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グッドパッチのPXチームが語る「社員が自社を好きになる」社内イベントの作り方

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今では、モチベーションクラウドで組織ランクAAA(ランクはDD~AAAの11段階あり、最高ランクのAAAは導入企業の上位1%に属する)を記録する株式会社グッドパッチ。
しかし、過去にはカルチャーが崩壊し、離職率が40%を超えた時期もあったそう。

組織崩壊から復活を果たしたグッドパッチが今どんな取り組みをしているのか、PR/PX(People Experience)グループに所属する杉本さんにお話を聞いてきました。

インタビュイー:杉本様
1994年生まれ。女性向けサービスを展開する事業会社で新規事業立ち上げ、コンテンツマーケティングを担ったのち、2017年5月に株式会社グッドパッチへ入社。PR/PXグループにて社内外のイベント企画・運営やオウンドメディア運用など、コンテンツコミュニケーションを担う。
株式会社グッドパッチ:https://goodpatch.com/

アイキャッチ写真撮影:Kai Qin(Goodpatch)


目次

行動指針の策定に失敗し、離職率はピーク時で40%超え

ーー今では、モチベーションクラウドでも日本トップクラスのスコアのグッドパッチですが、数年前には組織崩壊も経験したと聞いています。簡単にお聞きしてもよろしいでしょうか。

グッドパッチは、元々カルチャー醸成に力を入れている会社で、30人を超えたタイミングからビジョン・ミッションを作成していたんです。そのビジョン・ミッションは社内外ともに評判が高く、デザイナーたちの多くの共感を集めていました。

その後、取り組んだ行動指針策定で事件がおきました。
策定したのは良いものの、急に行動指針を軸とした評価制度を導入するなど、メンバーの納得度が低い状態で実施してしまったんです。

壁に貼ったはずの行動指針を書いたポスターが剥がされていたり、社長の海外出張中にポータルサイトに経営への批判が投函されていたり、国内の役員が全員辞めたりするなど、ピーク時には離職率が40%を超え、培ってきたカルチャーが完全に崩壊しました。

ーーそこからどのように回復していくのでしょうか?

今の役員や執行役員が入社し、彼らが組織に向き合い続けたことでV字復活を果たします。

面接では代表の土屋が、正直に「今のグッドパッチは、本当に大変な状況です」と伝えていたのですが、その状態で入ってきたメンバーだったので、相当覚悟が決まっていたんでしょう。

現在、経営企画室室長を務める柳沢を中心に組織の立て直しを計りました。

その大きな一手が、前回失敗に終わったバリューの再構築。そして、浸透です。
前回の反省を活かし、全社員を巻き込んで取り組んだり、経営陣とマネージャー陣が一枚岩となって取り組むなどして、バリュー策定は成功をおさめ、グッドパッチは組織として復活を果たしました。

イベントの企画で最も大事なのは「WHY」

ーー組織復活後、どのようなアクションを取られたのでしょうか?

組織崩壊から人に向き合うことの重要性を学び、“People Experience”という社内外のあらゆるステークホルダーの「人」の体験向上を担うPXチームを立ち上げました。

私たちがその「人」の中でも特に注力しているのは従業員の体験です。最近はEmployee Experience(従業員体験)とも呼ばれ注目を集めていますが、私たちは「社員」としてだけでなく「人」として向き合いたいという意思も込めて「People」と表現しています。

基本的には、社内広報といわれる領域を全般的に担当し、全社総会などの社内イベントの実施を含め、エンゲージメント向上のための活動を中心に行っています。

ーー具体的には、どんな取り組みをしているのでしょうか?

行っている施策はさまざまです。
イベントとしては、全社総会や月1回全社員が集まって軽食を食べながら交流する「Pizzapatch」、リモート下で新入社員と既存社員を繋ぐイベントである「Jointpatch」などがあります。

Pizzapatch

自社で開発・提供するオンラインホワイトボード「Strap」を活用し、リモートでもコミュニケーションを楽しむことができる。

Jointpatch

社内で顔見知りを増やしたい人向けに、少人数でじっくり交流することを目的としている。

ただ、私たちとしては取り組み内容というよりは企画や設計の部分にかなりこだわりを持ってやっています。

ーーどんな部分にこだわっているのでしょうか?

