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仕事を“自分ごと”にする 社員の個性を輝かせる組織づくりとは?

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働き手が組織に対して愛を持てるかは、企業側にとってもかなり重要なことです。長く働きたいし、長く働いてもらいたい。そんな互いの望みを叶えるためには、エンゲージメントの向上が重要になります。ただ、従業員の幸せのかたちは従業員の数だけあり、会社の特徴によって関わり方は異なります。

今回は、パナソニックITSで組織づくりに貢献している小関史織さんにインタビュー。大手の技術会社でありながら、社内改革に成功した背景と取り組みについて語っていただきました。

小関 史織さん

小関 史織
(こせき しおり)

インタビュイー

パナソニックITS株式会社
アドミニストレーションセンター総務部企画課 課長

2009年より同グループ内の他事業会社でのエンジニア・BtoBマーケティング/営業、及び、社内複業として風土/カルチャーの取り組みにチャレンジを経て、2022年1月にパナソニックITSにエンゲージメント担当として入社。企画課としてインターナルコミュニケーションを中心に従業員のエンゲージメントをあげるべく、さまざまな仕掛けを実施する。2024年7月、同企画課の課長に就任。パナソニックグループ内での経験を活かして働き方・風土・DEI活動メンバー連携の旗振りも開始。パナソニックITSの従業員一人ひとりの個性が活きて、輝ける職場を実現するために力を注ぐ。

インタビュアー

2019年よりフリーランスライター・編集者・Webメディアディレクターとして活動。前職ではベンチャー企業のメディア事業部に在籍し、Webマガジンの副編集長としてWebメディアの運営・企画やライターマネジメントに従事。

現在は、ourly magazine編集部にてコンテンツ企画やインタビュー、ライティングを担当している。

目次

まずは組織の特徴を多角的に分析

──現在のパナソニックITSの雰囲気について教えてください。

個人的には、「パナソニックっぽくないな」と感じています。歴史ある製造業のグループ会社ではあるのですが、チャレンジ意欲が強く、ベンチャー気質だなと思いますね。新入社員も変わった経歴の持ち主が多く、「宇宙の事業にチャレンジしていました」とか「アルバイトでNPOを手伝っていました」など珍しい経験をした人もいて、とても興味深いです(笑)。

──社内改革が行われる前は、どのような雰囲気だったのでしょうか。

以前は、“受け身”の人が多かったと聞いています。業務の性質から、「言われたことをやればいい」と、どこか諦めてしまっている雰囲気が強かったように感じます。

会社の成り立ち上の特性もあるとは思うのですが、私が入社する前は、指示されたことを黙々と進めるような環境に置かれていたようです。

──そこからどのようにして、社内改革を始めていったのでしょうか。

私が入社した時点ですでに、とても元気な会社だなという印象はあったのですが、トップの影響力が大きかったという特徴があったので、従業員の意見を吸い上げる活動においての“ボトムアップ”を強化する取り組みを考えました。

トップとダイレクトにつながる「MAKE X HAPPY」

──具体的には、どのような取り組みを行ったのでしょうか。

1番最初に実施したボトムアップ強化の取り組みは「MAKE X HAPPY」です。実施したい改善活動や挑戦したいことを、社員がトップに直接提案できるという取り組みです。部署関係なく5人ひと組でチームを組んで意見交換をし、何かやりたいことがあれば進言することができます。

──まさしくボトムアップが実現できる取り組みですね。

そうですね。さらに活動するかしないかは社員によって自由なんです。トップの発案でスタートした取り組みなのですが、ボトムアップ感を強くしていきたいという想いから、スタッフのみだった事務局にエンジニアを追加しました。身近な仲間が事務局として活躍することで、自分たちが作り上げる活動であると今まで以上に思ってもらえたんじゃないかと思います。

ほかにも昨年は、半年かけて会社の公式キャラクターをつくるという取り組みを行いました。従業員の皆さんと会話をしていくと、どこか、自分には決定権がないと感じている人が多い印象を受けました。その思い込みを変えていきたいという狙いから、一人ひとりに決定権があるということを体験してもらいたかったんです。

会社をイメージしたキーワードのアンケートを実施し、イラストやネーミング案を募集。最後は投票形式でキャラクターを決定しました。参加型で進めることによって、必ずどこかで“関わった”という実感を持ってもらうことを目的に実施しました。

──公式キャラクターのプロジェクトに対して、社内の反応はどのようなものだったでしょうか?

