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4度の上場を経験した広報のプロに、広報の本質を聞いた

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社内広報というと、「社外広報に比べて優先度が低い」「発信してもどうせみんな読んでくれない」と思われている方も多いのではないでしょうか。

今回のインタビューは「プロフェッショナル広報の仕事術―経営者の想いと覚悟を引き出す」著者の高場 正能さん。

35年以上広報畑を歩んで来られた高場さんの提唱する「経営広報」という考え方は、これまでの広報とは一線を画しています。
特に社内広報の役割に従来の広報とは大きな違いがあり、社内広報の意義を考えるうえで必要な要素がぎゅっと詰まっているものでした。

経営広報とはどのようなものか。経営広報において社内広報はどんな役割があるのか。
広報の本質にも迫るお話を、高場さんにお伺いしました。

インタビュイー:高場 正能さん

高場経営広報舎代表。1985年リクルート入社。翌年リクルートコスモス(現 コスモスイニシア)の広報立ち上げ以降、一貫して広報業務に従事。カルチュア・コンビニエンス・クラブ、ゴルフダイジェスト・オンライン、ベルシステム24などの広報責任者を務め、4度の上場、経済社会を揺るがす事件、企業変革等を広報の立場で多数経験した。現在はADワークスグループの広報室長を務めながら、並行して高場経営広報舎を立ち上げ、「経営広報」のアドバイザリー/専任コーチ業務をおこなっている。
高場経営広報舎:https://keiei-kouhou.jp/

目次

経営広報とは経営者の一挙手一投足を感じ取り、代弁者となること

――本日はよろしくお願いいたします。早速ですが経営広報とは何かあらためて教えてください。

一言で言うと経営者のふるまい、考え、思いをステークホルダーに伝えていくこと、だと思います。
「広報=メディア対応」という固定観念を外し、経営者の一挙手一投足を拾い上げ、さまざまな手段で思いを言語化して伝える、これが私が長年広報を続ける中で行きついた広報の考え方で、それを『経営広報』と呼ぼうと決めました。
メディア対応というのは手段であり、その上流には経営者の思いがあると考えています。

そもそも私は、「広報は本来経営者の仕事」である、と思っているんですね。経営者の行動そのものが全て広報なんですよ。

例えば社長が自社の店舗に毎朝商品の陳列を見に足を運ぶ、あるいは社内でも経営会議でどういう方向感の話をどんな語気で語った、など小さな行動一つ一つが経営者の理念、思いを投影している。
だから経営者の一挙手一投足、あるいは一言一句がもうそのまま広報なんです。

とはいえ実際には、「では社長、広報業務をお願いします」というわけには行かず、広報部門に権限を委譲します。

そこで、代理人として経営者が何を考えているのか、どんな方向に向かっているのかを察知し、推測し、つなげ合わせ、対外的に発信をしていく、これが経営広報の役割だと考えています。

経営広報に必要なスキルは「礼儀正しさ」と「言語化力」

――実際に経営広報をしていくために一番必要なスキルは何でしょうか。

一般的な広報ではメディアの方との繋がり方が上手だとか、明るいとか、説明が上手だとか、そういったものが広報の資質として挙げられると思います。

経営広報において私が求めるのは、礼儀正しさ。礼儀正しさと言ってもこうやってお辞儀をしなさいということではなく、アクションが早い・話し上手より聞き上手である・あるいはちゃんと相手のかゆいところに手が届く行動や言動が取れるといったことが礼儀正しさだと思います。

それに加えてやはり、経営者がどんなことを考えているのかっていうのをいつも考えてなきゃいけないので、言語化する力。

経営者にはアピールの上手な方もいらっしゃるでしょうし、あまり得意でない方もいらっしゃる。あるいは自分の考えを言葉にするのがすごく上手な方もいるし、そうでない方もいる。でも、どっちであったとしてもそれを私達は支えなきゃいけない。

言葉通りで受け止めるんじゃなくてその裏側とか、もっと大きな視点とか背景、言葉にならない思いを推理しながら把握しようとする、それを努力する力が必要ではないでしょうか。


――そもそも経営者や広報のトップの方が経営広報ではなく、広報=メディア対応、もしくは広報=無料のマーケティングと捉えている場合、経営広報を実践するのが非常に難しいと思うのですが、広報担当として何かできることはありますか。

