【セミナーレポート】目指せ!”全社員ライター” 全員参加型のweb社内報で目指すコミュニケーションの活性化
組織改善のインナーメディアプラットフォーム「ourly(アワリー)」を提供するourly株式会社は、2022年7月20日(水)に、「社内報で目指すコミュニケーションの活性化」というテーマのオンラインセミナーを開催いたしました。
登壇者にはGMO NIKKO株式会社 社内報編集長 武田 さとみ氏と、GMO NIKKO株式会社 社内報副編集長 平野 絢子氏の2名をご招待。モデレーターは弊社 執行役員/CSO 髙橋 新平が務めました。
パネルディスカッションでは、なぜ社内報を運用するのか、という基本的なお話しから、全員が社内報に参加するための工夫、編集部メンバーが選ぶ推し記事など、GMO NIKKO様ならではの興味深いお話をいただきました。
本記事では約1時間ほどのパネルディスカッションを、一部抜粋してご紹介します。
また、当日のセミナーアーカイブ動画を無料で配布しております。ご希望の方は、本ページ下部よりダウンロードください。
登壇者
新卒で求人広告代理店に入社し広告営業を経験。2012年よりGMO NIKKO株式会社に中途入社。
現在は、HRグループのメンバーとして社内の採用・育成・活性化をメインで担当。
2020年1月度より立ち上げた社内報『+25』の編集長に就任。
2022年より立ち上げたGMO NIKKO女性活躍推進法プロジェクト「Nerine(ネリネ)」のプロジェクトリーダーを担当。
新卒で銀行に入行し、窓口業務や為替業務、個人顧客の資産運用相談等を経験。
2016年よりGMO NIKKO株式会社に中途入社。インターネット広告の入稿やレポーティング業務を担当し、現在はその効率化を推進中。
新卒・中途入社者を育成する社内プロジェクトにて研修等を担当。
2020年より取り組み始めた社内報『+25』の立ち上げメンバーとして参加、副編集長に就任。
モデレーター
新卒で大手メーカーに入社。技術営業として都内の再開発案件に多数携わる。
その後、経営コンサルティングファーム ENERGIZE-GROUPに入社。4年間主にスタートアップ、ベンチャー、中小企業の事業コンサルティング、組織コンサルティング等に従事した後に独立。
2022年4月からourlyへ執行役員CSOとして参画。
コンサル経験を活かした総合的な提案とツール活用が強み。
「個を表現する場所」としての社内報
——平野:社内報を始めたきっかけは3つありまして、1つは弊社のコーポレートビジョンである「Surprising Partner.」を浸透させる手段の1つでした。
また2つめは、社内のメンバー同士が普段の業務では知り得ないことを知って、社内報きっかけのコミュニケーションを創出することを目的としております。
仕事だけでは見えないパートナーの新しい面、今までのキャリア、発信したいことなどを自由に発信できる場でありながら、誰かのためにちょっとプラスになっていること、というコンセプトを掲げています。
——武田:3つめに、個を表現する場所や主体性の醸成という点が挙げられます。
自己表現する場所がなく、控えめなメンバーが多いことが課題としてありました。
メンバーのパーソナリティーを、社内報をきっかけに引き出そうと思ったことがきっかけです。
——髙橋:時期的に、コロナウイルスが流行している時期に社内報を始められたと思うのですが、そのことが社内報運用に影響しましたか?
——武田:コロナが始まってから、弊社グループがリモートワークに切り替えたということもあり、対面する機会もなかったので、情報をキャッチアップする機会が減っていました。
そういった状況で一役買ったのではないかと思います。
——髙橋:編集部のメンバーはどのように選ばれたのですか?
——武田:弊社の社内報チームは社内公募で選ばれています。
社内報はHRのミッションの1つであるインナーコミュニケーションでした。GMO NIKKOのメンバーとつくっていきたいという点と「主体性の醸成」というテーマのもと、編集部のメンバーは公募による募集にしたいと起案し、現在の編集部メンバーは全員社内公募で手を挙げていただいたメンバーで組織されています。
また、リニューアルのタイミングでメンバーを再公募し、編集チームもリフレッシュして新しい企画などにも取り組んでいます。
——髙橋:平野さんはなぜ編集部に立候補されたんですか?
