では、企業理念やビジョンの浸透がより一層重要視されています。

⑵社員間コミュニケーションの促進

従業員エンゲージメントを向上させるためには、社員間の会話の機会を増やすなどといった積極的なコミュニケーション促進が大事になってきます。

具体的な策としては

  • 社内イベントで他部署の社員と交流を深める
  • 上司やマネージャーと定期的に1on1を実施する
  • オフィスレイアウトを工夫しコミュニケーションを取りやすくする

などが挙げられます。

上司やマネージャーとのコミュニケーションを増やすことで、上層は従業員個々の状況を、従業員は上司の考えや求めるスキルなどを明確に理解することができます。

上層部に話しかけづらいといった雰囲気は、従業員のエンゲージメント低下につながる可能性があるので、無理のない程度のコミュニケーションを意識しましょう。

⑶適切な人事配置

従業員エンゲージメントを高める上では、従業員に対して適切な人事配置を行うことも効果的な施策の一つです。

従業員の価値観の変化やスキル、従業員が描く理想などを把握し、可能な限り適切な人事配置をすることが従業員エンゲージメント向上に繋がります。

とはいえ、従業員全ての要望に応えることは難しい場合が多いです。そういった場合でも、上層部は従業員を理解した上で、適切なコミュニケーションを取ることが重要です。

従業員が、自分の将来に不安に感じながら仕事を進めている状況を生まないためにも、可能な限り適切な人事配置ができるようにしましょう。

⑷働きやすい環境の提供

従業員が働きやすい環境を提供することも、従業員エンゲージメント向上には効果的です。

働きやすい環境といっても業界によって様々です。

代表的な例として、ワークライフバランスを考慮した産休、育休や復職制度、時差出勤やフレキシブルワークの導入などが挙げられます。

また、ここで重要になってくるのが実際に働きやすい制度が行われてる風土作りです。

会社として働きやすい制度を導入しているものの「上層部が利用していないため従業員が利用しにくい」といった環境では従業員エンゲージメントは低下してしまいます。

上層部こそ積極的に制度を利用し、従業員が利用しやすい環境を作ることを意識しましょう。

⑸CSRやCSV、SDGsへの取り組み

  • CSR(Corpotate Social Responsibility:企業の社会的責任)
  • CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)
  • SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)

などの言葉があるように、会社が社会的価値に対する取り組みを行うことでも、従業員のエンゲージメント向上が期待できます。

会社の事業を通して社会や環境問題に対してどのような形で貢献し、どのような活動を行っているのかを従業員に理解してもらうことで、自社が社会に貢献できているという愛社精神が生まれることがあります。

 従業員エンゲージメントを高めるより具体的な施策

これまで従業員エンゲージメントを高める5つの施策を紹介しましたが、ここではそれらの施策を実際に行う上での具体的な施策を7つ紹介します。

⑴社内報

社内報は主に、

  • 企業理念・ビジョンの浸透
  • 社員間のコミュニケーション促進
  • 社内の情報共有

などに活用されます。

社内報を通して具体的に、理念やビジョン浸透のための企画や社長コラムを行い従業員に理念やビジョンの浸透を、社員インタビューや座談会では社員間のコミュニケーションを促進することができます。

組織が大きくなればなるほど、従業員一人一人に企業理念やビジョンを浸透させることが難しくなります。

だからこそ発行して終わりの紙社内報だけではなく、どのくらい従業員に見られているのかを分析し、従業員エンゲージメント向上に繋げることができるWeb社内報の人気が高まっています。

