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「バリューが背中を押す存在になれば嬉しい」。現場のメンバーに浸透するバリュー改定までの道のり

ビジョンやミッションを達成するための行動基準や判断基準となるバリュー。どのような内容にすればいいのか、どのように進めていけばいいのかと悩まれている方もいるのではないでしょうか。

今回は2022年の10月に新しいバリューを改定し、社内に発表したFlat Holdings株式会社 人事戦略本部の大西さんに、バリュー改定の道のりについてお話を伺いました。

Flat Holdings株式会社 大西 靖之

Flat Holdings株式会社
大西 靖之

インタビュイー

Flat Holdings株式会社 人事戦略本部 部長
2014年、新卒一期生としてFlat Holdings株式会社(当時:CALLFORCE株式会社)に入社。テレマ事業での経験を経て、新規事業立上げの責任者や法人営業部 部長に就任。 2022年からは人事戦略本部 部長も兼務し、「採用・定着・育成・配置」の人事観点からの事業推進を行う。

インタビュアー

2019年よりフリーランスライター・編集者・Webメディアディレクターとして活動。前職ではベンチャー企業のメディア事業部に在籍し、Webマガジンの副編集長としてWebメディアの運営・企画やライターマネジメントに従事。

現在は、ourly magazine編集部にてコンテンツ企画やインタビュー、ライティングを担当している。

目次

ビジョン・ミッションの達成につながるバリューを

——本日はよろしくお願いします。まずは今回改定されたバリューについて教えてください。

大きく分けて3つのジャンルがあり、それぞれに3つずつの要素があります。以下の通りです。

  1. Unique
    1. あえてやろう
    2. 「 」(空白)
    3. 磨く
  2. Professional
    1. 自律
    2. 即行動
    3. 120%
  3. Innovative
    1. ポジティブ
    2. No Limit
    3. シナジー
Flat Holdingsさんが制作したvalueのロゴ

——このようなバリューを改定されたのは、どのような背景からですか?

2つ理由があります。1つ目は、2020年にマネジメントバイアウトをしたからです。

弊社は前社長の時代に大きく成長しました。その反面、組織として大事にしたかった価値観の統一ができず、理想としていた組織とは程遠くなってしまったと思っています。そこから、社長も代わり、ホールディングス化したことを機に、新しいバリューを策定することにしました。

2つ目は、ホールディングス化したとはいえ、1社ごとの独立性を重視したかったからです。グループミッションの「唯一無二への挑戦」にも込められた想いで、僕らじゃなきゃできない価値を提供できる会社にそれぞれをしたかった。そうなったとき、グループとして何を統一するべきかを考えました。

それが「フラットな社会へ」というビジョンだという結論に至ったのですが、現場で働く人たちには浸透しづらいように思えて。だから現場で働く人たちが普段から意識できるような価値観をバリューとして言語化し、それを大切にしていった延長線上にビジョン・ミッションの達成があるようにしたいと思ったんです。

とはいえ、言語化することは容易なことではなかったので、バリューを決めるまでに1年以上の時間を要しました。

コアメンバーと現場メンバー間のギャップを埋めていく

——どのようなフローでバリューを決めていったのでしょうか。

以前ビジョンを改定した際、最終的に改定が完了するまで足掛け3年ほどかかりまして……。最初の2年間、役員メンバーだけで話し合いを重ねた結果、失敗してしまった経験があります。失敗の原因は、役員の中に会社の歴史を知らないメンバーがいたことにあると思っています。

その反省も踏まえてバリューを策定する際は、役職に関わらず、会社の歴史を知るメンバーをコアに据えました。現場で働いて、会社と共に成長してきたメンバーたちです。

そして、コアメンバーで絶対に外せないバリューの核を決め、現場で活動する人事メンバーにバトンタッチ。「どんな言葉にすると伝わる?」「違和感のある価値観はある?」とヒアリングしていきました。ヒアリングした内容を再度コアメンバーに戻して、改変して、また現場におろしてヒアリング。これを繰り返していきました。

——コアメンバーと現場で働く人たちとの間に生じたギャップを埋めていったわけですね。

そうですね。ギャップを埋めていくことが一番大変だったように思います。

今回僕たちは「現場に浸透するバリューを決めること」を目的に据えていたので、それを常に共有し合っていました。どれだけコアのメンバーが良いと思った言葉や価値観であっても、現場に浸透しない場合は不採用。そうすることで、建設的な議論を交わすことができました。

社内メンバーの行動や価値観の変化のきっかけに

——実際にバリューを改定されてから、社員の方々からはどのような反応がありましたか?

バリューを社内に発表するタイミングで40分ぐらいの動画を作ったんです。会社の歴史を再現ドラマを用いて深ぼりつつ、どのような経緯があって、バリューが生まれたのかを紹介するような内容になっています。その動画はとても好評でした! 

動画の中には幹部メンバーのインタビューパートも入れました。そこで幹部メンバーには「整えて変に綺麗に話すよりも、繕わず赤裸々に話して下さい」とお願いしました。ポジティブでキレイな言葉よりも挫折や苦労など一見ネガティブだと捉えられる話のほうが共感や親近感を持ってもらえると思ったんです。

——人間らしさが全面に出ている動画にしたのですね!

はい。動画に対してのアンケートをとったら、「エモい」という感想がたくさんありました。アンケートに「エモい」って書けちゃうのが弊社らしいというか、いい会社になりそうだと思いましたね(笑)。

——動画の制作以外にも、何か施策は行ったのでしょうか?

ロゴを作成しました。これはバリューを浸透させる役割を担う人たちがやりやすい状況を作ることを目的に行った施策です。

例えば「このロゴかっこよくない?」と社内で話題になれば、浸透させる側は話がしやすいですよね。現在は紙にロゴをプリントして、社内のさまざまな場所に貼っています。また月に1回色を変えたりすれば「なんか色が変わったよね」と話題になるのではと画策しています。

ロゴのデザインは、「Tシャツに印字されていたら古着屋でパッと見て買うレベル」というのを意識して作りました。1,000円ぐらいで売っていれば「あ、これいいじゃん、買おう」ぐらいの……(笑)。

——今回改定したバリューを通して、フラットが目指す理想の姿を教えてください。

まずは弊社で働く人々の変化のきっかけになればいいなと思っています。例えば、業務上で何かしら選択を迫られたときに、困難な道を選ぶために「あえてやろう」というバリューが背中を押してくれる存在になったら嬉しいですね。

ただ、共感しきれないバリューも今後出てくると思います。

そこで「もっとこうしていきたい」という人たちが出てきたら、それはきっと世代交代のタイミング。ぼくはもちろん人事としての熱意はあって、引き続きやっていきたいと考えていますが、次のリーダーの人たちが出てくる方が組織にとっては重要です。

今回のバリュー改定がそのきっかけになれば嬉しいです。

バリューは役員が決めるものだというイメージが現場メンバーにはあると思います。大西さんのおっしゃるように「現場メンバーに浸透するため」という目的を持って、バリューを策定していくことが重要なのだと感じました。

バリューを意識し、体現しようと努めることで、現場メンバーのパフォーマンスにも良い影響が出てくるのではないでしょうか。バリューが浸透し、フラットさんで働く方々にどのような変化が起こるのかが楽しみです。大西さん、ありがとうございました!

writer:Junpei Sato:
interviewer:Sachi Kagayama:
editor:Nozomu Iino:
photographer:Flat Holdings inc.
designer:Akari Iguchi

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