MENU

個のつながりが生まれる環境づくりを。双方向の理解を深める独自の取り組みとは?

URLをコピーする
URLをコピーしました!

昨今では終身雇用制度の崩壊によって転職が当たり前となるだけでなく、複業や兼業などの概念が広がったことで、働き方の選択肢が増えています。そのため、今後企業が優秀な人材を確保するには、社員の働きがいを高められるような取り組みが求められます。

パーソルキャリア株式会社は、2024年版「働きがいのある会社」ランキングベスト100の「大規模部門」において、7位を受賞しています。

今回は、パーソルキャリア株式会社のエンプロイリレーションズグループに所属する土手 善道様(以下、土手さん)と平井 裕苗様(以下、平井さん)に、働きがいのある会社・組織をつくるための取り組みについて伺いました。

目次

さまざまな変遷があるなかで揺るがぬ指針を持つ

──パーソルキャリアのカルチャーについて教えてください。

土手さん:パーソルキャリアでは「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションを掲げており、日々の業務を推進しています。経営陣はミッションを大切にしているため、社員とコミュニケーションにおいてもミッションへの理解や浸透を重視し、積極的に発信していけるような組織風土があります。

──ミッションを大切にする背景について教えてください。

土手さん:当社は、経営統合や社名変更などを経験し、現在に至ります。

組織として変遷があるなかで、事業やサービスを推進する上で揺るがぬ指針となるものを社内外に指し示す必要があると考えました。当時の経営陣や社員たちが、当社が日本の「はたらく」をよりよくしていくために、社会にどのような価値を提供すべきかについて議論を重ね、2019年に「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションを策定しました。

一人ひとりがどのような人生を歩みたいのか、その中での「はたらく」はどうありたいのかを考え、主体的に選択していく社会を実現していくこと、これを当社では「キャリアオーナーシップ」という言葉で表現します。人材サービスの会社として、さまざまな事業・サービスを通じて社外と同様に、社員のキャリアオーナーシップを応援するという強い信念があり、社内の制度づくりや情報発信にもこのミッションは色濃く反映されています。

──パーソルキャリアには、どのような方が働いているのでしょうか。

土手さん:社員の特徴としては成長志向が強い方々が多く、ドライな関係性ではなくチームワークを大切にする習慣があります。経営陣や上層部は、社員の成長のためにどのような機会を提供するのか考えたうえで、組織づくりを行っています。学びの機会が多く、積極的に情報を展開していく組織であるため、自己成長意欲にあふれる社員が多いのではないでしょうか。

ボトムアップで提案・実行できる企業文化の醸成

──働きがいを高めるための取り組みについて、くわしく教えてください。

平井さん:働きがいを高めるための取り組みについては、大きくわけて3つあります。

1つ目は、組織の変化や、新しい仲間が増えていくなかでも、ミッション・バリューを浸透させ、社員自らが顧客や組織にとってよいと考えることを、ボトムアップで提案・実行できる企業文化の醸成です。

具体的な取り組みとしては、年に1回「MISSION VALUE Award」というイベントを行っています。内容はミッション・バリューが体現されているエピソードを事業部ごとに集めて、社員総会の場でプレゼンテーションを行い、全社員の投票によって表彰者を決めるといったものです。

各社員が普段の業務内でミッションやバリューを意識することで、自分ゴト化しながら理解を深められているように感じます。

──そのような取り組みがあるのですね。エピソードは毎年どの程度集まるのでしょうか。

平井さん:エピソードは、毎年2,000件近く集まります。個人エントリーやチームエントリーも可能であるため、さまざまなかたちでエピソードが集まっています。

──非常に数が多いですね。それだけのエピソードが集まるのは、日頃から社員の方が意識されているからであり、ミッションやバリューが浸透している証ですね。

双方向でコミュニケーションを取れる機会の創出

──働きがいを高めるための取り組みとして、ほかにはどのようなことが行われているのでしょうか。

平井さん:2つ目は、社員と経営陣がフラットにコミュニケーションを取れる機会の創出です。

社員総会では「MISSION VALUE Award」のほかに、社長から全体へのメッセージがおくられます。また、社員総会の場ではリアルタイムで質問できるような仕掛けがあり、その場で一部回答しています。一方で、時間には限りがあるため、すべての質問には回答できません。そこで、経営陣3名ほどで後日オンラインイベントを開催し、社員総会で集まった質問に対して回答する企画が行われています。