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⑵社内イベント

定期的な社内イベントの開催は、従業員のモチベーション向上や社員間のコミュニケーションの促進に繋がります。

BBQや家族を伴ったイベントでは、普段話せないようなプライベートな会話ができます。

また、部署対抗やチーム対抗などのスポーツやクイズ大会などでは、連携や一体感を生むようなコミュニケーションを促進することができます。

このように従業員のコミュニケーションを促進し、従業員エンゲージメント向上のために社内イベントを行う企業例を後ほど紹介します。

 ⑶1on1ミーティング

マネージャーなどの上司と1on1ミーティングを設けることは、

  • 企業の理念、ビジョンの浸透
  • 仕事面におけるコミュニケーションの促進

に繋がります。

仕事面で上司と話しづらいような雰囲気があっては従業員エンゲージメントは向上しません。

1on1ミーティングで従業員と上司の距離を縮めることは、従業員エンゲージメントを高めるには効果的な施策です。

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⑷オフィスレイアウトの工夫

積極的な社員間のコミュニケーション促進を目的としたオフィスレイアウトにすることで、従業員が働きやすい環境を提供することができます。

座席固定型のレイアウトだけでなく、フリーアドレス(座席自由)を導入したレイアウトにするなどといった工夫を行うことで従業員エンゲージメント向上に繋がります。

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⑸タレントマネジメント

タレントマネジメントとは、従業員が持つ資質(=タレント)やスキルを最大限発揮できるよう、戦略的に人事マネジメントを行う取り組みのことを指します。

前述の通り、従業員の価値観の多様化や直接的コミュニケーション機会の低下により、人材の維持・確保が難しくなっています。

タレントマネジメントは、このような状況の中で従業員エンゲージメントを高めるためには効果的な施策の一つです。

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⑹働きやすい制度設計

上記で述べたように、従業員エンゲージメント向上のためには、従業員が働きやすい制度を整えることが重要です。

先述の産休、育休や復職制度、時差出勤、フレキシブルワークに加え、リモートワークや時間外労働の制限、オフィスカジュアルの導入などが挙げられます。

スペインをはじめとするラテン系諸国では一般的な「シエスタ制度」と言われる、昼寝の時間を取り入れた制度を導入し、従業員が働きやすい環境を整えている企業もあります。

⑺CSRやCSV、SDGsのための事業設計

  • 自社の事業が環境問題や社会問題に対してどのように貢献しているのか
  • 今の事業をどうすればCSRやCSV、SDGsに対して貢献できるようになるのか

といったことを念頭に置いた上で事業設計をすることで、企業の社会的価値が向上が見込めます。

その結果として、従業員のさらなる貢献意欲などが期待できます。

従業員エンゲージメント向上に取り組む企業事例 7選

ここからは、従業員エンゲージメント向上のために、先述した具体的な施策に取り組む企業事例を7つ紹介します。

⑴リクルートホールディングス

株式会社リクルートホールディングスでは、働きやすい職場づくりの一環として様々な形で「社内報」が取り入れられています。

(引用:株式会社リクルートホールディングス,サステイナビリティ,「働きやすい職場づくり」 <https://recruit-holdings.co.jp/sustainability/people-workplace/workstyle/workplace.html> , 2021年1月閲覧)

グローバルに展開している規模のでかい企業だからこそ、社内報を英語でも発信し、グローバルに情報を共有しているという特徴があります。

従業員の仕事の取り組みや良い功績がグループ全従業員に伝えられるということが、従業員の働くモチベーションの向上、従業員エンゲージメント向上につながっていると考えられます。

⑵日立システムズエンジニアリングサービス

株式会社日立システムズエンジニアリングサービスでは、「ファミリーデー」という社内イベントを設けています。

従業員のご家族に、従業員の方の上司や働く職場をご家族に知っていただくというイベントです。

(引用:株式会社システムズエンジニアリング採用サイト, 「社内行事と福利厚生」 <https://www.hitachi-systems-es.co.jp/recruit/environment/welfare.html>, 2021年1月閲覧)

このように家族にも職場を知ってもらうことで、従業員の会社に対する愛社精神や貢献意欲は大きく向上することが見込めます。

⑶Yahoo!

