インナーブランディングとは?効果や進める手順・施策・成功事例・ポイントを解説

ourly トップバナー

企業価値・収益の最大化のため、ブランディングに力を入れている企業が増えていますが、ブランディングには2種類あるのを知っていますか?

その中でも、近年注目を集めているのが、企業が従業員に対してブランディング活動をする「インナーブランディング」です。

この記事ではインナーブランディングとは何か、アウターブランディングとの違い、インナーブランディングのメリットを解説します。

また、インナーブランディング導入のハードルや気をつけるべきポイント、導入手順や具体例についても詳しく紹介します。

目次

インナーブランディングとは

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 965578_l-1024x683.jpg

インナーブランディング(inner branding)は、インターナルブランディングとも呼ばれ、企業が従業員に対して行うブランディング活動のことです。

具体的には、企業理念・ビジョンやブランド価値を浸透させることで、企業の内側からブランド力を高めていきます。

一方で、消費者・株主や採用候補者などに向けて行うブランディングのことを「アウターブランディング」と呼びます。

一般的に「ブランディング」といえば、「アウターブランディング」をイメージする人が多いでしょう。

インナーブランディングはアウターブランディングに比べて収益に直結しづらいため、軽視されがちです。

しかし、インナーブランディングとアウターブランディングは、両方行うことで、大きな効果を発揮するのです。

どちらか一方が欠けてしまうと、社外へのイメージと社内の意識に差が出てしまい、企業ブランドに一貫性がなくなってしまいます。

インナーブランディングが注目される背景

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 3432480_m-1024x768.jpg

一体、なぜインナーブランディングが注目されているのでしょうか。理由は主に2つ挙げられます。

  • 従業員エンゲージメントに影響を与える
  • 重要度の高い企業課題を解決できる

従業員エンゲージメントに影響を与える

インナーブランディングは、近年重要視されている「従業員エンゲージメント」に影響を与えます。「従業員エンゲージメント」とは、従業員の企業への信頼や、貢献意欲を指す言葉です。

労働人口の減少、働き方改革や新型コロナウイルスの影響の中、どの企業も限られた人員でいかに最大の成果を出すのかという問題に頭を抱えています。

最新の研究によると、エンゲージメントの向上は、営業利益率や労働生産性の向上にも関わることが分かりました。

こうした理由から、エンゲージメント向上の手段の1つとして、インナーブランディングが注目されているのです。以下が、従業員満足度と従業員エンゲージメント(労働生産性・営業利益率)の相関を表す研究結果です。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: スクリーンショット-2020-07-21-9.28.44-1024x599.png
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: スクリーンショット-2020-07-21-9.28.17-1024x623.png

(引用:株式会社リンクアンドモチベーション,「エンゲージメントと企業業績」に関する研究結果を公開,<https://www.lmi.ne.jp/about/me/finding/detail.php?id=14>,2018年9月18日発表)

エンゲージメントや労働生産性について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:労働生産性とは?種類・国別比較・向上の方法を解説関連記事:従業員エンゲージメントを高める方法は?効果・導入ポイント・課題・事例

