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社内通貨とは?制度導入のメリットやポイントと企業事例を解説

社内通貨とは、社内でのみ使用できる通貨です。評価や表彰、お礼などの意味として、給与とは別にポイントなどの形で付与することが多く見られます。

社内通貨を導入するには、独自の通貨を開発するか、外部のサービスを活用するのが一般的です。

社内通貨は従業員のモチベーションアップや社内コミュニケーションの活性化にもつながるため、ぜひ取り入れたい制度です。

そこで本記事では社内通貨を企業が導入するメリットやポイントを解説します。

また、独自の社内通貨を発行している企業6社と、社内通貨サービスを4つ紹介します。

目次

社内通貨とは

社内通貨とは、その名の通り社内でのみ使用できる通貨のことを指します。給与とは別に与えられるものであり、ポイントなどで支給されることが多いです。

なお、社内通貨が与えられる事由は企業ごとに異なります。勤続年数や給与に応じて一定の社内通貨を与える企業もあれば、社内表彰を受けるなど実績を示して始めて社内通貨を与える企業もあるので、チェックしておきましょう。

社内通貨を取得する方法の例

社内通貨を取得する代表的な方法は、下記の通りです。

  • 一定の勤続年数を超えたとき
  • 一定の役職に就いたとき
  • 業績アップによるインセンティブが発生したとき
  • 社内コンテストなどで表彰されたとき
  • 部下や同僚からのお礼を受けたとき
  • 採用活動・広報活動のお礼を受けたとき

つまり、社内通貨はよい実績を獲得したときに与えられるものだとわかります。高い業績やノルマのクリアなど定量評価しやすい項目についてはもちろん、同僚からの賞賛や感謝など目に見えづらい貢献も通貨として付与できます。

なお、蓄積された社内通貨は現金化したりプレゼントやサービスに代えたりできます。

社内通貨を導入するメリット

ここからは、社内通貨を導入するメリットを解説します。多くの企業が社内通貨制度を取り入れる理由を学びましょう。

コミュニケーションが活性化される

社内通貨の制度があることにより、社内コミュニケーションが活性化されることがあります。

例えば社内SNSのいいね数や気軽な「ありがとう」の数が社内通貨に反映される場合、積極的に情報共有やノウハウ指導をしようと考える人が増えるでしょう。また、参考になった情報に対し自ら「いいね」するなど、社内通貨を送りあう風潮も増え、コミュニケーションする機会が増加します。

結果的にミスやトラブルが減ったり個人のスキルアップが叶ったりすることも多く、副次的なメリットが多いことも特徴です。

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経営理念や指針に沿った行動を促進できる

経営理念や指針に沿った行動を喚起したい場合、ロールモデルとなる存在に社内通貨を発行するのがおすすめです。社内通貨を得ることが一種のインセンティブになり、指針に沿った行動をする人が増えるかもしれません。

また、高く評価されている人の共通点を探るため経営理念をチェックするなど、自発的な学びを促進できる可能性も高いです。理念の浸透に課題がある企業こそ、社内通貨を導入してみましょう。

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評価軸が広がりモチベーション向上につながる

社内通貨は、定量評価しづらい項目の付与されることがあるので評価軸の拡大に効果的です。

例えば、掃除・挨拶・同僚への声かけ・部下や後輩へのサポートを積極的におこなっている従業員の場合、従来の人事評価制度のままではなかなか評価されづらいかもしれません。しかし社内通貨制度があれば、気軽にポイントで評価できるのでモチベーションが向上しやすくなります。

普段目に見えない努力をしている人も平等に評価したいのであれば、社内通貨を導入してよいでしょう。

社内通貨を導入する際のポイント

社内通貨はメリットの多い制度ですが、形骸化して使われなくなってしまうと問題です。「ポイントを貯めても意味がない」「そもそもポイントが貯まらないからあってもなくても変わらない」と思われないよう、制度を整えていきましょう。

下記では、社内通貨を導入する際のポイントについて解説します。

社内通貨を導入する目的を明確にする

まずは、社内通貨を導入する目的を明確にします。どんな目的で導入を決めたのか、そもそも何に課題意識を持っていたのか、可視化しておきましょう。

目的が明確になっていないと、どうしても「ただ導入しただけ」になりやすいので注意が必要です。また、どの効果も欲張ってしまうと却って方向性がブレやすくなり、目的を見失いやすくなります。

