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縦割り組織とは?弊害と改善方法、セクショナリズムとの関係性

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縦割り組織とは、業務の内容や地域ごとの特性に合わせて縦型に細分化されている組織のことを指します。日本的組織の問題点として挙げられることが多い要素です。

管理職として、従業員の縄張り意識に頭を抱えたことがある方も多いでしょう。

本記事では縦割り組織とセクショナリズムの弊害と要因を詳しく解説し、改善方法を紹介していきます。

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目次

縦割り組織とは?

縦割り組織とは、業務の内容や地域ごとの特性に合わせて縦型に細分化されている組織のことを指します。

部署ごとに専門性が分かれているからこそ生じる組織体制だと言えますが、近年はネガティブなキーワードとして使われることが多くなりました。

なぜなら、営業がバックオフィスに対して「現場や顧客のニーズを分かっていないくせに勝手な通達ばかり出してくる」と考える一方、バックオフィスは「営業は勝手なことばかりしていつも組織運営の和を乱そうとしてくる」とするなど、部門間の軋轢につながりやすいというデメリットが目立つようになったからです。

こうした壁が生じるのは部門間だけに留まらず、本社と支店など地域の差・新卒か中途かなど出身の差などでみられることもあるでしょう。

次項で解説するセクショナリズムも縦割り組織が原因となることが多いとされています。

セクショナリズムとは?

縦割り組織と似たような言葉として、「セクショナリズム」が挙げられます。

ひとつの部門にとじこもって他を排斥する傾向のことを指しますが、ここでは詳しくセクショナリズムの特徴を捉えていきましょう。

無関心型・非協力的型

無関心型・非協力的型のセクショナリズムは、自分が担当する業務以外のことに無関心であることが特徴です。

他の部署やチームとの連携に前向きでなく、協力を求められることを「手間」「面倒」と感じることが多くなります。

目の前の仕事だけ粛々とこなしていればいいという考えになりやすく、組織が停滞する原因となります。

批判的・排他型

批判的・排他型のセクショナリズムは、自分が所属する部署・チームを守ろうとするあまりそれ以外のチームへの攻撃性が高まってしまうことが特徴です。

会社をひとつのチームとして考えるのではなく、部署などより小さなコミュニティをチームとして考えるため、足の引っ張り合いが起こることがあるでしょう。

また、社外からやってくる顧問やコンサルタントへの敵対心が強く、素直にアドバイスを聞けなくなることも多いです。

縦割り組織やセクショナリズムの弊害

ここでは、縦割り組織やセクショナリズムに陥る弊害について解説します。

具体的にどんなデメリットがあるのか詳しく知り、縦割り組織脱却へのきっかけとしていきましょう。

トップダウン型により視野が狭まる

縦割り組織はトップダウン型になりやすく、広い視野に立った思考や柔軟な発想がしづらくなります。

上司からの指示をすべて是として受け入れ、言われたことだけをやる働き方になるでしょう。また、上司からの評価が全てになりやすく、自分の出世や自分が所属するチームの成長だけを考えるようになります。

