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【人事向け】双方向コミュニケーションとは?活性化の重要性とコツ

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Kanei Yoshifusa

公開日:

2021.12.14

更新日:

2025.06.24

two-way-communication

双方向コミュニケーションとは、送り手と受け手の間で意見や感情などの情報共有を、相手の反応を踏まえておこなうコミュニケーションのことを指します。

双方向コミュニケーションという考え方は、ビジネスや教育の現場、会社などの組織、マーケティングやメディアなどのさまざまな領域で登場します。

本記事では特に、会社や組織内でのビジネス的な双方向コミュニケーションについて、その重要性や活性化させるメリット、個人間や個人と組織間で活性化させる方法をご紹介します。

目次

ビジネスにおける双方向コミュニケーションとは?

双方向コミュニケーションとは、一方が他方の反応を受けていろいろな情報を交換し合うコミュニケーションです。特にビジネスの文脈では、社内外の両者を対象に、業務を実行するうえで重要な情報を双方で交換し合うコミュニケーション手法のことを指します。

これはオズグッドとシュラムが提唱した「相互作用モデル」という理論モデルに基づいています。情報の送り手と受け手が交互に役割を担い、互いからの反応を踏まえて次のメッセージを生成します。このフィードバックの循環こそが、効果的なコミュニケーションの鍵となります。
(参照: https://helpfulprofessor.com/osgood-schramm/

逆に、受け手からフィードバックが得られない場合、送り手の意図した通りに伝わったかどうか確認ができず、誤解が生じたままコミュニケーションが進む恐れがあります。

よくある事例として、製造業やSES・受託などの部署ごとの関わりが希薄になりがちな組織形態や、小売・販売といった多店舗展開の事業は、従業員同士の双方向コミュニケーションにも課題を感じている場合があります。

つまりビジネスにおける双方向コミュニケーションとは、仕事をやりやすくするための「相互理解」を狙うとイメージするのがよいでしょう。そのため、一方的な指示・指導・伝達だけに留まらず、率直な疑問・意見も拾い上げたうえでコミュニケーションをおこなうことが重要です。

相互理解に関してはこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

ビジネスにおける双方向コミュニケーションの重要性

近年、企業が双方向のコミュニケーションに力を入れています。その背景や重要性について解説します。

双方向コミュニケーションが重視される社会的な背景

働き方の変化

リモートワークやハイブリッドワークの定着により、同僚や上司と直接顔を合わせて話す機会が減った方も多いのではないでしょうか。

テレワークでは雑談やちょっとした相談もしづらく、社員同士の物理的な分断がコミュニケーション不足を生みやすい要因となっています。

人材の流動化

近年、多くの企業にとって従業員エンゲージメントの向上と離職率の低減が重要な経営課題となっています。働きがい(やりがい)を感じられない社員は会社への愛着を持ちにくく、優秀な人材ほど転職に流れてしまう傾向があり、このような背景で人材の流動化がおこっています。そのために企業はエンゲージメント向上に力を入れる必要があり、双方向コミュニケーションによる組織理解同僚理解を促すことが重要です。

従業員エンゲージメントの定義や業績との関係についてはこちらの記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。

VUCA時代への対応

ビジネスの世界は近年、VUCA(Volatility変動性・Uncertainty不確実性・Complexity複雑性・Ambiguity曖昧性)の時代と呼ばれるように、先の読めない急激な変化に晒されています。

こうした不確実性の高い環境では、現場で起こっている兆候をいち早く捉え、適切な対応策を講じることが必須です。

そのためには、現場と経営を繋ぐボトムアップの双方向コミュニケーションにより、一人ひとりの社員が持つ現場の知見やアイデアを経営に活かすことが不可欠になっています。

VUCAについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

心理的安全性

心理的安全性とは、人間が組織に対して抱く印象のことで、組織内で自らがアイデアを発信したり、質問をしたり、間違ったりしても、傷つけられたり、恥をかいたりしない環境だと思うかを指します。