まずは社内通貨でどんな課題を解決したいのか、ゴールを見据えた方向性づくりをしていきましょう。

従業員が使いやすい制度を設計する

社内通貨制度は、従業員が使いやすいシステムでないと形骸化しやすくなるので注意が必要です。具体的には、貯める機会の多さと使い道の多さに配慮していきましょう。

例えば、貯まる機会が多ければポイ活と同じようにコツコツとポイントを貯めようというモチベーションを喚起できます。また、一気に多額の通貨を貯められる機会があれば、それに向けて努力しようという気持ちも呼び起せます。

また、自分にとってメリットのある使い道があれば、社内通貨制度へのメリットが高まります。どこでいつどれくらい使えるかも、事前にイメージしておくことが大切です。

自社にあったシステムを検討する

自社に合ったシステムとなるよう、使い勝手も含めて検討します。社内のみでシステムを完結させるのか、外部の社内通貨付与(消費)システムを使うのか考えることも重要です。

外部のシステムを使うのであれば、導入までの日数・初期コスト・ランニングコストを計算します。従業員数が増えても問題なく使い続けられるか検討し、複数社の見積もりを取得しておきましょう。

独自の社内通貨を導入している企業事例6選

ここでは、独自の社内通貨制度を導入している企業の事例を紹介します。自社にも役立ちそうな事例がないかチェックしながら、導入後のイメージを膨らませてみましょう。

OWNDAYS|社内通貨「STAPA」

URL:会社概要|メガネのオンデーズ(めがね・眼鏡)

OWNDAYSでは社内通貨「STAPA」を運用しています。出勤するだけでもポイントが貯まるので、特別な実績や評価を受けていない人でもメリットを実感できるようになっているのが特徴です。

貯めたポイントは商品や旅行などに交換でき、旅行にする際は有給休暇も付与されます。ステージごとに交換可能な商品が変わってくるので、上を目指そうというモチベーションも促進できています。

リンクアンドモチベーション|社内通貨「LIMO」

URL:カジノに見立てた人事施策を実施「カジノルール」 | ニュースリリース

リンクアンドモチベーションの社内通貨「LIMO」は、研修やセミナーへの参加・自己理解テストの点数などに応じて付与されます。スキルアップや自己学習に積極的な人ほどポイントが貯まるよう工夫されており、自主性のある学びを促進できるようになりました。

また、「LIMO」は現金にすることができるので、プチボーナスとして活用する道も確保されています。従業員にとってメリットのある仕組みだからこそ、組織に定着したと言えるでしょう。

nobitel|社内通貨アプリ「FRICA」

URL:https://corporate.nobitel.jp/company/access/

nobitelでは、社内通貨アプリ「FRICA」を活用したポイントのやり取りがおこなわれています。アプリ式なのでモバイルワークやテレワーク社員でも使いやすく、身近な存在として根付きました。

送受信したメッセージの文字数だけポイントが獲得できる仕組みであり、コミュニケーションの促進にも貢献しています。

貯まったポイントは無農薬野菜やボディケアと交換でき、健康経営の施策としても役立っているのが特徴です。

DISCO|社内通貨「will」

URL:社内制度 | 株式会社ディスコ採用サイト

DISCOには、社内通貨「will」が存在します。各自がwill専用の口座を保有しているので残額の動きを可視化しやすく、管理の手間を減らしています。

なお、willの成績を実際の人事評価や賞与査定に影響させるなど、さらにモチベーションを上げる取り組みをしているのも特徴です。そのため、「業績が高いけれど同僚からの評価が低くチームコラボレーションを生まない人」などを正しく評価できるようになりました。

管理は部門別管理会計を個人別に展開する形式にしており、福利厚生ではないのもポイントです。

カブドットコム証券|社内通貨「OOIRI」

URL:ジオフェンシング技術とブロックチェーンを活用した企業コイン「OOIRI」を導入|プレスリリース

カブドットコム証券では、社内通貨として「OOIRI」を導入しています。社内コミュニケーションの促進を目的に導入された社内通貨であり、特にノウハウの共有に対する謝礼や、社内イベントへの参加インセンティブとして支給されるようになりました。

その後は残業代の減少や会議時間の短縮に対してもインセンティブとして支給されるようになり、用途が広がっています。なお、貯めたポイントは自社近隣の飲食店で使えるので、ランチ代が浮くというメリットも提供しています。

