入社直後から“ギフティらしさ”に触れてほしい。ギフトを活用したカルチャー浸透施策
株式会社ギフティ(以下、ギフティ)は新卒社員向けに贈るサプライズギフトとしての『Welcome Box (ウェルカムボックス)』や、社員の誕生日や入社記念日を祝う『AnniversaryBot』を社内に導入することで、カルチャー浸透において一定の効果を上げています。社内でのカルチャー施策やインターナルコミュニケーション施策について詳しく伺っていきます。
新卒社員にギフティのカルチャーを感じてもらいたい
──「Welcome Box (ウェルカムボックス)」による施策とは、具体的にどういったものなんでしょうか?
入社式のサプライズとして新入社員にオリジナルのギフトボックスを渡して、入社への感謝や会社の持つ“ストーリー”をお伝えし、自社への愛着をもってもらうことを目的とした施策です。
以前から、入社時には新卒・中途に関わらずオリジナルのTシャツとパーカーを渡していましたが、入社式でもギフティのカルチャーや歓迎の気持ちを伝えるために、今年度から新卒に向けてトートバッグやギフトボックスを新たに準備しました。
ギフティはデジタルに留まらず、さまざまな可能性がある会社だと知ってほしいという思いも込めています。
──新卒社員にカルチャーを感じてもらうという意味では、さまざまな施策があるかと思います。そのなかでも、ギフト形式を選んだのはなぜですか?
私たちギフティはギフトの会社です。デジタルギフトの領域で成長してきましたが、デジタル、物理に関わらず、ギフトには、関係性作りや関係性の強化をするためのコミュニケーションツールとしての価値があると捉えています。さまざまな会社があるなかでギフティを選んでくれた新卒社員へギフティのカルチャーを表現するには、物理的なギフトを渡すのが良いと考えたんです。
会社としても、ちょうど「Swag」など物理的なギフトを扱い始めたタイミングだったこともあり、まずは社内向けにと企画しました。
※Swag:企業ロゴなどをプリントした企業のオリジナルグッズ。企業やサービス のコンセプトが反映され、モノ自体の質や「ギフトのストーリー」にこだわりが詰まっていることが特徴です。
──中には何が入っているんですか?
ギフトボックスの中身は、従来の社員証や名刺に加えて、タンブラーやキャップをセレクトしています。ギフトを開く前のワクワク感も表現できるように、会社のロゴ入りの箱をあえて作りました。
ほかにもトートバッグやTシャツ・パーカーもセットにしています。23年度の新卒用なのでその年の新入社員のためだけに作った「23」のオリジナルロゴをトートバッグに刺繍で入れるなどデザインもこだわっています。
ギフトは全員共通ですが、1人ひとりにメッセージカードも書いています。ビジネス側の採用は私が担当しているので、メンバー1人ひとりを採用していく過程での思い出を思い返しつつ書いていますね。
入社時に誰もが持つ不安を払拭したかった
──Welcome Box (ウェルカムボックス)を実際に受け取った新卒社員の方からはどんな反響がありましたか?