難易度の高い企業の問題を解決できる

インナーブランディングを進めることで解決できる企業の問題があります。例えば以下のような問題です。

  • 会社に対する従業員の不満発生・蓄積
  • 離職により生産性の低下
  • 仕事に真剣に取り組む従業員の減少

こうした、一般的な施策では解決することの難しい問題を、インナーブランディングという手法を通すことで解決することができます。具体的なメリットは次の章で解説します。

インナーブランディングの目的・メリット

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 357560_l-1024x683.jpg

インナーブランディングの目的は、サービスや経営理念を含めた企業としての価値を従業員に知ってもらい、共感してもらうことです。

目的の達成に向けインナーブランディングを進めることにより、以下のメリットを得られます。

  • 従業員エンゲージメントの向上
  • 企業方針と従業員の行動に一貫性を生む
  • アウターブランディングへの相乗効果を生む

それぞれについて詳しく紹介します。

(1) 従業員エンゲージメントの向上

1つ目のメリットは、従業員エンゲージメントの向上です。

従業員エンゲージメントが向上することにより、従業員のモチベーション向上や離職率の低下に繋がり、安定した人材の確保や長期的な育成が可能となります。

近年、多くの企業が離職率の高さに悩んでいます。離職率についての詳細はこちらの記事に書いていますので、是非ご覧ください。

関連記事:離職率とは?計算方法や日本の平均値・離職の原因・改善策・新卒対策

(2) 企業方針と従業員の行動に一貫性を生む

インナーブランディングは主に、経営理念・ビジョンの浸透施策を通して行っていきます。そのため、インナーブランディングを進めることは、経営理念・ビジョンに沿った行動を従業員に促すことにつながります。

具体的には、自発的に動く従業員が増えたり、意思決定が素早く行われるようになるでしょう。

また、経営理念・ビジョンと関連して、行動指針が浸透することにより、マネジメントに割かれる時間が減るため、マネジメント層は自分の仕事に集中することができます。

(3) アウターブランディングへの相乗効果を生む

アウターブランディングへの相乗効果も、インナーブランディングを行うメリットの1つです。

従業員の自社ブランドへの理解や好意は、自社の経営理念やビジョンに沿った行動・発信を促します。

好意的な行動・発信であれば、それを見た人が自社に興味を持ってくれる可能性もあがり、結果的にアウターブランディングができるのです。

さらに、そのブランドに魅力を感じたり、企業理念に共感した志願者が増え、採用活動にもいい影響を与えるという効果も見込めます。

実際に最近では、twitterで個人のアカウントで自社のことを好意的に発信する人が増えています。

TOMORROWGATEという企業がいい例でしょう。

社長を含めた9割ほどの社員が、自主的に自社のことを発信しています。

難波駅の広告枠をジャックして社員総選挙をするような斬新さ、社員それぞれの発信内容のユニークさ、一貫性からtomorrowgateのファンになっている人は非常に多いです。

また元zozoの田端信太郎さんがジョインするなど、アウターブランディングへの影響も測りしれないほどになっています。

TOMORROWGATE 社長 西崎さんのtweetはこちら。

インナーブランディングで効果が出るまでの手順

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 1674072_m-1024x768.jpg

インナーブランディングのメリットは分かったけれど、どのように進めたら良いのか分からない!という方のために、インナーブランディングの手順は以下の5つに分けられます。

  • 手順1:現状把握・課題抽出
  • 手順2:インナーブランディングの全体設計
  • 手順3:企業理念・ビジョンの検討・策定
  • 手順4:施策の実行
  • 手順5:定期的な効果測定

それぞれの手順について、詳しく解説します。

(1) 現状把握・課題抽出

インナーブランディングを導入する際、まずは自社の現状把握を行うことが重要です。

具体的には、現時点の企業理念やビジョンについて従業員にどれほど浸透しているのか、従業員一人一人がどのように考え、どれほど意識しているかを社員ヒアリングやアンケートなどで調べましょう。

また、自社の労働環境や社内活動から見える課題も抽出しましょう。

職種×職層でリサーチ結果を解析することで、より詳しく現状把握が出来ます。

現状把握を怠ってしまうと、この後の施策の方針が現状とかけ離れた絵空事になってしまいかねません。自社の現状を分析、評価することで初めて、インナーブランディングに向けた施策を決めていくことができます。

