Cygames流! 社内報をしっかり読んでもらうためのイロハ
2014年7月から現在まで、約9年間に渡りWeb社内報を運用する株式会社Cygames(以下、サイゲームス)。ビジョンとして掲げる「最高のコンテンツを作る会社」であり続けるために、さまざまなコンテンツ発信からカルチャーの浸透を進めています。
今回はサイゲームスのWeb社内報編集部から、編集長のミショウさん、編集部メンバーのキヨさんにお話しを伺いました。サイゲームスはどのような思いを抱え、どのようにWeb社内報コンテンツを発信しているのでしょうか。
“スタッフの知りたいこと”と“会社の伝えたいこと”を発信する必要がある
──サイゲームスのWeb社内報について、くわしく教えてください!
ミショウさん(以下、敬称略):弊社のWeb社内報は2014年7月に運用を開始し、創刊してから約9年間運用をしています。毎週2〜5本ほど発信しており、真面目系の記事からおもしろ系の記事までさまざまな企画のコンテンツがあります。
──9年間も運用されているのですね! そもそも、Web社内報の運用を始めようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか。
ミショウ:実は、弊社では創立1年目(2011年)から紙の社内報を運用していたんです。当時は、人事が隔週ないし月1回の頻度で発行していたのですが、なかなか続けることが難しく……。
また社内のスタッフは約3年間で1,000人となり、かなり早いスピードで組織が拡大していくなかで、「会社のニュースやカルチャー、人などを知るための情報をもっと発信したい」「組織規模の拡大スピードに合わせ、サイゲームスのカルチャーをよりキャッチアップしてもらえるようにしたい」という思いからスタートしたのがきっかけです。
──たしかに組織規模が大きくなればなるほど、個々が同じ方向に進んでいくためにはさまざまな取り組みが必要ですよね。
ミショウ:弊社のミッションステートメントのなかに【常に「チーム・サイゲームス」の意識を忘れない】という項目があります。チームが同じ方向に進んでいくためには組織規模がどれだけ大きくなったとしても、しっかりとカルチャーを浸透させる必要があるんです。
そこで“スタッフの知りたいこと”と“会社の伝えたいこと”をしっかりと発信できるよう、Web社内報を始めよう!」との声があがり運用をスタートしました。
──紙からWebに移行しようと思った理由はあったのでしょうか。
ミショウ:当時のWeb社内報担当者に話を聞いたところ、バックナンバーが残り、誰でも何度も繰り返し読むことができるため、カルチャーの定着に向いていると考えたようです。また、紙よりもWebのほうが記事を出すまでの流れがスムーズであること、弊社のなかにサイト作成のノウハウを持つ人が多いこと、業種的にもWeb記事を読む習慣のあるスタッフが多いことなども影響しています。
コンテンツは真面目系からおもしろ系までさまざま
──コンテンツの内容についてもう少し詳しく聞かせてください! 真面目系、おもしろ系はそれぞれどのような内容の記事があるのでしょうか。
キヨさん(以下、敬称略):真面目系のコンテンツだと毎年4〜5月に実施している新卒の自己紹介 や、役員からのメッセージをコラムとしてお届けする企画などがあります。
具体的にこれまで反響が多かったのは、
- 社長・渡邊と専務・木村の対談
- シゴトのアタリマエ(漫画)シリーズ
などですね。
──漫画コンテンツも発信されているんですか!?
ミショウ:シゴトのアタリマエシリーズは2017年ころの連載企画で、社内で漫画コンテンツを作成し、発信していました。
新人くんが業務のなかでさまざまな悩みを抱えるのですが、それに対して先輩さんが具体的な解決策やアドバイスをして、成長していく内容となっています。サイゲームスが大切にしたいカルチャーや考え方をもとに作られたコンテンツで、当時もかなり反響がありましたし、今でも多くの人に読まれています。
──おもしろ系はいかがでしょうか。
キヨ:おもしろ系では、
- 親戚同士だったスタッフがお互いの存在に気づいた記事
- 「お題」に沿ったトークをしてもらう連載企画
などがあります。
「お題」に沿ったトークを役員にしてもらう連載企画では、「出身地の話」「気分転換の話」「最近気になったSNSの話題」「お気に入りの場所」など、仕事以外での役員の人となりや趣味嗜好がわかるコンテンツを発信しており、役員を身近に感じることができると評判です。
社内報の内容はカルチャーと一致させなければならない
──現在の編集部の体制について教えてください。
ミショウ:編集部には8名のメンバーが在籍していますが、私とキヨさんとライター1名の計3名が専任メンバーとなります。残りのメンバー5名は各部署から参画しており、他の業務をしながらもWeb社内報の制作に知恵を貸してもらっているイメージです。
──9年間運用をしているとなかなか企画が思いつかない! なんてこともあるんじゃないかなと思うのですが……。
キヨ:基本的には会社の情報をきちんとキャッチアップして、幅広く企画を考えるようにしていますね。例えば、社内報編集部の定例MTGや専用のSlackチャンネルで、各部署から何かネタがあれば共有してもらうようにしています。また、弊社のオウンドメディア「Cygames Magazine」の編集会議にも参加させてもらって、社外向けの情報ネタも集めています。そうして集めたネタをもとに企画を考えています。
──なるほど。企画から実際にコンテンツ制作をするまで、どのようなフローで進めているのでしょうか。
キヨ:連載ものであれば、企画を立案して、関係者にヒアリングをして企画をブラッシュアップしたあと、社長・渡邊のチェックを挟みます。そこでOKが出れば、実際にコンテンツ制作に動き出すイメージです。
──社長がチェックされているんですね!
