社内報での自己紹介は、新入社員にとって社会人になるはじめの一歩に過ぎません。
しかし、会社に対して、自分の存在をどうアピールし、どのような人間であるのかを知ってもらう大事な機会になります。この記事では、社内報で行う新入社員紹介企画について紹介します。さらに、企画の構成要素やポイント、自己紹介の例文やテンプレートも紹介します。
個性が伝わるような新入社員紹介を企画し、新入社員が社会人として良いスタートを切れるような自己紹介にしましょう。
社内報での新入社員紹介は新入社員の初お披露目の場
新入社員紹介は、新入社員にとって初めて会社に自分の存在をアピールする機会になります。一方、既存社員としても、これから一緒に働く新メンバーが加わるため、とても大事な機会になります。新しい環境で良いスタートを切るために、新入社員一人ひとりの個性が伝わるような企画にしましょう。
社内報で新入社員紹介を企画しよう
社内報で新入社員紹介を企画することで、簡単に社内全体へ告知でき、web社内報であれば、データとして永久保存することもできます。新入社員として紹介されることは、一生に一度しかありません。数年後に、過去の新入社員紹介を見返してみたり、企画として振り返ってみたりするのも盛り上がるかもしれませんね。
社内報で新入社員紹介を書く5つのポイント
社内報での新入社員紹介の書き方ポイントを5つ紹介します。すべてのポイントを押さえ、読まれる社内報を作成しましょう。
読む人が話しかけたくなる内容にする
新入社員紹介では、読んだ人が「この人と話してみたい」と感じるような雰囲気づくりが大切です。
たとえば、「趣味はパン屋巡りで、週末は新しいお店を探しています」など、ちょっとしたパーソナルな情報を入れると親近感がわきます。また、業務上でも交流が生まれるように専門的な情報も入れると効果的です。

「らしさ」が伝わるエピソードを入れる
型にはまった自己紹介よりも、その人の「らしさ」が伝わる内容を意識しましょう。たとえば「大学時代はサウナ研究会で週5通っていました」といった、ちょっとユニークな経験やこだわりがあると印象に残ります。質問項目には「これだけは人に負けないこと」や「最近ハマっていること」などを加えると、自然と個性がにじみ出る内容になります。

顔写真で“どんな人か”を一目で伝える
文章だけでは伝わりにくい第一印象を補うために、顔写真は非常に有効です。可能であれば、真顔よりも笑顔や趣味にちなんだ写真を選ぶと、その人らしさがより伝わります。社内に配布されることを前提に、掲載前には本人の許可を取り、使用目的を明確にするなど、情報管理にも注意しましょう。
配属先を記載する
配属先や勤務地は、既存社員にとって重要な情報です。「○○部 営業課/東京オフィス勤務」といったように、部署名や業務内容、勤務地を明記することで、実際に関わる社員がすぐに把握できます。新入社員が多い場合は、部署単位でまとめて紹介すると読みやすくなります。
意気込み・抱負を書いてもらう
「こんな社会人になりたい」「まずは○○に挑戦したい」といった新入社員の想いを、自分の言葉で書いてもらいましょう。堅苦しい表現よりも、等身大の言葉の方が伝わりますし、読み手の共感も得やすくなります。本人にとっても、初心を振り返るきっかけになります。