ヤフー株式会社では、人材育成のための部下とのコミュニケーションの一環として「1on1ミーティング」を導入しています。

(引用:ヤフー株式会社Corporate Blog, 「『1on1ミーティング』で強い組織をつくる 人材育成のための部下とのコミュニケーション」<https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20181011/1on1.html> , 2021年1月閲覧)

「1on1」の目的は企業によって違いますが、ヤフー株式会社では、部下の育成のために1on1ミーティングを取り入れています。

終身雇用制度や年功序列制度が崩壊したことで「社員の主体的なキャリア形成」が必要になった背景から、上司が部下に対して目標管理を行うのではなく、部下の成長を支援することが必要になったことで「1on1ミーティング」を取り入れています。

⑷パーソル

「はたらいて、笑おう」を経営理念に掲げるパーソルホールディングス株式会社のオフィスでは、ワークスタイル変革の一環として、社員同士がコミュニケーションを取れるようなオフィスレイアウトを導入しています。

引用:パーソルホールディングス株式会社ing(イング), 「新社屋オープン!『はたらいて、笑おう。』を目指してワークスタイル変革に挑戦」, <https://www.persol-group.co.jp/ing/2019/20190315_3514/index.html> , 2021年1月閲覧)

実際にこのオフィスで働く社員だけでなく、別のオフィスで働く社員とも交流ができる場所になっているということで、社員間のコミュニケーションに力を入れている企業です。

⑸サイバーエージェント

グループ企業を含め3000名を超える従業員がいる株式会社サイバーエージェントの人事部門では、関わる従業員一人ひとりの顔を覚えるということでタレントマネジメントをしていると言われています。

従業員の数が増えて、従業員の顔が思い浮かばないということを防ぐために、役員会議などでは従業員の顔写真付きのリストを使用して人材配置などを決定していると言います。

このようなタレントマネジメントを積極的に行うことで、従業員は「会社は自分のことを理解してくれている」といった安心感を得ることができます。

⑹伊藤忠商事

伊藤忠商事株式会社では、働き方改革の一環として「脱スーツ・デー」や「仕事と育児・介護の両立」を支援する制度を導入し、従業員が働きやすい制度設計を行っています。

従来のカジュアルフライデーよりもう一段ドレスダウンした服装を認め、ジーンズやスニーカーの着用を認めた制度を導入し、従業員の働きやすい環境作りに努めています。

引用:伊藤忠商事株式会社, サステイナビリティ,「雇用・福利厚生」, <https://www.itochu.co.jp/ja/csr/society/employee/employee_benefits/index.html> , 2021年1月閲覧)

⑺ソニー

ソニー株式会社では、気候変動などの環境問題だけでなく難民問題など、積極的にCSRやCSV、SDGsに取り組んでいます。

(引用:ソニー株式会社,「サステイナビリティ」, <https://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr/eco/> , 2021年1月閲覧)

ソニー株式会社のように積極的に環境問題や社会問題に取り組むことで、企業としての価値向上だけでなく、従業員の会社に対するイメージ向上に繋がります。

そういったことからも積極的にCSRやCSV、SDGsに取り組むことが重要です。

  • CSR(Corpotate Social Responsibility:企業の社会的責任)
  • CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)
  • SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)

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従業員エンゲージメントの高い企業は強い

人事領域における「従業員エンゲージメント」、マーケティング領域で活用される「顧客エンゲージメント」、SNS上での「エンゲージメント」の違いについて解説し、従業員エンゲージメントを向上させる具体的な施策と実際の企業事例について解説しました。

実際に自社で従業員エンゲージメントを向上させるためには「どのような施策が合っているのか」といったイメージを持っていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

Kanei Yoshifusaのアバター Kanei Yoshifusa ourly株式会社 コンサルティングセールス・組織開発チーム

前職は店舗ビジネス向けの業務効率化SaaS事業を展開する企業でCSに従事。
その後、ourly株式会社に参画。
200社以上の企業に組織課題解決の提案、現在30社の組織開発を支援。
富山県上市町出身。趣味は筋トレ/声マネ/滝行。

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