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ブランドマネジメントとは?成功・失敗事例から学ぶ実践方法

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ブランドマネジメントとは、消費者に与えるブランドイメージを最適な状態で維持するため、長期的にビジネス戦略を管理することです。顧客のブランドに対する信頼を獲得し続けるには、有効かつ積極的な管理が欠かせません。

ブランドマネジメントは、なぜ実践するべきなのでしょうか。また、成功させるためには何が必要なのでしょうか。

本記事では、ブランドマネジメントを実践するべき理由やブランドマネジメントに取り組んだ企業の成功と失敗事例を紹介したのちに、成功させるための方法を解説します。

目次

ブランドマネジメントとは

ブランドマネジメントとは、消費者に与えるブランドイメージを最適な状態で維持するため、長期的にビジネス戦略を管理することです。

ブランディングを成功させるための重要な要素であり、ブランドマネジメントに失敗するとイメージだけが思わぬ方向性に一人歩きしてしまいます。

反対に、効果的なブランドマネジメントができれば消費者からのイメージは向上します。結果的に、取引先からの信頼も集まったり従業員のエンゲージメントが上がったり、多彩なメリットがあることを知っておきましょう。

ブランドとは

そもそも「ブランド」とは、消費者が企業や商品・サービスに対して抱くイメージのことを指します。「実用的」「なくては困るもの」など利便性に対するイメージだけでなく、「この商品を使うことで自分自身も好きになれる」「社会の一員であると実感できる」など顧客体験がブランドイメージを支えることもあります。

企業側が意図した姿でブランドイメージを持ってもらうよう動く戦略のことは「ブランディング」と呼ばれます。加えて、既存のブランドイメージを払拭して新たなイメージを授けることを「リブランディング」と呼ぶようになりました。

いずれもブランディング戦略の一環であり、関連する言葉として覚えておくのが理想です。

おすすめのブランドマネジメント入門書籍

ブランドマネジメントを学ぶ際、入門書としておすすめなのが、『超実践! ブランドマネジメント入門 愛される会社・サービスをつくる10のステップ』です。

本書では、ブランドマネジメントの10ステップをさらに55の要素に分けており、図表とともに分かりやすく解説されています。ワークシートも組み込まれているため、自社のブランドに当てはめながら効率よくブランドマネジメントを学ぶことができます。

著者は、経営学者でありながら、世界最大ブランディングファーム「Interbrand」日本法人のエグゼクティブディブディレクター上條憲二さんです。

Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B09QG6WMWB

ブランドマネジメントを企業が実践するべき理由

今や、業種た規模を選ばず多くの企業がブランドマネジメントに着手するようになりました。下記では、ブランドマネジメントのメリットを解説しながら、実践すべき理由に触れていきます。

ブランドイメージが浸透するから

効果的なブランドマネジメントができれば、ブランドイメージが市場に浸透します。

ブランド名や自社名の知名度が上がるだけでなく、ポジティブなブランドとして良いイメージを持ってもらえることが増えるのです。また、自社の世界観が好きなファンを増やしたり、ブランドイメージに賛同する取引先を獲得したりしやすくなることもメリットです。

また、自社内で複数のブランドがあっても、それぞれのブランドイメージが確立していればカニバリゼーションが起きません。いわゆる「共食い」による顧客の奪い合いがなく、独立できることもポイントです。

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ブランド戦略や知的財産権の管理をしやすくなるから

経営者の勘や感性だけに頼らずブランドマネジメントとして体系化することで、社内にブランド戦略のノウハウが蓄積されます。ブランド確立までの遂行プロセスがわかり、担当者が変わってもブランドイメージが下落することがありません。

ブランド戦略のノウハウ自体が自社の知的財産権の管理に役立つなど、思わぬメリットも生じます。デザインポリシーも管理しやすくなり、ブランドが確立すればするほど業務効率化が叶うのです。

ブランドマネジメントに成功した企業事例 

ここからは、ブランドマネジメントに成功した企業の事例を紹介します。「この会社といえば…」なイメージづくりを企業主導で得ることに成功したポイントを探り、自社のブランドマネジメントに役立てていきましょう。

キユーピー┃理念の継続と創意工夫

食品メーカーであるキューピーでは、1919年の創業依頼変わらない企業理念を貫いています。目先の損得だけに左右されず、道義を重んじて何が正しいかを常に見定めて行動するよう徹底して従業員教育をおこない、長年のブランディングを続けています。

また、創意工夫の重要性について常々触れており、業界のパイオニアとして牽引する姿勢を表しています。人の真似だけなくオリジナリティやイノベーションを重視する社風がよく現れている言葉であり、部門・年次・役職を限定しないキューピズムとして定着しました。

タニタ┃健康的なイメージづくり

体重計など計測器で有名なタニタは、2009年から社員向け健康プログラムを実施しています。

社員の医療費削減、アブセンティーズムやプレゼンティーズムなど体調不良の予防、メンタルヘルスの安定などさまざまな効果が現れています。現在では自治体や企業向けに健康経営施策をパッケージする「タニタ健康プログラム」を提供するまでに成長しました。