社内報での新入社員紹介の構成要素
次に、社内報での新入社員紹介の構成要素について紹介します。新入社員の「個性」を引き出すことを意識しましょう。
(1) 基本情報
まずは、社員の基本情報を紹介します。ここでは、個性というよりも「一緒に働く人を理解するための前提情報」にフォーカスします。どんなバックグラウンドを持ち、どの部署に所属しているのかを把握することで、既存社員が声をかけやすくなり、スムーズな関係構築につながります。
⑴出身地・出身大学・学部
⑵年齢(または入社年)
⑶これまでの経歴・専門分野
⑷配属先・担当業務
(2) 個性
新入社員一人ひとりの個性を引き出すことが、自己紹介においてもっとも重要です。趣味や性格をはじめ、入社理由などを書くことで、自分がどういう人間であり、どんな思いで入社したのかをアピールできます。
新入社員紹介は、個性を引き出し、仕事をする上で新入社員と既存社員間のコミュニケーションを促進させることが目的です。次章でも紹介しますが、人生の武勇伝、自分を漢字一文字で例えるとなど突っ込んだ質問を掲載するのも面白いかもしれません。
⑴性格
⑵趣味
⑶熱中していること、マイブーム
⑷入社理由
⑸その他個性を引き出す質問(座右の銘など)
(3) 抱負
最後に抱負、意気込みを自由に記載しましょう。質問項目にとらわれず、本人が自由に書くことで、個性が出やすくなります。これから会社でどうなりたいのか、何をしたいのかをアピールしましょう。先輩社員が「応援したくなる」「話しかけやすい」と感じられるような、前向きで誠実なトーンを意識すると、より効果的です。
⑴仕事を通じて身につけたいスキルや知識
⑵会社やチームにどう貢献したいか
⑶入社1ヶ月〜3ヶ月までの短期的な目標
⑷挑戦したいこと、興味のある分野
⑸自分の強みと仕事においてどう活かしたいか
社内報での新入社員紹介テンプレート
社内報の自己紹介文で使えるテンプレートを4つ紹介します。また、より詳しい内容はこちらの記事でも解説しておりますので、ぜひご活用ください。

定番テンプレート
- 名前
- 出身
- 部署
- 趣味
- 性格
- 最後の一言(アピールポイント)
この度入社しました〇〇と申します。出身は東京の板橋区です。営業部に所属させていただくこととなりました。趣味は映画鑑賞で、特に洋画を見ることが好きです。私は、大きな目標に向かってコツコツと努力できます。その長所を活かし、一日でも早く、仕事を覚えられるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
新卒社員向けテンプレート
- 名前
- 出身
- 部署
- 性格
- 学生時代に取り組んだこと・学んだこと
- 最後の一言(アピールポイント)
この度、新卒で入社いたしました〇〇と申します。東京・板橋区出身で、〇〇大学 経済学部を卒業しました。学生時代は学業と課外活動の両方に力を入れ、特にチームでの活動から多くのことを学びました。配属先では、これまで培った協調性と行動力を活かし、少しでも早く戦力となれるよう努力します。皆さまと働けることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします!
中途社員向けテンプレート
- 部署
- 名前
- 出身
- 趣味
- 性格
- 最後に一言
この度中途で入社いたしました〇〇と申します。出身は福岡県で、育ちは大阪です。前職では〇〇業界で〇〇の業務に携わっておりました。今回ご縁があり、〇〇部にて新たな挑戦をさせていただくことになりました。
趣味はキャンプや登山で、自然の中でリフレッシュするのが好きです。これまでの経験を活かし、チームに貢献できるよう精一杯努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!
最後に一言のみ
私の強みは圧倒的健康志向です。幼い頃からスポーツを続け、毎日体に良い物を食べて健康を維持しています。中学、高校は、すべて皆勤賞でした!社会人として自己の健康管理も大切な仕事の一部だと思っておりますので、一日でも早く会社に慣れ、組織の一員として健康を維持しながら仕事を頑張っていきたいと思います。
社内報での新入社員紹介「ネタ50選」
新入社員紹介のネタ(質問項目)を50個ご紹介します。
基本情報、定番編、番外編・面白編に分けて紹介しています。是非参考にしてください。
基本情報編
- 最終学歴・専門領域
- 年齢
- これまでに力を入れてきたこと
- 配属先・担当業務
- 誕生日
- 血液型
- 出身(生まれ・育ち)
定番編
- 性格
- 趣味
- 熱中していること、マイブーム
- 入社理由
- その他個性を引き出す質問(座右の銘など)
- これまで力を入れてきたこと
- 特技
- 後悔していること
- 最近気になること
- これから挑戦したいこと
- どんな子供時代だった
- 自分の好きなとこ・嫌いなとこ
- 好きな映画
- 好きな本
- 好きな動物
- 好きなスポーツ、選手は
- 好きな食べ物・嫌いな食べ物
- あなたの正座
- 好きな芸能人は
- 好きな映画・ドラマは
- 好きな観光地・スポット
- 好きなことわざ・格言
- よく聴く音楽・アーティスト
- 卒論、研究室のテーマ
- アルバイト経験は
- どんな学生時代
- どんな幼少期
- ニックネーム
- 兄弟はいるor家族構成は
- 尊敬している人は
- 自社の好きなところは
- 人生でもっとも楽しかったエピソードは
- 人生でもっとも悲しかったエピソード・一番の失敗は
- 理想のライフスタイル
- 名前の由来
- 絶対に誰にも負けないことは
番外編・面白編
- 自分を漢字1文字で表すと?
- 自分を動物に例えると?
- 自分の顔と性格は100点中何点?
- 人生の武勇伝は?
- 生まれ変わったら何になりたい
- 好きな異性のタイプ
- 1億円もらったら何に使う?

