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リアリティショックが起こる原因は?企業ができる4つの対策を解説

河野 芳紀

公開日:

2022.12.01

更新日:

2025.07.01

リアリティショックとは、新入社員などが入社前に思い描いていた仕事に対する理想と、入社後の現実とのギャップにショックを受けることです。特に、新入社員に多く見られますが、異動や昇進など環境が変わった際にも起こりえます。

リアリティショックが引き起こされると、仕事へのモチベーションが低下したり、会社を信頼できない気持ちが高まるなど、最悪の場合、早期離職に繋がる可能性もあります。

そこで本記事では、リアリティショックが起こる原因と対策について具体的に紹介します。

目次

リアリティショックが起こる4つの原因

パーソル総合研究所の調査によると、入社後に「リアリティ・ショック」を感じている新入社員の割合は7割以上にのぼっています。

(引用元:就職活動と入社後の実態に関する定量調査 結果報告書)

まずはリアリティショックが引き起こされる原因を4つ解説します。

1.仕事内容のギャップ

「希望していた職種に就けなかった」「志望していない部署に配属された」といった場合、「なぜこの部署なのか」「自分の適性が正しく評価されていないのでは」という疑問や不安が生じやすくなります。

こうした心理的ギャップが大きくなると、仕事にやりがいを感じにくくなり、日々の業務に楽しみを見いだせなくなります。その結果、モチベーションの低下を招き、パフォーマンスや生産性にも悪影響を及ぼしかねません。

2.対人関係のギャップ

「上司との相性が合わない」「同期との距離感がつかめない」「チーム内に相談できる相手がいない」といった状況は、孤立感や不安感を強め、仕事への意欲を削ぐ要因になります。特に新入社員や異動直後の社員は、心理的な安全性が確保されていない環境に大きなストレスを感じやすいものです。

また、職場の雰囲気が想像と大きく違った場合(たとえば、「自由に意見を言い合える風通しの良い環境」だと思っていたのに、実際は上下関係が厳しかったなど)にも、戸惑いや失望が生じやすくなります。

3.能力のギャップ

任せられた仕事を十分にこなすことができず、会社からの期待に応えられていないと感じるときもリアリティショックが発生します。OJTの名目で十分な教育・研修をすることなく現場に放り込んだり、本人の実力以上の責任を課したりすると発生しやすくなります。

反対に、簡単なルーティンワークや単純作業ばかり命じてしまい、スキルアップのきっかけが掴めないときも同様のことが起こり得ます。

4.評価のギャップ

人事評価や賞与査定に対して「正当に評価されていない」と感じると、リアリティショックが起こりやすくなります。成果に見合わない報酬だけでなく、評価基準が曖昧で方向性が見えない場合も不安や不満の原因になります。

また、評価者の主観や好き嫌いが反映されていたり、特定の人が贔屓されるような仕組みがあると、不公平感が積み重なります。

リアリティショックを防ぐ4つの対策

続いてリアリティショックを防ぐ対策を4つ紹介します。

リアリティショックを防ぐ対策

1.採用活動中に積極的に情報開示できる

リアリティショックは入社前後で生じるギャップが原因なので、採用活動中に積極的な情報開示をすることが大切です。自社の強みはもちろん、弱み・課題・デメリットなども正直に伝え、オープンな採用活動をしていきましょう。

結果的に、「マイナス面も正直に伝えてくれる誠意ある会社だ」というイメージを得られることも少なくありません。

2.内定者と従業員が直接交流できる場を設ける

内定者と社員が直接交流できる場を設け、入社後のリアルな姿を共有することも大切です。例えば内定者懇親会・職場見学会・内定者インターンシップなどを開催し、仕事内容だけでなく人間関係など職場環境への理解を深めましょう。

3.研修やサポート体制を充実させる

研修やサポート体制を充実させ、安心して働ける環境づくりをすることも大切です。

例えば手厚い新人研修があれば、自信を持って仕事と向き合うことができ、スモールステップで成長している実感を得られるので、新たなチャレンジをするモチベーションも出てくるでしょう。

また、悩んだときに相談できる先輩社員がいたり社内の窓口がある場合、つまづいたときも安心です。会社が自分の成長を後押ししてくれていると感じることで心理的安全性も上がります。

4.定期的な面談でフォローアップする

1on1など定期的な面談の場を設け、フォローアップしていきましょう。「会社が自分を気にかけてくれている」という安心感が生まれ、困りごとがあれば何でも相談してみようと思えます。

部下が何に悩んでいるかわかり、マネジメントしやすくなるというマネージャー側のメリットも大きいです。ニーズにあるマネジメント手法を採用できれば効果も最大化できるので、取り組んでみましょう。

web社内報「ourly」を活用した対策事例

リアリティショックの要因はさまざまですが、その多くに共通しているのは「情報の不透明さ」と「つながりの希薄さ」です。仕事内容や評価制度の理解不足、職場の雰囲気とのギャップ、人間関係の不安などは、入社前後の情報伝達やコミュニケーションのあり方によって大きく左右されます。

ourlyは、社員同士の距離を縮め、会社のリアルな情報をタイムリーに届けることで、そうしたギャップを解消する手段としても活用できます。

ソントン食品株式会社|入社前の内定者に社内報を公開

ソントン食品株式会社では新卒内定者に社内報を公開し、入社前から会社への理解を深めてもらったり、同期のつながりを醸成することで、ミスマッチや内定辞退の防止に繋げています。

SALTO株式会社|選考前の求職者に社内報を公開

SALTO株式会社では、人材紹介会社(エージェント)に社内報を共有し、求職者にも記事を読んでもらっています。リアルな企業のカルチャーや社員の人柄を伝えることができるので、給与や条件以外での魅力付けやミスマッチの防止に繋げています。

リアルを伝える姿勢が大切

求職者や内定者への情報発信において、良い部分だけを見せるのではなく、課題など含めてリアルな情報を伝えることが大切です。その誠実な姿勢こそが、企業への信頼感を高め、早期離職の防止やモチベーションアップに繋がります。