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「事業投資と組織投資は表裏一体」倒産寸前から復活を遂げたウィルゲートの人事施策とは?

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「働きがいのある企業」ランキング9年連続ベストカンパニーに選出された企業『ウィルゲート』。

今でこそ数々の人事施策を生み出し、そのような組織を作りあげられておりますが、そこまでの道のりは決して平坦なものではなかったことを耳にしました。
これまで直面した窮地に対して、どのように考え、組織を変革してきたのか。

気になった私は、今回株式会社ウィルゲートで人事部門執行役員を務める北林さんをインタビューさせていただきました。

この企画は、実際の企業様にインナーコミュニケーションなどに関する施策を取材し、紹介する目的で実施しております。

その他の企業事例はこちらからご覧ください。

インタビュイー
北林賢太 
1989年、宮城県仙台市生まれ。京都大学工学部卒業、同大学院経営管理専攻修了後、2013年にウィルゲートに新卒で入社。入社後、人事部門にて採用・人材育成・組織活性化・評価・広報・労務等を担当。その後、事業開発部門に異動し、出版社と共同運営する新規メディアの立ち上げと運営責任者を担当。人事部門責任者を経て、2021年7月、人事部門執行役員へ就任。現在は、人事、メディア、ソーシャルセリング部門を管掌。

株式会社ウィルゲート:https://www.willgate.co.jp/

目次

価値観採用はウィルゲートショックから始まった

――御社は「働きがいのある企業」ランキングにおいて、9年連続ランクインされていますが、そのきっかけに「ウィルゲートショック」があったと聞いています。ウィルゲートショックについて簡単に教えてください。

ウィルゲートは代表の小島と専務の吉岡が大学生時代に設立した会社なのですが、当時は組織に関してはあまりにも無知の状態でした。

そのため、とにかく会社を大きくするために、前職で実績を出した人やスキルが優秀な人材をストックオプションや報酬、ポジションなどの待遇面のみで魅力づけをする、キャリア採用を行っていたんです。

そのような採用をした結果、最初のうちは業績が良かったのですが、拡大と共に方向性や価値観の違いがマイナスに働き始め、経営も傾いていきました。そういう窮地に対して団結して奮起する風土もなく、他責にする人や、顧客や会社を蔑ろにして自己利益のみを重視する人が出てくるなど、組織としてバラバラになり、設立後1~2年のタイミングで経営危機が起こりました。

この一連の出来事を我々は「ウィルゲートショック」と呼んでいます。


――その出来事からウィルゲートはどのように変わっていったのでしょうか?

カルチャーフィット採用に切り替えました。
ウィルゲートショックのあと、代表である小島と吉岡は組織を立て直すため、本気で「自分たちの作りたい組織」や「目指したい場所」を考え抜いたのです。

2人ともこの時、経営者としての至らなさやミッション・バリューの重要性を痛感したからこそ、今も理念を軸にした経営を貫いているのだと思います。
考え抜いた末、その思いをメンバーに伝え、多くのメンバーがやめましたが、共感して残ってくれたメンバーもいました。

その経験でメンバーに思いや志を共有する大切さを学び、順調に組織としては復活し、今や従業員とフリーランスを合わせて約160名の組織にまで成長しました。

事業の窮地。経営陣が下した決断とは?

――ウィルゲートショック後からそのあとは、右肩上がりに組織として成長してきたのでしょうか?

いえ、全くそんなことはありません。
少し遡りながら説明していきますね。

「ウィルゲートショック」後、人事の立ち上げや強化を行ったおかげで、2012年くらいまでは順調に事業も人数も伸びていきました。

当時は、組織内の連帯意識を醸成・強化するための人事施策を多めに行っていました。社内会食も頻繁に行われていましたし、運動会や忘年会、周年イベント等、同じ場所に集って体験を共有するような場が多かったですね。外部会場をかりての表彰式なんかも頻繁に実施していました。

そのために投資していた額は、年間1,000-2,000万円ほどです。

そんなときに、新規事業として注力投資し、収益の柱になりつつあったメディア事業をガバナンスの問題で撤退することになってしまいました。同じような時期に、既存事業でも大規模な環境変化があり、順調だった事業がかなり厳しい状況になりました。


――またもや窮地に陥ったのですね。どう乗り越えたのでしょうか?

まず、組織投資を大幅に減らす決断をしました。同時に役員のリソースも、組織投資よりは事業投資に寄せ、早期立て直しを目指しました。
事業を立て直さない限りは経営自体が危なくなり、組織作り自体できなくなってしまいますので、やむを得ない判断でした。

振り返ると、事業コンディションが芳しくなく、組織投資を減らした直後についてはそれほど離職が発生したわけではなく、むしろ全員でこの苦境を乗り越えようという一体感があったほどでした。

ですが、その1年後くらい、事業が上向いてきたくらいのタイミングで組織の中核となるような人材の離職が多く発生しました。組織投資を減らし、文化形成・浸透をできていなかったことが要因の1つだと考えています。

こういった経験を通して人事領域は、どの施策が何に影響したかを測るのが難しいので、効果は意識しつつも、信念と胆力を持って推進していく必要があると感じました。また、どこまでいっても事業と組織は車輪の両輪みたいな関係なので、事業とのバランスをセットで考えることが重要ですね。

人事施策の4つの柱とは?