──そのようなオンラインイベントが開催されるようになった経緯を教えてください。

平井さん:社員と経営陣の双方向で、コミュニケーションを取れる場が必要だと感じたからです。コロナ禍においては、勤務体制がオンラインのみになることもあり、直接質問がしにくい環境でした。現在は勤務体制も変わっていますが、社員と経営陣の双方向でコミュニケーションを取れる方法がないかと考え、このようなイベントを開催しています。

──イベントを開催した際に、社員の方からはどのような声がありましたか。

平井さん:経営陣の考えや今後の方針について、理解を深められたという声がありました。

実際に社員から寄せられた質問に回答することで理解が深まるだけでなく、より自分ゴト化される場になっているのだと感じます。

個々の社員が置かれている環境や想いを理解するための研修

──そのほかには、働きがいを高めるためにどのような取り組みがあるのでしょうか。

平井さん:働きがいを高める3つ目の取り組みとして、個々の社員が置かれている環境や、それぞれの想いを理解し合うための研修が行われています。

一例として、管理職を対象に行っている「制限のあるはたらき方理解研修」があります。この研修は、時間制約のある働き方への理解と、活躍できる環境づくりについて考える機会の創出が目的です。具体的には、説明会や時短勤務者のドキュメンタリー視聴や、社内の時短勤務者へのヒアリングに加えて、育児中の時短勤務を想定した制限のある働き方を疑似体験してもらいます。

──疑似体験とは、どのようなことをされるのでしょうか。

平井さん:実際に時短勤務で働くことを想定して、1週間ノー残業生活を体験してもらいます。その間、お子様が体調不良で急遽お迎えの要請がメールでくるという体験もあります。事前にいつ連絡が来るかはお知らせしません。お迎え連絡がきたら、ミーティング中であっても退勤してもらいます。

──非常におもしろい取り組みですね。疑似体験を通じて、時短勤務をされている方の心情に寄り添えるようにすることが目的でしょうか。

平井さん:おっしゃるとおり、時短勤務をされている方への心情理解が目的の1つです。常に時間に追われている感覚や、もっと仕事をしたいのに働けないという気持ち、また、お迎え連絡を受けて退勤する際は、当日のそのあとのスケジュールを変更しなければなりません。その際に、社内外に対してスケジュール変更を依頼するなど「これだけの対応をする必要があるのか」といった部分の理解も、疑似体験を通じて深めてもらいます。

結果として、研修に取り組んだ社員はまわりへの声かけが増え、時短勤務で働く方からも「周囲の理解を得られた」といった声がありました。

会社と個人をつないでいけるような環境づくり

──さまざまな働き方をされていらっしゃる方がいる場合、社内のコミュニケーションにおける難易度は高いと考えています。その点で、何か取り組まれている施策はありますか。

土手さん:働き方の違いにおけるコミュニケーションの活性化は、ほかの企業と同様にパーソルキャリアにおいても今後の課題です。

働き方が多様化する中でも、経営陣と社員の双方向なコミュニケーションの機会や社員同士のつながりを促進させることで全社的なコミュニケーションを活性化することができると考えています。具体的には、異なる事業部の経営陣と社員との懇親会を開始したり、社員検索システムをスキルや趣味などの項目で検索できるようにリニューアルするといった取り組みを行っています。人々のつながりが生まれるような環境を創出し、イノベーションが起こせるような土台をつくりたいです。

──今後、パーソルキャリアをどのような組織にしていきたいなど、目標があれば教えてください。

土手さん:「人々に『はたらく』を自分のものにする力を」というミッションを、どれだけ推進していけるかを大事にしたいと考えています。世の中にこれらの提言をしていくには、パーソルキャリアの社員一人ひとりがその力を身につけていかなければなりません。そのためには、ミッションを社員一人ひとりに浸透させ、自分ゴト化してもらえるよう、どのようにコミュニケーションをとるかが、私たちエンプロイーリレーションズグループの役割だと考えています。さまざまなコミュニケーション施策を通じて、会社と個人をつないでいけるようにしていきたいです。

ourly Mag. メールマガジン

インナーコミュニケーションのノウハウや海外事例などを限定配信中!

詳しくはこちら


効果の見えづらい社内施策にお困りではありませんか?

ourly(アワリー)は、従業員の組織関心度を可視化できるweb社内報CMSです。
データを基に、理念や企業文化の浸透を着実に実現します。

ourly ボトムバナー

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2019年よりフリーランスライター・編集者・Webメディアディレクターとして活動。前職ではベンチャー企業のメディア事業部に在籍し、Webマガジンの副編集長としてWebメディアの運営・企画やライターマネジメントに従事。

現在は、ourly magazine編集部にてコンテンツ企画やインタビュー、ライティングを担当している。

目次
閉じる