2023年3月期決算以降の有価証券報告書で人的資本開示が義務化されました。そのため企業は、離職率や新しいアイデア創出に影響する「心理的安全性」を数値で示す必要が生まれ、重要性が急上昇しています。

心理的安全性と生産性の関係について詳しく解説している記事もございますので、こちらもご覧ください。

ビジネスにおける双方向コミュニケーションのメリット

ビジネスにおいて双方向コミュニケーションが重要視される社会的背景を解説しましたが、ここからは具体的なメリットについて、大きく3点ご紹介します。

1. 情報共有が円滑になる

双方向コミュニケーションが取れることによって業務上必要な情報を円滑に共有しやすくなり、「仕事のムダ」をなくせます。

つまり、意図されている以上の仕事をしてしまいオーバーワークになったり、反対に齟齬がある業務をしていることに気づけず後から二度手間が生じたりなど、細かなミスコミュニケーションを防ぐ効果があるのです。

必要な業務だけを素早くピンポイントで実行できるため業務パフォーマンスも上がりやすく、より生産性の高い働きができるようになるでしょう。

2. 組織内のエンゲージメントが高まる

双方向コミュニケーションが高まることで、従業員のエンゲージメントも高まります
エンゲージメントを構成する要素として、「働きがい」があります。

そして、働きがいを構成する要素である組織の一体感経営層への信頼を醸成するためには、組織に所属する人同士の情報共有が欠かせません。

企業の理念やビジョンについて会話したり、自分が悩んでいることや気になることを気軽に話題に出したりすることで、経営層や従業員が感じていることが共有できます。

社内における平等な双方向コミュニケーションが従業員エンゲージメントを高めることは、研究でも明らかにされています。
(引用:Balakrishnan, Kavitha & Angusamy, Ajitha & Rosli, Muhammad. (2023). Two-way asymmetrical communication mediating internal communication and employee engagement.

自社に貢献する前向きな気持ちを育成しやすくなり、定着率も上がりやすくなるでしょう。転職などで人材が流出するリスクも下げられます。

従業員エンゲージメントについて詳しく解説した記事もございますので、ぜひご覧ください。

3. 社内外で信頼関係を構築できる

双方向コミュニケーションが成立していると、業務の枠を超えた会話が生まれやすく、フランクなやり取りをしやすくなります。「よき仲間と出会えた」と感じてもらいやすく、働く安心感にもつながるでしょう。

社内におけるこのようなポジティブな人間関係は、社外にもプラスの影響を与えます。ミスなく業務をおこなって顧客に還元したり、一人では思いつかないアイディアを提案できるようになったり、さまざまな相乗効果が生まれるでしょう。

良い評判も回りやすく、噂を聞きつけた新規顧客が生まれる可能性も出てきます。

双方向コミュニケーションを向上させる方法

では、実際に双方向コミュニケーションはどのようにすれば活性化できるのでしょうか?


ここでは、普段のコミュニケーションを能力を高めるための個人の取り組みと、そもそも組織内でコミュニケーションが生まれる土壌づくりである組織の取り組みの2つの観点で紹介していきます。

【個人編】伝える力を上達させる4つのコツ

伝える力」と「聞く力」のふたつに細分化しているため、普段のコミュニケーションを振り返りながら参考にしてみましょう。

まずは、「伝える力」にフォーカスを当て、コツを紹介します。

自分の意思・意図・意見を正確に伝え、理解してもらうための施策として、導入することがポイントです。

相手の前提を押さえる

自分の意見を伝える前に、相手側の立場で物を考えるよう意識してみましょう。

そのためには、相手の前提を抑え、根本的な考え方の違いがないかを探ることがポイントです。例えば、日頃触れている情報量や目指す理想像に違いがあれば、当然意見も変わってきます。

自分の意見を正確に伝えきれたところで対立を生む可能性があることも、視野に入れておく必要があるでしょう。双方向コミュニケーションのゴールは「両者の認識を合致させること」にあると心得て、一方的な話にならないよう注意を図る必要があるのです。

