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ブランドアイデンティティとは?効果や作り方をわかりやすく解説

ブランドアイデンティティとは、「自社のブランドを、消費者からどうイメージしてほしいか」を明確化することです。

ブランドアイデンティティには、

  • 自社サービスの魅力を伝えやすくなる
  • 長期的な戦略がたてやすくなる
  • 社員のモチベーションが向上する

といった効果があります。

そして、ブランドアイデンティティでは、「ブランドアイデンティティプリズム」というフレームワークを使うことが一般的です。

この記事では、ブランドアイデンティティの効果、フレームワークや企業成功事例を解説します。

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目次

ブランドアイデンティティ(BI)とは?

ブランドアイデンティティ(BI)とは、消費者に自社のブランド価値をどのようにイメージしてほしいかを明確にしたもので、競合他社との差別化に欠かせないものです。

近年のブランディングの父と称される、アメリカの経営学者D・A・アーカー氏は、以下のようにブランドアイデンティティを定義しています。

ブランドが何を表しているのか示し、また組織の構成員が顧客に与える約束を意味する。

D・A・アーカー

消費者に感じてもらいたいブランドの魅力を言語化して、誰にでも分かりやすくした「旗印」のようなものといえるでしょう。つまり、ブランドアイデンティティとは、自社のブランドの目指すべき姿です。

そして、消費者に感じてほしい「特定のブランドイメージ」を明確に示し、理解してもらう働きかけでもあります。

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ブランドアイデンティティの重要性

ブランド構築の目的は、競合他社との差別化にあります。

数あるサービスのなかから、自社のサービスを選んでもらうためには、競合他社との違いを、消費者に明確にイメージしてもらわなくてはなりません。差別化において、ブランドアイデンティティが重要な意味をもつのは、こうした理由によるものです。

自社のブランドアイデンティティと、消費者が感じるブランドイメージが合致することが、ブランディングのゴールです。自社ブランドが、市場におけるポジションを獲得するために必要なことといえるでしょう。

ブランドアイデンティティの効果

ブランドアイデンティティを設定すれば、自社の魅力が消費者に伝わりやすくなります。

加えて、自社の経営戦略や、社員のモチベーションにまで良い影響を及ぼすことが考えられます。

以下で具体的に見ていきましょう。

自社サービスの魅力を伝えやすくなる

ブランドアイデンティティを設定することで、自社サービスの魅力を伝えやすくなる効果が期待できます。

ブランドアイデンティティは、企業が消費者に感じてほしい「理想のイメージ」を、分かりやすく伝えるものです。

キャッチコピーやデザイン・ロゴなど統一されたイメージを発信することで、消費者の直感に訴えかけられるでしょう。自社商品の魅力が世の中に浸透することで、消費者の購買意欲を掻き立てるのです。

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長期的な戦略がたてやすくなる

ブランドアイデンティティを明確にすることで、長期的なブランド戦略を構築しやすくなるメリットがあります。

ターゲットや他社との差別化ポイントが明確になれば、自社のブランドを消費者にどのように認識してほしいかも明確になるでしょう。

この点をはっきりさせることでブレることのない、長期的なブランド戦略が構築でき、効果的な広告をはじめとした販売促進活動が可能になるのです。

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社員のモチベーションが向上する

ブランドアイデンティティは、消費者に向けたものと捉えられがちですが、自社の社員にも良い影響を及ぼすものです。ブランドアイデンティティにより、自社サービスの魅力を社員がはっきりと理解できるからです。

自社のサービスの魅力が分かることで、社員の多くは「自身がこのブランドを提供する一員である」という前向きな自覚が芽生えます。

自社の製品やサービスに「誇り」をもつことにつながり、モチベーションが向上するのです。

ブランドアイデンティティの構成要素と作り方

ここではブランドアイデンティティを明確化するためのフレームワークとして、「ブランドアイデンティティプリズム」を紹介します。これはブランド論の権威である、ジャン・ノエル・カプフェレ氏により考案されたものです。

ブランドアイデンティティプリズムとは、自社のブランドアイデンティティを定義する際に必要な要素を、6つの側面から整理するためのフレームワークとして知られています。

Physique:ブランドの特徴

「Physique」は、ブランドの物理的特徴を示すもので、主に視覚や聴覚に訴えかけるものを指します。

「ロゴ」「配色」「パッケージ」といったデザイン的要素や、「キャッチコピー」「ブランド名」「ジングル」など言語的な要素が挙げられます。

オンライン上のサービスであれば、「Webサイトのデザイン」や「ユーザーインターフェイス」などが該当するでしょう。

Personality:ブランドの個性

「Personality」は、ブランドの個性を人格的なキャラクターとして明文化したものです。例えば、「優しい」「元気な」「活気のある」「明るい」といったキーワードです。

