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経営理念とは?意味や目的・メリット・作り方・有名企業の経営理念を解説

「経営理念」という言葉は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

企業のコーポレートサイトには、必ずと言っていいほど、経営理念ページがあります。

実は変化が激しい現代において、経営理念は企業が成長する上で欠かせないものとなってきています。

一方で「経営理念ってどうやって作るの?」「他企業はどんな経営理念を掲げているの?」と疑問を抱かれている方もいらっしゃいます。

そこでこの記事では、経営理念の意味や企業理念との違い、組織にもたらす効果、作り方、浸透方法、有名企業の経営理念を紹介します。

目次
  1. 経営理念とは?
    1. 企業理念との違い
    2. MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)との関係
  2. 経営理念の必要性
  3. 経営理念を策定する目的
  4. 経営理念の策定により得られる効果
    1. 1:迅速かつ納得のいく判断ができる
    2. 2:従業員のエンゲージメント・モチベーションの向上
    3. 3:人材のリテンション(保持)
    4. 4:経営理念に共感する人材を採用できる
  5. 有名企業の経営理念 10選
    1. Googleの経営理念
    2. facebookの経営理念
    3. NIKEの経営理念
    4. ANAの経営理念
    5. パナソニックの経営理念
  6. 経営理念の作り方・変更のしかた
    1. (1) 多くの他社事例を参考にする
    2. (2) 他社事例で受けた感想、良し悪しを言語化する
    3. (3) 自社の判断基準、理想をブレストする
    4. (4) ブレストした理想像をグルーピング・カテゴライズする
    5. (5) 過去・現在・未来と照らし合わせる
    6. (6) 社会的意義とすり合わせる
    7. (7) 最適な表現を検討する
  7. 経営理念の策定・変更における確認点
    1. (1) 社会性の観点が含まれているか
    2. (2) 中長期的に掲げられるか
    3. (3) 過去・現在・未来との一貫性があるか
    4. (4) シンプルかつわかりやすい表現になっているか
    5. (5) 自社で掲げる意義があるか
  8. 経営理念の浸透施策
    1. (1)理念を明文化する
    2.  (2)理念を伝達し、共感を集める
    3.  (3)理念を実現した理想の状態をすり合わせる
    4. (4)現場レベルで理念を体現をする
    5. (5)理念を体現し、成果が生まれる仕組みを作る
  9. 経営理念の浸透ならourly
  10. 経営理念は経営や人材確保に重要

経営理念とは?

経営理念とは、経営上の方針や手段を明文化したものです。
経営者の交代や時代やニーズの変化によって、経営理念は変わることがあります。

実際に、誰もが知る大手企業、三井物産株式会社は経営理念を2020年5月に変更しました。

企業理念との違い

企業理念とは、その企業の存在意義を明文化したものです。

経営理念とは違って、その企業が何のために存在しているのかを定めた言葉なので、企業理念が変更されることは滅多にありません。

以下に、経営理念と企業理念の定義をまとめておきます。

  • 経営理念:企業の経営における信念や価値観、方針を明文化したもの
  • 企業理念:その企業の存在意義を明文化したもの

ここで、具体例として株式会社ツムラの経営理念と企業理念を紹介します。

経営理念:自然と健康を科学する

企業理念:漢方医学と西洋医学の融合により世界で類のない最高の医療提供に貢献します

(引用:株式会社ツムラ,「経営理念・企業使命・ビジョン」<https://www.tsumura.co.jp/corporate/policy/>,2020年9月閲覧)

上記のように、経営理念は経営上の手段や方針を示し、企業理念は企業の目的や存在意義を示していることが分かると思います。

ここまで企業理念と経営理念の定義を説明してきましたが、実はしっかりと使い分けている企業はそこまで多くありません。

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MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)との関係

ここでは、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)と経営理念との関係を説明します。

ミッション、ビジョン、バリューの概要はこちらの記事をご覧ください。

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結論、経営理念とミッション、ビジョン、バリューの関係性は、企業によって解釈が異なります。定義が曖昧で、特に定まっていないのです。