——平野:普段の私の業務ですと、案件で関わっている以外のメンバーと関わることができないので、それに対してもったいない、寂しいと思っていました。
弊社は面白い人が多いので、いろいろな人と仲良くなりたいとずっと思っていました。
武田はポジション柄、いろいろなメンバーとコミュニケーションをとることが多いので、いつもうらやましいと思っていました。笑
いろいろな人と知り合って仲良くなるためには、関わるきっかけが必要だと感じていました。その時に、武田から社内報を考えている、という話をもらい、食い気味に手を挙げさせていただきました。笑
社内報『+25』の実績
——平野:まず、開始から1年間で136本(自己紹介記事を含めると約350本)の記事を掲載することができました。
導入から半年ほどは、編集部が記事の企画から執筆まで行っていましたが、分析結果によって、記事を書いた人と同じ部署の人、近しい人が登場する記事は閲覧率が高いことが分かりました。
閲覧率を底上げするために、各部署から記事を持ち回りで書いてもらって、いろいろな人を社内報に登場させる方がいいのではないか、ということになりました。
そこから、各部署で記事を毎月1本ずつ書いてもらうことを決め事として、各本部長の方たちに毎月ライターを選定してもらっています。
他にも、社内報で書きたいことがある人を歓迎し、積極的に呼びかけるようにすることで、社内報に参加してくれる人が増え、コンスタントに記事を出せる仕組みをつくることができました。
かつ、参加者が増えたことで社内報の知名度・存在感が大きくなってきていると実感しております。
書きたいと言ってくれる人がいても、公開スケジュールが詰まっていて先延ばしになってしまう、ということもありました。笑
“全社員ライター” を実現するのは「記事の持ち回り制」
——武田:記事をたくさん上げたり、いろいろなメンバーを巻き込んだりするための工夫が、各部署の記事持ち回り制です。
このルールによって、毎月新しい人に記事を書いてもらう仕組みが構築されました。
持ち回りだけで最低7本、あとの半分はオリジナルの記事で、月に平均15本の記事を上げることができています。
とはいえ、毎月変わるライターが、皆初めての記事作成となると、編集部4人では支えきれませんので、それに対する工夫も行っています。
例えば、自己紹介記事を書いてもらうことでourlyのツール自体に慣れてもらったり、全ての記事掲載まで編集部が伴走したりするなどして、作業工数がかからない工夫をしながら運営をしています。
他にも、閲覧率向上のための工夫を2つ行っています。1つめは、掲載記事をSlackで告知することです。
新規記事の公開をメールで通知するようにはしていますが、弊社の場合はSlackの登場によってメールを見る頻度が落ちていることからSlackに「新着記事のお知らせ」というチャンネルをつくって、より多くの人が確認できるようにしています。
通知は、編集部メンバーから見たあらすじや、読みたくなるような文章に加えて、ライターの方、記事に登場する方をメンションすることで、記事に関わっている部署の方がもれなく閲覧できるようにしています。
もう1つが、ourlyさんが出してくださる月次定例のレポートを分析して、閲覧率の落ちている部署や職位の方を次月のライターにアサインしたり、まとめて幹部会で共有したりしています。逆に、閲覧率が高い記事の傾向も分析しています。
- 目標である理念浸透を体現できた記事のテーマを教えて頂きたいです。またその効果など、社内で実績はありますか?
-
——武田:会社が意図して発信した記事ほど、残念ながら人気がないんですよね。笑
社長インタビューに関しては、工夫を凝らして「教えて佐久間さん」という、とてもカジュアルなタイトルで連載をしています。
弊社の代表である佐久間はとても話しかけやすい人なんですが、従業員数が多いことからも、佐久間社長と話したことがないメンバーが多いんです。
なので、これくらいカジュアルなタイトルでメンバーから聞きたいことを集めて、社長がそれにこたえる、というコーナーを動画形式で配信しています。
例えば、若手メンバーが会社の経営や会社の未来について根掘り葉掘り聞けるような記事を書いています。他にも、キックオフなどで社長メッセージを発信する際は、限られた時間で全員にインプットさせるのは非常に難しく、新卒メンバーに今年のテーマを聞いても、理解していない人が多いという現状があります。
こういったことを防ぐために、「教えて佐久間さん」のなかでより深掘った内容を紹介して、インプットしやすくしています。
社内報は、3000文字くらいに納めないと、読み手が離脱してしまうということがあり、テキストで伝えるのには限界を感じました。
なので、大事なことは動画で伝えることで使い分けを行ってます。
『+25』編集部メンバーが選ぶ推し記事6選(抜粋2記事)
推し記事①:強面チームへ潜入したメンバー紹介
——平野:この記事は、掲載された当時、部署をまたいでコメントやリアクションが付くことが少なかった中で、いろいろな部署の方から反応をいただくことができました。
また、チーム紹介の記事ということで、チームメンバーにインタビューやアンケートを取りながらすすめてもらったのですが、まさにここでも、社内報きっかけのコミュニケーションが生まれたのではないかと思います。
推し記事②:離れた拠点でも引き立つ存在感とマネジメントのコツ
——武田:大阪拠点の西日本チームは、なぜか目立つし全員の名前が分かる、というチームです。
そんな西日本チームから、「さらに西日本チームのことを知ってほしいので、連載を持たせてもらえませんか」ということを言われました。笑
西日本のことを知ってもらおう、という動きも素晴らしいのですが、社内報アワードなどの他の場所でも西日本チームの名前を見かけることが多いんです。
この記事は、そんな彼らの「存在感を引き立たせるマネジメントのコツ」が分かりやすいものになっています。
『+25』で人と人のつながりを
——髙橋:今後web社内報を活用して、組織をどのように運営していきたいと考えていますか?
——武田:自身を表現したい人は増えてきたと思うのですが、「大事なことを全社に共有する場」としての影響力はまだ弱いかなと感じているので、「大事なことは社内報に載せれば大丈夫!」と思ってもらえるようにしていきたいです。
そのためには、閲覧率をさらに向上させて必ず皆が見てくれるツールにすることが必要だと感じています。
——平野:社内報チームにジョインした当時の、「人となりをもっと知りたい、いろいろな人と関わりたい」という気持ちは今でも変わっていません。
私のように中途入社して会社に馴染めていない人も、社内報を見ることで、どういった人がいるのかを知ることができますので、社内報をきっかけに新たなコミュニケーションをつくっていきたいと思っています。
また、社内報の活用の場を広げていきたいと思っていまして、交流のきっかけとして1番最初に思いついてもらえるようなツールにしていきたいです。
【無料】当日のアーカイブ動画のダウンロードについて
本レポートでは、以下の情報など多くの部分を割愛しております。
当日の様子をご覧になりたい方は、アーカイブ配信よりご確認ください。
・社内報の持ち回り制への移行に関する具体的な方法
・実際に活用しているマニュアル記事・進行表
・実際のキャプチャも併せた各推し記事
本セミナーは全編アーカイブ動画で視聴可能ですので、ご興味の方はこちらよりダウンロードください。