正直、そういうお考えの経営者の中での広報の優先順位って、そんなに高くはないのはわかっています。

それでも「経営者の一挙手一投足がすなわち広報なんだ」という話をし続ける。それからこういう形で役に立てるというのを示し続ける。もちろん簡単なことではないですが、良いことをしているという信念をもって、言われなくてもいろいろやってみる、これに尽きると思います。

本にも書きましたが、そのような経営者の方がいらっしゃたら、ぜひこの本を渡してみてもらえると本を書いた甲斐があります。

高場さん著書「プロフェッショナル広報の仕事術―経営者の想いと覚悟を引き出す」はこちら

社内広報は経営広報においては「義務」である

――ここからは経営広報と社内広報の関わりについてお伺いします。社内広報と言うと社外広報よりも後回しになりがちですが、経営広報の中で社内広報はどのような役割を担っているのでしょうか。

私は、社内広報はすごく大事だと思っています。議論の余地なし、です。

経営広報は経営者の意思を常に伝え続けること。その伝える相手が社外なのか社内なのかの違いだけで重要度は変わらない。
むしろ社内広報は経営者・会社の「義務」だとすら思っています。

例えば、大きな組織変更があった場合には経営側の意図を伝える必要があります。あるいは決算が発表された際には業績に対する評価をフィードバックする必要がありますよね。業績は社員の方一人一人の行動の積み重ねですから。

手段としてはキックオフで喋るのか、イントラネットに書くのか社内報というメディアを通じてするのか、社長が直々に部署に行って喋るのかやり方はどれでもいいんです。

それを自分の言葉で社員に聞かせてあげる、理解してもらう努力をする義務がある。

そうすることで働き甲斐や働きやすさの原点になる、納得感にもつながってくると考えています。


――なるほど、社内広報は義務ですか。ただ、実際のところこれが出来ている会社様はすくないのでは、と思ってしまうのですが…

確かに多くはないと思いますが、私が携わってきた会社では何らかの形でそれなりにやってきていましたし、今もやっています。

キックオフの度に社長にメッセージしてもらったり、さらには経営理念を私主導で作ったりもしました。それでももっとできることはあるなっていうのは、常々思いますね。

私も手が足りなかったり、タイミングを逸してしまったりで、反省しきりなんですけど、もっとやるべきことはあると感じています。


――経営理念まで作られるんですね!

元々私は「この仕事はこの部署がやるべき」、という縦割りの感覚が希薄なんです。

だから上手くできる人が、やればいい。

それに経営理念を作るというのは会社の価値を一つ社内外にアウトプットしていく仕事ですから、その、コアを自分で作るっていうのは、やっぱり思い入れがあります。

会社の価値を言語化して、誰も疑う余地のない形にして残す。

これは会社の価値が時空を超えて伝わるためには絶対に必要なことなんです。

広報に正解は無い。経営広報は選択肢の一つ。

――ここまでお話しいただきありがとうございました。最後に広報担当の方にメッセージをお願いいたします。

こんな本を書いたからといって、私が考える経営広報が全て正しいんだとか、あるいは今までの広報は経営広報にみんな変わるべきだとか、そんなことを言うつもりは全くないです。

それから私のように、職業人としての人生を捧げるほど広報をやるべきなんていうのも口が裂けても言う気はない。

今も現役の広報室長を続けているのは、やっぱり広報っていう仕事にここまで連れてきてもらったっていう思いがあり、広報という仕事に感謝しています。そのため広報という仕事をもっと良い仕事にしたいし、もっと広報のステータスを上げたい。恩返しがしたいと思っています。

もしかしたら私の方が経験が長い分、広報に携わる皆さんが何か壁にぶつかったりしたらアドバイスができるかもしれないし、できないかもしれない。

なのでお互い高め合っていきましょう。

――本日はありがとうございました。

編集後記

終始、穏やかながらも熱のこもった口調でお話くださった高場さん。

広報に対する熱意と愛情を感じ、エネルギーをいただきました。
特に「社内広報は義務」という言葉は非常に印象的でした。

全てのステークホルダーに対して誠実に会社としての考えを伝えていく、これが広報の原点なのかなと感じています。

社内広報に関わる皆様の仕事に、少しでもプラスの影響があれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

ourly Magazineのライティング担当。

ライフワークでコーチングをやっており、相手の思いや信念を深堀りするようなインタビューが得意。

苗字は小さい猿と書いて「小猿」。日本に400人しかいないらしい。

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