有名企業3社を例に挙げて解説します。

例1:リクルートマネジメントソリューションズ

リクルートマネジメントソリューションズでは、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)をまとめて経営理念と表現しています。

(引用:リクルートマネジメントソリューションズ,経営理念
<https://www.recruit-ms.co.jp/company/mvv/>,2020年9月閲覧)

例2:タイガー魔法瓶株式会社

タイガー魔法瓶株式会社では、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)をまとめて企業理念として示されており、経営理念は記載されていません。

(引用:タイガー魔法瓶株式会社,企業理念
<https://www.tiger.jp/corporate/policy.html>,2020年9月閲覧)

例3:日本ハム株式会社

日本ハム株式会社では、企業理念、経営理念、行動指針(=value)となっており、上記2つとは体系が違うようです。

(引用:日本ハム株式会社,企業理念
<https://www.nipponham.co.jp/group/vision/ci.html>,2020年9月閲覧)

上記のように、各企業でMVVと経営理念、さらには企業理念の解釈が違うことがお分かりいただけたと思います。

一般的に多くの企業では、MVVをまとめて経営理念・企業理念としています。

経営理念の必要性

この章では、「果たして経営理念は必要なのか?」という問いクローズアップしていきます。

そもそも経営理念には、主に以下3つの機能があるとされています。

  • 社会適応機能(存在意義の明確化、方向性の明確化、社会的責任意識)
  • 経営実践機能(企業文化の良質化、従業員の動機付け、一体化)
  • 企業内統合機能(経営目標、戦略、組織体制・制度)

経営理念は、こうした現代企業に必要不可欠な要素に影響を与える最も有効な手段のため、多くの企業で必要とされているのです。

あえて一言で言い表すと、企業の社会との架け橋としての役割を担っています。近年は「企業の社会的責任(CSR)」が注目されていることからも、必要性が高まっていることは明らかです。

(引用:関西学院大学リポジトリ,<研究>現代日本企業の経営理念 : 「経営理念の上場企業実態調査」を踏まえて,横川 雅人<https://scholar.google.co.jp/scholar_url?url=https://kwansei.repo.nii.ac.jp/%3Faction%3Drepository_action_common_download%26item_id%3D23109%26item_no%3D1%26attribute_id%3D22%26file_no%3D1&hl=ja&sa=X&ei=vnzeYcDBFMyO6rQPzYCg6AQ&scisig=AAGBfm0oFsuNv71S5KO8cS9kBB6HaKt_Rg&oi=scholarr>,2022年1月閲覧)

経営理念を策定する目的

経営理念を策定する目的は、社内外に対して企業の存在意義・あり方などの信念を伝えることです。

例として社内・社外それぞれのシーンをあげて、考えてみます。

社内において、経営状況が危なくなったとき、冷静な判断をするのは難しいことです。そんなとき、経営理念は判断軸として機能し、会社の信念に基づいた冷静な判断を助けてくれるでしょう。

実際、米IBM社は理念を再定義したことで、経営危機を乗り越えることができました。(パトリシア・ジョーンズ著「世界最強の社訓」より)

また社外において、求職者や投資家が企業研究を行っているとします。そんな時企業の目指す姿や長期目標を、経営理念から知ろうとするはずです。

このように、経営理念は、社内外に対して企業の信念を伝えるために、策定されます。

経営理念の策定により得られる効果

経営理念の策定で得られる効果を解説します。具体的に以下の4つです。

  • 迅速かつ納得のいく判断ができる
  • 従業員のエンゲージメント・モチベーションの向上
  • 人材のリテンション(離職率低下)
  • 経営理念に共感する人材を採用できる

 それぞれ詳しく説明します。

1:迅速かつ納得のいく判断ができる

迅速かつ納得のいく判断ができることは偉大な効果です。

経営上、何か問題が起きたときでも経営理念に準じた、つまり自分たちの信念に従った判断ができます。

そして、経営理念がない場合に比べて選択肢を絞れる分、判断スピードが上がることは間違い無いでしょう。

2:従業員のエンゲージメント・モチベーションの向上

経営理念の策定は、従業員のエンゲージメント・モチベーションの向上につながります。

リモートワークの導入や転職の一般化の流れの中、従業員のエンゲージメントに関心を寄せる方が多いのではないかと思います。

経営理念に共感している従業員は、自分の仕事が自社や社会にどのような影響を及ぼすのか納得して働くことができるので、エンゲージメント・モチベーションの向上につながります。

