ブランドイメージとは?向上させる手順やメリット・企業事例を紹介
ブランドイメージとは、消費者が持つブランドに対する印象のことを指します。
たとえば、ルイ・ヴィトンに対して「高級品を扱っているブランド」というイメージを持つ人は多いでしょう。このような「このブランドといえば○○」というブランドイメージが定着することで、商品やサービスの売り上げ増加につながります。そのため自社のブランドイメージを向上させたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ブランドイメージの概要と向上させるメリットと手順、企業事例について解説します。
ブランドイメージとは?
ブランドイメージとは、ある製品やサービスを目にしたり、名前を耳にしたりした際に、消費者が頭のなかで思い浮かべる印象を指します。
ブランドイメージは、高級感やレア感といったハイブランドに対するものや、機能性が高くリーズナブルというイメージまで幅広いものです。どのようなブランドイメージを打ち出すかが、その企業のブランド戦略といえます。
ブランドイメージが定着すると、自社の製品やサービスの認知度が高まります。良いブランドイメージが広まれば広告宣伝費をかけずとも、消費者に自社の製品やサービスを選んでもらいやすくなるでしょう。
ブランドアイデンティティとの違い
ブランドイメージとブランドアイデンティティの違いは、視点の違いです。ブランドイメージは、消費者が抱くブランドに対する印象です。これに対し、ブランドアイデンティティとは、ブランドを提供する企業側のブランドに対する概念を指します。
ブランドアイデンティティは、消費者に「どのような印象をもってほしいか」を企業の視点でブランド価値として定義したものです。企業が消費者に訴求したい、他社ブランドにはない魅力や独自性を示すものといえます。
ブランディングとの違い
ブランドイメージとブランディングは、密接な関係にあります。ブランディングは、ブランドの価値を向上させる活動です。ブランドに対する特別な思い入れを、消費者にもってもらうための取り組みともいえます。
ブランディングの目的は、他社ブランドとの差別化です。ブランディングにより自社ブランドのファンを増やすことで、リピート購入を促せます。お気に入りのブランドとして、愛着を感じてもらえるようになるでしょう。
ブランドイメージを向上させるメリット
ブランドイメージを向上させることのメリットは、企業経営の安定を図れることです。
具体的には以下の4点です。
- 競合企業と差別化できる
- 利益率が向上する
- 継続的に利益を得やすくなる
- 人材確保に役立つ
詳しく解説します。
競合企業と差別化できる
自社の製品やサービスを手に取ってもらうためには、他社との差別化が必要です。ブランドイメージが向上することで、他社との違いが消費者に印象づけられ差別化が図れます。
ブランドイメージの向上が成功すると、市場での優位性を確保できます。市場において独自のポジションを確保でき、無意味な競争を避けられるでしょう。
ブランドイメージが広く深く浸透すると、あるカテゴリー製品の代名詞的な存在として、自社製品が認知されることもあるほどです。
利益率が向上する
ブランディングが成功しブランドイメージが向上すると、自社製品がもつ魅力が消費者に伝わりやすくなります。この魅力が「ブランド力」という付加価値となるのです。
一度「ブランド力」を構築した製品やサービスは、無駄な安売りをしなくても消費者の支持を集められます。
そのため、価格競争に巻き込まれにくくなります。価格訴求ではなく価値訴求により顧客に支持されることが、利益率向上には欠かせない要素です。
継続的に利益を得やすくなる
ブランドイメージを向上させることは、ブランドのファンをつくることにつながります。ファンとなった消費者は、安心感や愛着をもって自社の製品やサービスを利用してくれるでしょう。
こうした安心感や愛着が、リピート購入してくれる消費者を増やしていきます。価格に関係なく自社ブランドを愛し、使い続けてくれる可能性が高くなるのです。
そうすれば、過度な価格訴求や広告宣伝をおこなわずとも、継続的な売上が見込めます。結果として、継続的な利益を得やすい環境が構築できるでしょう。
人材確保に役立つ
ブランドイメージの向上は、人材確保の面でも良い影響を及ぼします。認知度が高まり、多くの求職者に自社の存在が知られるため、優秀な人材と出会える可能性が高まるでしょう。
良いブランドイメージをもつ企業は「この会社で働きたい」と、求職者の志望度を高めます。多くの応募者を集められるため、採用コストの削減にもつながります。
ブランドイメージが体現する理念や価値観に共感した人材が集まることで、エンゲージメントを高め、離職率の低下にも期待がもてるでしょう。
ブランドイメージを向上させる手順
ブランドイメージの向上により安定した収益を得られ、企業価値が高まります。ブランドイメージを向上させるには、以下の5つの手順が一般的です。
- 1. ブランドアイデンティティの明確化
- 2. ターゲットの設定
- 3. 提供価値の設定
- 4. タッチポイントの最適化
- 5. クリエイティブの作成
具体的に見ていきましょう。
1. ブランドアイデンティティの明確化
最初のステップは、自社のブランドアイデンティティを明確にし、関係者の共通認識とすることです。ブランドアイデンティティは、「消費者に抱いてほしいブランドイメージ」を定義したものです。