オロ|社内通貨「Oron」

URL:企業情報|株式会社オロ

オロの社内通貨「Oron」は、感謝やお祝いの気持ちをポイントで伝える手法として導入されました。有意義なアドバイスを得たときや、仕事を少し肩代わりしてもらったときなどにポイントをやり取りできるようになり、社内コミュニケーションのきっかけが増えています。

また、近年増えているテレワークなどお互いの顔が見えない働き方をしていても、お互いにポイントを送りあうことで人の温かみを感じられる効果も発揮されました。必要最低限のコミュニケーションだけで完結してしまいがちな状況に、歯止めをかけた制度と言えるでしょう。

社内通貨サービスにおすすめの外部ツール4選

最後に、社内通貨サービスとしておすすめのツールを紹介します。自社オリジナルのシステムにするのが難しいと感じるときや、必要な部分以外を外注して効率よく運用したいときに検討してみましょう。

1. ユニポス

URL:Unipos

ユニポスは、ピアボーナスを通して組織変革を促すサービスです。従業員がお互いに賞賛しあう組織風土になることを支援しており、称賛文化の情勢を手助けしています。

従業員ひとりひとりが他者に送信する専用のポイントを保有しているので、常に「誰に送ろうか」という視点を持たせることも可能です。現金やAmazonギフト券など、汎用性の高い支給形式が選択できるのもポイントです。

2. グッジョブ!

URL:Goodjob!(グッジョブ)【公式】

グッジョブ!は、従業員エンゲージメントを高める 社内コミュニケーションツールです。お互いの仕事を掲示板感覚で伝えながら相互の褒め合い効果が生まれるので、社内コミュニケーションが活性化するのが特徴です。

SlackやChat workなど既存のチャットツールとも連携でき、使い慣れた環境で操作できるのもポイント。管理画面も充実しているので、バックオフィス部門の工数を削減しやすいのもメリットです。

3. サンクスギフト

URL:Thanks Gift

サンクスギフトは、組織の生産性向上やエンゲージメント向上を目的としたクラウドサービスです。情報だけでなく熱量や共感を伴う共有を目的としたツールとして誕生し、組織風土の形成に貢献してきました。

「感謝・褒める」といった非金銭的報酬と、ポイントによる金銭的報酬を組み合わせることで、組織への「貢献意欲」を高めることも可能です。働きがいのある組織にしたいときは、検討してみましょう。

4. コミュニティオ

URL:コミュニティオ

コミュニティオは、組織コミュニケーションや社内コラボレーション最大化のためのツールを提供しています。「TeamSticker」というツールでは「ありがとう」や「いいね」の数に応じてポイントを付与するシステムが確立されており、サンクスカードのやり取りとして使うことも可能です。

Microsoft Teamsとも連携できるので、気軽に使いやすいツールと言えるでしょう。

社内コミュニケーションのさらなる活性化に ourly profile

ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能や組織図機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。

3つの大きな特徴により、リモートワーク下でも部署を超えた相互理解や社内のコミュニケーション活性化を実現します。

  • 人となりが一目でわかる自己紹介画面
  • 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
  • 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる

顔写真や部署、役職などの基本的な項目以外に、強みや趣味、スキルなどが一目でわかりコミュニケーションのきっかけが生まれます。

また、全メンバーに共通のQ&Aを設定することができるので、部署・拠点・役職を超えたメンバー同士の相互理解促進にも役立ちます。

料金については、従業員規模に応じて幅広くご用意しております。詳しくはサービスページをご覧ください。

サービスページはこちら

社内通貨を導入して社内コミュニケーションの活性化を

社内通貨による褒め合いが起きれば、心理的安全性やモチベーションの向上などさまざまな効果が発揮されます。会社にとっても、社内コミュニケーション促進やエンゲージメント向上など多くのメリットがあるので、注目しておきましょう。

導入の際は社内報などで使い方を詳しくレクチャーし、形骸化しないよう対策するともポイントです。

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この記事を書いた人

渡辺 瞳のアバター 渡辺 瞳 ライター

フリーライター。総務人事の仕事を9年経験し、フリーランスとして独立。
HR戦略・労務管理・組織づくりなどのテーマを中心に記事を執筆中。
趣味が高じて音楽系コンテンツを黙々と執筆することもある。

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