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【開催レポート】創業100周年のアネスト岩田が挑む「脱・受け身」の組織変革。主体性と称賛を育む文化づくり

ourly中曽根

中曽根有樹

公開日:

2026.04.16

更新日:

2026.04.16

創業100周年のアネスト岩田が挑む「脱・受け身」の組織変革。主体性と称賛を育む実践知

2026年に創業100周年を迎える国内ニッチトップメーカー、アネスト岩田株式会社。

BtoBの産業機械メーカーとして確固たる地位を築いてきた同社ですが、その歴史の長さゆえの「安定」が、いつしか「受け身の姿勢」という組織課題を生んでいました。

100周年を機に、いかにして「主体性と称賛の文化」を根付かせようとしているのか。

ourlyの導入から1年足らずで、社員の約95%が登録し、自発的な投稿が相次ぐようになった舞台裏を、経営企画部 IR広報グループの中野さんに語っていただきました。

目次

なぜクライアントイベントを実施するのか

冒頭、本イベント開催の目的を共有いたしました。

ourly中曽根

組織文化を創るということに正解はないと思っています。組織フェーズや事業規模によって運用方針は大きく変わりますが、その中でも「生きた悩み」や「試行錯誤」を企業の枠を超えて分かち合う、そんな場所を皆様に提供したいと考えています。本日はアネスト岩田さまの挑戦を通じ、皆様の熱量こそが組織を動かす最大の原動力になることを再確認していただければ幸いです。

単なるノウハウ共有にとどまらず、イベントで感じた刺激や熱量を組織へ持ち帰ってほしい。そのような思いがクライアントイベントには込められています。

100年企業の「安定」が招いた、3つの組織課題

アネスト岩田が直面していた課題は、大きく分けて3つありました。

アネスト岩田で起きている課題

部署間のコミュニケーション不足

拠点が全国に分散しており、業務が縦割り(サイロ化)の状態。他部署の動きが見えず、ナレッジの共有や新しいイノベーションが起きにくい環境でした。

主体性の低下

100年続く安定した基盤があるがゆえに、「今のままでいい」という受け身の姿勢が目立つようになっていました。

理念を可視化の手段の欠如

従来の社内報は「半年に1回の紙媒体」であり、速報性がなく一方通行。100周年に向けて再構築している新しい理念を、社員に腹落ちさせるための仕組みがありませんでした。

中野さん

理念を再構築して終わりではなく、いかに可視化し、社員が理念に基づいて行動する状態を作るか。そのためには、双方向で鮮度の高い情報をやり取りできる場が必要でした

浸透を加速させた「4段階のフェーズ」

導入にあたり設計したのは「見える化・自分ゴト化・行動化・文化化」という4段階の浸透計画です。

見える化

まずは徹底的にourlyの存在を知ってもらうフェーズ。導入直後には、社員一人ひとりにチラシを配り、ポスターを掲示するなど、アナログな草の根活動で物理的な盛り上がりを演出しました。

自分ゴト化

ourlyの情報を見ることで、自分の仕事の成果や事業理解に繋がると感じてもらうステップ。現在はこのフェーズに注力しており、製品や技術にフォーカスした連載を強化しています。

行動化

浸透していった結果、自ら行動し発信する人が増える状態にする。

文化化

記事を書いた人や「いいね・コメント」をした人が称賛される良い循環(文化)を生み出すことを目指しています。

ourly浸透施策

また、単なる「広報の施策」で終わらせないための工夫もありました。

ourlyを「100周年事業(インターナルブランディング)」の重要な実行手段として位置づけ、経営層から「経営戦略の遂行に資する体質への変容に不可欠なツール」としてのお墨付きを得ることで、強力な推進力を生み出したのです。

「遊び心」のある記事で、心理的ハードルを下げる

イベントでは、実際に大きな反響を呼んだ具体的な記事事例も紹介されました。

1.心理的安全性を築く「デカ風呂回遊記」

ourly投稿記事紹介_デカ風呂回遊記

まず取り組んだのは、投稿のハードルを下げることでした。温泉とサウナを愛する社員による連載「デカ風呂回遊記」など、あえてカジュアルでポップな記事を発信しました。

「こんなテンションで発信してもいいんだ」という空気を作ったことで、サバゲー部や謎解き部など、他の部活動の自発的な発信が相次ぐようになりました。

2.100周年事業との連動「百WAKU祭」

ourly投稿記事紹介_百WAKU祭

100周年を盛り上げるアイデアを全社員から募集するコンペ企画。

ourlyを通じて選考過程をリアルタイムに発信した結果、予想を大きく上回る186組もの応募が集まり、社内の熱量を可視化することに成功しました。

3.業務に役立つ「知的財産と技術の歩み」

ourly投稿記事紹介_知的財産と技術の歩み

「見える化」がある程度完了した段階でスタートした、製品・技術にフォーカスした連載。

創業当時の「1号特許」を解読して紹介する記事など、業務との連動性を高めたことで、今まで記事へのリアクションがなかった層からも「素晴らしい」とコメントをいただいたりと多くの反響がありました。

