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サンクスカードとは?導入のメリットや注意点、運用のポイントを解説

サンクスカードとは、感謝の気持ちを紙やデジタル上のカードに書いて送り合う制度を意味します。

社内コミュニケーション活性化や離職率低下が期待できるため、多くの企業で導入されてきました。

この記事では、サンクスカード導入のメリット・デメリット、媒体別の注意点や、運用成功のポイントを解説します。この記事の内容を実行すれば、失敗することなく、サンクスカードの効果的な運用ができるはずです。

目次

サンクスカードとは

サンクスカードとは、感謝や賞賛の気持ちを紙やデジタル上のカードに記述して、社員間で送り合う制度のことです。

主に社内コミュニケーションの施策として、近年多くの企業が取り入れており、注目を集めています。

同僚はもちろん、上司・部下・部署など立場を超えて、素晴らしい業務行動や助けられた行動に対し感謝と賞賛を伝え合います。

サンクスカードに記述する内容は特別なことではなく、日々のちょっとした当たり前の行動に対する感謝でもかまいません。「ありがとう」の気持ちを、あえて「言葉」「文字」にすることに、大きな意味があるようです。

サンクスカードを導入するメリット

ここではサンクスカードを導入するメリットについて見ていきます。

「感謝の気持ち」をカードという「形」にすることで、温かみのある交流が生まれる点が大きなメリットでしょう。

具体的には以下の3点が挙げられます。

社内コミュニケーションが活性化する

カードというツールにより、感謝の気持ちを伝えやすくなる点が大きなメリットです。

他部署のメンバーなど、これまで交流の少なかった関係性において、新たなコミュニケーションのきっかけにもなるでしょう。

また、感謝や賞賛を送り合うことが習慣化すれば、多くの社員が仕事仲間に対して温かい関心を寄せ合うようになるでしょう。自然と社内コミュニケーションが活性化され、相互理解も深まります。

良質なコミュニケーションは、明るく健全な職場風土に欠かせない要素といえるでしょう。

社員のモチベーションが高まる

自身の行動が褒められ感謝されると、多くの人は「嬉しい」と感じるものです。

こうした感情によりモチベーションは向上し、日々の業務にポジティブに取り組めるようになります。

サンクスカードは、何気なく見過ごされがちな「素晴らしい行動」を広く知らしめる効果もあります。ほかの社員に対する良い刺激になるかもしれません。

何より感謝や賞賛を分かりやすく伝え合う文化は、社員の承認欲求を満たしてくれます。さらなる内発的動機付けの促進効果が期待できるでしょう。

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離職率が低下する

サンクスカードの導入により、社内コミュニケーションが活性化し、社員のモチベーションが向上することは前述の通りです。

このことは、職場の人間関係を良好にし、離職率の低下に大きな効果をもたらすでしょう。

感謝や賞賛を送り合う習慣は、相手を認め合う温かみのある職場風土をつくります。自身の存在や行動を認めてくれる職場や仲間から、離れたいと思う人は少ないのではないでしょうか。長く働き続けたい職場・会社として認識される点は、大きなメリットです。

サンクスカードを導入するデメリット

メリットが強調される一方、サンクスカード導入にはデメリットもあります。

デメリットの多くは、導入から定着までに、さまざまな負荷が生じることが挙げられます。導入してみたが形骸化し、思うように効果を発揮できない企業も多いようです。

工数や費用がかかる可能性がある

紙のサンクスカードを運用する場合、回収・集計・保管の手間が発生します。

担当者を設ける必要も生じるでしょう。手書きのカード記入を煩わしく感じる社員もいるかもしれません。ウェブやアプリのサービスを導入した場合、こうした手作業の手間は省略できますが、費用がかかることは避けられません。

いずれにせよ、新たな取り組みとしてサンクスカードを導入する場合、こうしたデメリットは十分に考慮しておく必要があります。

導入してから効果が出るまでに時間がかかる

導入後、効果を発揮するまでに長い時間がかかることもデメリットとして挙げられます。

まず、サンクスカードの意義を、社員に理解してもらうまでに時間がかかるでしょう。場合によっては、「面倒だ」といった反対意見も出るかもしれません。

こうしたことから、運営側の意欲が低下し、取り組みが鈍化することも考えられます。効果が実感できるまで、定期的な集計結果の発表や表彰など、メリットを分かりやすく、かつ根気強く発信することが求められるでしょう。

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サンクスカードを導入する際の注意点

制度としてのサンクスカードを定着させるためには、導入前からさまざまな点に注意し、慎重に検討する必要があります。

社員が気軽に活用でき、かつ運営側にも負荷がかからないサービスの導入が理想です。また、運用コストがかかり過ぎる場合、継続性の面で問題となりやすいため注意しなくてはなりません。

紙運用の場合は、配布・回収といった物理的な手間を覚悟しなくてはなりません。また、手書きに対する抵抗感や、面倒と感じる社員もいるため配慮が必要になります。

気軽に運用できるサービス・方法を選ぶ

ウェブ・アプリによる運用の場合は、IT機器が苦手な社員でも簡単に投稿できる操作性の良いサービスを選ぶ必要があります。加えて、記入する項目もハードルをあげ過ぎないような配慮があると、気軽なやり取りがしやすくなるでしょう。

また、制度を定着させるためには、実施状況を定期的に周知しなくてはなりません。投稿の集計や資料としてまとめる工程が簡単であれば、運営側の負荷が軽減できます。

発信の頻度を高め、定着を推進するためにも必ず検討すべきポイントといえます。

費用対効果を検討する

有料のウェブサービスやアプリを活用した場合、当然コストがかかるため費用対効果を十分に検討する必要があります。

サンクスカードを導入し、実現したいことに適した機能をもつサービスを候補に挙げ、費用面を検討すると良いでしょう。このポイントが明確でなければ、オーバースペックでコストがかかる割に、機能を使いこなせないといった無駄が生じる可能性があります。