23年度の新卒であることがわかるようなデザインにしたことで、自分たちのために作ってくれた特別感があると喜んでくれましたね。
──やはり特別感があると喜んでもらえますよね。人事である大川さんから見て、この施策を導入した効果はどのように感じられていますか。
カルチャー浸透の効果を数値で測ることは難しいですが、入社時に誰もが持つ不安を払拭できたのではないかと考えています。
入社する側にとっては、会社に期待を持つ反面、不安も大きいじゃないですか。とくに新卒は初めて社会に出るという点でも相当な環境の変化があるわけなので、会社から受け入れられているなと思えることは安堵感をもたらすと思うんですよね。
その違いが彼らの入社後の活躍に少なからず影響してくると思うので、これから働く期待感を高めるといった心理的な面でもいいスタートを切るきっかけになったのではないかなと思います。
AnniversaryBotでギフトを社員同士のコミュニケーションのきっかけに
──AnniversaryBotについても伺っていきます。どういう施策なのか教えてください。
以前は福利厚生の一環で社員の誕生日には物理的なギフトを渡していましたが、コロナ禍を機に、ChatBotとSlackを連携して誕生日や入社日をお知らせできるようにしました。
ChatBotに対して、自分が欲しいギフトが選べるのはもちろんのこと、事前にチャンネルで誕生日を告知するかどうかも自身で選択できるようになっています。年齢を知られたくない方もいますから、そういったプライバシーにも配慮したChatBotにしました。
──インターナルコミュニケーションのきっかけ作りにも役立ちそうですね。AnniversaryBotをはじめた背景として、コロナによる危機感も大きかったのでしょうか。
そうですね。コロナ前は基本的に出勤していましたが、コロナを受けて在宅勤務に切り替えました。今年7月からはエンジニアを除いて週2出社推奨のハイブリッド型を採用しています。ずっと家で仕事していると、どうしてもコミュニケーション量自体が減って関係性が希薄になり、会社に対する所属意識が薄れていってしまうのではという危機感がありました。
弊社はコミュニケーションの一環としてのギフトをビジネスにしている会社なので、ギフトが関係性向上の一助になることはみんなが理解しています。会社全体が同じ方向性を持ってミッションに向き合っていくためには、 みんなで会話して、何気ないその人の変化や思いを共有しておいた方が、実感値を高められるだろうなと考えたんです。
AnniversaryBotはコロナ禍における代替手段として導入しましたが、アフターコロナの現在も継続的に活用しています。
──会社がChatBotを提供することで、社員同士でギフトを贈り合う環境を作っているんですね。
実は、福利厚生として社員に自社サービスの「giftee」で使えるギフトコードを付与しているんです。その目的は、まさに社内でギフトを贈り合うことでコミュニケーションを活発にしてほしいから。
ギフティではプロジェクトごとに他部署の初めましての人とも連携をする場面が多いので、仲を深めるためのきっかけとして贈り合うケースも多いようです。
社員と経営層が同じ視点で仕事をすればエンゲージメントは向上する
──カルチャー浸透やインターナルコミュニケーション活性化に関して、現在の課題や今後改善していくべきことはありますか?
2019年当時はまだ50人程度の組織規模でしたが、現在は4倍の約200人にまで拡大しています。今後も事業拡張に伴って採用を進めていく予定なので、人数的にも身軽に動けなくなり、何らかの課題が出てくると考えています。
弊社は海外にも拠点がありますし、働き方改革で、フレックスやリモートを取り入れるなど、個人の意思を尊重した働き方の選択肢も多様化しています。そうした状況のなかで、世界中に散らばっている社員たちとどうコミュニケーションを取るかを考えていく必要があると考えていますね。
──最後にカルチャー浸透やインターナルコミュニケーション活性化の施策で悩んでいる組織に、ギフティの人事としてどのようなアドバイスをしますか?
社員1人ひとりに主体性を持たせる仕事の方法に変えれば、エンゲージメントの向上にもつながるのではないでしょうか。弊社は1人ひとりが担当する業務の範囲が広いんです。そして、経営層しか知らない情報がない点が特徴的です。
社員1人ひとりのやる気や成長にある意味期待して、会社の大方針はこうだから自分はこの業務を任せられているのだ、と把握してもらうことが重要だと考えています。上層部と同じ視点で仕事ができれば、インターナルコミュニケーションによるハレーションは起こらないはずです。
──上層部と同じ視点。
たとえばギフティでは、毎週月曜日の朝にウィークリーという各部門から全社に向けた報告をする場があるんですが、その発表を新卒に任せることもあります。マネージャーがすべてを把握したうえで話す会社も多いと思いますが、それを新卒に担当してもらっていることも1つの裁量ですよね。
そんなふうに業務範囲をガバッとこじ開けて、経営層しか知らない情報や会社としての大方針にまでタッチできるような仕事の仕方にすれば、自ずとインターナルコミュニケーションは活性化しますし、エンゲージメントも向上すると考えています。
Swagやギフトの社内コミュニケーション活用についてのご相談はギフティまで気軽にお問い合わせください。
Interview / Edit / Photo / Design:Sachi Kagayama
Write:Misono Sugimoto