(2) インナーブランディングの全体設計

現状把握・課題抽出のあとは、インナーブランディングの全体設計をします。

自社の現状と課題を念頭に、インナーブランディングの最終目標や期限、ビジョン浸透のプロセス、行う施策、施策の優先順位を決めましょう。

何事もそうですが、活動の全体像が見えていなければ、行き当たりばったりになります。

設計図がなければ、ビルは建ちませんし、地図がなければ、目的地に着きませんよね。

全体設計はインナーブランディング活動の成功を左右する重要なステップです。しっかりと取り組みましょう。

(3) 企業理念・ビジョンの検討・策定

インナーブランディングの全体設計が終われば、企業理念・ビジョンの検討・策定をしましょう。インナーブランディング活動の核となるステップです。

まず、自社ブランドの核となる価値観や思想、自社の強み、顧客に提供する価値は何なのか、改めて確認しましょう。

それをもとに、現状の企業理念・ビジョンがそのままでいいのか検討をします。

企業理念・ビジョンがまだ存在しない企業は策定しましょう。

インナーブランディングを行う上で、浸透させたい企業理念やビジョンが曖昧では、どんなに良い施策を実行しようとも、効果はありません。

この後の施策を成功させるためにも、必ず浸透させたい企業理念やビジョンを明確にしておきましょう。

(4) 施策の実行

次は施策を実行しましょう。

施策は具体的に、社内報、クレドカード、社内イベント、ワークショップなどさまざまなものがありますが、何をするにしてもPDCAを回すことがポイントです。

以下で施策を4つに分類し、解説していきます。

社内報・社内SNS・社内イントラネット

社内報など社内向け情報共有ツールを用いて、企業理念・ビジョンを定期的に伝えることが有効です。

特に社内報は、社内の情報を共有したり、他部門への理解を深めたりすることで、社内のコミュニケーションを促進させるというメリットもあります。

他にもコンテンツを工夫することで、インナーブランディングを推し進めることができます。

【比較表あり】Web社内報ツール・サービス比較おすすめ10選|選定ポイント

ourly

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%88-2021-11-26-19.41.06-800x441.png

ourlyは、株式会社ビットエーが提供する、全く新しい組織改善に特化したweb社内報サービス。誰でも手軽に投稿・閲覧できることはもちろん、豊富な分析機能により組織改善の加速化が実現できます。組織課題の可視化ツールとしても活用可能です。

ourlyの特徴

  • web知識不要で、誰でも簡単に投稿可能
  • メッセージ浸透度の可視化と従業員エンゲージメント分析の実現
  • 運用を楽にする多様なツールの搭載
  • 他社(ourlyユーザー)と組織状況比較の実現
  • 企業横断分析機能など、他社にはない豊富な分析機能

(※)ourlyの詳細・活用事例はこちらよりご覧ください。

ourly「アワリー」でのインナーブランディング活用事例はこちら

クレドカード(ポスター)

クレドカードを作成し、従業員に常に携帯させることで、企業理念・ビジョンの浸透を狙っている企業が増えています。

そもそもクレドとは、従業員全体が心がけるべき信条や行動指針のことです。一般的に経営理念やビジョンと関連した文言で作られるため、インナーブランディングを進める上で、効果的だと言えます。

クレド・ポスターでも、企業理念やビジョンを常に視覚化することで、従業員に意識づけすることが出来ます。自社に愛着を持ってもらえるように、有名なデザイナーや漫画家にポスター依頼を企業もあるようです。