簡単にカードのやり取りを可能にするという目的だけであれば、無料ツールの活用も選択肢に挙げても良いかもしれません。

オペレーションや配送方法を決めておく

紙運用の場合は、カードの配布と回収といった物理的な作業が発生します。

曖昧な運用にしないためには、配布・回収の方法や時期を決め、オペレーションを明確にしておかなくてはなりません。

特に事業所が点在している場合や、リモートワークを推進している企業では、配布・回収には労力が必要になります。この物理的な手間が運用の妨げにならないように、事前に対策を考える必要があるでしょう。

サンクスカード導入で失敗しない運用のポイント

ここではサンクスカード導入後の、制度運用上の成功のポイントを解説します。

サンクスカードが定着するには、長い時間が必要であることは前述の通りです。また、制度を形骸化させないためには、運営側の根気強い働きかけが必要になります。

以下、7つのポイントに注意すると良いでしょう。

導入する目的を周知する

サンクスカードを導入する場合、制度の趣旨や目的を明確に周知する必要があります。

こうした説明に不足があるまま運用すると、部署や個人によって取り組み姿勢にムラが生じ、かえって雰囲気が悪くなることも考えられます。人によっては「無駄な仕事が増えた」と感じることもあるかもしれません。

「なぜサンクスカードを導入する」のか、「どのような課題を解決できるのか」、会社は社員に向け、しっかり説明しなくてはなりません。

社員の負担にならないようにする

社員が負担を感じるような運用方法であれば、定着は難しくなるでしょう。

ウェブ・紙のどちらの場合でも、気軽にカードが作成できるような工夫が必要です。そのためにはカードに盛り込む情報は極力、細かくし過ぎないほうが賢明でしょう。

また、ノルマ的な運用や、手書きや手渡しにこだわることも止めたほうが良さそうです。ウェブ上の運用の場合も、IT機器に慣れていない層も簡単に扱えるサービスを採用するなど、一定の配慮は必要になるでしょう。

投稿のハードルをあげない

サンクスカードは、社員同士が気軽に送り合う習慣により定着します。

そのためには、社員が投稿内容を難しく考えないようにする工夫が必要です。導入当初の投稿は、内容に凝り長文になったり、特別に目立つ素晴らしい行動が象徴的に紹介されたりとハードルが高くなりがちです。

こうした点は運営側が、投稿のお手本を見せることで解決しなくてはなりません。日常の小さな良い行動に、気軽に感謝を伝えれば良いことを周知すると良いでしょう。

管理職も積極的に参加する

導入当初、最初の投稿は勇気がいるものです。

管理職や経営層が口火を切り、部下にカードを送ることで、一般社員の投稿に対するハードルを下げられます。

部下の側も経営層や上司からの最初のカードで、サンクスカードをもらう嬉しさを体感できるでしょう。

最初の投稿において経営層や管理職は、ハードルをあげないために、投稿内容のレベル合わせをしておくことも効果的です。一般社員は、その内容をお手本にすることで、気軽に参加できるようになります。

表彰制度などのイベントと合わせて運用する

サンクスカードの枚数や内容を表彰の対象にすることも効果的です。

社内イベントで機会を設けて表彰すれば、制度の認知度と社内の位置付けを高めることにつながるでしょう。

しかし、表彰制度は過剰にならないように気をつける必要があります。

表彰を目的として、部署内でカードを送ることを半強制的にするなど、枚数を稼ぐ行為が起きてしまっては本末転倒になります。表彰制度はあくまで、自然なレベルにとどめなくてはなりません。

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ピアボーナスなどのインセンティブをつける

サンクスカードとピアボーナスを連動させると、制度の定着に効果を発揮するため、取り入れる企業も増えているようです。

ピアボーナスとは、社員同士で送り合える少額のインセンティブのことを指します。感謝とともに少額のポイントを送り合うといった制度で、貯まったポイントは換金できたり、自社商品の購入に使用したりできる場合が多いようです。

表彰制度と同様、インセンティブ目的になっては本末転倒ですが、制度を根付かせる施策としては有効な手段といえるでしょう。

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社内報などで啓蒙活動を定期的に行う

サンクスカードの定着には、会社の取り組みであることを浸透させる必要があります。

そのためには社内広報と連動した啓蒙活動が有効な施策となるでしょう。表彰やピアボーナスの制度を周知するだけでなく、優れた取り組みをしている部署や社員にスポットをあて、紹介するのも良いかもしれません。

昨今では社内報をウェブ化する企業も増えています。ウェブ上の社内報とサンクスカードを連動させる取り組みも、検討する価値がありそうです。

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  • 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる

顔写真や部署、役職などの基本的な項目以外に、強みや趣味、スキルなどが一目でわかり、コミュニケーションのきっかけが生まれます。

また、全メンバーに共通のQ&Aを設定することができるので、部署・拠点・役職を超えたメンバー同士の相互理解促進にも役立ちます。

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サンクスカードを導入して組織を強くしよう

本記事では、制度としてのサンクスカードのメリット・デメリット、導入・運用の注意点を解説しました。

サンクスカードは、社内コミュニケーションの活性化やモチベーション向上の施策として有効な手段といえます。

しかし、定着し効果を発揮するまでには長い時間と労力が必要です。

運営には粘り強い取り組みが求められるでしょう。

日々の仕事におけるちょっとした「ありがとう」の気持ちを、カードに込めて送り合う習慣は良質なコミュニケーションを育みます。健全な組織運営には欠かせない要素です。

社内コミュニケーションに課題を抱える企業は、ぜひサンクスカードの取り組みを検討してみてください。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

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