エンゲージメントサーベイにおけるフィードバックの重要性
こんにちは!ourly株式会社の組織開発(OD)チームの村山です。
今回は、「今流行りのエンゲージメントサーベイ、やりっぱなしになっていませんか?」
というお話をさせていただきます。
エンゲージメントサーベイとは
冒頭で「今流行りの」と記載しましたが、エンゲージメントという概念はアメリカで生まれ、1990年代から注目されています。日本におけるエンゲージメントは、2017年に米国の調査会社であるギャラップ社が行った世界各国における従業員エンゲージメント調査によって、広く知られるようになりました。
さて、エンゲージメントサーベイとはなんなのか、といった内容は様々なサイトにてまとめられていますので、ここでは割愛させていただきます。
本コラムでは、エンゲージメントサーベイを取得したあとに、どうすればいいのか書き連ねていきます。特に!フィードバックの重要性について語ります。
逆効果になりかねないエンゲージメントサーベイ
エンゲージメントサーベイと調べてみると、「エンゲージメントサーベイ 無駄」という検索候補が真っ先にあがってきます。
そう、特に従業員からすると、取得するだけのサーベイは
「なんのためにやっているのかわからない」
「時間取られるだけ」
「回答しても何も変わらない」
というように、不満の種となってしまうのです。
意味あるサーベイにするために
①分析
まず、取得した結果を分析する必要があります。外部サービスやシステムを導入する場合は、分析レポートも提供されることが多いですが、自社でサーベイを作成する場合は注意が必要です。分析を見据えたサーベイ項目の設計が必須となります。
組織は常に変化しています。この分析は、精緻さよりもスピードを重視しましょう。項目ごと、属性ごと、比較データ(過去の結果や他社)の傾向をみていくことで、着手していくべき課題を特定できます。
②フィードバック
次に、フィードバックです。私が特にお伝えしたいのはこの部分です。ここでいうフィードバックとは、サーベイに回答した社員に結果の共有を行うということです。フィードバックがないがしろにされてしまうと、協力した社員からはまさに「なんだったんだ?」と、逆効果になりかねないのです。
このフィードバックはサーベイ回答者全員がアクセスできる場所に開示することをお勧めします。フィードバック・ミーティングを行うのもよいでしょう。この場合、ミーティング自体は全員で行う必要はありませんが、ミーティング内で生じた結果を開示することで、自分たちの声が「伝わっている」「改善されようとしている」と認識されます。
フィードバックの内容は、
・目的の説明
▶ なぜフィードバックを行うのか、何を受け取ってほしいのか
・データの提示
▶ シンプルな集計結果、フリーコメントの内容
・データに対する解釈
▶回答結果から注力する課題や感じていること
・今後のアクション
▶ 具体的なアクション、解決に向けてのプロジェクト
が挙げられます。
繰り返しになりますが、ここで重要なのは自分たちの声が「伝わっている」「改善されようとしている」と認識されることです。ここで、結果が悪かったからと開示しなかったり、都合の良いようにデータを解釈してしまうと、不信感を抱かせることになります。
開示できない場合には、その理由を伝えることや、個人に対するフォローアップが必要です。
③改善施策
もちろん、結果のフィードバックで満足してはいけません。結果を受け止めたうえで、改善施策をとっていく必要があります。
この改善施策は、サーベイの結果と自社のビジネスモデルや組織状態、そして経営理念等を踏まえて、実施していく必要があります。ネガティブな結果を改善するだけでなく、ポジティブな部分を強みとして伸ばしていく、という観点も忘れずに。
そして、このサーベイとフィードバックは、一度やって終わり、ではありません。継続的に実施していくことで、組織に変化があるということを伝えていきましょう。ここで重要なのは、対象者が受け身としてではなく、自分が組織の一員であり、変化の一端を担っていると自覚する伝え方と施策をとっていくことです。こちらについてはまた改めてコラムを書きますので、お待ちくださいませ。
間をつなぐフィードバック
「いやいや、うちの会社はサーベイの結果を活かして施策打ってるから大丈夫」と思われる方もいらっしゃることでしょう。もちろん、有効に活用されている会社もあります。しかし、従業員の約7割がサーベイに不満を持っているというアンケート結果(2023年5月23日 バヅクリ株式会社「エンゲージメントサーベイツール」に関するアンケートの結果)にもある通り、社員が必ずしもそれを受け取っているとは限りません。
知らぬ間に施策が打たれていても、なんのため、誰のための施策なのかが明らかでないと社員にとって関係のないことのように思われてしまいます。その間をつなぐのがフィードバックであり、組織としての意思表示です。
フィードバックと施策、その継続によって、組織にとっても社員にとっても意味のあるサーベイにしていきましょう。