MENU

組織変革に必要なポジティブ・アプローチとは?

URLをコピーする
URLをコピーしました!

ODコラムは、社員のエンゲージメントを向上させる社内コミュニケーション活性化ツール「ourly(アワリー)」を開発・販売するourly株式会社の組織開発(Organization Development)部門が発信するコラムです。 組織開発にお悩みの多くの企業様を支援し続けている立場から、 ・頂戴することの多い質問 ・独自の視点から重要と考えられる内容 をメインテーマとして、数名の担当者で執筆を行なっています。

こんにちは!ourly株式会社の組織開発(OD)トレーナーの村山です。

VUCA(※)といわれる複雑な現代社会において、組織の目指す方向やあるべき姿に正解はなく、変化に柔軟な対処が求められています。

こういった状況の中で注目されているのが「ポジティブアプローチ」です。従来の「ギャップ・アプローチ」と併せてその方法や具体例について紹介します。

※VUCA…Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、社会やビジネスにおいて将来の予測が困難な状態をいう。

目次

「なぜ?」を追究する課題解決型の「ギャップ・アプローチ」

まず、皆様にもなじみ深いであろう課題解決型の「ギャップアプローチ」についてご説明します。これは、まず問題とその原因を分析し、あるべき姿とのギャップに焦点を当てて、解決を図る方法です。解決方法を洗い出し、最適解を決めてアクションプランを立てていきます。

ギャップ・アプローチは「あるべき姿」とそれを達成するための「現状とのギャップ」が明確な時には効果的な手段です。例えば、目標納期に対しての遅れがあるような場合には、目標と現状のギャップとその原因を洗い出し、最も有効なアクションを選択することができます。

ギャップ・アプローチのフロー

しかし、冒頭で述べた通り、複雑性の増す予測不可能な社会において、「正解」や「最適解」を導き出すのが困難なケースは増えてきています。また、私たちは「人間」であり、問答無用で理論的に正しいことをやり続けることはできません。そのような背景で着目されるようになっているのが「ポジティブ・アプローチ」です。

強みを伸ばすことで成果を出す「ポジティブ・アプローチ」

ポジティブアプローチは個人やチーム・組織の可能性を最大限に描き、潜在的な強みや価値を引き出していくことでそれらを実現していくアプローチです。

そんなポジティブアプローチについて、4つのステップで実現していきます。

1.最大限の可能性を描く

まず、目指すべき方向性を決めていきましょう。これは、課題の転換からも考えられるかもしれません。例えばネガティブ・アプローチの例で挙げた「目標納期に対しての遅れ」を転換してみましょう。その納期の遅れが解消されたら、どんな明るい未来が待っているでしょうか?労働時間の改善にもつながり、イキイキと働ける従業員が増えたり、お客様に早く価値を届けられることが組織のミッション実現につながったり、ということがあるかもしれません。

2.強み・価値を見つける

未来の可能性や実現したい姿を描けたら、次は組織や個人の強みを見ていきましょう。その組織が成り立ち、そこに所属する従業員がいる以上、「強みがない」組織はありません。会社独自の技術を持っていたり、人間関係がよかったりと、その組織ならではの強みや価値を見つけていきましょう。

3.実現方法を検討する

1で描いた未来を実現するために、2で見つけた強みや価値を活用して実現する方法を考えていきます。この時にはもちろん、うまくいかないことを改善するギャップ・アプローチの考え方も活かす必要があります。 例えば、「新卒のコミットメントやエンゲージメントが高い」という組織の強みがあったとしたら、それを強化して、周囲を巻き込んでいくような施策を考えたり、「独自の技術をもっている」としたら、それを従業員含めステークホルダーに知ってもらう施策を打ち出すことが効果的かもしれません。

4.行動し、継続する

最後は一歩踏み出し、それを継続することです。ポジティブ・アプローチにおける施策は比較的目に見えにくく、時間がかかることが多いです。もちろん撤退ラインを引いておくことは重要ですが、数週間, 数ヶ月で効果が出なかったからと、短期的な施策だけに走ってしまうと、効果を発揮することができません。 定量的な評価と定性的な観察をおこない、施策を継続していきましょう。

ポジティブ・アプローチのフロー

正解のない社会・組織において大切なこと

ポジティブ・アプローチには正解がありません。したがって、経営層や施策担当者、そして従業員が実現したい世界を深堀りし、そのために使えるリソース(強み・価値)を組み立てていくことが必要です。

ourlyを導入していただいている企業さんにも、リリース前には課題感だけではなく、「どんな気持ちで従業員が働き、どんな会話が飛び交うような組織」を目指していきたいのかを想像してもらいます。そのうえで今ある強みや足りないものを洗い出し、どう実現していくかの設計と実行をご支援します。

実は、私たちがカスタマーサクセス(サービス導入企業に対して企業の成功体験を支援する人)ではなく、組織開発トレーナー(お客様自身が組織改革施策を実践するための伴走者)と名乗るという決断をしたのも、このポジティブ・アプローチによって部署の役割を再定義したことによるものでした。

ourly(アワリー)、CSやめるってよ|戸上貫太 (組織開発トレーナー戸上執筆のnoteにとびます)

具体的にどんなフレームワークで、どんな議論をしたのか、に関しては次回以降のコラムで扱いますのでお楽しみに!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

目次
閉じる