伝えたい内容をひとつに絞る

伝えたい内容はなるべくコンパクトに絞り、一度のコミュニケーションでひとつまでにするのが理想です。

なぜなら、元々立場や考え方が違うであろう相手に対して一度に大量の項目を伝えようとすると、認識のズレやミスコミュニケーションが発生する可能性があるからです。

また、絶対に伝えたいことをひとつに絞ることで、話す側の思考もクリアになり、余計な情報を排除して的確に伝えやすくなるでしょう。話す前に意識するだけで大きく変わるポイントであるため、積極的に導入することがおすすめです。

結論から話し始める

結論先出しで話し始めることで、前述した「伝えたい内容」が一目で伝わります。

PREP法を意識して、Point(結論)→Reason(理由)→Example(実例・具体例)→Point(結論)の順で話せれば、より分かりやすくなるでしょう。

伝えたいことをピンポイントで伝えられるほか、コミュニケーションにかける時間そのものを短縮化できるため、お互いにストレスのないやり取りができるようになります。

抽象的な表現は極力使用しない

抽象的な表現は、人により受け取り方が異なるため、ミスコミュニケーションの原因になりやすいです。そのため、数字や根拠など客観的かつ定量的に伝える方法を探し、イメージを共有するのがおすすめです。

これを繰り返すことは、社内での双方向コミュニケーションだけでなく社外向けのプレゼンテーション能力や交渉力向上にもつながります。

論理的で分かりやすい伝え方ができるよう、意識してみましょう。

【個人編】聞く力を上達させる2つのコツ

次に、「聞く力」のフォーカスを当て、コツを紹介します。

つい自分が伝えたいことを伝えることばかりに注力してしまいがちですが、双方向コミュニケーションは文字通り「双方向の」やり取りをすることが重要です。

相手の話をどう聞くとコミュニケーションがスムーズになるか、カギを探っていきましょう。

聞いている姿勢を見せる

基本的なことですが、まずは相手の話を聞いている姿勢を持つことがポイントです。

目線を合わせる、体を向き合わせる、時折頷きや相槌を入れる、メモを取りながら聞く…など、できることは多数あります。また、仕事の手を止めて話を聞いたり、内容によっては場所を変えて話を聞いたりすることもおすすめです。

「話を聞いてもらえている」「真剣な姿勢を見せてくれている」と思ってもらえれば、相手の心証もよくなります。ポジティブなコミュニケーションを取るために、忙しくとも相手を蔑ろにしないよう意識していきましょう。

話を遮らず最後まで聞く

途中で疑問が出てきても、話を遮らず最後まで聞くことが肝心です。

質問は後でまとめて投げかけるよう意識し、必要であれば忘れないようメモを取っていくのもよいでしょう。

また、反論だけでなく共感や賛成の気持ちも、途中で過度に入れすぎないようにすることがポイントです。

「話を遮られてしまった」「他にも言いたいことがあったのに」という印象を与えてしまうと、理想通りの双方向コミュニケーションはできません。その瞬間から自分寄りのコミュニケーションになってしまうため、特に注意しておきましょう。

【組織編】双方向コミュニケーションが生まれやすい環境を整える

せっかく個人間で双方向コミュニケーションを促進しようと試みても、いざ会社などの組織内で動こうとすると、結局決まったメンバーとのコミュニケーションしか発生しない可能性があります。

双方向コミュニケーションを促進するためには、組織としての取り組みは欠かせません。

ここからは、組織として双方向コミュニケーションを生みやすい環境づくりについて、紹介します。
環境づくりに取り組むための施策には、「オフライン施策」と「オンライン施策」があります。

オフライン施策

オフライン施策には、顔が直接見えることでより密に双方向のコミュニケーションが可能になるというメリットがある反面、情報がストックされにくいという負の側面もあります。

<同期施策の例>
・全社集会
・ワークショップ
・1on1
・部活動
・飲み会 など

オンライン施策

一方、オンライン施策は、対面でのコミュニケーションではないものの、同じ時間を共にしていなくても効果の享受ができるというメリットがあります。

<非同期施策の例>
・社内報
・日報
・ビアボーナス®︎
・社内SNS など

【組織編】活性化のポイントは「オンライン施策とオフライン施策の掛け合わせ」

双方向コミュニケーションを活性化する施策をこなう上で、オフライン施策とオンライン施策に分けることができましたが、活性化のポイントはこれらをうまく掛け合わせる打ち手を実行していくことです。

