【Web/紙共通】社内報の作り方|目標設定から企画、効果測定まで

あなたの会社では、社内報を発行していますか?
社内報は、社内の情報共有や社員の理念浸透を促進する手段の1つとして活用されます。しかし、日本の8割の企業が社内報を導入しているため、周りがやっているからという理由でなんとなく作成している企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、社内報担当者に向けて作成手順を細かく紹介するとともに、社内報の目的や役割について解説します。改めて、社内報の目的を見直し、効果的かつ読まれる社内報を作成しましょう。
本記事で紹介している実物の社内報(紙・Web)は、この記事を作成しているourly mag.運営元の株式会社ビットエー で過去に実際に発行したものです。
一事例としてぜひ参考にしてください。
また、こちらの記事では社内報の作り方以外にも具体的なツールや費用、書き方やデザイン含めて紹介しておりますのでぜひご覧ください。

社内報におけるお役立ち資料をご覧いただけます
社内報は、企業の情報共有や社員間コミュニケーションの促進などに効果的な手法です。社会的に人材の流動化が激しくなり転職が当たり前になる中で、社内報を通した情報共有の重要性はさらに高まっています。
従業員に読まれる社内報の効果的な制作・運用を目指したい方に、今まで多くのインナーコミュニケーションや社内報を検討してきたコンサルティングの立場から、各種お役立ち資料をお届けします。
社内報のKPI設定方法や執筆方法、ネタ、ツール比較など、お困りの担当者はぜひ参考にしてみてください。
社内報とは(web社内報・紙社内報)

社内報とは、会社の情報を社員やそのご家族に共有する手段の1つです。
企業によって社内報を利用する目的は異なりますが、主に会社の理念浸透や情報共有などに用いられます。紙媒体の社内報が一般的でしたが、コスト削減やIT化によりweb社内報を発行する企業も増えてきています。
2005年の全国社内報実態調査(【図1】)によると、85.1%の企業が「社内報を発行している」と回答しており、ほとんどの企業が社内報を利用していることが分かります。

【図1】社内報発行の有無
※日本経団連社内広報センター会員企業をはじめとする企業 3,000 社を対象として調査
(引用:日本経済団体連合会,「2005 年全国社内報実態調査結果の概要 多様化する社内コミュニケーション わが国社内報の現状と課題」, 〈https://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2006/007.pdf〉, 2020年11月閲覧)
社内報の作り方 全12ステップ!

本題である社内報の作り方について紹介します!全部で14ステップと長いですが、1ステップずつ着実にこなしていきましょう。
(1)目的・コンセプト・達成指標の設定
はじめに社内報を発行する目的を設定しましょう。
前項で4つの目的を紹介しましたが、情報共有が目的なのか、社員の理念浸透による成果の向上までが目的なのかで、大きく社内報の運用方法が異なります。
また、記事ごとのコンセプトも変わってくるので、社内報を導入することで達成したいことから、目的を設定すると良いでしょう。
加えて、達成指標を数値で設定すると効果的であり、最後のステップ12で紹介する効果の検証が可能になります。
では、社内報にはどんな目的と役割があるのでしょうか。以下4つ紹介します。
社内情報の共有
社内報の1番の目的は、情報共有です。
普段関わることのない部署や社員の情報を共有することができます。また、社員の家族に向けて情報発信することで、自分の配偶者や子供がどんな仕事をしているのかが分かり、安心感を感じてもらえます。
社内コミュニケーションの促進
社内情報を共有することで、社員間で共通の話題ができ、社内コミュニケーションの促進に繋がります。
同じ部署にいるけれど互いにあまり知らない社員同士や、普段関わらない他部署の方など、互いを知り合う機会となります。
人材のリテンション
社内報は、人材のリテンション(人材確保)の役割もあります。
共通の話題によって、社内コミュニケーションを促進するだけでなく、社長の考えや会社の経営理念や企業理念を定期的に発信することによって、理念浸透の機会にもなります。
その結果、会社のビジョン・ゴールが社員に再認識され、この会社で働きたいという気持ちが湧き、人材のリテンションに繋がります。
成果の向上
社内報を通じて、理念浸透をすることで、人材のリテンションに繋がるだけでなく、成果の向上にもなります。
理念浸透は、社員のエンゲージメントを向上させ、仕事へのモチベーションが上がります。また、他部署の成績や同年代の社員の情報共有によって、仕事への意欲が湧き、成果の向上を促すでしょう。
(2)発行方法の決定
社内報は、webと紙媒体の2つがあります。それぞれ費用面や愛着などで、メリットとデメリットが異なります。社内報の導入目的や予算案と照らし合わせ、どちらの方法で発行するのか良いのか決めましょう。
Web社内報
近年では、動画や速報性からweb社内報が一般的になってきています。紙社内報より費用が安く抑えられ、スマートフォンやPCからいつでも簡単に見ることができます。

紙社内報
web社内報が一般的になりつつありますが、紙社内報を導入している企業も少なくありません。電子版で見るより愛着が湧き、スマホやパソコンを持っていない人でも見ることができます。