実際に、ベストモチベーションカンパニーアワード2017で第1位に輝いた、株式会社LIFULLは、インタビューで理念浸透に一番力を入れたと話しています。

さらに、リンクアンドモチベーション元執行役員の麻野耕司も、従業員のモチベーションに最も寄与するのは、経営理念だと話しています。

(詳細はこちらの記事をご覧ください)

従業員エンゲージメントについて詳しく知りたい方、こちらの記事をご覧ください。

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3:人材のリテンション(保持)

少子高齢化・労働人口の減少により、日本企業は優秀な人材の獲得競争が激化しています。その背景から日本企業は、優秀な人材のリテンションする取り組みが急務となっています。

そこで大事な鍵を握るのが、経営理念です。

上述の通り、経営理念に共感している従業員はエンゲージメントが高い状態になります。
その結果として、人材のリテンションへとつながるのです。

4:経営理念に共感する人材を採用できる

上述の認知度を高めることができれば、経営理念に共感した人材のリクルーティングも可能となります。

最初から経営理念に共感している人材は、モチベーションが高いので、主体的に働いてくれることが期待できます。

その人材が活躍してくれれば、企業の業績は向上し、さらに採用活動がうまくいくことでしょう。

逆に経営理念に共感出来ない人材は採用しない、もしくは応募してこないので、入社前にミスマッチを防ぐことが出来ます。

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有名企業の経営理念 10選

ここでは、有名企業の経営理念5選を紹介します。

これから経営理念を策定・変更したい場合、何よりも他社事例を知ることが重要です。他者の経営理念から何を感じたかを書き記し、自社の案をアウトプットしていきます。

よりたくさんの経営理念をご覧になりたい方は、こちらの記事をご参照ください。業界別に14の企業事例を紹介しています。

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Googleの経営理念

Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。

(引用:Google,Googleについて,<https://about.google/>,2021年1月閲覧)

facebookの経営理念

”Give people the power to build community and bring the world closer together.”

訳)コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現します。

(引用:Facebook,Company info,<https://about.fb.com/company-info/>,2020年9月閲覧)

NIKEの経営理念

世界中の全てのアスリートにインスピレーションとイノベーションをもたらす

(引用:NIKE,NIKEについて,<https://nikeats.avature.net/careerJP/AboutUs>,2020年9月閲覧)

ANAの経営理念

安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で夢にあふれる未来に貢献します

(引用:ANAグループ,ANAグループ経営理念・ビジョン・行動指針,<https://www.ana.co.jp/group/about-us/vision/>,2020年9月閲覧)

パナソニックの経営理念

綱領:産業人たるの本分に徹し社会生活の改善と向上を図り 世界文化の進展に寄与せんことを期す

信条:向上発展は各員の和親協力を得るに非ざれば得難し 各員至誠を旨とし一致団結社務に服すること

私たちの遵奉すべき精神:産業報国の精神、公明正大の精神、和親一致の精神、力闘向上の精神、礼節謙譲の精神、順応同化の精神、感謝報恩の精神

(引用:Panasonic,ブランドスローガン経営理念,<https://www.panasonic.com/jp/corporate/management/philosophy.html>,2021年1月閲覧)