視野が狭くなりやすいことが、縦割り組織のデメリットだと言えるでしょう。

部署間の意思疎通を損なう

自分が所属していない部署への敵対心が強く、効果的な意思疎通ができなくなります。

業務上必要な最低限の情報共有もできなくなり、仕事の抜け・漏れやミスコミュニケーションが原因の業務重複が生まれやすくなるでしょう。

ミスが起きたときに責任を押し付け合うようないざこざが出てきたり、あえて情報を隠して足を引っ張りあうなどの非生産的な行動が増えていきます。

別の部署を「同じ会社の仲間」ではなく「ライバル」として捉えやすいことが、デメリットだと分かります。

部署内で同調圧力が生まれやすい

部署内で同調圧力が生まれやすくなり、自由な意見・アイディアを口にすることが叶わなくなります。

周りの顔色を伺って仕事をするようなシーンが増え、息苦しさを感じる従業員が増えていくでしょう。

例え自部署の従業員であっても意見が対立するのであれば排除しようとする動きが大きくなり、場合によっては職場いじめパワハラの原因となるケースもあります。

生産性が低下する

斬新なアイディアを出したり部門間での連携を強化したりする動きが嫌われるため、全員が無難な仕事のみに終始しやすくなります。

組織のパフォーマンスが低下し、生産性が下がる原因となるでしょう。

せっかく優秀な人材を揃えていてもスキルや経験を発揮できるシーンがなく、人的リソースのロスにつながります。

業績へダイレクトに現れることも多いですが、原因が縦割り組織にあると見抜きにくいことも問題です。

顧客からの信用が低下する

部署間の連携が損なわれたり自分本位な競争ばかりをしていると、業務に支障が出ることも多いです。

結果としてミスコミュニケーションによるトラブルが増え、顧客からの信頼が低下するケースもあるでしょう。顧客は「部署」や「人」ではなく「会社」を評価するため、会社全体でのチームビルディングが欠かせません。

縦割り組織が業績悪化の原因になるリスクを十分知ったうえで、改革に着手していく必要がありそうです。

離職者が増加する

他部署に対する悪口ばかりであることに嫌気が差した人や、業務に最適なチーム意識を育成できないことに気づいた人は、エンゲージメントを下げてしまいます。

10年20年という長いスパンで会社に貢献したいという純粋な気持ちがなくなり、離職につながることもあるでしょう。

同調圧力が強いからこそ本音の離職理由を話すことに対する恐怖感も高まり、無難な理由をつけてそっと転職してしまう人が増えます。

採用・育成コストばかり膨らむ原因にもなるため、縦割り組織の弊害が見て取れます。

【資料】縦割り組織・離職率の改善ノウハウ – 組織開発ガイド –

近年「組織開発」と頻繁に聞くようになりました。その一方で、言葉の意味合いは曖昧で、正確に理解し組織に落とし込めている企業は少ないかもしれません。

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組織開発に興味がある方や、これから組織開発に取り組まれる方は是非ご覧ください。

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縦割り組織やセクショナリズムの要因

ここでは、縦割り組織やセクショナリズムに陥る要因を探っていきましょう。

原因が分かれば、打開策の考案に役立ちます。

企業の従業員が増加している

企業成長によって従業員が増え、密な社内コミュニケーションが出来なくなったケースです。

顔も名前も知らない従業員が増えると、同じ組織で働く仲間という意識を持ちづらくなるでしょう。社内報・社内SNS・イベントなどを活用し、業務上直接やり取りをしない従業員にも目を向ける取り組みが欠かせません。

部署内で仲間意識・部署間で縄張り意識がある

部署内における仲間意識が強すぎることで、縄張り意識が根付いたケースです。自分が所属する部署を守るために、他の部署に対して攻撃的になることもあるでしょう。

業務上意義のあるフロー変更であっても、「あの部署から仕事を押し付けられた」という歪んだ認知を生じやすくなります。

部署内だけではなく会社単位での仲間意識を育成できるよう、配慮していく必要がありそうです。

権力がある部門に集中している

いわゆる「花形部署」と呼ばれる部署が存在していたり、経営層からの評価が特定部署に集中していたりするケースです。

権力が一極集中しやすく、社内における公平感が損なわれてしまいます。

部署ごとの特性に合わせた人事評価体制が築けていないことが原因となることも多く、不平・不満の温床になりやすいため注意が必要です。

閉鎖的なタテ社会が根深い

社外とコミュニケーションを取る機会が少なく、自社独自の閉鎖的なやり方のみで企業成長してきたケースです。

終身雇用制や年功序列制など業務スキルに左右されない評価体制が採用されている場合、外の情報を仕入れようとするモチベーションが下がり、より閉鎖的になっていくでしょう。

