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ビジュアルアイデンティティ(VI)とは?事例や効果的な作り方を解説

ビジュアルアイデンティティ(VI)とは、ブランドの理念や特性を視覚的なデザインで表現し、一貫性を持たせて展開することを指します。例えば

  • スターバックス
  • Facebook
  • ヤマト運輸

これらの社名を聞くだけで、見覚えのあるロゴマークや商品・広告がイメージできる方は多いのではないでしょうか。

ビジュアルアイデンティティ(VI)が企業戦略に及ぼす影響は大きく、ブランディングやマーケティングなどあらゆる活動で効果を発揮します。本記事ではビジュアルアイデンティティ(VI)の作り方や企業事例を解説するので、参考にしていただければ幸いです。

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目次

ビジュアルアイデンティティ(VI)とは

ビジュアルアイデンティティとは、企業のブランドイメージや世界観を表す、ロゴやシンボルマーク、ブランドカラーやフォントなどのデザイン要素全般を指します。英語の頭文字をとって「VI(Visual Identity)」とも呼ばれます。

また、ビジュアルアイデンティティをルールとしてまとめた本・PDFを「VIマニュアル」、ルール規定そのものを「VIシステム」と呼ぶことも一般的です。

ビジュアルアイデンティティの目的は、企業理念やビジョン、提供する商品の価値を視覚的に伝えることです。

ビジュアルアイデンティティが浸透することで、その企業のコンセプトや存在意義を、消費者をはじめとした社会全般に認知させることにつながります。

ビジュアルアイデンティティ(VI)とコーポレートアイデンティティ(CI)の関係性

ビジュアルアイデンティティとよく似た用語(CI、MI、BI)との違いを整理しておきます。

コーポレートアイデンティティ(CI)とは、「企業の特性を、統一されたビジュアルやメッセージで発信し、認知度と企業価値を高めること」を指します。

つまり、ビジュアルアイデンティティ(VI)や、理念やMVVを意味するマインドアイデンティティ(MI)は、コーポレートアイデンティティ(CI)の構成要素であり、それぞれ視覚的要素と言語的要素(理念)を担うものです。

また、ブランドアイデンティティ(BI)は、自社そのもの、および提供するサービスや商品が「顧客にどう思われたいか」を明確にすること。すなわちブランディングの根幹を指す概念のことです。

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ビジュアルアイデンティティ(VI)の効果

ビジュアルアイデンティティは、企業価値の向上にさまざまな効果をもたらします。具体的には以下の4つが挙げられます。

  • ブランド力が向上する
  • 企業理念や商品コンセプトが可視化され認知が広まる
  • 印象の統一により消費者との信頼関係が構築される
  • 所属意識が高まり社内が活性化する

視覚に訴えることにより、企業理念や商品価値が統一したイメージとして消費者に認知されます。そのことは、企業のブランド力を高めることにつながり、社内外のステークホルダーに良い影響を及ぼすものです。

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ブランド力が向上する

ブランディングにおいて視覚に訴える要素は重要な意味をもちます。人間が情報を得る際には、視覚情報が全体の70%を占めるといわれるほどです。そのため、統一したカラーイメージやデザインで企業イメージを訴求することは、ブランディングにおいて欠かせない要素となっているのです。

ロゴやシンボルマークを一目見ただけで、その企業が連想され、製品やサービスが多くの消費者の頭に思い浮かぶのであれば、認知度の向上は成功しています。ブランド力が向上し、ステークホルダーからの信頼も得られるでしょう。

企業理念や商品コンセプトが可視化され認知が広まる

ビジュアルアイデンティティには、企業理念やコンセプトを可視化させる働きがあります。統一したデザインでブランドの世界観を訴求できれば、デザインを見ただけで消費者に、「あの企業のものだ」と気がついてもらえるでしょう。

ビジュアルアイデンティティが確立することで、世間に広く企業イメージが定着します。消費者からの認知が速まり、ブランドと消費者のコミュニケーションも深まるでしょう。

印象の統一により消費者との信頼関係が構築される

ビジュアルアイデンティティにより、企業イメージが定着することは、消費者に安心感をもたらします。デザイン要素が統一されることで、製品のイメージも統一されるためです。

そのイメージが自分の趣味に合致したものであれば、そのブランドの製品はどれも自分の趣味にあったものとして認識され、安心して購入できるようになるでしょう。製品デザインに一貫性がもたらされることで、消費者が自社の商品を選びやすくなる効果も期待できます。

所属意識が高まり社内が活性化する

ビジュアルアイデンティティは、社内の活性化にも有効な施策となります。社章や制服など同じシンボルやデザインを共有することで、従業員に一体感が生まれ、帰属意識を高める効果が期待できます。

企業理念が込められたロゴやシンボルを見るたびに、多くの従業員が自社の理念を再確認する機会にもなるでしょう。ビジュアルアイデンティティが影響を及ぼすのは、対外的なイメージだけにはとどまらないのです。

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ビジュアルアイデンティティ(VI)を構築した企業事例

ここでは、ビジュアルアイデンティティを構築した、3社の企業事例を紹介します。

  • マツダ
  • Facebook
  • スターバックス

これら3社は自動車メーカー、IT企業、外食産業と、業種・業界はさまざまです。どの企業も、視覚的に世界観を打ち出すことにより、自社の取り組みや存在を広く世に知らしめることに成功している事例です。