経営理念の作り方・変更のしかた

経営理念はしっかりとした手順を踏んで作成(変更)することで、腹落ちしやすく伝わりやすいものになります。

以下では、経営理念を作る際の手順を紹介します。より詳細な解説は、こちらの記事を参照ください。

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(1) 多くの他社事例を参考にする

まずは、業界にとらわれずにさまざまな企業の経営理念を参照することが重要です。

それぞれの企業が「こうありたい、こう進んでいきたい」という信念や目標を端的に伝えていることが分かります。

先人たちがどのような想いを込めて経営理念を作成したのかを想像して、自社の経営理念のイメージを膨らませましょう。

(2) 他社事例で受けた感想、良し悪しを言語化する

多くの他社事例を見る中で、それぞれについていろいろな感想を持つことになると思います。

よいと感じたものやとても素敵な考え方だと感じたものもあれば、イマイチしっくり来なかったものもあるでしょう。

なぜそのように感じたのかは、自社の経営理念を作成するうえで非常に重要な手がかり・ヒントになります。

自分の中にある想いや気持ちをしっかりと言語化することで、経営理念の方向性がよりしっかりと定まるでしょう。

(3) 自社の判断基準、理想をブレストする

経営理念の核となる、自社が目指す理想や経営上の判断基準などについて、ブレスト形式でアイデア出しをおこないます。

なるべくいろいろな案を出しておくことで、その後意見をまとめやすく方向性が定まりやすくなるので、積極的に案を出すことが重要です。

なお、ブレストでは他人の意見を批判・否定しないことが重要ではありますが、質のいい案が数多く出るのが望ましいことは間違いありません。

そのためには、(2)の工程でいかに多くの他社事例をインプットして自分なりに咀嚼できるかが、大きなカギを握っていると言えるでしょう。

(4) ブレストした理想像をグルーピング・カテゴライズする

ブレストで出てきた意見やアイデアをグルーピング・カテゴライズして、1~3つ程度の大きな方針にまとめます。

この際、当初想定していなかった方針が生まれる可能性があります。

しかし経営理念において最も大切なのは「社員の納得感が得られるか」です。全員で合意をとりながらグルーピングを進められれば、文面が当初の想定とは違えど、問題はありません。

(5) 過去・現在・未来と照らし合わせる

グルーピングした意見や方針は、その場ではとても整合性のあるもののように思われます。

しかし、組織の経営理念として掲げる以上は、組織の過去・現在・未来と照らし合わせて一貫性のある内容になっていなければなりません。

組織のこれまでの歩み、現在の事業内容、今後目指していく方向性などがグルーピングした意見や方針と一致するかを、このフェーズで今一度確認しましょう。

(6) 社会的意義とすり合わせる

経営理念としてまとまった方針が、自社の歩みや今後進むべき未来の方向性と一致していれば、次にそれが社会的な流れに沿ったものになっているかについても、確認しておく必要があります。

「企業は社会の公器」である以上、自社の理念が社会的に見て意義深いものであるかどうかは、企業の中にいる人にとっても外にいる人にとっても重要なことです。

(7) 最適な表現を検討する

最後に、実際に経営理念を掲げるにあたって、自社の方針や担うべき社会的意義を示すためにはどのような表現が最適かを検討します。

例えば「顧客第一」と「クライアントファースト」は、ほぼ同じ意味を表すと考えて差し支えありませんが、前者が似合う企業と後者が似合う企業は、それぞれ異なります。
「しっくりくるかどうか」は、経営理念の浸透しやすさにも大きく関わる要素なので、自社にピッタリの表現が見つかるまで妥協せずに考え抜きましょう。

経営理念の策定・変更における確認点

経営理念を策定・変更する手順については先ほど触れましたが、その手順において抑えておかなければならないポイントがいくつかあります。

経営理念を作成するうえで確認すべきポイントについて、以下で説明します。

(1) 社会性の観点が含まれているか

会社の経営的に正しくふさわしい内容であったとしても、それが社会的な流れに逆行していたり、社会的な意義が不足している場合は、経営理念として掲げるにはふさわしくありません。

企業は社会の公器であるという考え方を今一度思い出して、社会性という観点からは自社の経営理念がどのように見えるかを、客観的に判断しましょう。

(2) 中長期的に掲げられるか

経営理念は、一度掲げたらその後変更してはならないというわけではありません。

ただ、企業の方針を示すものであり、企業の顔としての役割を担うものでもある以上、あまり頻繁に変更するのは好ましくありません。

経営理念策定の際に、中長期的な視点をもって話し合いやブレストをおこなっていれば、中長期的に掲げるのに耐えられる内容になっていることが多いですが、そうでない場合は中長期的な視点を加えたうえで、再度内容を練り直すほうがよいでしょう。