――その苦境を乗り越えたあとは、組織はどのようになっていくのでしょうか?

まず、事業と組織どちらに注力するか、という話ではなくてバランスを取ることが大事、という反省をしました。短期的に利益に繋がらなそうな施策だとしても、文化形成において重要な意味を持っているのであれば仮に業績が芳しくなくても継続する、という意思決定をしていく、ということですね。

そして、2016年ごろから組織投資を再開します。
ただ、これまでのようなイベントを実施するというよりは、「成長支援」「多様性」に重きをおき、組織投資を行うようにしました。

具体的には、以下のようなものがあります。

  • 副業制度
  • 出社時間を選択できるハッピーアワー制度
  • 新規事業企画のコンテスト


――どうして「成長支援」「多様性」というところに重きをおいたのでしょうか?

厳密にいうと、「成長支援」「多様性」の他にも「コミュニケーション」「家族」の4つが人事施策の4本柱になっています。

「成長支援」と「多様性」を柱にした理由は、IT業界という変化が激しい領域で新しいものを生み出し勝っていくためには、社員一人ひとりが成長し、多様性を強みに変えていける組織である必要があると考えたからです。また、会社として社員の『will』の実現にもコミットしたいと考えている中で、この2つの指針は必要だと考えました。

「家族」については、メンバーのライフステージが変わり始めたことで新たに加えました。
ひと昔は、家庭持ちの者は少なかったのですが、ここ数年で一気に増え、自分だけではなく、家族の人生も背負い始めたものが増えたタイミングで、弊社としてもその部分を大切にしていこうとの思いから作りました。

「コミュニケーション」は言わずもがな、弊社がずっと大切にしてきている価値観ですね。

過去は「コミュニケーション」にかなり比率を寄せていましたが、事業フェーズと組織の規模によって、何を大切にするかは変わります。
人事施策が偏りすぎていないかどうか、確認しながらさまざまな取り組みを展開しています。

オンラインでのコミュニケーション施策を模索し続けたい

――御社は人事施策はどのように考えているのでしょうか?

弊社では、定期的に全社サーベイを実施しています。
そのサーベイの結果と、メンバーへのアンケート、1on1での生の声を総合的に判断し、施策を考えます。あとは他社が実施している取り組みをアレンジして導入することもありますね。

オンライン食事会やテレワークへの移行、エンジニア社員向けのフレックス制度の導入などはすでに実施しており、他にも社内表彰のオンライン配信などもありますね。

特にオンライン表彰式は、オフラインでの開催よりも満足度が高かったです。
オンラインだと気軽にコメントできるので、双方向のものにできたことはとても良かったのではないでしょうか。


――最後にこのコロナ禍においてどのような取り組みをしていくのか教えていただいてもよろしいでしょうか?

まずは「働き方の多様性」はより拡げていく必要があると思っています。世の中が急速に変化していく中で、旧来的な考え方を取っ払って、変化を牽引するような会社を目指したいです。

その中で、ウィルゲートが大切にしていきたい相互尊重の文化や連帯意識が損なわれないようコミュニケーションデザインも強化していきます。
具体的には、シャッフルランチやバーチャルオフィスの導入、コミュニケーションツールの導入などを考えています。

ウィルゲートは、文化形成や浸透に対して社員がすごく前向きで協力的でいてくれるので、そこを武器に推進していければと考えています。極端な話、私たち人事は火を付けたり、繋がる場所を作るだけ。あとは社員が一緒に場を作りあげたり、盛り上げたりしてくれるのでとても感謝しています。

まだ答えが見つかっているわけではありませんが、オンラインでもオフラインでもどうやってその場を作っていくのか、引き続き模索し続けていきたいです。

編集後記

「事業投資と組織投資はセットである。」私自身、初めて触れた考え方でした。

考えてみれば、限られたリソースの中でどこに投資をするのかという話なので、当たり前のことなのかもしれません。
しかし、事業投資と組織投資はバラバラで考えている企業の方が多いのではないでしょうか。

理想の組織像、事業状態、組織状態、必要な人事施策……
改めて、しっかりと向き合っていかなければならない。そう感じさせられたインタビューでした。

北林さん、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

ourly magazineのライティングとメンバーマネジメント担当。
アメフトを通じてチームプレイの重要さを学び、組織で一致団結してパフォーマンスを出すことに興味がある。
見た目ゴリラっぽいが、甘いスイーツと泣ける映画が好きな中身は乙女っぽい一面も。

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