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マツダ

自動車メーカーのマツダは、ブランドの個性や存在感を消費者に強く訴求することを目的に、ビジュアルアイデンティティの導入に取り組みました。

グローバルVIと題された取り組みは、視覚表現の工夫や独自のフォントの導入、ブランドシンボルを際立たせる施策により、全世界に一貫したイメージを発信しています。

ブランドシンボルやメッセージは変更することなく、視覚的要素を加えることで、ブランドの方向性を示す取り組みとして機能しています。

Facebook

新たなコミュニケーションインフラとなったFacebookは、その成長過程でさまざまな新サービスや社内ツールが派生していきました。そのたびに新たなアイコンやロゴデザインが生み出され、同社のビジュアルアイデンティティは混沌としたものになっていきます。

こうした断片化されたビジュアルイメージの統一化を図るために、デザインされたのが現在の「f」マークです。新たなワードマークは、シンプルで力強くデザイン的にも洗練されており、Facebookのイメージを統一するパワフルなデザインとして機能しています。

スターバックス

スターバックスは、シンボルマークでブランドイメージを定着させることに成功した事例です。同社のシンボルマークは、ギリシャ神話に登場する2つの尾をもった人魚「セイレン」をモチーフにしています。きれいな歌声で人々を魅了した「セイレン」と、1杯のコーヒーで人々を魅了したいという思いを重ねたロゴマークです。
現在では、スターバックスの文字が目に入らなくても、街中で「緑色の人魚」を見ただけで、「あそこにスターバックスがある」と認知されるようになっています。

ビジュアルアイデンティティ(VI)の効果的な作り方

ここでは、ビジュアルアイデンティティの効果的な作り方について見ていきます。主な手順は次に挙げる4ステップです。

  • 企業理念や商品コンセプトの整理
  • 基本となるデザインの制作
  • デザイン適用のルールづくり
  • あらゆるシーンに活用

この4ステップのなかで、もっとも大切なのは、コンセプトの整理です。打ち出したいコンセプトを明確にすることが、消費者への伝わりやすさを左右するでしょう。

企業理念や商品コンセプトの整理

経営陣や幹部からヒアリングをおこない、打ち出したい企業理念やコンセプトを定めていくプロセスです。その際は、自社の企業イメージやブランドのキャラクターといったパーソナリティも考慮していきます。

自社のパーソナリティが世の中に浸透している場合、消費者は自身のパーソナリティと重ね合わせることで、その企業の製品を購入したり、サービスを利用したりするものです。

自社のパーソナリティと、打ち出すコンセプトの統一感をビジュアルアイデンティティに反映させることで、より消費者に伝わりやすくなるでしょう。

基本となるデザインの制作

基本となるデザインを制作するにあたって、もっとも意識しなくてはならないのが第一印象です。デザインは良くも悪くも、ブランドの第一印象を左右するためです。そしてその第一印象は、簡単に拭えるものではなく、後々までの購買行動に深く影響を及ぼすでしょう。

まず、ベーシックデザインが自社のパーソナリティに合致しているかを検証します。その後、それに沿った形で、カラーやビジュアルイメージ、フォントデザインを考察していきます。原案ができた段階で、自社の考えるイメージが伝わるかも検証する必要があるでしょう。

デザイン適用のルールづくり

基本となるデザインをもとに、カラーやイメージ、フォント、ロゴデザインなど一連のビジュアルが定まったら次に取り扱いのルールを定めます。ブランドデザインの一貫性・統一性を守るためのルールで、デザインを適用する制作物の範囲や取り扱いの権限を決めることです。

例えばロゴデザインをとってみても、社内のあらゆる部署が自由に使用すると、デザインの微細な改変が生じ、当初のデザインは崩れていくものです。取り扱いのルールを定めることで、デザインが散逸することを防がなくてはなりません。

あらゆるシーンに活用

デザイン適用のルールが決まれば、各種広告媒体などに活用していきます。しかしこの時点で各媒体に反映した際に、ベーシックデザインの印象が変わることもあります。

そこで必要となるのが、アプリケーションデザインです。デザイン要素を「Webページ用」、「広告パンフレット用」、「店頭POP用」というように、組み直す作業をおこないます。
媒体に応じて印象が変わらないように、デザイン適用ルールのもと微調整をすることで、消費者に一貫したビジュアルイメージを提供できるのです。

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ビジュアルアイデンティティは、企業理念や提供する製品・サービスの特性を、ビジュアルイメージで消費者に浸透させる戦略であるといえます。ビジュアルイメージが消費者に一貫した印象を与え、親近感を覚えてもらえます。

社内向けの刊行物についても同様です。社内報などの従業員向けの情報発信においても、ビジュアルアイデンティティを意識することで、帰属意識を高める効果が期待できるでしょう。

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この記事を書いた人

ourly株式会社組織開発チーム所属。前職はourlyの親会社ビットエーでSEとしてデータエンジニアリングに従事。エンジニアチームのマネジメントや社内イベント企画運営の経験から組織開発に興味を持ちourlyへ。
副業としてコーチングやインタビューライティングを行う。
趣味はスノーボードとスキューバダイビング。

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