こうしたブランドの特徴を示すキーワードから、イメージされる「色」や「デザイン」といった表現を決めます。

またコマーシャルに起用する有名人を選定する際の基準にもなります。自社のブランドイメージが、「元気な」であれば、「元気な」キャラクターのタレントを選定することになるでしょう。

Relationship:ブランドと顧客の関係性

「Relationship」は、消費者とブランドの間で、どのような関係性が構築されるかを定義します。

消費者とブランドの共通の価値観や目的、共感されるポイントを洗い出すことから始めます。消費者がブランドから得られるバリューは何か、消費者の生活にどのような良い影響を及ぼすのかを考えると良いでしょう。

こうしたことにより、消費者の行動がポジティブに変化すれば、関係性は構築できたといえます。

Culture:ブランドの文化

「Culture」は、ブランドがもつ価値観や行動規範をはじめとした、企業文化そのものを指します。

消費者は、その企業のもつ文化に共感することで、ブランドに愛着をもつようになります。

企業の文化的な要素は、ブランディングに欠かせないものです。消費者の共感を呼び起こすような、企業の文化的側面を可能な限り洗い出すと良いでしょう。

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Reflection:ブランドのターゲット

「Reflection」は、ブランドがターゲットとする消費者の特性を指します。

自社サービスの典型的なユーザーとなる消費者の属性を絞り込むことで、ブランディングの精度は向上します。

具体的には、自社のブランドを利用するメインとなるユーザーの、「性別」や「年齢層」を絞り込む作業です。こうした表面的な情報はもちろん、「心理的な特徴」や「ライフスタイル」といった、一歩踏み込んだ特性までを明確にすると良いでしょう。

Self-Image:ブランドのイメージ

「Self-Image」は、消費者に抱いてほしいブランドの自己イメージです。

ターゲットとなる消費者がブランドに接したり、ブランドを思い出したりしたときに、どのようなイメージをもつかを洗い出すと良いでしょう。

自社のターゲットとなる消費者が、ブランドをどのように認識しているかを推察することは、ブランディングには欠かせないプロセスです。このプロセスにより、ブランディングの精度は向上するのです。

ブランドアイデンティティの事例

ここでは優れたブランドアイデンティティを構築した、企業の事例を3社紹介します。

  • Apple
  • スターバックス
  • NIKE

いずれの企業も優れたブランドアイデンティティを打ち出すことで、企業価値を高めることに成功しています。

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Apple

Apple社のブランドアイデンティティは、「テクノロジーにより人々の生活を変える」です。

創業者のスティーブ・ジョブズ氏が掲げたもので、同社の宣伝活動には必ず用いられています。

Apple社の有名なCMに、「Think Different」と題されたものがあります。ジョブズ氏が、世界を変えた偉人について語るだけの印象的なCMで、Appleブランドが世界を変えることを消費者に強くイメージさせるものでした。

製品の優れた点をアピールするのではなく、ブランドイメージを訴求することで購買意欲を刺激した好事例といえるでしょう。

スターバックス

スターバックスは、「人々の心を豊かで活力のあるものにするためにーひとりのお客様、1杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」という、ブランドアイデンティティを掲げています。

ここから読み取れることは、同社が「人」そのものや、「人との関わり」をビジネスの中心に据えていることです。

スターバックスが、人材育成に注力していることは良く知られています。

1杯のコーヒーが「人々の心を豊かなものにする」ことを、スタッフに強く意識させることで、独自性のあるカフェチェーンとしてのブランディングに成功している事例です。

NIKE

NIKEは、印象的なロゴマークとともに、「JUST DO IT.」というスローガンをブランドアイデンティティに掲げています。

「JUST DO IT.」は、「行動あるのみ!」「やるしかない!」といった意味で用いられているようです。

この言葉は、ある死刑囚の最後の言葉をモチーフにしたといわれています。NIKEのもつ、すこし「不良っぽい」「悪ぶった」世界観を見事に表現したスローガンといえるでしょう。

こうしたキャラクターを一貫して打ち出すことで、競合他社とは一線を画したブランディングに成功している事例です。

ブランドアイデンティティの一歩に社内報

ブランドアイデンティティには、自社の魅力を分かりやすく伝える効果があります。競合他社との差別化には欠かせないものです。

また、ブランドアイデンティティは、自社の社員に対してもブランドの魅力を強く認識させるものです。優れたブランドを提供する企業の一員であることの自覚は、日々の仕事のモチベーションとなるでしょう。

多くの社員に自社の魅力を理解してもらうには、社内広報の取り組みが欠かせません。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

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