ミショウ:社内報編集部は社長室に属しているので、出る記事は基本的に渡邊のチェックを通しています。
社内報の内容はカルチャーと一致していなければいけないものです。そのため、現在の会社のフェーズや状況を踏まえて今のタイミングで出すべきコンテンツなのか、本当に弊社のカルチャーにマッチしている内容なのかなどを踏まえて企画・作成しています。
読んでもらう秘訣は仕事のサイクルにぬるっと入り込むこと
──実際、社内報はどれくらいの人に見られているのでしょうか。
ミショウ:社内報トップページは月に約2万PVほどとなっています。
──めちゃくちゃ見られていますね! 見られるために工夫していることはありますか。
ミショウ:1番はルーティン化して、コンスタントに出すことですね。当たり前のことばかりかもしれませんが、決まった時間帯に必ず記事を出す、1日に複数の記事を出す場合は午前と午後に分ける、1日に最低1本は記事を出すなどです。場合によっては難しいケースもありますが、社内イベントなど生の情報についてはできるだけ早くリリースして、熱量の高い状態で読んでもらうようにしています。
ほかにも、連載ものの場合は決まった曜日の決まった時間にリリースをして覚えてもらうようにしています。「あ、今日は水曜日だからあの連載の記事が出るな〜! 」と覚えてもらう工夫をしています。
キヨ:弊社は在宅と出社のハイブリッドな出社形式を採用しており、出社する人に向けて、毎週月曜日は紙の社内報も同時に掲載しています。各階に張り出していて、お昼休みや休憩の際に社内報を読んでいるスタッフの姿を見ることができるんです。
それを見ると、みなさんが「あ、月曜日だから社内報を見ようかな」と、仕事のルーティンの1つとして社内報を認識してくださっていると感じます。「毎週何曜日はあの番組がある」と意識するのと同じように、仕事のサイクルにぬるっと入り込んで覚えてもらうことは、紙・Webに限らず社内報を運用するうえで効果的だと考えています。
社内報の記事がカルチャーを示すツールになっている
──2014年に、会社の思いやカルチャーをしっかりと伝えていきたいとスタートしたWeb社内報ですが、実際の効果はいかがでしょうか。
ミショウ:当初抱えていた課題を解決できていると感じる場面もたくさんありますね。
例えば、上長や先輩が部下に指導をする際、「社内報のあの記事を読んでほしい」「この記事をもとに考えてほしいんだけど……」など、サイゲームスのカルチャーやマインドを伝えるときのツールの1つとなっている点です。これまで上長や先輩の背中を見てなんとなく学び、吸収していた弊社のカルチャーを、事前にキャッチアップするきっかけになっています。
ほかにも「はじめて一緒に仕事をする人がいるときは、事前に社内報で名前を検索し、記事があったらどういう人なのかをキャッチアップしている」との声も。社内報に掲載した人の好きなコンテンツや趣味などのパーソナルな情報から、社内SNSやリアルでもコミュニケーションが生まれるきっかけになっています。
──最後に、Web社内報編集部での今後の目標について教えてください!
ミショウ:基本的には弊社のビジョンである「最高のコンテンツを作る会社」を一緒に目指していきたいと思っています。そのために、どんなに会社の規模が変わっても「サイゲームスってこういう会社だよね」「サイゲームスの当たり前ってこうだよね」と全員が言えるよう、組織全体でサイゲームスの考え方や姿勢などを浸透させていきたいです。
Interview / Write / Design:Sachi Kagayama
Edit:Nozomu Iino
Photo:Cygames