理念を掲げるだけでは企業は変わらない。13億円資金調達企業成功の秘訣とは?
会社が常にぶつかる壁「理念浸透」。その浸透のために大切なのは
- とにかく言い続けること
- 代表が体現し続けること
- 理念に強い想いを持っていること
といろいろ言われていますが、ではそれはどのように実行しているの?という部分は今まで世間に公開されていませんでした。
この企画は、インナーコニュニケーションに関する情報を発信するメディア「ourly magazine.」を運営する弊社が、実際の企業様にインナーコミュニケーションなどに関する施策を取材し、紹介する目的で実施しております。
そこで今回は会社名に理念の一部を入れるほど理念を大切にし、働きがいのある会社ランキングに2年連続ランクインしている、株式会社オンリーストーリー人事の小林さんを取材してきました。
学生時代のインターンからオンリーストーリーに入社し、社長も会社成長の影の立役者と称える彼女が考える「オンリーストーリー」の強さ・良さを包み隠さずお話いただきました。
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インタビュイー:小林玲菜様
1995年8月9日、福島県福島市出身。2018年中央大学法学部卒業。大学在学中就活支援の学生団体の立ち上げを運営を行い、経営者の思考とキャリアについて興味を持つ。大学4年時に株式会社オンリーストーリーにインターン生として入社し人事を担当。その後新卒第4号として入社。1年目で人事責任者、新卒採用の立ち上げを経験。3年目で中途採用の立ち上げを経験し、入社時15名の組織を75名の組織に拡大。
株式会社オンリーストーリーについて:https://onlystory.co.jp/
行動指針浸透なしに、企業理念浸透は成しえない
ーー御社は2年連続で「働きがいのある会社ランキング」にランクインされ、先日13億円の資金調達にも成功されています。従業員が働きがいを感じて働ける環境を作ることが事業の成功にも繋がるという証明の1つだと考えています。御社が行っている施策を教えてください。
もちろんです。
オンリーストーリーの強みの1つは企業理念である
「1人1人のONLY STORYを実現する」
「強くて、良い会社、つよいい会社をつくる」
という言葉が従業員まで浸透していることだと思うので、それをどのように浸透させているのかという部分についてお話させていただきますね。
オンリーストーリーは、企業理念を言葉で伝えるだけで浸透させることは難しいと考えています。
大切なのは、理念に近づくために必要な行動・思考の擦り合わせを行うことです。弊社ではその行動指針を「オンリーストーリーのクレド18項目」として定めています。
そして、このクレドの18項目を用いて、毎朝朝礼でクレドワークを行っています。各項目の認識のすり合わせをするというワークです。
経営陣も全員が参加し、各項目についてフリーディスカッション形式で語り合います。
もう少し具体的な話をすると、例えば、「民意を高く」という項目であれば、「民意が高い」とはそもそもどんな状態なのか。どのようにしたら高くなるのか。高い人の理想像は誰か。民度が高い集団の未来にはどんな状態が存在しそうか。など社員で徹底的に話し合います。
この会を毎朝zoom上で行うことにより、社員に理念・行動指針が浸透するのみでなく,普段交流しないメンバーとの活発的な交流を見込むことができるのです。
そして、少しでもお互いの認識のズレがあった場合には、お互いの価値観を尊重詩ながら、代表の声などを直接聞き、自分の考えの矯正を行っていけるようになっているのです。
全てが上手くいくわけではない。改革は社長から
ーー「社内改革のための100本ノック」という企画の記事を拝見しました。5年連続売上成長率200%を維持など、数値だけを見ると社内改革はいらないほど会社は上手く言っているように感じるのですが、この企画発足の背景・内容などを伺ってもよろしいでしょうか。
ありがとうございます。確かに数値のみを見ると弊社は急成長期でとても上手くいっている会社なのかもしれません。ただ、代表の平野はだからこそ危機感を感じ、社内改革「100本ノック」をはじめたのです。
事業が上手くいっていないとき、人は自然に危機感を感じ何かを変化させようと努力します。しかし、現在のオンリーストーリーのように事業が上手くいっている際、社内環境などに課題感を持つことができる人はなかなかおらず、社内課題改善などは後回しになってしまいます。そこで平野自ら社内課題を探し出し、より良い社内環境作りに動き出した、というのが背景です。
具体的には、リレー形式で個々人が「つよいい会社にするために、必要な改革TODO」を社内SNSの100ノック用に作成されたチャンネルで発言します。
このような社内活動は多くの会社さんで行われていると思うのですが、弊社でこの活動が一気に広まった理由としては、代表平野が先陣にたち、体現していったからだと思います。
自ら、社内SNSに投稿し、その宣言を丁寧に体現をしていったのです。その様子をみていた代表の周りのメンバーも真似をして一気に社内に広まっていったという形です。やはり、トップが体現する、ということは組織を動かす際に本当に大切な要因なのだと思います。
これが私の「オンリーストーリー」
ーー1人1人に理念が浸透している理想の組織作りの内部を見せていただき本当にありがとうございます。最後に是非小林さんのオンリーストーリーをお聞きしたいです。
じつはつい先日、弊社代表平野と1on1してブラッシュアップした物があるので、そちらのお話をさせていただきます。
前提条件からお話すると、私自身昨年結婚いたしまして、2年後までには1人目の子供も欲しいな、と考えています。
それに対し、弊社も2年後の上場を1つ通過点として目標にしています。その前提の元で平野との面談は開始しました。最初の30分ほど、お互いに「どんな仕事がしたいのか」など仕事にフォーカスして話を続けましたが、何かお互いしっくりきていませんでした。
その時に平野から「実はプライベートをもう少し重視したいのではないか」というフィードバックをされたのです。自分の中では自分も気が付いていたようで気が付いていなかった感情を言語化していただいたような気持ちでした
そこからは一気に話が進み、
(目的)プライベートに時間を割いてもバリューが発揮することのできる人材になる
→短い時間でバリューが発揮できる人材への準備が必要
(手段1)→twitterの発信を始め、フォロワーの増加を目指す。結果、1つの発信で多くの採用候補者が集められるようになる。
というように、自分のストーリーを1つずつ計画立てていきました。
自分の目指す像をしっかりと定めた上で、今やるべきことまで腹落ちして行動できるので、凄く働きがいを感じています。
編集後記
今回の小林さんへのインタビューを通じて感じたのは、代表平野さんの「オンリーストーリー」という言葉に懸ける想いでした。
それほどまでに代表の方の想いは強く、その想いを行動に移しつつ組織に浸透させているのだと思います。そして、従業員への理念浸透としてもう1つ大切にされているのは行動指針をとにかく浸透させること。本当に勉強になりました。
オンリーストーリーさんが掲げるもう1つの目標「強くて、良い会社、つよいい会社」。その会社実現のために今後どのような施策をオンリーストーリーさんが打っていくのか。目が離せません。
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