以下の記事で、web社内報と紙社内報を比較しています。
(3)企画の決定
次に企画を決定します。新入社員紹介(4月)、内定式(秋)のように季節ごとに企画を決めていきましょう。そのほかにも、業績報告など様々なネタがあります。以下でいくつか例を紹介します。
会社情報紹介
経営方針や企業理念など、会社情報を発信することは、社内報の一つの目的ともいえます。企業が掲げるミッションやビジョン、経営理念を社員全員と共有する絶好の機会です。

社員インタビュー
社員インタビューをすることにより、社員同士の関係性構築などに効果的です。仕事面からプライベートまで、インタビュアー次第で内容の充実度は左右されます。しっかりと準備をし、インタビューに臨みましょう。
座談会
よりポップな話題を引き出したい時は、座談会がおすすめです。ママさん社員対談や同期対談など、共通点を持つ社員同士で座談会をしてみると、意外な話題を引き出せるでしょう。
以下の記事で、社内報の企画ネタを紹介しています。
社内報ネタ100選 公開中

社内報のネタに困ったことがある社内報担当者は少なくないでしょう。100以上の社内報のネタをまとめました。
(4)年単位のスケジューリング
前項で決めた企画を基に、年単位でのスケジュールを決定します。その年にいくつ社内報(記事)を発行するのか、大まかな計画を立てます。季節ごとの企画(入社式、業績報告、内定式、忘年会など)から考えるとよいでしょう。
(5)社内報単位のスケジューリング
企画と年単位でのスケジューリングが決まったら、社内報単位ごとのスケジューリングを行います。どの時期までに企画の取材を行うか、などの計画を立てます。
執筆の前に、記事の構想・レイアウト、取材やアンケートをとる場合などは、それらの計画から実施方法まで、事前に準備が必要です。社内報発行のスケジュール表の例(【図2】)を基に、余裕を持ったスケジューリングにしましょう。

【図2】社内報発行のスケジュール表の例
(引用:エーディープラント株式会社,「社内報の作り方」,<https://www.ad-plant.com/inhousenewsletter-howto1#title3>,2020年11月閲覧)
(6)執筆・デザインの内容構想
執筆の前に、記事のおおまかなデザインの構想を決めます。記事のみにするのか、写真を入れるのか、アンケート結果を載せるのか。あらかじめ、構想を決めておくことで、どのような素材や情報を集めるのか、どのような記事を書くのか、など全体内容が掴みやすくなり、スムーズに社内報を作成することができます。
(7)取材、情報・素材集め
ステップ6で決めた構想で、必要な情報や素材を集めます。アンケートを行ったり、社内イベントに出向いたり、新卒社員にインタビューしたり、座談会を開いたりなど様々な方法があります。
(8)執筆
素材が集まったら、執筆を開始します。詳しくは別記事で「社内報の書き方」紹介していますが、タイトルとアウトラインをまず作成し、伝えるポイントを絞ることが重要です。
以下の記事では、社内報記事の書き方について、より詳しく説明しています。
(9)デザイン
執筆が完了したら、デザインを行います。読者が見やすいように、レイアウトを工夫し、色や字体にもこだわりましょう!1からデザインする負担が大きい場合は、次項に外注サービス会社を紹介しています。
書体を工夫する
記事によって書体を工夫することにより、読者に与える印象を差別化することが可能です。書体も文章の印象を左右する要因の一つであるため、しっかりと検討する必要があります。

色を効果的に使い分ける
下記の写真は新入社員を紹介する記事を切り取ったものです。ブロックごとに色を使い分けることにより、読者は読みたい情報を簡単に見つけることができます。

生の写真を用いる
小説のように文字ばかりでは、読者に硬い印象を与えることにつながります。現場の写真を効果的に用いることにより、読みやすい印象と共に、臨場感などを表現することが可能です。
以下の記事では、社内報のデザインについて、より詳しく解説しています。
(10)原稿の確認
最後に原稿の確認を行います。基本的に誤字脱字・画像・構成を中心に確認しましょう。web社内報は、全体を通してみて問題はないか、複数人で確認するとよいでしょう。紙社内報の場合は、1部印刷し、実際に画像がずれていないかなどの正確な確認が必要です。発行後に修正が見つかっても、修正することはできないので注意しましょう。
(11)発行
ここでやっと発行します。社内でも、社内報を発行したことを宣伝し、多くの社員に見てもらうよう工夫しましょう。社内SNSや掲示板などで、アナウンスするとより効果的です。
(12)効果検証
発行後は効果検証を行います。ステップ1の達成指標を達成するように、PDCAを回しましょう。その記事によって、社員のモチベーションが上がったのか、コミュニケーションが増えたのか、それともあまり見てもらえなかったのかなどを確認します。その結果を受けて次の社内報はどのような記事・内容にするのかを決定しましょう。
社内報は、発行することが目的ではありません。理念浸透による成果の向上や情報共有によるコミュニケーションの促進までがゴールです。次に繋がるように、チェックとアクションを必ず行いましょう。
社内報運用の教科書-KPI設定ガイド-公開中