(3) 過去・現在・未来との一貫性があるか

どれだけ立派な経営理念であっても、その内容と組織がこれまでおこなってきたことやこれから目指していく方向性が合致していなければ、絵に描いた餅に過ぎません。

また、従業員が納得して受け入れられる経営理念でなければ、浸透するのは難しいですし組織文化を醸成させる助けにもならないでしょう。

経営理念の内容が自社に合っているかを判断する意味も込めて、自社のこれまでの歩みおよび進むべき未来と経営理念の間に、一貫性があるかどうかを確認しましょう。

(4) シンプルかつわかりやすい表現になっているか

経営理念はお題目として掲げられるだけでは意味がなく、各従業員に浸透してその血肉になる必要があります。

そのため、シンプルでわかりやすい表現になっていることが重要なので、経営理念の中身をチェックする場合は、そういった視点からも判断することを心がけましょう。

ただ、必ずしもシンプルな表現にこだわる必要はなく、組織の現場でよく用いられている言葉や考え方があるのであれば、そういった表現を用いることでより従業員に腹落ちしやすい内容になることも考えられます。

(5) 自社で掲げる意義があるか

それぞれの組織には、「自分たちが成し遂げなければならない目標」「自分たちだからこそ目指せるゴール」があるものです。

それこそが存在意義・原動力になっているケースも多いので、経営理念もそれらに沿った内容で、自分たちだからこそ掲げる意義があるものになっている必要があります。

同業他社と同じような表現・方向性のものではなく、自社独自のエッセンスが含まれているかどうかは、経営理念において非常に重要なポイントです。

経営理念の浸透施策

経営理念は、企業文化を形成したり、従業員エンゲージメントを上昇させるなどの力を持っています。そこで重要なのが、いかに経営理念を浸透させるかです。

本記事では、5つの方法を紹介します。

  • 理念を明文化する
  • 理念を伝達し、共感を集める
  • 理念を実現した理想の状態をすり合わせる
  • 現場レベルで理念を体現する
  • 理念を体現し、成果が生まれる仕組みを作る

1つずつ詳しく見ていきましょう。

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(1)理念を明文化する

この記事では、ここまで理念の策定・変更法を解説してきました。

そのため繰り返しにはなりますが、やはり理念をしっかりと言語化し、社内外に発信・共有できる状態にすることが、大前提必須となります。

特に“理念浸透”においては、従業員の納得度に大きく関わる以下3つのポイントが重要です。

  • 社会性の観点が含まれているか
  • 過去・現在・未来と一貫性があるか
  • シンプルかつ分かりやすい表現か

 (2)理念を伝達し、共感を集める

直接経営層から理念の背景や意義を発信し、社員が共感できるように伝達することは非常に有効です。

実際に理念を策定した経営層自身が、自らの行動や態度をもって理念を実行し、浸透を図るための行動を起こす必要があります。

実際に理念浸透に成功している企業へのインタビューでは、「トップの体現が最も重要」と語る経営者が多く見られました。

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また、朝礼や社員総会など、社員が集まる場において、理念について説明する場を定期的に設けるのも良いでしょう。

特に新入社員に対しては、初期の研修などで理念について学ぶ機会を設けると、早い段階での浸透が期待できます。

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 (3)理念を実現した理想の状態をすり合わせる

理念が体現された理想の状態、つまり、企業としてのあるべき姿について具体的にすり合わせてみることも重要です。

この点が十分に行われていると、理念に対して社員の共感が得られやすくなるほか、達成すべき目的が明確化されるため、社員どうしで団結しやすくなります。

通常の業務を行っている中では、こうした内容について深く考える機会はなかなか設けにくいため、組織単位のミーティングなどで時間をつくったり、研修などでワークをしてみるのも良いかもしれません。