オフライン施策には「エンゲージメントへのインパクトが大きいが、時間が経つにつれて施策の効果が薄れてしまう」という特徴があります。

しかし、オンライン施策の「情報がストックされることで、いつでも誰でもアクセスできる」という特徴によってオフライン施策の効果が薄れることを抑えられるのです。

それだけでなく、オンライン施策での発信などにってオフライン施策に対する興味や期待が高まることで、オフライン施策の効果も促進されます。

このような2種類の施策の相乗効果によって、双方向コミュニケーションの活性化を促すことができるのです。

<例>
オフライン施策として部活動を実施→オンライン施策としてweb社内報で活動報告、コメント欄で盛り上がる→部活動に参加する人が増える

双方向コミュニケーションのきっかけに ourly を

ourlyは、コミュニケーションを意図的に促進させるweb社内報ツールです。

コミュニケーションの心理的ハードルが下がるリアクション・コメント機能
社内のコミュニケーションを可視化できる分析機能
web社内報をきっかけに社内コミュニケーションが活性化するアイデアを提案するサポート体制
これらの独自の強みによって、社内コミュニケーションの活性化を実現します。
URL:https://service.ourly.jp/

コミュニケーションを加速させるコメント/リアクション機能

ourly独自の「段落ごとにできるリアクション機能」によりコミュニケーションのハードルを下げて、書き手と読み手の双方向的のなコミュニケーションを実現できます。

段落ごとに「いいね」「もっと知りたい」を気軽に押せる・コメントができる
またオプションのプロフィール機能を活用すれば、人となりの理解や共通点の発見、誰が何を知っているか(know who)の可視化が促進されます。
相互理解に留まらず、業務に役立つコミュニケーションも生み出せます。

またオプションのプロフィール機能を活用すれば、人となりの理解や共通点の発見、誰が何を知っているか(know who)の可視化が促進されます。
相互理解に留まらず、業務に役立つコミュニケーションも生み出せます。

業界初の分析機能

web社内報は広く外部公開されているwebサイトと違い、ページ閲覧数(ページビュー)の多い少ないではなく、社員の何%に届いているか(閲覧率)が重要です。
ourlyはweb社内報ツールとして初めて閲覧率の概念を取り入れ、さらに「記事を開いたか」だけでなく、「どこまで読み切ったか」が分かる読了率や、記事に反応したリアクション率など多面的に社員の理解・共感度を測れます。

さらに、これらの指標は部署や役職、その他ユーザー属性別に分析できるので、どういった属性にメッセージが届いているのかを見ながら、発信するメッセージの改善ができるのが強みです。

専門コンサルティングチームによる伴走支援体制

ourly利用企業の支援を通じて蓄積した、豊富なweb社内報の活用事例・運用ノウハウをもとに専門コンサルティングチームが伴走支援。

リリース前には課題ヒアリングを通じて、定性/定量の目標設計を行い、リリース後は分析レポートを用いた定例ミーティングを毎月実施。効果検証と次の施策ディスカッションを行います。

専門コンサルティングチームのサポートにより、よりオフライン施策の効果を最大化する社内報運用が実現でき、双方向コミュニケーションの活性化が可能です。

さらに、社内報の記事作成代行や導入時の全社説明会の実施、社員へのライティング研修など、さまざまな支援策を提供しています。

双方向コミュニケーションの起爆剤は社内報

双方向コミュニケーションを徹底することは、信頼関係の構築・エンゲージメントやモチベーションの向上・業務の効率化および生産性向上に寄与します。

まずは組織全体として統一した前提を持てるよう、社内報を活用して情報共有を図るのがよいでしょう。
チームメンバー全員が同じ方向を向いていれば、業務がやりやすくなるほか、舵取りがしやすくなるメリットも生じます。

コミュニケーションに問題を抱えている場合は、他の手法と併せて検討してみることをおすすめします。