クレドやポスターを強調しすぎると、うっとおしく感じたり、不快感を感じたりする従業員も少なからず出てきて、逆効果になる恐れもありますので、ご注意ください。

関連記事:クレドとは?経営理念との違い・作成手順と導入方法・J&Jなど活用企業の事例

社内イベント

従業員は社内イベントを通じて、もちろんモチベーションを向上させることができますし、自社ブランドや文化を理解することにもつながります。

例えば、社内イベントの中で経営層から、思いや考えを従業員に伝えてもらうことにより、従業員のモチベーション向上、企業の価値観の理解といった効果を得られるでしょう。

社内イベントを通し、従業員は自社ブランドをより身近に感じることができ、コミュニケーションも活性化するため、全社的なインナーブランディングが進みます。

社内イベント企画ネタ80選|簡単・コロナ禍・オンラインなど目的別に解説【2021年版】

ワークショップ・研修

ワークショップ・研修は、企業理念やビジョンを直接伝える/インプットしてもらう手段として、インナーブランディングの推進にとても有効です。

自社が抱える課題や事業の重要性を伝える場としても最適でしょう。

特にワークショップは、双方的でコミュニケーションできることが最大のメリットです。

経営者や上司ではなく、同僚などと語り合うことで、企業ブランドや理念について共通認識を持つことができます。

無理な押し付けになりにくいので、自然な形で企業理念・ビジョンを浸透させることができるというのが、ワークショップや研修のメリットと言えるでしょう。

社内研修とは?社内教育との違い・実施メリットと設計手順・効果を高めるポイントや他社事例

(5) 定期的な効果測定

定期的にインナーブランディングの効果測定を行い、PDCAを回しましょう。

インナーブランディングは、短期間で成果が出るものではありません。

実施施策の効果を測ったり、課題点を見つけ出すためにも、実施後にインタビューやアンケートなどを定期的に行い、改善していきましょう。

調査手法として定量的調査の従業員アンケートが一般的です。客観的な視点での設問や分析が有効であるため、社外に依頼するケースも多く見られます。

定性的調査としては、グループインタビューが挙げられます。複数人のグループを作り、特定のテーマについて議論してもらうことで、幅広い話題と深い意見を引き出すことができます。

インナーブランディングの成功事例5選

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 28073_l-1024x683.jpg

実際にインナーブランディングを導入して、成功した事例を紹介します。

(1) スターバックスコーヒー

インナーブランディングの事例として、「スターバックスコーヒー」はとてもいい例です。

スターバックスコーヒーに行った時、頼んだドリンクにイラストを書いてもらったり、とても居心地がいいなあと思ったりしたことはありませんか?

その秘密はインナーブランディングに隠されています。

スターバックスコーヒーは「接客レベルの高さ」が有名ですが、実は接客マニュアルは存在せず、全てのパートナー(従業員)が自発的に行なっているものです。

なぜ、自発的な行動が出来るのでしょうか。

それは、スターバックスコーヒーの理念・行動規範がパートナーに浸透しているからです。

マニュアルは存在しませんが、研修や人事考課の中で理念や行動規範について細かく触れる機会があります。その結果、パートナーが理念・行動規範を理解しており、各々が「顧客に感動体験を与える」ためにどうすればいいのか、と考えながら働くことができます。

その結果、広告を打たずとも、スターバックスコーヒーの接客や環境がブランドとなり、大人気のカフェとなっているのです。

(2) ディズニーランド

ディズニーランドといえば、「夢の国」。

このブランドイメージは、もはや日本中に浸透していると言えるでしょう。

なぜなら、「パークを訪れる全ての人が、現実を忘れ、幸せな時間を過ごせるためには

キャストはどんな努力でも惜しんではいけない」というウォルト・ディズニーの理念がキャスト(従業員)に浸透しているからです。

そのため、キャスト全員がゲスト(お客様)に夢の国の魔法をかけるという役割を果たすことができ、ゲストに感動体験を提供し、国内テーマパーク来場数1位の座を守り続けています。

ディズニーもまた、インナーブランディングを行なっている、とてもいい例と言えます。

(3) リッツ・カールトン

顧客満足度が高いホテルとして知られる「リッツ・カールトン」。

実際に、CSに関する調査では、2006年から10年連続で第1位を獲得しています。

この結果もインナーブランディングが成功しているからと言えるでしょう。

リッツカールトンは、お客様の要望に応える心のこもったサービスを提供することを理念に設立されました。

このサービスに対する考え方は「クレド」、「サービスの3ステップ」、「モットー」、「サービスバリューズ」、「従業員への約束」からなるゴールド・スタンダードに集約されています。

世界中の従業員が常にゴールド・スタンダードが書かれた「クレド・カード」を携帯しているため、その価値観が全従業員に浸透しており、顧客の期待を超える感動のサービスを提供し続けているのです。

また、リッツカールトンには、次のような感動エピソードがいくつもあります。

1.「大切な書類をホテルに忘れたお客様がいた。彼はすでに新幹線に乗ってしまっていたが、従業員が新幹線に乗って彼を追いかけ、東京駅で忘れ物を渡すことができた。」

2.「若い男性が、従業員に椅子を貸して欲しいと懇願した。
理由を聞くと、浜辺でプロポーズをするのだと言う。
それを聞いた従業員は急いで、浜辺にテーブルと椅子、そして上等なシャンパンを用意した。さらに跪くことが出来るようにテーブルのそばにハンカチも用意した。」

