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退職を引き止める際に必要な対応とは?上司のNG行動や退職希望者の本音

どんなに離職防止の対策をしていても、想定外の退職を防ぎきることはできません。突然出される退職希望に直面し、対応を苦慮している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、

  • 退職しかねない社員の引き止め方を知りたい
  • 退職の申し出があったときの注意点を確認したい
  • 退職希望者への対応や接し方が分からず困っている

といった方々のために、不本意な退職を引き止める際に必要な対応や、避けるべきNG行動を解説します。退職の申し出をきっかけに社員の本音を把握し、企業における課題改善につなげていただけると幸いです。

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目次

退職の引き止めが難しい現実

戦力となった社員に退職されることは、痛手以外のなにものでもありません。退職の意向を伝えられた上司は、突然のことに驚きます。しかし、退職を申し出た側からすると、熟慮の上の決断であり、そう簡単に覆せるものではありません。

しかし、ときに退職の申し出は、組織改善の要望を伝える駆け引きの可能性もあります。そのような場合は適切な遺留によって、退職を思いとどまらせ、後の組織改善につながることも考えられます。

退職の意向を告げられた側の、受け止め方と対応次第では、優秀な人材を失わなくて済むかもしれません。

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退職を引き止める際に必要な3つの対応

退職を引き止める際、もっとも意識するべきことは、相手の気持ちや考えを理解しようとすることです。

退職を決断し意向を告げてくるまでには、本人のなかで相当な葛藤があったことが考えられます。熟慮の上の決断を頭ごなしに否定されると、それだけで「やはりこの会社にこれ以上いても無駄だ」という感情を呼びおこしてしまうでしょう。

どのような退職理由であれ、まず相手の話をすべて受け入れ、その上で引き止めの行動に出ることが原則です。

傾聴して相手に寄り添う

退職の意向を申し出があったときは、まず傾聴の姿勢を崩さず、相手に寄り添うことが基本姿勢です。理由が自分都合で身勝手なものであったとしても、決して議論や反論はせず、まずは相手の話を受け入れるようにしなくてはなりません。

相手が話しやすい状態を作り、なぜ退職の決断に至ったかを知ることが第一歩です。聞き手の適度な自己開示により、相手との共通点があれば本音を話しやすくなることもあるでしょう。話をする際は、周囲の目が気にならない場所を選ぶなどの配慮も必要です。

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退職希望に至った本音を探る

円満退社を望む退職希望者は、退職理由を本音で語ることはまずありません。退職理由が、会社や人間関係への不満である場合はなおのことです。多くは、「健康上の理由」や「家庭の事情」を建前の理由として告げてきます。

こうした、建前の理由に対し改善策を提案、遺留をしても効果は薄いでしょう。やはり本音を探ることができなければ、引き止めは難しいといえます。

本当の退職理由は、組織課題そのものであることも多いため、可能な限り本音を引き出す努力をしなくてはなりません。

解決策やキャリアビジョンを提示する 

退職の引き止めには、不満や不安を受け止め、一緒に解決しようという姿勢を示すことが重要です。本音が聞き出せたのであれば、ある程度の信頼関係が残っているとも考えられます。

人間関係の不満が理由なら配置転換を提案するなど、誠意をもって行動に移せば引き止められる可能性も高まるでしょう。

また、将来のキャリアビジョンを示すことも有効です。本人の希望を聴き、会社の期待を伝えることで、必要な人材であることを改めて伝えます。会社に残ることに希望を感じてもらえれば、思いとどまるかもしれません。

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退職を引き止める際に避けたい3つのNG行動

退職を申し出られた上司は、ショックから感情的になってしまうことも考えられます。しかし感情的になることで、引き止めに成功することは、まずないといっても過言ではないでしょう。引き止めの際に避けたいNG行動として、以下の3つを解説します。

  • 感情をあおる言葉
  • その場しのぎの約束
  • ほかの社員の不信感を招く言動

いずれも、信頼関係を損ね、周囲へも悪影響を及ぼすため注意が必要です。

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 感情をあおる言動

退職の意向を告げられショックや怒りから、相手にネガティブな発言を投げかけることは避けるべきです。また心配するあまり、不安をあおるような発言もしてしまいがちですが、これも避けた方が良いでしょう。

「この先苦労するよ」とか「今の実力ではどこに行っても通用しない」など、ネガティブな発言は相手を傷つけるため、引き止めを成功させる可能性を限りなくゼロに近づけてしまいます。

その場しのぎの約束

退職理由となった不満が、給与面や人間関係であった場合、改善を申し出て引き止めることもあるかもしれません。しかし、人事異動や給与の改善がその場しのぎの口約束で終わった場合、たとえ退職を思いとどまったとしても、その後の信頼関係は望めません。

また、次の人員が決まるまで待つように頼むこともNGです。会社の都合を押し付けられているように感じ、不信感を抱いてしまいます。少なくとも、自分を必要として遺留しているのではないと感じ、気持ちが冷めてしまうでしょう。