弊社が運営する、企業理念の浸透や従業員エンゲージメントを可視化できるweb社内報CMS「ourly(アワリー)」では、今まで多くのインナーコミュニケーションや社内報を検討してきたコンサルティングの立場から、社内報の運用ステップをまとめた資料を無料配布しております。
- 社内報の運用したいけど、どこから手をつければ良いかわからない
- 社内報をはじめる際にKPIとすべき指標がわからない
- 社内報のネタが浮かばない
など、社内報担当者が抱える社内報運用に関する疑問を解決します。詳しくはこちらよりご覧ください。
web社内報ツール3選

社内報には紙社内報とweb社内報の2種類がありますが、新型コロナウイルスなどの影響で、紙からweb化が進んでいるためここからはweb社内報ツール3選を紹介します。
紙社内報とweb社内報の比較についてはこちらの記事でまとめています。
ourly(アワリー)

ourlyは株式会社ビットエーが提供する、組織改善に特化した全く新しいweb社内報サービスです。
web知識が一切不要で、誰でも簡単に投稿できるだけでなく、他のweb社内報よりも豊富な分析機能が特徴的です。
またourlyは、web社内報としてだけでなく組織課題を可視化するツールとして活用できることが魅力的なツールとなっています。
ourlyの特徴
- web知識が一切不要で簡単に投稿できる
- 豊富な支援体制で社内報の運用工数を削減できる
- 分析機能に特化しているためメッセージの浸透度がわかる
- 発信した情報に対する従業員の反応がわかる
- 組織課題や情報発信後の改善度合いを可視化することができる
とった特徴があるため、「従業員にメッセージが伝わっているかわからない」や「web社内報を活用して組織改善したい」という方におすすめのweb社内報ツールです。
ザ社内報

公式HPはこちら
ザ社内報は、導入事例500超のCMS「clipkit」のweb社内報に特化したツールです。
直感的で誰でも簡単に使うことができ、ブログのようにスムーズに作成できます。
比較的安価な値段で導入できるのも、大きなメリットでしょう。
TUNAG

公式HPはこちら
株式会社スタメンが提供している「TUNAG」という社内報ツールです。
導入企業数も増え、継続率は98%という驚異の数字を誇っています。
社内報というよりは社内SNSというイメージが近いですが、気軽に投稿できたり、オリジナルスタンプ機能があったりなど、魅力が多いツールです。
専属のコンサルタントがつき、運用改善をサポートしてくれる点はどのサービスにもない大きな特徴となっています。
その他にも、下記記事では社内報ツールに関してまとめていますのでご覧ください。
社内報外注サービス3選

社内報の外注サービスを紹介します。主に、デザインと記事執筆の代行企業を紹介します。
社内報をはじめて導入する場合など、社内報作成の負担を減らしたい場合、外注サービスを利用するのもよいでしょう。
社内報デザイン会社
web社内報と紙社内報の外注サービスを紹介します。
BravoWEB(株式会社フィールビー)

低コストでweb社内報を作成できます。オリジナルの社内報サイトを制作でき、インナーブランディングにも効果的です。
参考価格
web社内報シンプルプラン 120万円〜
web社内報ベーシックプラン 190万円〜
web社内報アドバンスプラン 220万円〜
栄光プリント(株式会社栄光プリント)

紙社内報を作成できます。見積もりは無料で、編集方法や入稿方法もサポートできます。
参考価格
A4・4頁二つ折り・モノクロ・100部 36,000円~
A4・4頁二つ折り・カラー ・100部 60,000円~
社内報記事代行会社
社内報記事代行会社を2社紹介します。
ウィザップ(株式会社ウィザップ)

ウィザップの社内報作成サービスは、専属のライターが取材を行うことで、会社の良さを引き出し、社内報記事に反映するため、会社の良さが自然な形で伝わります。
参考価格(詳しくはHPにて)
A4・12ページ・カラー印刷 年4回発行 1回約400部
取材・執筆記事4点(ライターによるスナップ写真付き)×4回
取材場所=新潟県内4件×4回
原稿支給記事2点×4回
表紙写真プロカメラマン撮影×4回
年間約300万円
S&Eマネージメント株式会社(S&Eマネージメント株式会社)

記事代行のみならず、社内報作成のすべてにおいてサポート。企画立案から、執筆、デザインにも対応できます。
参考価格
初期費用 コンセプト構築10万円
制作費用 企画立案・編集費(1号あたり3万円)
デザイン費 1ページ2万円
まとめ
社内報は発行するだけが目的ではなく、理念浸透によって成果の向上を促進させたり、会社を知ってもらうことで離職を防ぐことが目的です。そのためにも、発行後の効果検証することが重要です。社員にとって読まれる社内報を目指すため、デザイン、書き方、企画やネタなど様々な角度からアプローチを行うといいでしょう。
社員だけでなく、社員の家族にも親しまれるような社内報を作成しましょう。