このような満足を超える感動を顧客に与え続けることができるのは、リッツカールトンの価値観が従業員に浸透しているためです。

(4) Zappos

米国の企業「Zappos」は靴のネット通販会社です。
一昔前、不可能だと言われていた靴のネット通販を成功させ、Amazonが800億円で買収したことで有名になりました。

今では「全米のビジネスマンで知らない人はいない」と言われているほどです。

さらに、Zappos社はカスタマーサービスの質の高さが反響を呼んでおり、新規顧客獲得の43%が口コミ、顧客のリピート率75%という驚異の数字を誇っています。
なぜここまでの圧倒的な実績を残せているのでしょうか。

Zappos社では、「コア・バリュー」という価値観が示されています。
社員の日々の意思決定はもちろん、採用・研修・評価など全てが「コア・バリュー」に基づいて決定されるほど社内に浸透しています。

「コア・バリュー」の浸透と社員がその価値観に従った行動をとることで、顧客に感動を与えるほどのカスタマーサービスを提供できているのです。

(5) ライオン

株式会社ライオンでは、2012年からインナーブランディングに取り組み始めました。

創業120年という節目でライオンという企業の存在意義を確立するため、社長が先頭に立って取り組みが行われ、新たに経営ビジョンと企業メッセージ「今日を愛する。」を導入しました。沖野

企業メッセージの浸透を中心に、インナーブランディングに取り組んでいくうちに、社員の行動が少しずつ変わり始めたそうです。

その結果、2016年度は通期決算で過去最高の売上と利益を達成しています。

インナーブランディングを進めるときの注意点

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 3445586_l-1024x768.jpg

ここまでインナーブランディングを進めようと考えている方には、注意して欲しい点が3つ存在します。

以下3つの注意点について、詳しく説明していきます。

  • コストと時間がかかる
  • 多様性の排除になりえる
  • 経営層に理解されにくい

(1) コストと時間がかかる

インナーブランディングを進める際の最大の注意点は、コストと時間です。

インナーブランディングの効果はとても大きいですが、その反面多くの工数がかかるため、その分ツールやコンサルなどの多くのリソースと時間を費やすことになります。

特に時間に関しては、インナーブランディングの性質上、導入してすぐ効果の出るものではないので、数年単位で考える必要があります。

また、インナーブランディングは社内で力を持っているマネージャー層や経営層がコミットする必要があります。

それゆえに、社内総動員のプロジェクトとなるので、コストや時間の制約が非常に大きくなりますし、絶対に失敗できないので、かなりの覚悟が求められます。

(2) 多様性の排除になりえる

インナーブランディングのために従業員に価値観を浸透する際、その方法に注意を払わなければなりません。

インナーブランディングは企業理念・ビジョンやブランド価値を、社内全体に浸透させることが目的です。

しかし現実的には、全従業員に同じ価値観を浸透しようとする過程が、価値観の押しつけに感じてしまう社員もいるでしょう。

インナーブランディングを進める上で、価値観を受け入れない従業員に、無理やり価値観を押し付けたり、その従業員を排除しようとする雰囲気になることは実際に少なくないので、実施の際は注意をしましょう。

