web社内報による社内コミュニケーション活性化事例【コスト1/10&配信本数50倍を実現!】

従業員エンゲージメントの向上は、企業の業績アップや従業員の生産性向上・離職率の低下といった組織課題の解決につながります。従業員のエンゲージメント向上施策の一つとして「社内報」の活用がありますが、社内報の運用にも様々な課題があります。
今回は、オフィスビルや商業施設をはじめとする様々な建物の管理をおこなう住商ビルマネージメント株式会社の高野様に、コストを1/10に抑えながら、年2回だった社内報の発信頻度を週2回へと増やすことに成功した秘訣をご紹介していただきました。
社内コミュニケーションの活性化や社内報に取り組む背景
社内コミュニケーションの活性化や社内報に取り組む背景としては、主に3点ありました。
拠点が物理的に離れている
関東・関西・札幌・福岡など全国各地に拠点をおいているため、物理的に社員同士のコミュニケーションが取れない環境でした。また、拠点を超えてタイムリーな情報発信をおこないたいと考えていました。

若手〜中堅層のエンゲージメントの低下
不動産管理という業務の内容上、黙々と契約書チェックや法律関連の確認をおこなうことが多く、自席で黙々と作業をすることが多い環境です。
また、コロナの影響で社員同士がコミュニケーションを十分に取れないために、「同僚が一体どんな人なのか」「どのような業務をしているのか」を把握できないという事態が起きました。結果として、新しく中途で社員は入社するものの、会社に馴染むことができずに早期離職が発生するという課題が生じてしまいました。
年間最大約1000万円の制作コストを抑えたい
これまでは紙の社内報を年に2回発行していましたが、発行しても在庫がかなり余ってしまっている状況でした。また、年間で最大約1000万円の制作費用がかかっていた時期もあり、費用対効果の観点からも検討が必要だと感じていました。
また紙の社内報だと、どのくらい閲覧してくれているかや、内容が社員に刺さっているのかがわからない。そして配布し終えたときには情報の鮮度が落ちてしまうといった課題も感じていました。
紙社内報からweb化する際の工夫
web社内報を取り入れる際によく挙がる課題として、
- そもそもweb社内報のアプリにログインしてもらえないこと
- 自己紹介(プロフィール機能)をしっかり書いてもらえない
- 中堅以上の方がweb化に抵抗があること
などがありますが、住商ビルマネージメント株式会社ではourlyの導入段階から認証率が90%を超えました。社内報のスタートがうまくいった工夫としては次の4つありまます。
※認証率:どれだけの従業員がweb社内報サービス(ourly)にログインしているかを示す割合

特に、「ワクワク感の醸成」と「入念な事前準備」に地道にコツコツ取り組んだことによって導入をスムーズに進められたと考えています。
ワクワク感の醸成の一つとしては、社長の座右の銘である「愛と御作法」を英語に訳したもの(Love & Method)を略した「ラブメ!」という言葉を社内報のタイトルに採用しました。またourlyを導入する前に「ラブメ!」のロゴを作成したりすることで、全社ミーティングやメールなどで会社全体に向けた導入のアピールをおこないました。
ourly profile も併せて導入しているため、導入に先駆けて、社内報を運用する総務人事部の方々にプロフィールの登録をしてもらいました。カジュアルな自己開示をしてもらうことで、社員も真似してラフな形で登録をしてくれると考えました。
このように地道にコツコツと取り組んだおかげもあったのか、web化に反発する社員も特に出てこず、和気あいあいとした雰囲気で取り組めています。
【事例】組織課題の解決に向けた企画4選
社内報はただ記事を出せばよいわけではありません。自社のどのような課題を解決したいのか、そしてどんな記事を発信すれば解決できるのか、を考えることが大事です。実エンゲージメント向上を実現するために取り組んだ実際の企画をご紹介します。
リレー記事・対談記事

リレー記事は、社内コミュニケーションの活性化や自己開示を目的に取り組んでいます。例えば、ゲーム好きの社員がゲームについて紹介し、次の社員の方にバトンを渡して自分の好きなゲームやその他の趣味について記事執筆をおこなってもらうという企画です。
対談記事は、部署間のつながりの醸成を目的に取り組んでいます。例えば「東西筋トレ対談」があります。これは、大阪の社員が東京に来た際に、一緒に筋トレをしたことから始まりました。この取り組みにより筋トレ部が誕生して、部署間の交流が生まれています。
社長コラム・資格合格者発表

