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内発的動機づけとは?社員のやる気を引き出す方法や要因を解説

内発的動機づけとは、人を自発的に行動させ、持続させる心の状態を指します。

動機づけを分かりやすく一言で説明すると「モチベーション」です。人の内部から湧き出るモチベーションを内部的動機づけ、外部からの要因によるものを外発的動機づけと言います。

内発的動機は、社員の自発性につながり、高いモチベーションは長続きする傾向もあります。そのため、社員に部的動機づけを促したいと考える経営者や管理職の方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、内発的動機づけについて、主な3つの要因とメリット・デメリット、社員に内発的動機づけを促す方法について詳しく解説します。

目次

内発的動機づけとは?

内発的動機づけとは、自己の内面の状態により引き起こされる動機づけを指します。たとえば、仕事に対する興味・関心や探究心・向上心といった、自己の内面から湧き上がる要因により発揮されるものです。報酬や賞賛といった外部からの刺激とは無関係に、自己の内面から湧きだすものであるため長期間持続することが特徴です。

内発的動機づけによる行動は、「自分がやりたいからやる」行動です。そのため、高い集中力が発揮された質の高い行動となり、成果を上げやすくなります。「モチベーション」と同義といってもさしつかえありません。

内発的動機づけは、「やりがい」や「成長実感」をもたらすため、「純粋に仕事を楽しんでいる状態」を持続させます。モチベーションの高い社員の存在は、生産性の向上をはじめ、さまざまなよい影響を企業にもたらすでしょう。

内発的動機づけの具体例

内発的動機は、個人の興味や関心、向上心を要因として発生します。例えば以下のような動機のあり方が「内発的動機」として挙げられるでしょう。

  • 新しい知識を得たいため、他部署とのコミュニケーションも積極的にとる。
  • 人の役に立つことに充足感を感じるから、上司のサポートを行う。
  • 挑戦することに喜びを感じるから、社内コンペに参加する。

このように、「会社から課せられた義務でない」「報酬や待遇を根拠としていない」モチベーションや行動が、内発的動機として区分されます。他者からの何かを期待していないため、その行動は継続するのです。

内発的動機づけと外発的動機づけの違い

モチベーションの源泉が、「自己の内面」か「外部刺激」のいずれかに起因することで、モチベーションの持続性や行動の目的が違ってきます。

内発的動機づけは、興味や関心が失われない限り、長期間かつ無制限に持続するものです。これに対し外発的動機づけは、報酬や賞賛・評価といった、外部からの刺激が薄れることで持続が難しくなります。

内発的動機づけでは、「行動そのものを楽しむ状態」になることが多いのに対し、外発的動機づけでは、「目的のために行動する」ことが多くなりがちです。そのため、目的を果たした時点で持続性が薄れてしまうことも考えられます。

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内発的動機づけの主な3つの要因

内発的動機づけを促す要因として考えられるものには、以下の3つが挙げられます。仕事を進めるにあたって、自己のコントロールのもと能力を発揮できている実感が、内発的動機づけには必要なようです。

  • 1.目的意識
  • 2.自己決定感
  • 3.有能感

以下で詳しくみていきます。

1.目的意識

内発的動機づけをもたらす要因の1つめは、自己の「目的意識」が挙げられます。内発的動機づけがなされるには、仕事に対する明確な目的意識を自身で見いだしている状態が必要です。仕事の目的や意義を理解し、「なぜ自分がやる必要があるのか」を、深く納得していなくてはなりません。

自身が取り組む仕事にポジティブな目的があり、実現へ向けた行動が仕事の「やりがい」や「たのしさ」に直結していることが不可欠です。

2.自己決定感

2つめは「自己決定感」です。自己決定感とは、管理や強制により行動するのではなく「すべては自分自身で決断し行動している」といった感覚です。自身の裁量により仕事をコントロールできている実感、といってもよいでしょう。

仕事に対し目的意識が高い状態でも、指示や命令により裁量がない状態では、内発的動機づけは促されません。自らの裁量で能動的に行動できることは、ポジティブなモチベーションをもたらすものです。

3.有能感

3つめの要因には「有能感」が挙げられます。「自己効力感」と近い意味の言葉で、目的・目標達成に必要な能力を自らが保有していると感じることです。「自分ならできる」といった認知状態といえるでしょう。

有能感・自己効力感がある人物は、自身のコントロールで仕事を進め、予測どおりの成果を得られる実感が常にあります。この感覚は、自身の有能さを認識させ、さらに仕事への興味や関心を引き出すことにつながるでしょう。

内発的動機づけのメリット

組織として社員の内発的動機づけを促すことは、さまざまなメリットをもたらします。仕事の質が高まることが見込めるため、業績の向上が期待できます。社員の側も日々の仕事にやりがいを感じ、精神衛生のよい状態が保てるでしょう。

具体的なメリットを以下に2つ挙げます。

  • 生産性の向上につながる
  • 高いモチベーションが長期的に続く

以下で詳しく解説します。

生産性の向上につながる

内発的動機づけが促進されることにより、社員の仕事の質とスピードが向上するため、生産性の向上が見込めます。人は興味ややりがいのある仕事には、高い集中力を持って取り組めるものです。一人あたりの行動量が増えスピードも上がるため、生産性が向上するでしょう。