退職を遺留する際は、「本当に相手のことを思って発言しているか」を常に顧みながら話しを進めなくてはいけません。

ほかの社員の不信感を招く言動

退職を引き止める際には、さまざまな内容が話されるでしょう。そこで出た情報が、他のメンバーに漏れ伝わることは避けるべきです。決定的に信頼関係が崩壊して、引き止めの可能性をなくしてしまう恐れがあるためです。

また、待遇面の不満を解消し遺留する場合は、他の社員に不公平を感じさせてはいけません。「言ったもの勝ち」で、退職を申し出た社員のみが高待遇で会社に残るようなことがあると、ほかのメンバーは不信感を抱き、チームワークの崩壊を招きかねません。悪しき前例となるような、条件提示はしない方が賢明です。

退職を引き止められない場合の注意点

退職を申し出る社員は、相当の覚悟で意向を告げてきます。退職を思いとどまらせるのは、「まず難しい」という前提で話をすることが大切です。

そして、遺留できなかったとしても、「あなたの退職を今後の会社の改善に生かしたい」という姿勢を示すことも重要です。次の退職者が出ないよう、組織改善の糧にしなくてはなりません。

また、退職が決定しても、周囲が態度を変えないことも大切です。良いイメージのまま円満退職してもらうことで、退職後も自社にプラスの影響を与えてくれるかもしれません。

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退職を希望する社員の本音

円満退社を希望する社員は、本音の退職理由を明かすことは少ないでしょう。しかし、本音の退職理由こそが、組織改善につながる大切なヒントであることは前述したとおりです。

退職を希望する社員の本音は、大きく次の3つに分類できます。

  • 職場環境への不満
  • 待遇への不満
  • 将来への不安

社員が退職を考えるのは、これらの理由が単独、ないしは複合的に組み合わさっていると考えるべきでしょう。

社員が退職を希望する主な理由

職場環境の不満として挙げられるのが、「職場の人間関係」です。なかでも上司への不満が理由になっているケースは多いでしょう。

待遇への不満に挙げられるのが、給与や評価への不満です。仕事内容や労働時間が給与に見合っていなかったり、評価により将来の昇給に希望を見いだせなかったりする場合、生活面を考えて退職を決意することも考えられます。

また、会社の将来性や、自身のキャリアに展望がもてず、不安を感じての退職も増えているようです。転職市場が活況を呈するなか、自身のキャリアアップを目指しての転職は、若手人材にとって当たり前のことになりつつあります。

退職しかねない社員に見られる兆候

退職を考えている社員には、なんらかの兆候が見られるものです。まれに、なんの兆候もなく突然、退職の申し出に至る場合もありますが、多くは普段から注意して見ておくことで気がつけるものです。具体的な兆候を以下に挙げます。

  • 勤務態度の変化(遅刻・早退が増える)
  • 身だしなみの変化(急に整った身だしなみ)
  • よそよそしい態度(挨拶をしない、付き合いが悪くなる)
  • デスクの整理を始める(退職に向けての最終段階)

こうした兆候が感じられたら、できるだけ早い段階で話をしてみることです。

退職を引き止めるために日頃から意識すること

企業として社員の退職を防ぐためには、普段から社員に不満や不安を感じさせないことが大切です。そのためには、社員に魅力を感じてもらえるような組織風土の形成をしなくてはなりません。

風通しの良い組織風土のためには、社内コミュニケーションを活性化させる必要があります。また、不満を感じさせない人事制度を構築することも、有効な施策となるでしょう。日常的な企業としての取り組みで、エンゲージメントを高めることが必要なのです。

社内コミュニケーションの活性化

社内コミュニケーションの活性化は、社員の退職を防ぐもっとも基本的な取り組みといえます。部署内のコミュニケーションだけにとどまらず、組織を横断したプロジェクトを立ち上げるなどして、積極的に組織内のコミュニケーションを推進している企業もあります。

また、人間関係の不満を解消するのもコミュニケーションの力です。上司と部下の良好な関係を構築するために、1on1ミーティングの実施も有効です。仕事上の悩みや、キャリア相談の窓口設置なども、良い取り組みといえるでしょう。

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評価制度の定期的な見直し

自身の仕事が正しく評価されていないと感じることも、退職を考える大きな理由になります。評価制度に問題がある場合は、こうした社員が増えてしまいます。

評価制度は可能な限り、客観性と透明性が確保されていなければなりません。評価者である上

司の好き嫌いといった主観が入りやすい制度は、社員の不満の種となります。

社員一人ひとりの、能力や貢献度が公平・公正に評価でき、適切に処遇に反映できる人事制度が理想です。定期的に見直しを図り、問題があれば改善し続けなくてはなりません。

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退職を引き止められなくても企業改善に生かそう

退職の申し出を遺留することは、簡単ではありません。引き止められなかったとしても、本音の退職理由を正しく把握し、組織改善に生かしていくことで、次の退職者を出さないようにしていかなくてはなりません。

社員の退職を防ぐ根本的な取り組みは、社内コミュニケーションの活性化にあることに触れました。コミュニケーション活性化の施策として、Web社内報の導入という選択肢もあります。ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

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