急成長企業の「徹底的人柄採用」がもたらす効果
働き方や、ビジネス構造などがコロナで変わる今。社内コミュニケーションが重要なのはわかっているけど、他社はどうやっているんだろう・・・?
そう悩まれる人事・広報担当の方も多いと思います。
そこで、インナーコニュニケーションに関する情報を発信するメディア「ourly magazine.」を運営する弊社では、実際の企業様にインナーコミュニケーションなどに関する施策を取材し、紹介する企画を行っております。
今回は、株式会社タイムリープ人事の中薗さんを取材してきました。大手企業営業なども経験し、現在はベンチャー企業の人事を務める中薗さんに、人事だからこそアプローチできる会社創りについてお聞きしました。
その他の企業事例はこちらからご覧ください。
インタビュイー:中薗希和子様
大学卒業後、4年間モデル活動を経験したのち、大手企業で営業担当。その後ベンチャー企業を2社経験した後、「信頼できて、大好きと思える人と一緒に働きたい」と考えてタイムリープに入社。現在は人事部として、採用をはじめ、人事制度の考案、社外向けの広報活動など、幅広い仕事を担当。
株式会社タイムリープについて:https://timeleap.co.jp/
「スキル」VS「カルチャーフィット」 採用こそエンゲージメントの鍵
ーー今回は、採用が従業員エンゲージメントに与える影響についてお伺いしていきたいと思います。御社のように成長中のベンチャーですと、採用がキモになるのかなと思っています。御社が採用の際に大切にしていることを教えてください。
おっしゃる通りで、従業員エンゲージメントって採用から始まると思っています。
弊社ではスキルよりもとにかく「この人と働きたい」と思えるかどうかに注力した採用を行うようにしています。
タイムリープは、今年1年で従業員数が2倍になったんですね。弊社のように、従業員数が一気に増えていくフェーズにおいては、採用の際に「スキル」と「カルチャーフィット」のどちらを優先するのか、という議論になることが多々あります。もちろん両方揃ってる人に出会うまで探し続けるのが一番なのですが、なかなか出会えないうちに段々焦ってきてしまうこともあるので……笑
弊社では「カルチャーフィット」に振り切って、そんな時でも「この人と働きたいと思えるか(人柄が合うかどうか)」という観点に必ず立ち戻ることにしています。もう少し具体的にいうと、弊社のバリューに沿って
- 柔らかいコミュニケーションが取れ、相手へのリスペクトを忘れない人
- できないことがあるとき、周りに助けを求め、チームとして働ける人
であるかどうかという点をとにかく大切にしています。
採用スタンスを振り切るからこそ生まれる、コミュニケーションの大前提
ーーなぜ、この2つを大切にしてらっしゃるんですか?
組織がギスギスしてくると、従業員の誰かが失敗をしたときに犯人探しが始まってしまったりすることがあります。そうなると従業員の心理的安全性が保たれなくなってしまい、結果的に良いアウトプットが減ってしまうので、それだけは絶対に避けたいと考えているからです。
また、採用においてスタンスを振り切ることは「新たなコミュニケーションを生む」という観点からも非常に役にたっております。
まだ話したことがない社員でも、コミュニケーションをすごく取りやすい人しか社内にはいないという安心感があるからです。
結果、社内のあちこちからさまざまな会話が生まれる文化をつくることができていると思います。
一方で、人も増えてきているがゆえに、意識をしないとコミュニケーションがとりにくくなるタイミングだとも思っています。全員がオフィスにいるわけでもないですしね。「伝える努力」と「理解する努力」の両軸で、今後施策は必要になってくると思っています。
10+10+10ではなく、10×10×10。それが生まれる瞬間を作る。
ーー今後、さらに人が増えてくると、文化も少しずつ変わっていくと思います。中薗さんは、今後御社をどのような会社にしていきたいですか。
これは、代表の望月も常日頃言っていることなのですが、「チームを大切にした」会社を創りたいです。
弊社のいい所は「この仕事は自分の仕事じゃないから君がやっておいて」というようなスタンスの人が1人もいないことです。相手がどんな仕事をしていても大変そうだったら助け合います。
結局「人柄」という話に戻ってしまい恐縮なのですが、このようなスタンスの人が集まると自然と能力の掛け合わせが起こります。
本来、能力「10」の人を3人集めた際は30の力が発揮されます。しかしながら弊社ではお互いに助け合い、チームで働くというスタンスが沁みついているので、10×10×10=1000の力が発揮されると思っています。
ーーいろいろな企業様が採用の際に人柄を気にしていますが、ここまで振り切れるのは本当に凄いと思いました。この企画では最後にインタビュイーの方に毎回同じ質問をすることになっています。中薗さんにとって働きがいとはなんでしょうか。
そうですね……。自分が好きな人と働くことです。
この間、ふと思ったんですよね。「会社超楽しい……」って。
もちろん自分のやりたいことに取り組ませていただけているということもあるのですが、やっぱり毎日誰かと笑いながら仕事をしている瞬間が本当に楽しいんです。
そういう気持ちの人が他にも会社にいたら嬉しいし、そんな瞬間をもっともっと作っていきたいです。
編集後記
人事の方が毎回苦悩する「スキル」vs「スタンス」問題。スタンスに振り切ることは思っている以上の副産物があるのかもしれません。
取材始めに「スタンス」に振り切って採用をすることは成長フェーズである企業の成長スピードを止めてしまうことにもなるのではないかと感じていましたが、結局会社を成長させていくのも「人」。その「人」がとにかく働きやすい環境を作り、人と人の能力の掛け合わせを起こすという作戦が、従業員数2倍になってもなお働きやすい環境が整っているタイムリープさんの成長の鍵なのかもしれません。
今後さらに人数規模が増えていく中で、タイムリープさんがどのような戦略で人を集め・教育していくのか。目を離せません。
ourly Mag. ではインナーコミュニケーションの事例の取材企業を探しています。興味のある方は気軽に問合せフォームからご依頼ください。