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社内報での新人紹介企画の4つのステップ
最後に、社内報での新人紹介企画の手順を紹介します。
ステップ1:スケジュールを立てる
はじめに、新人紹介企画のスケジュールを立てましょう。具体的にはいつ、どのタイミング(入社直後?入社式後?勤務後?)で新人紹介を掲載するのかを決めます。また、新入社員紹介だけでなく、中途社員紹介も同時に行うのかどうかも検討しましょう。他にも、スケジュールを立てる上で、新入社員へのアンケートを企画し、集計まで考える必要があります。
ステップ2:構成を決める
どのように構成し、デザインをどうするのか、また載せたい項目も決め、質問項目を考えましょう。構成を決める上で、どのような新入社員紹介にするのか、イメージから考えると良いでしょう。明るいポップなイメージにしたいのか、また面白みを混ぜたイメージにしたいのかなどです。イメージが決まると、デザインが自ずと浮かぶとともに、載せたい質問項目も決まるでしょう。また、顔写真、個性が溢れる写真を載せるかなど、細かい設定もすべて決めましょう。
ステップ3:アンケートを取る
実際に新入社員に、社内報に載せるため、ステップ2で決めた項目のアンケートを取ります。新入社員の数が多くなければ、紙媒体や口頭でもよいですし、100人規模でしたら、webでデータが取りやすく、作成しやすいGoogleフォームがおすすめです。