始めた当初は、「また変なことをやり出した」とか「業務的に負荷が増えた」といった批判的な意見もありました。それでも諦めず、巻き込んでいくことを意識して続けていくと、だんだんキャラクターに愛着を持ってくれるようになったんです。

その後は自然と、社員同士でグッズやアバターを制作してくれるようになりました。その“自発的な動き”を後押ししたいと思い、「キャラクターは自由に使ってください」と、みんなに呼びかけたんです。

──600人以上の社員数がいらっしゃるとお伺いしましたが、新たな取り組みを受け入れてもらうのはなかなか難しいことですよね。

そうですね。私は何かを始めるとき、“共感”が1番大事だと思っています。公式キャラクターの施策が軌道に乗って上から「もっと盛り上げよう」という指示もあったのですが、人は強制されると、途端に共感度が下がってしまうんです。

だからキャラクターに関しては「じわじわ盛り上げていくので、放っておいてください」と進言しました(笑)。無理強いせずに、自ら動こうという気持ちが重要なんです。

実体験から得た外部交流の重要性

──「MAKE X HAPPY」をきっかけに、仕事の“自分ごと”化と、ボトムアップを達成できたと思うのですが、ほかにエンゲージメント向上につながる取り組みは何か行ったのでしょうか?

あとは、「ファイヤー・サイドチャット」という手法でコミュニケーションの改善を行っています。「ファイヤー・サイドチャット」というのは、雑談に近い状態で自分たちの方針をラフに聞いてもらうというトーク形式のことです。

Googleさんとコラボしてワークショップを開催した際に、私たちの会社の課題に対して、“内発的動機”がキーワードとしてあがったんです。そのワークショップのプログラムの中の一つで「ファイヤー・サイドチャット」というメニューを提供してもらいました。

いまは1か月に1回、社員約20人と社長、専務で直接話し合いができる場を設けています。お菓子を食べながらラフな雰囲気で喋るのですが、こういった対面ならではの影響力が、エンゲージメントを引き上げるために大事なのかなと実感しています。「ファイヤー・サイドチャット」を実施することで3年後の離職率低下につながるというデータが出ているので、結果につながるよう引き続き実践していきたいですね。

──外部交流によって導入された取り組みも実施しているのですね。

外部とのコミュニケーションの重要性は、入社してから継続的に投げかけています。これは私の実体験から感じたことなのですが、視野が狭くなってしまっていると、客観的に見ると幸せな環境にいるはずなのに不幸だと思い込んでしまっていることがあるんです。

というのも、以前の職場は転勤が多く、私自身あまり会社を好きになれなかった時期がありました。ですが育休期間に入り、外の世界の話をいろいろ聞いたのちに復帰すると、「実はいい会社だったんじゃないのかな」と感じ始めたんです。一歩引くことで、内部にいると気づけなかった組織の良さを客観的に見ることができました。そのことがきっかけで、視野を広げることの大事さを知ったんです。

一人ひとりの個性が輝く職場づくりを目指して

──農園づくりのプロジェクトである「ITS Farm」についてお伺いしたいのですが、これはどういった取り組みなのでしょうか?

2022年9月に開園して、現在3年目になります。スタートの目的が社員同士のコミュニケーションの改善だったので、会社の近くの畑じゃないと意味がないということになり、畑も苦労して見つけ出していました(笑)。結果、会社から徒歩8分のところに800平米・バスケットコート2つ分の大きさがある畑を見つけて、社員たちで農作物を育てています。

畑は個人でもチームでも利用できるようになっていて、収穫した野菜の配布会や試食会なども開いています。部長は野菜を育てるのがすごく上手で、「今日は専務が大根を配ります!」なんて日もありますね(笑)。若手社員に居酒屋でアルバイトしていた子がいたり、趣味でプロ級の料理好きがいたり、その野菜を使って料理を振る舞ったりもしてくれるんです。

67.2キロのジャガイモをイベントで収穫

──見事に目的であるコミュニケーション改善につながっていますね。

ただ、畑づくりに割く労力が予想以上に大きく、負担に感じる社員が増えてしまっているのが最近の課題ですね。ですから改めて「自分を最優先に、楽しむことを考えて活動してください」と全体に共有しました。

一度始めたら、ずっと継続しなければいけないのではないかと責任を感じる人も多かったようなんです。そうではなくて、もっと気楽な気持ちで始めてもらって大丈夫ですよ、と伝えています。これからはもう少しラフな感じで登録し、遊びに来てくれる人が増えたらいいなと思っています。

──最後に、今後の展望について教えてください。

私は一人ひとりの個性が活きて、輝ける職場が1番素敵だなと思っています。そして、会社のことが好きだから自分の強みを活かしたい。と、思ってもらえるような職場になったらいいなと思いますね。そのためにも人とは違う部分など、チャレンジングな側面をもっと引き出せる環境づくりをしていきたいです。

interview / Design:Sachi Kagayama
Write:harumakimoe
Photo:Reiya Kaji

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この記事を書いた人

2019年よりフリーランスライター・編集者・Webメディアディレクターとして活動。前職ではベンチャー企業のメディア事業部に在籍し、Webマガジンの副編集長としてWebメディアの運営・企画やライターマネジメントに従事。

現在は、ourly magazine編集部にてコンテンツ企画やインタビュー、ライティングを担当している。

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