(3) 経営層に理解されにくい

もしインナーブランディングの導入を考えているのが、人事担当者などであれば、経営層にその価値を理解してもらうことが大きなハードルになるかもしれません。

インナーブランディングは収益に直結しづらいため、その価値を明確な数値で示すことは難しいです。

また、インナーブランディングは考え方として歴史が浅いので、特に体質が古い企業では、理解されない可能性は高いでしょう。

インナーブランディング成功のポイント

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 434906_l-1024x683.jpg

インナーブランディングを進めるにあたって、確実に成功させるためのポイントを解説します。

中長期で行うため、計画と評価に注力

インナーブランディングは成果が出るまで時間がかかります。中長期的な戦略であることを前提として、施策の計画・実行、評価と効果測定、改善を繰り返し行いましょう。

ある時期を境にどこかのタイミングで急速に一気に成果が出るということもありません。こまめにPDCAを回し、常に改善し続ける姿勢を忘れないようにしましょう。

また、ツールを使ったり独自のスコアを作成したりするなど、効果を数値化しておくことが大切です。

従業員アンケートを用いて、数値で進捗を可視化する

インナーブランディングの進捗は、従業員アンケートを用いることで定量的に把握することができます。

アンケートの作成・分析は、客観的な視点が重要であるため、社外への委託が一般的です。社内で行う場合は、従業員の負担にならないように心がけることが大切でしょう。

質問は、経営理念・ビジョンの浸透度合いや社内コミュニケーションの活性度合いを測れるものにしましょう。理由としては、理念の浸透度や組織活性の度合いがインナーブランディングに大きな影響を与えるからです。

ビジョンの明確化とビジョンステートメントの発行

経営理念やビジョンが、時代や従業員に合っているかを考え直してみることも有効です。

インナーブランディングは、企業内で統一された価値観である経営理念・ビジョンを軸に進めます。そのため、その内容が従業員にとって共感しやすいかが大切です。

ビジョンと関連して、現状から考えた企業の未来・方向性を言い表したものを「ビジョンステートメント」と呼びます。

ビジョンステートメントを発行することで、従業員は企業の行末や、社会の中での立ち位置を再確認することができるでしょう。

従業員に価値観の押し付け・強要をしない

インナーブランディングを進める際、従業員に価値観を押し付けるようなことをしてはいけません。企業理念・ビジョンを暗記させたり、無理やり読ませたりすることも、やめておきましょう。

暗記や唱和では、従業員が理念を本当の意味で理解することには繋がらず、インナーブランディングの目標は達成できないからです。

また、全従業員に浸透することが理想ですが、いろんな価値観の人がいるので、全員への浸透は難しいことを理解しておきましょう。

価値観を押し付けるのではなく、従業員が興味・関心を持ってくれるような施策を考えるという意識が大切です。

まとめ

この記事では、インナーブランディングとは何か、アウターブランディングとの違い、インナーブランディングのメリット、気をつけるべきポイント、導入手順や具体例について解説しました。

最後にそれぞれの項目について、簡単にまとめておきます。

インナーブランディングとは、企業が従業員に対して行うブランディング活動のことです。

労働人口の減少、働き方改革や新型コロナウイルスの影響で、エンゲージメントが注目され、その手段としてインナーブランディングが注目されています。

インナーブランディングのメリットとしては次の3つが挙げられます。

  • メリット1:企業方針と従業員の行動に一貫性が生まれる
  • メリット2:離職率の低下
  • メリット3:アウターブランディングへの相乗効果

インナーブランディングの導入手順は以下の5ステップです。

  • 手順1:現状把握・課題抽出
  • 手順2:インナーブランディングの全体設計
  • 手順3:企業理念・ビジョンの検討・策定
  • 手順4:施策の実行
  • 手順5:定期的な効果測定

インナーブランディングのデメリットは次の3つが挙げられます。

  • デメリット1:コストと時間がかかる
  • デメリット2:価値観の押し付けだと感じる人もいる
  • デメリット3:経営層に理解されにくい

また、「コスト」「時間」「価値観の共有」「経営層への理解」、それぞれにおいて気をつけるべきポイントや対処法についても解説しました。

インナーブランディングの具体例としては以下のようなものがあります。

  • 具体例1:社内報
  • 具体例2:クレド・ポスターの作成
  • 具体例3:社内イベント
  • 具体例4:ワークショップ・研修

この記事が御社のインナーブランディングの役に立つと幸いです。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ourly magazineのライティングとメンバーマネジメント担当。
アメフトを通じてチームプレイの重要さを学び、組織で一致団結してパフォーマンスを出すことに興味がある。
見た目ゴリラっぽいが、甘いスイーツと泣ける映画が好きな中身は乙女っぽい一面も。

目次
閉じる