また、栄養バランスに気を遣った社員食堂「タニタ食堂」をオープンし、真新しさやレシピ本の充実さでも注目を集めています。従業員だけでなく消費者向けの健康情報提供もおこなっており、健康経営優良法人として有名になりました。

ブランドマネジメントに失敗した企業事例 

ブランドマネジメントに成功した企業がある一方、失敗した企業も存在します。長年のブランディング戦略を無に帰すようなマネジメントになっていないか見直し、消費者心理を読み解きましょう。

コカ・コーラ┃守ってきた味を一新

コカ・コーラは、昔から受け継いできたコーラを味を変更して市場へインパクトを与えようとした結果、既存ファンから大きな失望を招きました。もともとはライバル商品であるペプシに対抗するための戦略でしたが、市場競争を意識しすぎてブランドマネジメントを怠った結果と言えるでしょう。

結果的に「コカ・コーラ クラシック」と呼ばれる商品で味を戻し、顧客の再流入を図ることとなりました。

ファーストリテイリング┃イメージと乖離(かいり)した野菜

UNIQLOやGUなどファストファッションブランドの運営で有名なファーストリテイリングは、「安全かつおいしい野菜を全国の農家から購入できる」ことを強みとして野菜の販売に乗り出しました。

しかしファーストリテイリングは「安く品質のよい服を大量生産してくれるアパレルブランド」というイメージが根強く、「高級な」「野菜」を販売する会社としてのイメージが生まれなかったのです。ブランドマネジメントだけでなくマーケティングの失敗事例としても語られることが多く、消費者の期待とズレた事業の立ち上げ事例となっています。

【資料】エンゲージメント向上に繋げる社内コミュニケーション施策の設計方法

社内コミュニケーションの活性化は、組織にあった施策を適切に行い続けることで実現します。しかし、組織にあった施策を選ぶことは難しく、成果も見えづらいため、活性化に成功する企業は多くはありません。

そこで弊メディアでは、「自社にあった社内コミュニケーション施策の選び方」、「施策設計方法」「活用事例」をまとめた資料を作成しました。

組織の離職率やエンゲージメントスコア、理念・文化の浸透にお悩みの方は是非ご覧ください。

資料はこちら:https://ourly.jp/download_internalcommunication/

ブランドマネジメントを成功させる方法

最後に、ブランドマネジメントを成功させる方法をステップごとに紹介します。消費者の期待を裏切らず、かつ自社が狙っているようなイメージを定着させるための要素を学び、役立てていきましょう。

1. 明確な計画を策定する

まずは、ブランド計画を明確にします。自社が業界のなかでどんなポジションにいるのか、市場にどんな影響を与えているのか分析し、ポジショニングを可視化しておきましょう。また、自社が持つ強みを明確にすることもポイントです。

自社のファンとなってくれるペルソナを設定できれば、その人に刺さるブランドマネジメントを考案するのが近道です。ひとつのブランドだけでなく会社そのもののイメージも構築するような考え方を持てば、会社全体をポジティブに捉えてもらいやすくなるのです。

2. マーケティング戦略の実行

計画の策定が済み次第、マーケティング戦略の実行フェーズに移ります。

前項で設定したペルソナを引き継いでカスタマージャーニーを作成し、どんなチャネルでどんなブランドストーリーを訴求していくか練りましょう。プロダクトのクオリティはもちろん、ネーミング・ロゴ・シンボル・キャラクター・起用タレント・パッケージング・スローガンなどがブランドイメージに合致しているか検討することも大切です。

また、SDGsを想起させるようなブランドストーリーを描いて社会的価値を感じてもらうなど、購買体験を充実させる方向性をとっても良いでしょう。

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3. 定期的な効果測定と見直し

ブランディングは一朝一夕に成功するものではなく、定期的な効果測定と見直しによる修正が欠かせません。

一時のキャンペーンのような施策になっていないか、自社イメージの根本を担うマーケティングができているか、中長期的なKPIを立てるのがおすすめです。PDCAサイクルを回しながら改善を図りつつ、急激な方向転換をして世界観をブラさないよう慎重に判断していく必要もあるでしょう。

ブランディングは感覚的な要素と言われることも多いですが、数値をトラック化し客観的に検証していくことで、改善点が見つかりやすくなります。「ブランドエクイティ」と呼ばれる無形資産の評価観点も参考に、対策しておきましょう。

ブランドマネジメントで企業や商品のイメージを最適化しよう

ブランドマネジメントに成功すると、商品・サービスのイメージだけでなく企業イメージの底上げも図れます。「あの会社はこんないいことをしている」とポジティブなイメージを持ってもらえるので、直接の消費者はもちろん、取引先・株主・従業員などさまざまなステークホルダーからの信頼が高まります。

社内向けから始まるブランドマネジメントもあるので、社内報を活用しながら効果的な訴求をしていきましょう。

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この記事を書いた人

渡辺 瞳のアバター 渡辺 瞳 ライター

フリーライター。総務人事の仕事を9年経験し、フリーランスとして独立。
HR戦略・労務管理・組織づくりなどのテーマを中心に記事を執筆中。
趣味が高じて音楽系コンテンツを黙々と執筆することもある。

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