多くの社員が内発的動機づけにより、やりがいを感じて働くことで、限られた人数で成果を上げる生産性の高い組織へと生まれ変われるのです。

高いモチベーションが長期的に続く

内発的動機づけのメリットは、高いモチベーションを長期にわたり維持できる点にあります。仕事に対する興味ややりがいが失われない限り、外部からの報酬に関係なくモチベーションを保ち続けられるでしょう。

自身の内面にモチベーションの源泉があるため、内発的動機づけには際限がありません。「自身がやりたいからこの仕事をやる」状態では、報酬などの外部刺激に依存せずとも、高いモチベーションが湧き続けるのです。

内発的動機づけのデメリット

一方で内発的動機づけにはデメリットもあります。人の内面は外部からコントロールできるものではないことが、内発的動機づけを難しくしている要因です。

具体的なデメリットを以下に2つ挙げます。

  • 外的要因でのコントロールが難しい
  • 人によって価値観が異なるため標準化が難しい

詳しくみていきましょう。

外的要因でのコントロールが難しい

人の内面は管理できるものではありません。そのことが、内発的動機づけを組織活性化に用いることを難しくしています。内発的動機づけは、各個人の内面にモチベーションの源泉があるため、コントロールできるのはあくまで本人自身です。

即効性がないこともデメリットです。研修や日々のコミュニケーションにより影響は与えられても、報酬などの外部刺激で直接的に操作できるものではなく、醸成には時間がかかります。

人によって価値観が異なるため標準化が難しい

標準化が難しいのも、内発的動機づけのデメリットです。内発的動機づけは、本人の内面から湧き出るものであるため、本人の性格や特性に大きく左右されます。この点、組織活性化に活用する難しさです。

人はそれぞれ異なる価値観や判断基準を持っています。興味の範囲や度合いも人それぞれであるため、一律に内発的動機づけを図ることはできません。

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社員に内発的動機づけを促す方法

自社の社員に内発的動機づけを促すには、要因である「目的意識」「自己決定感」「有能感」を高める取り組みが効果的です。

具体的には、以下に挙げる5つの方法が考えられます。

  • 自己認識を深めてもらう
  • ビジョンや理念を浸透させる
  • 決定権を与えて自己決定感を高める
  • レベルに合わせた業務を任せる
  • 小さな成功体験を重ね有能感を高める

詳しく解説します。

自己認識を深めてもらう

内発的動機づけを促すには、自身が何に興味を持ち、どのような価値観を持っているのか、自己認識を深めてもらう必要があります。やりがいに感じることや、どの分野の仕事に興味が湧くのかなど、研修やコーチングで自己分析をおこなうことで引き出してあげるとよいでしょう。

自身の長所や得意分野に気づいていない社員もいるかもしれません。上司をはじめとした周囲の人々が「気づき」を与え、自己認識を深めるきっかけを作る必要があります。

ビジョンや理念を浸透させる

ビジョンや理念を浸透させることで、内発的動機づけを促すことも考えられます。ビジョンや理念は、自社が社会に提供している価値を分かりやすく言語化したものです。より多くの社員に共感してもらえば、自身の仕事の意義を深く理解し、モチベーションにつなげることができます。

こうした理念やビジョンの浸透には、社内広報の取り組みが有効です。Web社内報の導入により施策を講じている企業も多いようです。

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決定権を与えて自己決定感を高める

人は自分で決めたことには、能動的に動く性質を持っています。ある程度の裁量権を与え意思決定をおこなわせ、自己決定感を高めることが内発的動機づけを促します。

組織としてのルールを最小限にとどめるなど、自律的な行動が促される風土も必要です。自律的な行動が賞賛されることは、自分の考えが会社に認められている実感につながります。承認欲求が満たされ、有能感を高めるよい循環を生むかもしれません。

レベルに合わせた業務を任せる

適材適所の人員配置や業務配分により、それぞれの特性にマッチした業務に取り組んでもらうことも大切です。自身の得意な業務であれば、やりがいも感じやすく、成果も出しやすいでしょう。

あまりに簡単すぎる業務や、難しすぎる業務を与えることも、モチベーションの低下を招くため避けなくてはなりません。現状のスキルレベルに合致した業務であればパフォーマンスも向上し、内発的動機づけを促すでしょう。

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小さな成功体験を重ね有能感を高める

小さな成功体験を積み重ねることは、有能感を高め、内発的動機づけを促すことにつながります。いきなり難易度の高い業務に取り組ませるのではなく、初歩的な業務からスキルレベルに合わせ、段階的に難易度を上げていくとよいでしょう。

成功体験を積み重ねることで自信につながり、より積極的な取り組み姿勢を引き出します。また、周囲が適切にフィードバックをおこない、仕事の成果を適切に賞賛することも大切です。承認欲求を満たすことで、さらに有能感を高めていけるでしょう。

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内発的動機づけは、個人の内面をモチベーションの源泉とするため、一律に取り扱うことが難しいものです。しかし、内発的動機づけを促す取り組みは、企業と人材の双方の成長や発展に欠かせないものでもあります。

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この記事を書いた人

Kanei Yoshifusaのアバター Kanei Yoshifusa ourly株式会社 コンサルティングセールス・組織開発チーム

前職は店舗ビジネス向けの業務効率化SaaS事業を展開する企業でCSに従事。
その後、ourly株式会社に参画。
200社以上の企業に組織課題解決の提案、現在30社の組織開発を支援。
富山県上市町出身。趣味は筋トレ/声マネ/滝行。

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