社長コラムの配信は、経営方針や会社のビジョン共有などをはじめとする組織の一体感の醸成を目的に取り組んでいます。文字だけではなく、動画も一緒に発信することで、社長の思いや感情を伝えることができます。
また、資格試験の合格者を発表するという記事は、働きがいや学習意欲の醸成を目的に取り組みをおこなっています。実際に宅建の合格者発表は閲覧率が高い記事になっているので、社員同士の刺激になっていると感じています。
継続的に記事を発信し続ける3つのコツ
記事を継続的に配信し続けるためのポイントは主に3つあります。

社員の巻き込み
総務人事部だけで社内報を発信するとなると、他の業務もあるので週2回の発信は難しいと考えていました。また社内のコミュニケーションを活性化させるには、実際に社員が参加する形で進める必要があります。
しかし、いざ社員を巻き込んで施策をおこなおうとしても、スムーズにいかないと考えました。そこで上長に事前に確認を取っておく、忙しそうなときは無理強いしない、そしてなにより楽しくゆるっと記事作成に取り組んでもらえる空気づくりを心がけました。その結果、割と多くの社員が社内報で記事を書いてくれたり、楽しんでくれています。
記事分析・読者アンケート
web社内報の場合は、「誰が」「どんな記事が」読まれているか分析ができます。また、その結果から会社や社内報に対して興味のある社員を把握することもできます。社員巻き込みのポイントにもなりますが、その方に記事執筆の依頼をすると書いてもらいやすい傾向があるので、分析データを活用しています。
また、読者アンケートを通じて、社員がリアルに知りたい内容や興味のある企画を募集しました。実際に「おすすめの居酒屋◯選」の記事は人気で多くの社員に見てもらいました。読者(社員)が気になる情報を集めることは効果的です。
誰でも発信できる環境
ourly自体がシンプルな操作画面であるため、誰でも簡単に記事の作成ができます。
誰でも記事が書ける環境だからこそ、「チョコレート好きのチョコレート記事」や「野球記事」「ふるさと納税に関する記事」など、さまざまなジャンルの記事が色々な社員から発信されています。
その結果として、業務に関連しないカジュアルな記事は全体の半分以上を占めていて、社員同士の会話が生まれるきっかけになっています。
ourlyを導入したことによるポジティブな組織の変化について
ourlyの導入から1年が経過し、コストや運用工数の削減だけではなく、コミュニケーションの活性化といった様々な成果が生まれています。
コスト削減!社内報運用費用が1/10に
年間最大約1000万円もの費用がかかっていた紙の社内報に比べると、社内報運用にかかる費用を1/10にまで削減することができました。
年2回から週2回!発信量が50倍に
紙の社内報で運用していたときは、年2回の発信でしたが、webに切り替えてからは週に2回のペースで発信ができています。発信量は約50倍になりました。社内アンケートでは、「週2回は逆に多すぎて読みきれない!」という声が挙がるほど会社全体を巻き込んで社内報が盛り上がっています。
社内報「ラブメ!」の名称が浸透
web社内報の名称である「ラブメ!」が社内でたくさん聞こえるようになってきました。社内報が全社に広く認知され、楽しまれている証拠なので、嬉しく思っています。また、お昼休みの会話で登場するだけでなく、イベントで「これラブメ!に載せれるんじゃないの?」などといった要望もあったりして、担当者としても嬉しい限りです。
社内報きっかけでコミュニケーションが生まれた
リアルタイムな発信をおこなえることがコミュニケーション活性化につながっています。具体的には、新入社員や中途入社社員のプロフィール記事や社員紹介記事を発信するので、従業員同士の顔と名前が一致するようになりました。
また、実際に社内報の感想をアンケートで集めたときに、「ラブメ!」起点のコミュニケーションが増加しているのを肌で感じることができました。実際のアンケート内容の一部を抜粋して紹介します。

今後の展望や組織として目指していきたいこと
社内報「ラブメ!」は社内コミュニケーションのインフラとして定着しているので、次はラブメ!を通じて、いい会社作りをしたいですね。具体的には、ラブメ!で関わる人を増やしたり、プロフィールや自己紹介の記事を活用しながら、新入社員が会社にすぐ馴染むような環境にしたいです。
また人生において、会社で働く時間は相当な量を占めます。ラブメ!を通じて、組織全体の目標や経営陣のメッセージを定期的に発信しながら、社員が自身の役割や存在を感じながら楽しく働けるような組織づくりもしていきたいです。