どんな形であれ、社員が自社の理念に触れる時間を意識的に増やしていくことが大切です。

(4)現場レベルで理念を体現をする

最終的には、現場レベルの業務で理念を体現できていなければ、十分に浸透できたとは言えません。

まずは、現場レベルで体現できる行動とはどのような行動なのかという“規範”を決め、それに従って行動をするように促しましょう。

例えば、クレドカードを用いれば、従業員が規範を目にする機会も増え、浸透を促進させるでしょう。

実際に行動に移してみることで、成果が目に見えてくると社員自身が手応えを感じ、理念を内在化させることができるようになります。

ここまでできれば、社員一人ひとりにとって、理念が形式上のものではなく、自分の業務に落とし込める具体性のあるものとして感じられるため、浸透具合はかなり高いレベルに達していると言えます。

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(5)理念を体現し、成果が生まれる仕組みを作る

いくら理念を体現できていたとしても、会社としての業績に結びついていなければ、理念を設定している意味がありません。

そのため、定性的な行動がどのように業績に結びついているかを客観的に振り返る機会を設けると良いでしょう。

理想は、行動規範が業績に結びつき、それが成果にも繋がるという仕組みが出来上がることです。

経営理念を浸透させる具体的な方法については、後ほど詳しくご紹介しますが、理念浸透の重要要素である文化形成に重要な社員の行動を評価する仕組みとして、「ピアボーナス®️」が参考になります。

「ピアボーナス®️」はUnipos株式会社の商標または登録商標です。
「ourly Magazine.」では商標権者Unipos株式会社から使用許諾を得た上で記事にしています。

「ピアボーナス®️」については、こちらの記事で解説しています。

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経営理念の浸透ならourly

経営理念の浸透には、社内報の活用が有効な手段として挙げられます。

ourly(アワリー)は株式会社ビットエーが提供する、全く新しいweb社内報サービスです。

web知識が一切不要で、誰でも簡単に投稿できるだけでなく、どのweb社内報よりも豊富な分析機能が特徴的です。

どれほどの従業員にメッセージが届いたのか、誰に届いていないのか、など詳しく分析され、分かりやすく表示されます。

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  • web知識が一切不要で簡単に投稿できる
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経営理念は経営や人材確保に重要

この記事では、経営理念の概要や経理理念策定のメリット、注意点や有名企業の経営理念の紹介をしました。

経営を進める上で、問題にぶつかったときや判断に迷ったときに、判断軸として経営理念は役立ちます。

さらに、経営理念が従業員に浸透していることでエンゲージメントの向上や外部へのブランディングにつながり、人材のリテンションや採用が可能となります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が御社の経営に役立てば、幸いです。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

目次
  1. 経営理念とは?
    1. 企業理念との違い
    2. MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)との関係
  2. 経営理念の必要性
  3. 経営理念を策定する目的
  4. 経営理念の策定により得られる効果
    1. 1:迅速かつ納得のいく判断ができる
    2. 2:従業員のエンゲージメント・モチベーションの向上
    3. 3:人材のリテンション(保持)
    4. 4:経営理念に共感する人材を採用できる
  5. 有名企業の経営理念 10選
    1. Googleの経営理念
    2. facebookの経営理念
    3. NIKEの経営理念
    4. ANAの経営理念
    5. パナソニックの経営理念
  6. 経営理念の作り方・変更のしかた
    1. (1) 多くの他社事例を参考にする
    2. (2) 他社事例で受けた感想、良し悪しを言語化する
    3. (3) 自社の判断基準、理想をブレストする
    4. (4) ブレストした理想像をグルーピング・カテゴライズする
    5. (5) 過去・現在・未来と照らし合わせる
    6. (6) 社会的意義とすり合わせる
    7. (7) 最適な表現を検討する
  7. 経営理念の策定・変更における確認点
    1. (1) 社会性の観点が含まれているか
    2. (2) 中長期的に掲げられるか
    3. (3) 過去・現在・未来との一貫性があるか
    4. (4) シンプルかつわかりやすい表現になっているか
    5. (5) 自社で掲げる意義があるか
  8. 経営理念の浸透施策
    1. (1)理念を明文化する
    2.  (2)理念を伝達し、共感を集める
    3.  (3)理念を実現した理想の状態をすり合わせる
    4. (4)現場レベルで理念を体現をする
    5. (5)理念を体現し、成果が生まれる仕組みを作る
  9. 経営理念の浸透ならourly
  10. 経営理念は経営や人材確保に重要