イベント系の施策ってどうしても、何をするのか(WHAT)、どのようにするのか(HOW)によってしまいますが、やはり最も大事なのはなぜするのか(WHY)の部分です。

なぜするのか?(WHY)から考え、なぜ今そのイベントをするのか?(WHEN)誰にどんな体験を届けたいのか?(WHO)。そして、そのイベントが終わった時にどんな状態になっていたら成功なのか。これらは徹底的に考え抜きます。

それらを考えていると、そもそも今組織としてどんな状態なのか?社員のみなさんはどんなことを考えているのか?という情報も必要になってきます。
そんな理想と現状を把握した上で、設計していくんです。


イベントを多くの社員と一緒に作ることで、採用につながった

ーーそこまでこだわって設計されているのは初めて聞きました。

さらに、グッドパッチのバリューの一つでもある『こだわりと遊び心』があるかどうか、も大事にしています。

グッドパッチのバリューを企画においても体現するという意味合いもありますが、『こだわりと遊び心』があった方がカジュアルな場になりますし、純粋に楽しいですよね(笑)

そのためには、何より私たち企画者自身が楽しめているかどうかは重要なポイントです。
自分たちで作った企画を楽しいと思えていないと、参加者に楽しんでもらうことはできません。

「クスッとできるポイント」や「なくてもいいかもしれないけれど、あると嬉しいもの」を企画に入れられているかどうか。そんなところを強く意識しています。

ーー自分たちが楽しめているかどうか、はとても大事なポイントですね!
実際に運営する上で、工夫しているところはどんなところでしょうか?

できるだけ多くの人と一緒に作り上げることです。
規模が多くなればなるほど、どうしても運営側と参加側という立場が明確になってきます。

ただ、PXチームとしては一緒にイベントを作ったり、運営をしたりすることで「従業員体験」が向上すると思っていますし、その楽しさもみんなと共有していきたいんです。

実は、2021年の9月に社員総会を開いたのですが、創業10周年だったこともあり今までの最多人数である40人ほどに運営に関わってもらう形にしました。

一緒に企画をしたり、クリエイティブを作ってもらったり、登壇をしてもらったりと役割はさまざまですが、イベントが終わったあと、こんな声をいただいたんです。

「運営に関わってから、社内イベントを身近に感じるようになった」
「イベント運営は大変だったが、組織のことが自分ごと化できた」

他にも、そのイベントの様子を社外向けに発信したりもしたのですが、運営を手伝ってくれたメンバーも積極的に発信や拡散をしてくれたことで、その発信を見た人が「グッドパッチに入りたい」と面接を受けに来てくれたりするなど、組織として確実に良い効果がありました。

ただ自分たちだけで企画して主催するのではなく、できるだけ多くの人を巻き込むことで、組織のことを自分ごと化する人が増え、社内外のあらゆるステークホルダーの体験を向上させるということをひしひしと感じました。

協力したい。応援したい。そう思われるチームへ

ーーありがとうございました。最後に、PXチームの今後の展望を教えてください。

現在グループ会社が増えたりするなど、会社として規模が大きくなっているので、それにともないPXチームが関わるステークホルダーの数が増えています。

一方で、「海外オフィスとのコミュニケーションは今後どうするのか?」「組織が大きくなる中で、グループ間、部署間のコミュニケーションはどうしていくのか?」など、事業と組織の成長に伴い、新しい課題も生まれます。

ただ、どれだけ規模が大きくなっていったとしても、一人ひとりと向き合うことだけは、絶対に諦めたくないなと思っています。

例えばお子さんがいるからイベントに参加できないという人がいれば、参加しやすい時間帯を探ったり、子どものお世話をしながらでも参加しやすいコンテンツを考えたり。一人でも参加できない人がいれば、どうにかして参加できないか、考え続ける組織でありたいです。

一人ひとりに向き合い、本気で組織のことを考え続けることで、“People Experience”を高め、そしてこのPXチームが社内からも社外からも「協力したい、応援し続けたい」、そう思われるようなチームにしていきたいなと思っています。

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この記事を書いた人

Hiroki Sunagawaのアバター Hiroki Sunagawa ourly株式会社 セールスチームメンバー

ourly magazineのライティングとメンバーマネジメント担当。
アメフトを通じてチームプレイの重要さを学び、組織で一致団結してパフォーマンスを出すことに興味がある。
見た目ゴリラっぽいが、甘いスイーツと泣ける映画が好きな中身は乙女っぽい一面も。

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