ステップ4:発信する
最後に社内に発信しましょう。多くの社員に見てもらうように、社内報などでアナウンスするとより効果的です。

新入社員紹介でさらに工夫するには
社内報で新入社員紹介を行う上で、工夫できる点は質問内容から表現方法まで多岐にわたります。ここからは、新入社員紹介にさらにオリジナリティを出す工夫について紹介します。
人によって質問内容を変える
全員に一律で同じ質問をするのも1人1人の個性が出て魅力的ですが、社員ごとの個性やバックグラウンドに合わせた質問をすることで、よりその人の価値観や人柄にせまった紹介ができて、オリジナリティのある社内報企画になります。
たとえば、違う業界から転職してきた社員には、前職の経験や転職理由を聞くことで、その人のスキルや仕事で大事にしていることを紹介することができます。趣味や特技に一歩踏み込んだ質問をすれば、親しみやすさや意外な一面を伝えることができます。
写真だけでなく動画も活用する
写真だけでなく動画を活用すると、より多くの情報量をいっそう分かりやすく提供することができて、社員紹介としての効果を最大限に高めることができます。
写真ではどうしても表現しきれない社員の表情や声、話し方などを動画で伝えることで、より親しみやすく、個性が際立ちます。文字だけだと固くてよそ行きな印象を持たれがちなインタビュー形式の質疑応答も、動画を撮影することによって親しみやすい企画になります。動画を活用した新入社員紹介は、単なる紹介を超えて、印象に残る新入社員の姿を伝えることが可能です。
デザインにこだわる
社内報の新入社員紹介において、デザインにこだわることも1つの工夫です。
こだわったデザインは、読者の興味を惹くだけではなく、新入社員の個性をわかりやすく伝える効果もあります。たとえば、社員の趣味や好きな色を取り入れたパーソナルなデザインや、アイコンやイラストを使って内容をわかりやすく表現することで、社員紹介をより分かりやすく、読みやすいものにできます。
新入社員紹介の効果向上ポイント
新入社員紹介を社内報で行うということは、社員同士のコミュニケーション活性化や社内のスキル可視化といった目的があることでしょう。新入社員紹介を行うことによる効果を最大化するためのポイントについて解説します。
社内コミュニケーションを活性化させる取り組みであると伝える
新入社員紹介の目的は社内コミュニケーションを活性化させる重要な取り組みである、と社員に周知するとよいでしょう。
社員紹介の記事は、社員からの関心を集めやすいため読むハードルが低いですが、その分「読んで終わり」になりやすい企画でもあります。社員にも目的を共有することによって、紹介される側の社員の話す内容も社内コミュニケーションにつながりやすいものになったり、読み手も紹介されている情報からコミュニケーションを生もうと意識しながら記事を読むことができます。
社員紹介の記事に対するコメント・感想を集める
新入社員紹介をおこなった記事に対するコメントを集めて共有することで、記事をきっかけに生まれるコミュニケーションを増やすことができます。
自分が紹介された記事に対してコメントが付くと、コメントしてくれた社員に関心がわくものです。コメントしてくれた社員には、直接会ったときにも「社内報でコメントをくれましたよね」と会話を始めることもできます。せっかく新入社員紹介を発信するのであれば、社員がその後自発的にコミュニケーションを取れるよう、コメントを集めて公開するとよいでしょう。
社員同士で直接集まる機会を作る
新入社員紹介の効果を高めるために、部署や事業部の異なるの社員も含めて直接集まる機会を作ることが重要です。
社内報で社員紹介をおこなっても、そのあとに社員同士が関わる機会がなければ、社員に関する一部の情報がいっとき脳内に蓄積されて終わってしまいます。本来の目的は社員同士の交流を生むことであった場合、社内報で発信をおこなうだけでは目的の実現可能性が低くなってしまいます。
社員同士が部署を超えて交流できるような機会を会社側から提供することで初めて、社員紹介で得られた情報をもとにした会話が生まれ、社内のコミュニケーションが活性化する状態を作ることができます。
新入社員の働きを称賛する
新入社員紹介の効果を高めるために、新入社員の働きを記事内で積極的に称賛ことも有効です。
新入社員の頑張っていることや評価されていることを記事で明確にすることにより、新入社員のモチベーション向上はもちろん、読み手のモチベーション向上にもつながります。新入社員がおこなって評価されているポイントを押さえることは、他の社員が評価されるためにも有効であるためです。
読み手が社内で評価されるポイントを知ることで組織全体において望ましい行動が増える点は、社内表彰に近しい効果があります。さらに、評価された社員からノウハウを得ようとする動きが生まれて、社員紹介をきっかけにコミュニケーションやノウハウ共有が促進されるというメリットもあります。

個性の伝わる新入社員紹介
この記事では、社内報での新入社員紹介企画について解説しました。新入社員にとって、自己紹介を行うことは自分をアピールする絶好の機会です。新入社員の方は、自分がどんな人で、これから会社でなにを頑張っていきたいのか、既存社員へしっかり伝わるようにしましょう。また、企画担当者は、新入社員一人ひとりの個性が伝わるような企画にすることが重要です。
社内報で自己紹介することは、一度に多くの人に読んでもらい、web媒体の社内報であれば、永久に保存できるなど様々なメリットがあります。是非、一生に一度しかない新入社員の自己紹介企画を、社内報を通じて行ってみてはいかがでしょうか。