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人的資本経営コンソーシアムとは?設立の背景と参加するメリットを解説

髙橋 新平

公開日:

2025.08.27

更新日:

2025.08.27

人的資本経営コンソーシアムについての解説記事のサムネイル

人的資本経営の重要性が高まる中、多くの企業が具体的な取り組みや情報開示の在り方を模索しています。しかし、他社の先進事例や実務レベルでの知見は得にくく、自社のアクションプラン策定に課題を感じる担当者もいるでしょう。このような状況で注目されているのが「人的資本経営コンソーシアム」です。

本記事では、このコンソーシアムがどのような組織か、目的や活動内容、参加によって得られるメリットを解説します。さらに、参加を単なる情報収集で終わらせず、自社の成果に繋げるための活用法についても触れていきます。

目次

人的資本経営コンソーシアムとは

人的資本経営コンソーシアムは、人的資本経営の実践と開示の両面で先進的な取り組みを企業間で共有し、協力して価値向上を目指すための場です。

経済産業省や金融庁もオブザーバーとして参加しており、官民が連携して人的資本経営を推進する中心的な役割を担っています。

目的と活動内容

コンソーシアムの主な目的は、参加企業が互いの知見を持ち寄り、人的資本経営を実践レベルで深化させることです。また、企業価値評価における人的資本の重要性について、投資家との対話を通じて共通理解を深めることも目指しています。

具体的な活動として、以下が挙げられます。

  • 総会・企画委員会:全体の方針決定や情報共有をおこないます。
  • 分科会:「情報開示」「従業員エンゲージメント」「リスキリング」など、特定のテーマについて参加企業が深く議論し、実践的なノウハウを共有します。
  • イベント・セミナー:有識者を招いた講演会や、会員間のネットワーキングを目的としたイベントが定期的に開催されます。
  • レポート・好事例集の発行:分科会での議論や参加企業の先進的な取り組みをまとめ、広く公開しています。

参加資格・費用・入会方法

コンソーシアムへの参加は、趣旨に賛同する法人・団体が対象です。企業の規模や業種に関する明確な制約はなく、幅広い企業が参加しています。

入会金は無料で、年会費は企業の資本金に応じて設定されています。最新の費用や詳細な入会手続きは公式サイトで確認できます。申し込みは公式サイトのフォームから行い、審査を経て正式に入会が決定します。

公式サイト:https://hcm-consortium.go.jp/

参加するメリット

コンソーシアムへの参加は、担当者の立場によって様々なメリットをもたらします。ここでは、主な3つの立場から具体的なメリットを解説します。

経営企画担当者のメリット

競合他社や異業種の先進的な取り組みを直接知ることで、自社の経営戦略や事業計画の精度を高められます。特に、非財務情報である人的資本の開示は、企業価値評価に直結する重要なテーマです。

コンソーシアムで得られる最新の開示動向や投資家の視点は、説得力のあるIR戦略を立案する上で有益な情報となります。

人事担当者のメリット

他社が実践している具体的な人事施策(採用、育成、評価、配置など)の成功事例や課題を学ぶ機会となります。

分科会などの場で自社の悩みを共有し、他社の担当者から直接アドバイスを得ることも可能です。

これにより、自社の人事制度改革や従業員エンゲージメント向上のための、効果的な施策を企画しやすくなります。

サステナビリティ担当者のメリット

人的資本は開示要請における中心的な項目の一つです。

そのため、コンソーシアムに参加して国内外の開示基準の最新トレンドや、投資家が重視する指標に関する深い知見を得ることは、統合報告書やサステナビリティレポートを作成する際に、ステークホルダーの期待に応える的確な情報開示を行う上で役立ちます。

参加を有意義なものにするために

コンソーシアムへの参加は多くのメリットをもたらしますが、その効果を最大化するには事前の準備が重要です。情報収集だけで終わらせないために、以下の3点を意識することが有効です。

目的意識を持つ

まず、「なぜ参加するのか」「何を得たいのか」という目的を明確にすることが重要です。

例えば「次期中期経営計画に盛り込む人的資本戦略のヒントを得る」「エンゲージメント向上の施策事例を3つ収集する」など、目的を具体的に設定することで参加時の視点が定まり、得られる情報の質も高まります。

現状を把握する

次に、自社の現状や課題を客観的に把握しておくことが求められます。

他社の優れた事例を学んでも、自社の状態が分からなければ、その事例を自社に適用することは困難です。参加前に自社のエンゲージメントサーベイの結果や人材データを分析し、「自社の人的資本における強みと弱みは何か」を言語化しておくことが望ましいでしょう。

社内での活用体制を整える

そして、得た情報を組織として活用する体制を整える視点も重要です。参加者個人の知識で終わらせず、経営層や関連部署にどう共有し、組織のアクションに繋げるのか、その仕組みをあらかじめ考えておくことで、組織全体の資産として活用できます。

人的資本の現状把握にourly

コンソーシアムへの参加を有意義にする鍵となる「現状を把握する」段階において、客観的なデータに基づいたアプローチは有効です。
特に、従業員エンゲージメントや組織文化といった目に見えにくい人的資本の状態を正確に捉えることは、多くの企業にとって課題となっています。

ourlyは、組織のエンゲージメント状態を可視化し、改善をサポートするツールです。web社内報の閲覧データや組織診断サーベイを通じて、従業員のエンゲージメントを多角的に分析し、組織の課題特定と効果的な施策立案を支援します。

人的資本経営の第一歩として、まずは自社のエンゲージメント状態をデータで把握することから始めてはいかがでしょうか。

まとめ

人的資本経営コンソーシアムは、人的資本経営を推進する企業にとって、先進的な情報収集や他社とのネットワーク構築に有益な場です。経営企画、人事、サステナビリティなど、様々な立場の担当者が具体的なメリットを得られます。

ただし、その価値を最大限に引き出すには、参加目的の明確化、自社の客観的な現状把握、社内での情報活用体制の整備が重要です。
これらの準備を行うことで、コンソーシアムで得た知見を自社の成果へと結びつけ、人的資本経営を加速させることができるでしょう。