ourly導入後の組織の変化

運用開始から約半年後のアンケートでは、目に見える変化が現れました。

情報の鮮度と量への評価

「新鮮な情報が届くようになった」という項目で平均3.9点(5点満点)の高スコアを獲得しました。

実際の社内報アンケートの声1

ネガティブ層の取り込み

かつては社内報に「社内報に関心がなかった」という社員からも「180度見方が変わった」「全員参加ができる場として機能している」というコメントが寄せられました。

実際の社内報アンケートの声2

実用的なコミュニケーションの発生

プロフィールの登録率が95%に達し、タグ検索機能を用いて業務を依頼するといった事例も生まれました。

中野さん

タグ検索機能を使い、フォークリフトの免許保持者を社内で見つけて業務を依頼するといった、具体的なコミュニケーションの活性化も起き始めています

ourly×プロフィール機能を連携させるメリット

当日寄せられたご質問と回答

セッションの後半では、参加者からの切実な質問に対し、中野氏が実体験に基づいたアドバイスを送りました。

Q.工場、特にライン作業の方をどう巻き込んでいますか?

中野さん

「ourlyを業務時間内に読むのが後ろめたい」という声がありました。これを解消するために、上司から「ourlyを読むことも業務の一環です」と伝えてもらうよう働きかけています。朝礼の5分間を閲覧時間にするなど、習慣化のサポートが重要です。

Q.消極的な社員に参加を促す方法は?

中野さん

いきなり真面目な投稿を求めるのではなく、先述の「デカ風呂回遊記」のように敷居を下げる投稿を先行させました。また、「百WAKU祭」のような参加型イベントと紐づけることで、自然とツールに触れる機会を増やしています。

Q.堅苦しい記事を最後まで読んでもらうには?

中野さん

なるべく噛み砕いて書くことを心がけています。重要記事は、ポスター掲示などourly以外のチャネルも併用して周知を徹底しています。

Q.記事を書いたことがない社員へのアプローチは?

中野さん

最初はハードルが高いので、私たちがインタビュー形式で記事を作成したり、まずは「いいね」やコメントから始めてもらうよう促しています。

Q.理念・事業系の記事作成に苦戦しています。成功例はありますか?

中野さん

事務局だけで作ろうとせず、キーマンとなる方に協力いただくことが重要です。完成した理念を出すだけでなく、再構築の「過程」をourlyで見せることを大事にしてきました。

Q.編集者権限を全社員に付与した際の風土形成は?

中野さん

「こんな記事でいいんだ」とハードルを下げることに加え、広報自身が社内活動の当事者になり、「ぜひourlyで書いてみてよ」と直接声をかけることも有効です。

Q.記事が固定メンバーに偏る場合の対策は?

中野さん

アネスト岩田では現在、広報関連とそれ以外の記事が五分五分です。百ワク祭のような企画や、自発的なチームの動き(社歌作りなど)を拾い上げることが活性化につながります。

参加者アンケートより

約68名のクライアントさまに参加していただき、イベント後のアンケートでは、満足度100%(大変満足63.6%、やや満足36.4%)という高い評価もいただきました。

A社

当社と同じ導入から1年くらいの企業様の事例を聞くことで、自社の社内報運用に足りない視点や社内への働きかけ等に気づくことができた

B社

「ourlyの閲覧は業務の一貫である」というメッセージ、早めに発信していきたいと感じた

C社

当社の営業所が各地にある点と状況が酷似しており、リアクション向上に向けて参考になった。カジュアル記事へのハードルを感じていたが、ぜひ進めたいと思った

ourlyは「組織課題の解決を共に目指すパートナー」でありたい

アネスト岩田さまの事例は、100年という伝統ある組織において、web社内報を単なるツールとしてではなく、経営戦略と紐づけた「文化変革のエンジン」として活用されています。

チラシ配りといった泥臭い草の根活動から、遊び心溢れるコンテンツ発信、そして事業理解への接続まで、段階を踏んだ丁寧な運用が組織を確実に動かしています。

ourlyは単なるシステムの提供にとどまらず、こうした各社独自の「生きた知見」をつなぎ、組織課題という正解のない問いに共に挑むパートナーでありたいと考えています。

次回のイベントでも、皆様と共に組織開発の未来を語り合えることを楽しみにしています。

(右から)アネスト岩田山中さん、中野さん、ourly中曽根さん