このステップは、ブランドの目指すべき方向性を定義するプロセスともいえます。ひとりよがりではなく広く消費者に受け入れられる、ブランドアイデンティティを目指すことが重要です。
2. ターゲットの設定
ブランドイメージを向上させるには、ターゲットを明確にしなくてはなりません。すべての消費者に対して、均一にブランドイメージを向上させることは不可能です。
まずは、自社の製品やサービスのメインターゲットとなる消費者を想定することです。ターゲットとなるユーザーの年齢層やライフスタイル、価値観などをイメージすることで、より精度の高いターゲット設定が可能になるでしょう。
3. 提供価値の設定
次のステップでは、提供する価値を設定します。ターゲットとなる層に、どのような切り口で価値を提供するのかを決めるプロセスです。そのブランドを手にすることで、ユーザーに感じてもらう喜びを定義することとも言い換えられます。
具体的には、品質や性能がもたらす「実利価値」、デザインやイメージがもたらす「感性価値」などが挙げられます。ブランドに対する愛着や思い入れを決定づける、大切な要素です。
4. タッチポイントの最適化
タッチポイントとは、ターゲットとする消費者とブランドの接点のことです。ブランドの魅力が、より正確に分かりやすく伝わるように、複数のタッチポイントを組み合わせブランドの認知度を上げていきます。
タッチポイントには、ブランドの魅力が伝わるブランド名やキャッチコピー、ロゴなどが挙げられます。宣伝の手段であるSNSやホームページ、雑誌への掲載やチラシやテレビCMなどもタッチポイントです。
こうしたタッチポイントのなかからターゲットに対し、もっとも訴求力の強い組み合わせを考え最適化を図るプロセスです。
5. クリエイティブの作成
クリエイティブの作成とは、タッチポイントを通じてターゲットに伝えるコンテンツをデザインするプロセスです。
パンフレットやチラシの制作では、キャッチコピーやロゴといった文字情報と視覚情報を適切に組み合わせ、デザインしていきます。ホームページやSNSなど、インターネット媒体においても同様です。
ブランドイメージがターゲット層に確実に伝わるようなデザインを、戦略的に構築していかなくてはなりません。
ブランドイメージ向上に成功した企業事例
ここではブランドイメージの向上に成功した企業事例を、4社紹介します。
- 今治タオル
- 無印良品
- スターバックス
- マツダ
いずれも、ブランドが実現したいコンセプトをデザインに見事に落とし込み、ターゲットへの訴求に成功している事例です。
今治タオル|高品質な白いタオル
地域ブランドである「今治タオル」は、安価な輸入タオルに市場を奪われ危機的な状況に追い込まれました。それまでは柄物のタオルを製造していましたが、自らの強みである「安心・安全・高品質」をもっとも訴求できるタオルとは何かを模索します。そこで行き着いたのが「無地の白いタオル」です。
「今治タオル」=「無地の白いタオル」=「高品質」というイメージの定着に成功しました。
多少価格が高くても高品質な商品を求める消費者をターゲットに、海外へも積極的に展開しブランドの魅力を広めています。
無印良品|シンプルかつ機能的な生活用品
「無印良品」は、スーパーチェーンのプライベートブランドとしてスタートしましたが、今では多くの人々に知られる有名企業に成長しています。
無印良品のブランドイメージは、「シンプルかつ高機能」です。デザインをシンプルにすることで、機能性とともに無印良品らしさの訴求に成功しています。
「自然と。無名で。シンプルに。地球大」という企業理念と、ブランドコンセプトが合致し、統一感のある独自の世界観が伝わってきます。
スターバックス|コーヒーを楽しむ上質な空間
スターバックスコーヒーのブランドイメージは、「おしゃれ」「高級感」にあるといえるでしょう。「上質な空間でゆったりとコーヒーを楽しむ」というコンセプトのもと、高価格のコーヒーを提供し、ロイヤリティの高い顧客を獲得しています。
高級感を演出しているのは、特徴的なロゴマークをはじめとした店舗デザインです。「スタバでのコーヒー体験」を贅沢で付加価値のあるものにしています。
価格競争に巻き込まれることなく、独自の価値を提供している成功事例といえるでしょう。
マツダ|車好きのための車
かつてのマツダは、価格訴求の悪循環によりブランド力の低下を招き、危機的な状況にありました。こうした状況を打開すべく、ブランドイメージの刷新に取り組みます。
シェア拡大よりも、マツダブランドを愛してくれる顧客の要望に応える車作りに専念します。自社のシェアである2%の顧客を喜ばせることを大切にしようと考えた結果、「車にこだわるならマツダ」というブランドイメージを定着させました。
これに加え、昨今では高いデザイン性を打ち出した訴求により、他メーカーとは一線を画したブランドポジションを確立しています。
自社の成長にはブランドイメージの向上を
良いブランドイメージを定着させることは、自社のファンを増やす大切な要素です。ブランドイメージが向上することで、競合他社との差別化が図れます。売上と収益も安定し、企業としての価値も高まるでしょう。
ブランドイメージを向上させるには、消費者に向けた発信も大切ですが、社内に向けた取り組みも必要です。
まずは、自社の従業員にブランドの魅力を訴求し、一番のファンになってもらわなくてはなりません。そのためには、Web社内報など社内広報の取り組みが有効です。ぜひ検討してみて下さい。
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