創業期から縦割り組織で運営してきて、当時からの生え抜き従業員が多い場合も当てはまります。

部署間での異動(ジョブローテーション)が少ない

部署間での異動(ジョブローテーション)が少なく、人的資源が固定化されているケースです。

長く同じ部署にいた方が専門性を極めやすいというメリットがありますが、一方で「自分がいる部署の業務にだけ精通していればいい」と視野を狭めるデメリットも生じます。

組織自体が硬直しやすく、俯瞰して物事を見られない従業員が増える原因となっていくでしょう。

コミュニケーション・理念浸透から縦割り組織を改善 ourly

ourlyは、組織改善に特化した全く新しいweb社内報サービスです。

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縦割り組織やセクショナリズムの改善方法

最後に、縦割り組織やセクショナリズムの改善方法を解説します。

これまで根付いてきた社内文化を変えることは困難に思えるかもしれませんが、正しい手法で着手していけば効果を得られるでしょう。

ここではいくつかの手法を紹介します。

縦割り組織から横割り組織に編成する

ヒエラルキーに基づいた縦割り組織を撤廃し、横割り組織に編成し直す方法です。

プロジェクト単位でのチーム編成を基本として複数部署からメンバーをピックアップするなど、新しい仕組みづくりをするとよいでしょう。

しかし、急速に進めてしまうと長年縦割り組織で過ごしてきた従業員から反発されることが想定されるため、スモールステップで段階的に導入していく必要があります。

ジョブ・ローテーション(人事異動)を増やす

ジョブ・ローテーション(人事異動)を増やし、流動的な組織にする方法です。

部署ごとのノウハウやナレッジはしっかり共有して業務に支障が出ないよう配慮する必要がありますが、属人化状態から脱却するためにも有効な手法だと言えるでしょう。

さまざまな業務に関われるため自社に関する理解度を深められるという点でも魅力があります。

ジョブローテーションの前提となる「ナレッジ共有」に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

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人事評価制度の改善

人事評価制度を改善し、年齢・勤続年数だけでなく実績・スキル・意欲や熱意で評価する方法です。

正当な評価を得られれば業務へのモチベーションが上がり、部署ごとの連携や情報共有などパフォーマンス向上につながる施策を積極的に受け入れる風土が培われます。

会社に対するエンゲージメントも向上するため、離職防止策としても有効です。

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部署間がコミュニケーションする機会を設ける

部署間がコミュニケーションをする機会を設け、会社全体でのチーム意識を引き上げる方法です。

対面で実施するイベント・パーティー・決起会・ランチ会などに代表されますが、近年はオンラインでもできる取り組みが広がりつつあります。

例えば、社内報で他部署に所属する従業員へのインタビューや他オフィスの紹介が掲載されていた場合、普段は見えない仲間を意識するきっかけになるでしょう。

横のつながりを設けるよう意識するだけで、組織の風通しは格段によくなります。

弊メディアでは社内コミュニケーションの成功企業へのインタビューを行なっております。詳しくはこちらからご覧ください。

ourly Mag.
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相互理解から縦割り組織を改善する ourly profile

ourly profile(アワリープロフィール)は、個人のプロフィール機能や組織図機能などにより、組織のサイロ化を解消する社内コラボレーション創出ツールです。

3つの大きな特徴により、働き方が多様化した現代・VUCA時代の、強い組織作りに好影響を与えます。

  • 人となりが一目でわかる自己紹介画面
  • 独自の探索機能により、思いがけない出会いを創出
  • 組織図により、チーム・部署を超えて組織を理解できる

顔写真や部署、役職などの基本的な項目以外に、強みや趣味、スキルなどが一目でわかり、コミュニケーションのきっかけが生まれます。

また、全メンバーに共通のQ&Aを設定することができるので、部署・拠点・役職を超えたメンバー同士の相互理解促進にも役立ちます。

サービスページはこちら

縦割り組織やセクショナリズム改善に社内報

縦割り組織やセクショナリズムは業務ごとの専門性を高めるという観点から多くの企業で採用されてきましたが、近年はチームビルディングしづらくなる弊害が注目されるようになっています。

部署ごとの対立や敵対を生みやすく、風通しのよくない職場になるため、なるべく横の連携を意識した組織にすることが必要です。

社内報は、縦割り組織やセクショナリズムの改善に役立つツールです。

部署ではなく会社への帰属意識向上に活用している企業も多く、部署間の連携や自組織への理解を育みたいときに便利でしょう。

組織体制を改善したい場合は、社内報導入をおすすめします。

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この記事を書いた人

Naohiro Sugiyamaのアバター Naohiro Sugiyama ourly株式会社 マーケティングチームメンバー

ourly magazineのライティングを主に担当。
働くにあたって、自分も楽しみつつ会社も成長できるようなバランス感覚に興味を持ち、ourlyに参画。
純文学と歴史のある喫茶店が好き。おばあちゃんと猫に好かれやすい。

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